JP2000079104A - 磁気共鳴イメージング方法 - Google Patents
磁気共鳴イメージング方法Info
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Abstract
ルスによって励起された不要領域のスピンからの信号に
よる偽像が関心領域に重畳するのを防止する。 【解決手段】プリサチュレーション用RFパルスを印加す
る際に印加位相を制御する。印加位相制御は、具体的に
は、(1)画像構成用信号に対する偽信号の位相が位相
エンコード毎にπ変化する、(2)画像構成用信号に対
する偽信号の位相が位相エンコード毎にランダムに変化
する、或いは(3)プリサチュレーション用RFパルスの
印加位相φが印加毎に次式にしたがって変化する、 φk=φk-1+k×Δφ (式中、kはプリサチュレーション用RFパルス印加回
数、Δφは任意の角度である。)ような制御とする。こ
れにより、プリサチュレーション用RFパルスによって励
起された不要領域のスピンが発生する偽信号は、関心領
域の画像に重畳することがなく、したがって診断の障害
とならない効果がある。
Description
「NMR」と略記する)現象を利用して被検体の所望部位
の断層画像を得る磁気共鳴イメージング(以下「MRI」と
略記する)方法に関し、画像構成用信号を取得するため
のパルスシーケンスの実施に先立ち、所定の高周波磁場
パルス(以下、RFパルスという)および傾斜磁場パルス
を印加することにより、診断の障害となる領域の信号を
抑制する方法(プリサチュレーション法)において、該
不要領域の信号を良好に抑制するために好適な方法に関
する。
中の動きや流れなどに影響を受けやすく、これらの影響
を受けることにより、偽像を生じることが知られてい
る。このような偽像は診断の障害となるため、これらを
低減あるいは抑制する方法が提案されている。
リサチュレーション(Pre-saturation)と呼ばれる手法
がある。この手法では、図2(a)に示すように、関心領
域20内の人体21の一部に診断の障害となるアーチファク
トを発生する領域(不要領域)22があるとき、そこから
の信号を抑制するために、画像構成用の信号を取得する
ためのパルスシーケンス(本計測)の実施に先立ち、そ
の領域22を含むスライスまたはスラブ23(図2(b))を
選択してRFパルス(プリサチュレーション用RFパルス)
を印加する。このRFパルスの印加終了後、領域23のスピ
ンは励起された状態から初期状態へと緩和(回復)を始め
る。本計測におけるスピン励起用RFパルスを印加すると
きに、この回復途中の領域23のスピンの縦磁化成分が0
となるように、プリサチュレーション用RFパルスのスピ
ン励起角度を設定する。これにより、本計測において領
域23のスピンは横磁化成分を生じず、信号を発生せず、
領域23の信号が抑制された画像を得ることができる。
レーション手法では、本来領域23からの信号は発生しな
いはずであるが、領域23のスピンもまた本計測のパルス
シーケンスにおいて印加される傾斜磁場パルス印加パタ
ーンによって傾斜磁場の印加方向(3軸方向)に位相の
変化を生じる。この位相の変化により、3軸方向につい
てそれぞれ拡散、収束した場合、本計測の信号計測時に
領域23からの信号(以下、偽信号という)が混入し、本
計測により得た画像上に偽像が生じる場合がある。
計測のパルスシーケンス((a)〜(d))を位相エン
コード量を変化させながら繰り返した場合の領域23の各
傾斜磁場方向の位相変化を(e)〜(g)に示したもの
である。同図からもわかるように最初の繰り返しにおい
て、領域23のスピンはプリサチュレーション用RFパルス
4101により励起された後、続くGx、Gy、Gz方向の
傾斜磁場パルス4103〜4112により、その印加量に応じた
それぞれ位相変化を生じ、次の繰り返しでプリサチュレ
ーション用RFパルス4201によりスピンが反転した後、さ
らにGx、Gy、Gz方向の傾斜磁場パルス4203〜4212
により、印加量に応じた位相変化を受ける。その結果、
図示するように2番目の読み出し方向の傾斜磁場4211の
印加時点で、ほぼ3軸方向のスピンの位相変化が0また
は位相エンコード方向(Gy方向)では1エンコードス
テップ分となるため、本計測の信号とともに領域23から
の信号、即ち偽信号が計測されることになる。
シーケンスサイクルでプリサチュレーション用RFパルス
により励起された信号が重畳し、かつ重畳する信号は全
ての位相エンコードに対して同一の位相エンコード量
(Gy方向の位相回転量変化がない)を有する。このよ
うな機序によって生じる偽信号が重畳した場合の画像
は、図2(b)に示すようにプリサチュレーション適用
領域23の内部でかつ位相エンコード方向の直流成分(あ
るいは中心周波数)に相当する場所に線状の偽像24が重
畳する。
る偽信号を抑制し、画像上の偽像を良好に低減すること
を可能とするプリサチュレーション法を提供することに
ある。
に、本発明ではプリサチュレーション用RFパルスの印加
位相を制御することにより、プリサチュレーション用RF
パルスにより励起されたスピンからの信号が画像内に重
畳することを抑制する。即ち、本発明のMRI方法は、被
検体の特定の領域(不要領域)からの信号を抑制するた
めにその領域を選択して励起するプリサチュレーション
用RFパルスを印加するステップと、被検体の画像化すべ
き領域(画像化領域)の原子核スピンを選択的に励起す
る高周波パルスを印加するステップと、前記原子核スピ
ンを位相エンコードする傾斜磁場を印加するステップ
と、前記被検体の原子核から生じる核磁気共鳴信号を計
測するステップとを前記位相エンコード傾斜磁場の大き
さを変化させながら繰り返し、前記画像化領域の画像を
再構成する磁気共鳴イメージング方法において、前記プ
リサチュレーション用RFパルスの印加位相をその印加毎
に制御することを特徴とする。
態様によれば、第i位相エンコードおよび第(i+1)位相
エンコードにおいて計測された核磁気共鳴信号のうち、
前記画像化領域からの信号(以下、本計測信号という)
S1(i)、S1(i+1)の信号間位相差をφ1(i)、前記特定の領
域からの信号(偽信号)S2(i)、S2(i+1)の信号間位相差
をφ2(i)としたとき、次式(1)の関係を保つようにプ
リサチュレーション用RFパルスの印加位相を制御する。
れば、本計測信号S1(i)、S1(i+1)の信号間位相差φ1(i)
と、偽信号S2(i)、S2(i+1)の信号間位相差φ2(i)が、次
式(2)の関係を保つようにプリサチュレーション用RF
パルスの印加位相を制御する。
nd(i)<2πを満たす角度を表わす) さらに本発明による印加位相の制御方法の第3の態様に
よれば、前記各ステップの繰り返しのk番目および(k+
1)番目の繰り返しで計測された核磁気共鳴信号のうち、
偽信号S2(k)、S2(k+1)の信号間位相差をφ2(k)としたと
き、 φ2(k)=φ2(k-1)+k×Δφ (3) (式中、Δφは任意の角度を表わす)の関係を保つよう
に制御する。
リサチュレーション用RFパルスにより励起された不要領
域内に存在するスピンからの信号が本計測の信号に混入
してきても、画像内に高信号の偽像として結像しない
か、結像しても画像に影響しない場所に現れるようにす
る。これにより偽信号による診断の障害を除去できる。
て本発明を説明する。
を示す図で、このMRI装置は被検体401が置かれる空間に
均一な静磁場を発生する電磁石あるいは永久磁石を備え
た静磁場発生磁気回路402と、この静磁場に重畳して3
軸方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生系403と、被
検体の組織を構成する原子核の原子核スピンを励起する
高周波磁場を発生する送信系404と、この高周波磁場の
印加によって被検体に生じる核磁気共鳴信号を検出する
検出系405と、これら傾斜磁場発生系403、送信系404お
よび検出系405を所定のパルスシーケンスに従って制御
する制御系(シーケンサ407、コンピュータ408)と、検
出系405で検出された信号をもとに画像再構成のための
計算を行なうコンピュータ408および信号処理系406と、
計算された結果である画像を表示する表示部(ディスプ
レイ)428とを備えている。
にそれぞれ傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル409とそ
の電源410からなる。
るシンセサイザ(高周波発生回路)411と、変調器412
と、プリアンプ413と、照射コイル414aとを備え、シン
セサイザ411から発生した高周波信号を、制御系の制御
によるタイミングで変調器412で変調して、プリアンプ4
13を介して照射コイル414aに送る。これにより所定のエ
ンベロープの高周波磁場(RF)パルスが照射コイルより
被検体に印加される。
振器の発生する高周波を所定のタイミングで送出するデ
ィレイ回路を備え、このディレイ回路の遅延量は制御系
によって制御される。これによりシンセサイザ411から
発生する高周波信号の位相を制御することができ、その
結果照射コイルから任意の位相のRFパルスを発生するこ
とができる。
15と、直交位相検波器416と、A/D変換器417とを備え、
受信コイル414bで検出した被検体からの核磁気共鳴信号
(高周波磁場)は増幅器415を介して直交位相検波器416
で2系列の信号として検出され、A/D変換器417によりデ
ジタル信号に変換されてコンピュータ408に送られる。
フーリエ変換等の演算を行ない被検体の画像を再構成
し、ディスプレイ428に表示させる。この演算途中のデ
ータや演算結果は信号処理系406の記憶装置424〜427に
収納される。
系403、送信系404、検出系405を制御する制御系として
も機能し、シーケンサ407に指令を送り、傾斜磁場発生
系、送信系および検出系の駆動タイミングを所定のパル
スシーケンスに従い制御し、所望の撮影法による撮影を
行なう。本発明においては、プリサチュレーション法を
採用した撮影を行ない、この際、RFパルスの位相を制御
することによって、偽像の抑制を行なう。
図3を参照して説明する。
チュレーション法のパルスシーケンスは、従来のプリサ
チュレーション法のパルスシーケンスと同様であり、例
えば図3に示すように、本計測33に先立って不要な領域
からの信号を抑制するためにRFパルス31および傾斜磁場
35、32を印加する。ここで傾斜磁場35は、図2(a)に示
す不要な領域22を選択する傾斜磁場で、図示するように
Gy、Gz方向の傾斜磁場を印加することにより、領域22を
含む紙面に垂直な方向のスラブ(領域)23(図2(b))
を選択的に励起することができる。またRFパルス31照射
後に印加される傾斜磁場32は、励起されたスピンの位相
を拡散して、さらにそのスピンからの信号を抑制するス
ポイル傾斜磁場である。
が、ここではグラディエントエコー(GrE)系のシーケ
ンスが例示されており、まず画像化しようとする断面を
選択する傾斜磁場Gx36とともにRFパルス34を印加し、次
いで位相エンコードのための傾斜磁場Gy37および読み出
し方向の傾斜磁場Gz38を印加した後、信号計測のために
読み出し方向の傾斜磁場Gz39を印加しながらエコー信号
を計測する。読み出し方向の傾斜磁場Gz38はエコー信号
のピーク位置を調製するための予備パルスである。
単位として、位相エンコード方向の傾斜磁場Gy37の強度
を変化させながら繰り返し、1枚の画像を再構成するの
に必要な数のエコー信号を計測する。
うなパルスシーケンスに従った撮影を行なう際に、RFパ
ルス31、RFパルス34および計測されるエコー信号の位相
を繰り返し毎に制御し、本計測によって励起された領域
からの信号(以下、単に本計測の信号という)の位相に
対し、不要領域からの信号(偽信号)の位相が特定の関
係となるように制御する。
リサチュレーション用RFパルス31の印加位相を特定の位
相Ph1に設定し(11)、印加する(12)。次に本計測33
のRFパルス34の印加位相を特定の位相Ph2に設定し(1
3)、印加する(14)。これらRFパルスの位相の設定
は、既に述べたようにシンセサイザにおける高周波の発
生タイミングを制御することにより、制御することがで
きる。また信号計測の位相をPh3に設定し(15)、信号
を計測する(16)。信号計測の位相は、直交位相検波器
における検波の基準信号の位相を制御することにより設
定することができる。このような位相制御のステップ11
〜16を同一位相エンコードにおいて必要な加算が終了す
るまで繰り返し(17)、その後位相エンコード量を変化
させて、全位相エンコードの計測が終了するまでステッ
プ11〜17を繰り返し(18)、撮影を終了する。
測の信号を計測する際に、偽信号が混入してきても、そ
れら偽信号が結像しないか、結像しても画像に影響しな
いように制御される。
印加位相制御方法の具体的な実施例を説明する。
けるプリサチュレーション用RFパルスの印加位相制御方
法を示した図であり、図5と図6は、それぞれ隣接する
位相エンコードの計測における位相制御フローを示して
いる。
ン用RFパルス31の印加位相をΦ1に設定する(601)。こ
の位相Φ1は任意の値とすることができる。この設定さ
れた位相でRFパルスを印加する(602)。次に本計測用R
Fパルス34の印加位相Φを0に設定し(603)、本計測用
RFパルスを印加する(604)。信号計測の位相Φを0に
設定し(605)、信号を計測する(606)。この601〜606
までの処理を同一位相エンコードで必要な信号加算が終
了するまで繰り返し(607)、信号加算の終了後、画像
構成に必要な全ての位相エンコードに対応する信号計測
が終了していれば処理を終了する(608)。全ての位相
エンコードでの信号計測が終了していない場合、次の位
相エンコード量(i+1)を設定し(609)、図6の処理61
1へと進む。
チュレーション用RFパルス31の印加位相を(Φ1+π)に設
定し(611)、設定された位相でRFパルスを印加する(6
12)。続くステップ613〜617で、本計測用RFパルスの印
加位相Φを0に設定して印加すること、信号計測の位相
Φを0に設定して計測することは、前の計測(図5)と
同様である。この計測においても必要な加算が終了する
までステップ611〜616を繰り返し、加算終了後、全ての
位相エンコードでの信号計測が終了していない場合(61
8)、次の位相エンコード量を設定し(619)、図5の処
理601へと進む。次のサイクルにおいて処理601で設定さ
れるプリサチュレーション用RFパルスの印加位相Φ1
は、最初に設定した値と同じとする。
よび信号計測の位相をともに常に0に設定すると共に、
プリサチュレーション用RFパルスの印加位相を隣接する
位相エンコード間でπずつ変化させることにより、本計
測の信号は全ての位相エンコードに対して一定の位相と
なるが、プリサチュレーション用のRFパルスによって励
起された偽信号の位相は隣接する位相エンコード毎に18
0°反転する。
位相エンコードにおいて計測された隣接する2個の画像
構成用信号の信号間位相差をφ1(i)、隣接する2個の偽
信号の信号間位相差をφ2(i)としたとき、次式(1) φ1(i)-φ2(i)=φ1(i+1)-φ2(i+1)+π (1) の関係が保たれることになる。
周波数すなわち画像端に位置する。この偽信号はまた既
に述べたように全ての位相エンコード量に対して常に同
じ量の位相回転量を受けるため、この偽信号による偽像
は画像再構成により画像の最端位置に線状に現れる。従
って偽信号による偽像は画像内部には重畳せず、診断の
障害となることはない。
印加位相Ph2および信号計測の位相Ph3をともに0に設定
する場合を説明したが、MRIにおいては、RFパルスの印
加位相Ph2および信号計測の位相Ph3は例えば一方を0と
し、他方をπとするなど種々の組合せが可能であり、本
実施例はそのいずれの組合せであっても実施できる。即
ち、本実施例においては隣接する2つの異なる位相エン
コードの計測における本計測用RFパルスの位相の変化と
プリサチュレーション用RFパルスの位相の変化とが式
(1)の関係を満たしていればよいので、RFパルスの印
加位相Ph2に対し式(1)の関係を満たすようにプリサ
チュレーション用RFパルスの印加位相Ph1を設定するこ
とにより、本実施例と同様の効果を得ることができる。
相エンコードではプリサチュレーション用RFパルスの印
加位相は一定(Φ1またはΦ1+π)である場合を説明し
たが、加算によるパルスシーケンスの繰り返しにおい
て、連続して計測される偽信号を互いに打ち消すような
プリサチュレーション用RFパルスの印加位相の制御を付
加してもよい。即ち、例えば2回加算で計測する場合、
最初の計測における偽信号と次の計測における偽信号の
位相が反転するようにプリサチュレーション用RFパルス
の印加位相を制御することができる。この場合にも隣接
する位相エンコードの計測における本計測信号の位相差
と偽信号の位相差の関係は式(1)の関係を保つように
する。これにより、偽像が画像端部に現れるようにする
効果に加え、偽像そのものの低減効果を得ることができ
る。
の実施例では、プリサチュレーション用RFパルスの印加
位相を、本計測の画像において偽信号による結像を生じ
ないように制御する。図7は第二の実施例におけるプリ
サチュレーション用RFパルスの印加位相制御方法を示し
た図である。
ルス用RFパルスの印加位相をランダムな値Φrndに設定
する(71)。この設定された位相でRFパルスを印加する
(72)。以下のステップ73〜77において本計測用RFパル
スの印加位相Φを0に設定し、印加すること、信号計測
の位相Φを0に設定して信号を計測することは図6に示
す実施例と同様である。このプリサチュレーションパル
ス用RFパルスの印加(72)から信号計測(76)までのス
テップを必要な信号加算が終了するまで繰り返す。信号
加算終了後、次の位相エンコードを設定し(79)、新た
にプリサチュレーションパルス用RFパルスの印加位相を
ランダムな値Φrndに設定し(71)、必要な信号加算が
終了するまでステップ72〜77を繰り返す。以上の計測の
繰り返しを画像構成に必要な全ての位相エンコードが終
了するまで行う(78)。
ることにより、本計測の信号は位相エンコード毎に全て
一定の位相となるが、プリサチュレーション用のRFパル
スによって励起された偽信号の位相は位相エンコード毎
にランダムな値となる。即ち、第i位相エンコードの計
測における偽信号と第(i+1)位相エンコードの計測に
おける偽信号の位相差φ2(i)は、対応する本計測の信号
の位相差φ1(i)に対し、式(2)の関係となるように制
御される。
φrnd(i)<2πを満たす) この結果、再構成画像上では偽信号は位相エンコード方
向にランダムに散布される。従って、偽信号は画像内部
でまとまった高信号の偽像として重畳することはなく、
診断の障害となることはない。
位相および信号計測の位相をともに0にする場合を説明
したが、これらは前述の実施例と同様にMRIにおいて取
り得る任意の組合せとすることが可能であり、同様の効
果が得られる。
コードの計測(加算ループ内)ではプリサチュレーショ
ン用RFパルスの印加位相は一定である場合を示したが、
信号加算(77)の帰還ループをステップ71の前に戻し、
プリサチュレーション用RFパルスの印加位相が励起毎に
ランダムな値Φrndとなるように制御してもよい。この
ように印加位相を制御した場合にも図7に示す実施例と
同様の効果を得ることができる。
シーケンスの繰り返しにおいて、連続して計測される偽
信号を互いに打ち消すようにプリサチュレーション用RF
パルスの印加位相を制御してもよい。例えば2回加算で
計測する場合、最初の計測における偽信号と次の計測に
おける偽信号の位相が反転するようにプリサチュレーシ
ョン用RFパルスの印加位相を制御する。この場合にはプ
リサチュレーション用RFパルス印加のステップ(72)の
直前にこのような印加位相制御のステップを付加し、加
算(77)の帰還ループがこの付加されたステップの前に
戻るようにする。これにより、式(2)の関係による偽
像分散効果に加え、更に偽信号の低減効果を得ることが
できる。
ーション用RFパルスの印加位相制御方法を示した図であ
り、この実施例では、プリサチュレーション用RFパルス
によって励起された領域からの信号が、励起毎に漸次変
化(漸増或いは漸減)するようにプリサチュレーション
用RFパルスの印加位相を制御し、これにより偽信号が本
計測の画像でまとまった高信号の偽像として重畳するの
を防止する。
励起回数kを0に初期化し、同時にプリサチュレーショ
ン用RFパルスの印加位相Φ2を初期値Φ1に設定する。こ
のΦ1は任意でよい。次にプリサチュレーションパルス
用RFパルスの印加位相Φ2を次式(3')にしたがって設
定する(802)。
励起回数kを(k+1)とする(804)。その後のステ
ップ805〜808で本計測用RFパルスの印加位相Φを0に設
定して印加すること、信号計測の位相をΦ0に設定して
計測することは、第一、第二の実施例と同様である。
でステップ802〜808を繰り返すが(809)、この実施例
では励起毎にプリサチュレーションパルス用RFパルスの
印加位相Φ2は変化し、励起回数kが増加する度にφず
つ増加する。
コードでの信号計測が終了していない場合(810)、次
の位相エンコード量を設定し(811)、ステップ802〜80
9を繰り返す。画像構成に必要な全ての位相エンコード
に対応する信号計測が終了していれば処理を終了する。
測の信号の位相は一定であるのに対し、偽信号について
は次式(3)に示すようにk番目の励起後の計測と(k+
1)番目の励起後の計測で得られた隣接する2個の偽信
号の信号間位相差φ2(k)が常にk×Δφ変化することに
なり、 φ2(k)=φ2(k-1)+k×Δφ (3) (式中、 ただしΔφは任意の角度を表わす) このように位相制御された偽信号は、再構成画像上では
偽像として結像しない。従って診断の障害となることは
ない。
よび信号計測の位相は、MRIにおいて取り得る任意の組
合せとすることが可能であり、同様の効果が得られる。
シーケンスの繰り返し毎に位相エンコードを1エンコー
ドステップずつ変化させる場合を説明したが、本発明は
これに限定されない。また本計測のパルスシーケンスに
ついても、図3の33に示すグラディエントエコー法以外
のパルスシーケンスでも同様に実施することが可能であ
り、同様の効果が得られる。
れば、プリサチュレーション用RFパルスの位相を制御す
ることによって、プリサチュレーション用RFパルスによ
り励起された不要領域のスピンから発せられる偽信号
が、結像しても画像端に位置するか、或いは画像上で高
信号の偽像として結像しないようにするので、診断の障
害となることがなく、効率よく正確な診断を行うことが
できる。
の位相制御の手順を示す図
要部位を示す図で、(b)はプリサチュレーションによ
って抑制する不要領域を示す図
の一例を示す図
図
一部を示す流れ図
他の一部を示す流れ図
示す流れ図
示す流れ図
説明する図
Claims (4)
- 【請求項1】被検体の特定の領域からの信号を抑制する
ためにその領域を選択して励起するプリサチュレーショ
ン用高周波パルスを印加するステップと、被検体の画像
化すべき領域の原子核スピンを選択的に励起する高周波
パルスを印加するステップと、前記原子核スピンを位相
エンコードする傾斜磁場を印加するステップと、前記被
検体の原子核から生じる核磁気共鳴信号を計測するステ
ップとを前記位相エンコード傾斜磁場の大きさを変化さ
せながら繰り返し、前記画像化すべき領域の画像を再構
成する磁気共鳴イメージング方法において、前記プリサ
チュレーション用高周波パルスの印加位相をその印加毎
に制御することを特徴とする磁気共鳴イメージング方
法。 - 【請求項2】前記プリサチュレーション用高周波パルス
の印加位相の制御は、第i位相エンコードおよび第(i+
1)位相エンコードにおいて計測された核磁気共鳴信号の
うち、前記画像化すべき領域からの信号S1(i)、S1(i+1)
の信号間位相差をφ1(i)、前記特定の領域からの信号S2
(i)、S2(i+1)の信号間位相差をφ2(i)としたとき、 φ1(i)−φ2(i)=φ1(i+1)−φ2(i+1)+π の関係を保つように行うことを特徴とする請求項1記載
の磁気共鳴イメージング方法。 - 【請求項3】前記プリサチュレーション用高周波パルス
の印加位相の制御は、第i位相エンコードおよび第(i+
1)位相エンコードにおいて計測された核磁気共鳴信号の
うち、前記画像化すべき領域からの信号S1(i)、S1(i+1)
の信号間位相差をφ1(i)、前記特定の領域からの信号S2
(i)、S2(i+1)の信号間位相差をφ2(i)としたとき、 φ1(i)−φ2(i)=φrnd(i) (式中、φrnd(i)はiに対してランダムな値且つ0≦φr
nd(i)<2πを満たす角度を表わす)の関係を保つように
行うことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージ
ング方法。 - 【請求項4】前記プリサチュレーション用高周波パルス
の印加位相の制御は、前記各ステップの繰り返しのk番
目および(k+1)番目の繰り返しで計測された核磁気共鳴
信号のうち、前記特定の領域からの信号S2(k)、S2(k+1)
の信号間位相差をφ2(k)としたとき、 φ2(k)=φ2(k-1)+k×Δφ (式中、Δφは任意の角度を表わす)の関係を保つよう
に行うことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメー
ジング方法。
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