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JP2000077943A - 温度補償型水晶発振器 - Google Patents

温度補償型水晶発振器

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Publication number
JP2000077943A
JP2000077943A JP10244280A JP24428098A JP2000077943A JP 2000077943 A JP2000077943 A JP 2000077943A JP 10244280 A JP10244280 A JP 10244280A JP 24428098 A JP24428098 A JP 24428098A JP 2000077943 A JP2000077943 A JP 2000077943A
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chip
temperature
container body
container
crystal oscillator
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JP10244280A
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Hidefumi Hatanaka
英文 畠中
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=17116402&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2000077943(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP24428098A priority Critical patent/JP3406846B2/ja
Priority to US09/387,148 priority patent/US6229404B1/en
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  • Oscillators With Electromechanical Resonators (AREA)
  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ICチップに保持した温度補償デ
ータが安定的に維持でき、安定した温度補償動作が安定
的に行える温度補償型水晶発振器を提供する。 【解決手段】 本発明は、底面にキャビティー部10を有
し、少なくとも3層以上のセラミック絶縁層1a〜1dを積
層してなる容器体1 と、該容器体1 の表面側に実装され
た水晶振動子2 と、前記キャビティー部10に実装され、
且つ温度補償データを保持するICチップ3 と、前記容
器体1 の底面に前記ICチップ3 と接続するように配置
された外部端子電極11〜14とから成る温度補償型水晶発
振器である。そして、前記容器体1 の側面に、該容器体
1 の表面及び底面に達することがないIC制御用端子電
極15〜18が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば移動体通信機
器等に用いられる温度補償型水晶発振器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】水晶発振器は、移動体通信機器等に送受
信を制御する基準周波数を発生させる非常に重要な部品
である。このような移動体通信機器等に用いられる水晶
発振器は、移動体通信機器の小型化に伴い、容積を非常
に小型化しなくてはならない。
【0003】また、周囲の温度が激しく変動する環境で
使用しても、周波数が安定化するようにしなくてはなら
ない。
【0004】このため、後述の要求に対しては、水晶振
動子の固有温度周波数特性(例えばATカット厚み滑り
水晶振動子の場合には、3次の曲線で示めされる温度周
波数特性を有する)を、周囲の温度に対して周波数が平
坦化するための温度補償が行われている。
【0005】この温度補償を、小型で且つ高性能に行う
ために、発振インバータをはじめ、少なくとも、所定温
度に対する温度補償データを記憶させるメモリ機能、電
圧変換機能、バリキャップダイオード機能、制御機能が
集積化されたICチップを用いて、周囲の温度に対して
変動してしまう水晶振動子の発振周波数を、温度補償デ
ータに基づいて動作するバリキャップダイオードの容量
値を所定値に設定して、発振器全体としての発振周波数
を平坦化していた。
【0006】このような小型化及び高精度の温度補償を
達成する温度補償型水晶発振器としては、特開平10−
28024号に示すような温度補償型水晶発振器が提案
されていた。この温度補償型水晶発振器は、単板状基板
の底面に開口形状が矩形状の枠状脚部とから成り、底面
に開口が矩形状で凹部状のキャビティー部を有した容器
体を用いていた。そして、容器体の表面に水晶振動子
を、容器体のキャビティー部内に制御回路を夫々振り分
けて実装していた。
【0007】図6〜8は、その従来の温度補償型水晶発
振器を示す図である。
【0008】従来の温度補償型水晶発振器は、容器体5
1、矩形状の水晶振動子51、発振制御用回路を構成する
ICチップ52及び金属製蓋体54とから主に構成されてい
る。
【0009】この温度補償型水晶発振器では、単板状の
セラミック基板55に、単板状のセラミック基板55の底面
の周囲に形成した開口形状が矩形状の枠状脚部56を一体
的に形成した容器体51を用いていた。これにより、容器
体51の底面にキャビティー部57が形成される。
【0010】容器体51の表面とキャビティー部57の底面
を仕切る単板状のセラミック基板55には、表面側とキャ
ビティー部57とを導通するビアホール導体58が形成され
ており、その表面には金属製蓋体54を封止するための封
止導体パターン59が形成されている。また、キャビティ
ー部57の底面には、IC電極パッドを含む所定配線パタ
ーン60が形成されている。さらに、枠状脚部56の底面の
例えば一対の長辺側端辺に、夫々2つの外部端子電極61
〜64が形成されている。また、容器体1の一対の短辺の
端面には底面にまで延びる複数の凹み部を形成し、この
凹み部の内壁面に温度補償データ書き込み端子電極65〜
68が形成されている。
【0011】そして、この容器体1 の表面側に、水晶振
動子支持台69、70を介して短冊状の水晶振動子52が導電
性接着材71、72で導電的接合し、さらに、水晶振動子52
を気密的に封止するために封止用導体パターン59を用い
て概略皿状の金属製蓋体54を一体的に接合していた。
【0012】また、キャビティー部57には、ICチップ
53が実装されている。このICチップ53は、IC電極パ
ッドとバンプまたはボンディングワイヤを介して接続さ
れている。さらに、キャビティー部57内には充填樹脂73
が充填・硬化されている。これにより、ICチップ53が
完全に被覆され、耐湿性を向上させている。
【0013】上述の構造において、容器体51の表面に実
装した水晶振動子52は、ビアホール導体58、58を介して
ICチップ53と接続して、ICチップ53は所定配線パタ
ーン60・・・を介して外部端子電極61〜64、温度補償デ
ータ書き込み端子電極65〜68に接続されている。
【0014】このICチップ53と温度補償データ書き込
み端子電極65〜68は単板状セラミック基板55の底面側の
平面に延出する配線パターン60によって、また、ICチ
ップ53と外部端子電極61〜64は枠体状脚部56の内壁面を
利用し、また、枠体状脚部56の厚みを貫くビアホール導
体によって接続されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述の温度補償型水晶
発振器において、実装された水晶振動子52の固有温度周
波数は特性に応じて、個々のICチップ53に固有温度周
波数を平坦化するために温度補償データを供給しなくて
はならない。
【0016】この温度補償データは、製造工程でICチ
ップ53に書き込むが、実際に温度補償動作するには、プ
リント配線基板に実装された後である。
【0017】即ち、プリント配線基板に実装した後、I
Cチップ53に書き込んだ温度補償データが消去したり、
改変されては、温度補償型水晶発振器として全く機能し
ない。
【0018】上述の温度補償型水晶発振器では、ICチ
ップ53に書き込むための書き込み端子電極65〜68が、容
器体51の一対の側面に形成されている。しかし、実際に
は、書き込み端子電極65〜68は、容器体51の側面から底
面にかけて形成されている。
【0019】従って、温度補償データをICチップ53に
書き込んだ後、この温度補償型水晶発振器をプリント配
線基板に半田接合した場合、書き込み端子電極65〜68に
も半田付着し、また、外部から予期していない電位が書
き込み端子電極65〜68に印加され、ICチップ53の温度
補償データが消去したり、改ざんされたりしてしまう。
これは、書き込み端子電極65〜68が容器体51の側面に形
成されているものの、容器体51の底面にまで到達して形
成されているためである。
【0020】また、プリント配線基板上に実装するにあ
たり、書き込み端子電極65〜68の近傍に半田接合される
配線パターンや外部端子電極を排除すればよいが、容器
体51の形状が大きくなったり、プリント配線基板の引回
し自由度が大きく低下している。
【0021】本発明は、上述の問題点に鑑みて案出され
たものであり、その目的は、ICチップに実装した温度
補償データが安定的に維持でき、安定した温度補償動作
が安定的に行える温度補償型水晶発振器を提供すること
にある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、底面にキャビ
ティー部を有し、少なくとも3層以上のセラミック絶縁
層を積層してなる容器体と、該容器体の表面側に実装さ
れた水晶振動子と、前記キャビティー部に実装され、且
つ温度補償データを保持するICチップと、前記容器体
の底面に前記ICチップと接続するように配置された外
部端子電極とから成る温度補償型水晶発振器において、
前記容器体の側面に、該容器体の表面及び底面に達する
ことがない温度補償データを書き込むIC制御用端子電
極が形成されていることを特徴とする温度補償型水晶発
振器である。
【0023】
【作用】本発明では、温度補償に必要なデータ等を入力
したり、また入力可能な状態とするIC制御用端子電極
が、容器体の側面に形成されている。しかも、容器体は
少なくとも3層以上のセラミック絶縁層を積層してな
り、容器体の表面側のセラミック絶縁層及び底面側のセ
ラミック絶縁層には形成されていない。即ち、IC制御
用端子電極が、容器体の実装底面及び表面に到達するこ
となく、側面に独立して形成されている。
【0024】これより、温度補償型水晶発振器をプリン
ト配線基板の所定配線パターン上に半田接合しても、プ
リント配線基板の所定配線パターンと短絡することがな
い。
【0025】また、容器体の底面には、キャビティー部
と外部端子電極のみが存在することになり、プリント配
線基板に実装した後、殆ど使用することのないIC制御
用端子電極が存在しないため、容器体の平面形状の小型
化にも大きく寄与できる。
【0026】尚、IC制御用端子電極の構造としては、
表面側のセラミック絶縁層と底面側のセラミック絶縁層
によって挟持される他のセラミック絶縁層の端面(側面
となる)に、例えば半円形状の凹部を形成し、この凹部
の内壁面に導体膜を形成して構成するが望ましい。
【0027】このようにすれば、外的要因に導電性異物
がIC制御用端子電極に接触しようとしても実際には接
触されにくく、温度補償データの安定的な保持が可能と
なる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の温度補償型水晶発
振器を図面に基づいて詳説する。
【0029】図1は本発明の温度補償型水晶発振器の断
面図であり、図2は側面図であり、図3は蓋体省略した
状態の上面図であり、図4は充填樹脂を省略した状態の
下面図である。図5は、内部配線パターンを示す概略平
面図である。尚、図1は、図3のX X線断面を示して
いる。
【0030】尚、実施例の温度補償型水晶発振器とし
て、水晶振動子の温度周波数特性を平坦化する温度補償
動作を行う制御回路を具備した水晶発振器を例に説明す
る。
【0031】本発明の温度補償型水晶発振器は、上面
(以下、表面という)が平坦で且つ下面(以下、底面と
いう)側に凹部状キャビティー部が形成された概略直方
体状の容器体1、矩形状の水晶振動子2、制御回路を構
成するICチップ6及び2つの電子部品素子4、5、金
属製蓋体6及び充填樹脂7とから主に構成されている。
【0032】容器体1は、複数の略矩形状のセラミック
絶縁層1a、1b、異形状の開口を有する概略枠状セラ
ミック絶縁層1c、1dが一体的に積層されて構成され
ている。このセラミック絶縁層1a、1bによって、水
晶振動子2とICチップ3、電子部品素子4、5を仕切
る仕切部8 となり、また、セラミック絶縁層1c、1d
によって枠状脚部9 となる。この枠状脚部9 によって、
仕切部8 の底面に、該底面と枠状脚部9 とに囲まれた凹
部状のキャビティー部10が構成される。
【0033】そして、容器体1の底面の4つの隅部に
は、各々外部端子電極11〜14が形成されている。ま
た、容器体1の一対の長辺側側面には、ICチップ3に
必要な温度補償データや制御のため各種情報を書き込む
ための複数のIC制御用端子電極15〜18が形成され
ている。
【0034】容器体1の表面、即ち、仕切部8の表面に
は、その外周を取り囲むように封止用導体パターン19が
形成されており、また、容器体1表面の長手方向の一端
部寄りに水晶振動子2 と接続するための水晶振動子用電
極パッド20、21が並設されている。また、上述の水晶振
動子用電極パッド20、21上には水晶振動子2 を容器体1
の表面との間に所定間隔を形成するための接続バンプ2
2、23が形成されている。また、容器体1表面の長手方
向の他端部寄りに、水晶振動子2 の他方端部側を支持す
る保持用バンプ24が形成されている。
【0035】また、セラミック絶縁層1aには、水晶振
動子用電極パッド20、21と接続する2つのビアホール導
体25、26(尚、26は図では省略する)が形成され、セラ
ミック絶縁層1b には、キャビティー部10の底面に導出
する第2のビアホール導体27、28が形成され、さらに、
セラミック絶縁層1aと1bとの層間には両ビアホール
導体25と27、26と28とを接続する内部配線パターン29、
30が形成されている。
【0036】また、セラミック絶縁層1bの底面側主面
には、ICチップ3 と上述のIC制御端子電極15〜18と
を接続し、また、ICチップ3 と電子部品素子4 、5 と
を接続し、さらにICチップ3 、電子部品素子4 、5 と
外部端子電極11〜14と接続する各種配線パターン31・・
・が形成されている。尚、キャビティー部4の底面領域
に各種配線パターン31の一部を構成するIC電極パッド32
・・・、素子電極パッド33・・・が形成されている。
尚、第2 のビアホール導体27、28は、直接または所定配
線パターン31を介して、ICチップ3 の発振入力電極に
接続するが、同時に、キャビティー部10の底面には、こ
のICチップ3 の発振特性を個別に測定するためのモニ
ター電極パッド34、35が形成されている。
【0037】そして、容器体1 の内部には、一方端が表
面に、他端がキャビティー部10内に導出されるビアホー
ル導体25、内部配線パターン29、ビアホール導体27及び
ビアホール導体26、内部配線パターン30、ビアホール導
体28からなる導電経路が形成されることになる。
【0038】尚、外部端子電極11〜14の構造について
は、容器体1 の底面の4隅部に形成した平面部11a 〜14
a と、セラミック絶縁層1c、1dの4つの角部を厚み方向
に概略1/4 円形状の切り欠いた凹部の内壁に形成した端
面部11b 〜14b とから構成されている。また、グランド
電位の外部端子電極13は、容器体1 の表面に形成した封
止用導体パターン19と接続させ、金属製蓋体6 にシール
ド効果を達成させる必要がある。このため、グランド電
位の外部端子電極13に関しては図のようにセラミック絶
縁層1a〜1dの全てを貫通するビアホール導体及び配
線パターンによって、封止用導体パターン19と接続した
り、また、外部端子電極13の端面電極13aを容器体1 の
表面にまで延出して、封止用導体パターン19と接続す
る。
【0039】また、IC制御端子電極15〜18につい
て、セラミック絶縁層1a、1dには形成されておら
ず、セラミック絶縁層1a、1dに挟まれた中間層、例
えばセラミック絶縁層1b、1b部分の長辺の端面に形成さ
れている。従って、図2に示すように、IC制御端子電
極15〜18(図2では15、16)は、容器体1の側
面で底面及び表面に接することが一切ない。これは、表
面側に形成された封止用導体パターン19と短絡を避
け、また、プリント配線基板に半田接合した時、プリン
ト配線基板の配線パターンと短絡を避けるためである。
さらに、IC制御端子電極15〜18は、セラミック絶
縁層1b、1cの長辺側端面に凹み部を形成して、この
凹み部の内壁面に形成されていることが望ましい。これ
により、外部要因、例えば、温度補償型水晶発振器をプ
リント配線基板上に搬送する場合の搬送手段などの書き
込まれたデータが変動し、温度補償動作に誤動作が発生
しないようしている。
【0040】上述の容器体1は、セラミック絶縁層1a
〜1dとなるセラミックグリーンを用いて形成する。具
体的には、絶縁層1aとなる矩形状セラミックグリーン
に例えば第1ビアホール導体25、26となる貫通孔を形成
し、モリブデンやタングステンなどの高融点金属ペース
トで貫通孔を充填する。同時に、表面に水晶振動子用電
極パッド20、21となる導体膜、バンプ22〜24となる導体
膜、封止用導体パターン19となる導体膜を上述の導電性
ペーストの印刷により形成する。
【0041】また、絶縁層1bとなる矩形状セラミック
グリーンに第2 ビアホール導体27、28となる貫通孔及び
IC制御端子電極15〜18が形成される凹み部を形成し、
上述の高融点金属ペーストで該貫通孔を充填し、該凹み
部の内壁面に導体膜を形成する。同時に、このグリーン
シートのキャビティー部4の底面となる面に、IC電極パ
ッド32、素子電極パッド33、モニタ電極パッド34、35及
びIC電極パッド32、素子電極パッド33と各端子電極11〜
18とを接続し所定回路網を構成する各種配線パターン31
となる導体膜を形成する。
【0042】また、セラミック絶縁層1a又はセラミッ
ク絶縁層1bとなるグリーンシートのいずれかに、その
接合面に、第1 のビアホール導体25、26と第2 のビアホ
ール導体27、28とを接続する内部配線パターン29、30を
導体膜を、上述の高融点金属ペーストの印刷により形成
する。
【0043】また、セラミック絶縁層1cとなる異形状
の開口を有する枠状セラミックグリーンに、外部端子電
極の端面部11b 〜14b 及びIC制御端子電極15〜18とな
る切り欠け部及び凹み部を形成し、その内壁表面を上述
の高融点金属ペーストで外部端子電極の端面部11b 〜14
b 及びIC制御端子電極15〜18となる導体膜を形成す
る。
【0044】また、セラミック絶縁層1dとなる異形状
の開口を有する枠状セラミックグリーンに、外部端子電
極の端面部11b 〜14b となる切り欠け部を形成し、その
内壁表面を上述の高融点金属ペーストで外部端子電極の
端面部11b 〜14b となる導体膜を形成する。同時に、こ
のグリーンシートの底面となる面の4 隅部に概略矩形状
の外部電極端子の平面部 11a〜14a となる導体膜を形成
する。尚、概略矩形状の平面部11a は、端面部11b 〜14
b と導通するように4つの隅部の切り欠け凹部にまで延
出されるように形成される。
【0045】次に、このような各グリーンシートを積層
・圧着した後、焼成処理を行う。特に、容器体1の表面
に水晶振動子2 を実装し、キャビティー部10にICチッ
プ3を実装するためめ、両面の平坦度が重要である。圧
着工程においては、容器体1の表面を基準面としてプレ
スを行うが、キャビティー部10の底面領域にも均一な圧
力でプレスを行うために、例えばキャビティー部10に補
助充填部材を充填したり、また、プレス先端面が平坦な
上パンチが凸状の治具でプレスを行ったり、絶縁層1
a、1bと絶縁層1c、1dとを分けてプレスを行い、
その後両者をプレスにより圧着を行う。
【0046】次に、容器体1に表面に露出する外部端子
電極11〜14、IC制御端子電極15〜18、封止用導体パタ
ーン19、水晶振動子用電極パッド20、21、IC電極パッド
32・・・、素子電極パッド33・・・、モニタ電極パッド
34、35、各種配線パターン31、バンプ22〜24上にNiメ
ッキ、フラッシュ金メッキなどを施して、容器体1が達
成される。
【0047】これにより、容器体1 の内部に形成される
ビアホール導体25〜28及び配線パターン29〜31は、モリ
ブデンやタングステンなどの高融点金属導体からなり、
容器体1 の表面に露出される各電極11〜18、封止用導体
パターン19、各電極パッド20、21、32・・・、33・・
・、34、35及び各種配線パターン31は、高融点金属導体
上にNi層、金層の多層構造となる。
【0048】尚、グランド電位となる外部端子電極13と
封止用導体パターン19との接続構造によって、例えば、
セラミック絶縁層1a〜1dを貫くビアホール導体及び内部
配線パターンを、上述のビアホール導体形成及び配線パ
ターン形成時に同時に形成したり、また、例えばセラミ
ック絶縁層1a、1bの1つの角部のみにも、切り欠け部を
形成し、端面部13b を延出させるよう導体膜を形成すれ
ばよい。これは、グランド電位に限らず、例えば大きな
電流が流れ得る例えばVCC 端子電極11において、所定配
線パターン31に接続させるにあたり、セラミック絶縁層
1c、1dの1つの角部のみならず、脚部9 内にビアホール
導体を形成して、互いに接続させるようにしてもよい。
【0049】また、容器体1 の表面において、水晶振動
子用電極パッド20、21上に接続用バンプ22、23、他方端
部側に保持用バンプ24を、導電性ペーストの重ね印刷に
より形成したが、Ag粉末を含む導電性ペーストの塗布
・焼き付けやAg粉末を含む樹脂ペーストの塗布・硬化
などにより形成してもよい。また、接続用バンプ22、23
を所定高さとするために複数回の塗布を行えばよい。好
ましくは、容器体1の表面から接続用バンプ22、23の頂
点部分までの高さは、例えば15〜20μmであり、保
持用バンプ24の頂点部分までの高さは、接続用バンプ2
2、23よりも例えば5〜10μm程度低い値となってい
る。
【0050】さらに、封止用導体パターン19上に、概略
矩形状の金属枠体であるシールリング36を接合する。シ
ールリング36は42アロイ、コバール、リン青銅などから
なり封止用導体パターン19の形状に対応する構造となっ
ている。このシールリング35は封止用導体パターン19に
ろう付けによって接合されている。
【0051】上述のような容器体1 の表面には、水晶振
動子2 が配置されている。水晶振動子2 は、所定カッ
ト、例えばATカットされた矩形状の水晶板2aの両主面
に形成された振動電極2b、2c、該振動電極2b、2cから一
方他端部に延出された島状の引出電極部2d、2eとから構
成されている。尚、図3において下面側の振動電極2c及
び引出電極2eは点線で示す。この引出電極2d、2eは、水
晶振動子用電極パッド20、21と導電性接着材2f、2gを介
して接続するものである。
【0052】また、振動電極2b、2e及び引出電極2d、2e
は、水晶板2aの両面に下地としてCrやNi、表面層と
してAgやAuなどの導電性材料の蒸着、スパッタリン
グなどの薄膜技法により被着形成する。
【0053】容器体1 の表面側に実装された水晶振動子
2 は金属製蓋体6 によって気密的に封止されている。金
属製蓋体6 は、コバールや42アロイなどの金属材料か
らなり、例えば0.1mmの厚みであり、容器体1の表
面の封止用導体パターン19にろう付けされた枠状のシー
ムリング36と密接されて溶接・接合される。尚、金属製
蓋体6 の外表面側主面にはNi、アルミニウム等を被着
する。これは、溶接時にろう材が融け表面側主面に回り
込まないようにして、安定かつ強固な溶接時が結成でき
るようにするものである。
【0054】容器体1 のキャビティー部10の底面には、
制御回路を構成するICチップ3 が実装されている。I
Cチップ3 は、例えば3 次の曲線で示される固有温度周
波数特性による水晶振動子2 の周波数変動を、常温を含
む広い温度範囲で平坦化するように制御するのである。
具体的には、シリコンチップに周知のPNドープによ
り、発振回路を構成する発振インバータ、負荷容量成
分、帰還抵抗に加え、水晶振動子2 の固有温度周波数特
性を平坦化するために必要な温度補償データを保持する
メモリ部、周囲の温度検知する感温センサ部、バリキャ
ップダイオード、所定温度補償データに基づいて所定電
圧に変換してバリーキャップダイオードに供給するDA
変換手段、外部から書き込まれる信号をメモリー部に保
持するAD変換手段、これらの動作を制御するプロセッ
サー部どから構成されている。
【0055】このようなICチップ3 には、例えば、電
源電圧が供給されるVCC端子、グランド電位となるG
ND端子、水晶振動子2 と接続される水晶接続端子、発
振出力を行うOUT端子、外部から周波数の調整を可能
とするVCON端子、補償データ書き込みのために用い
る例えば4つの温度補償データ書き込み制御端子とを有
している。
【0056】ICチップ3 のVCC端子( 電源部) は、
所定IC電極パッド32、所定配線パターン31を介して外部
端子電極11に導出されている。また、OUT端子は、所
定IC電極パッド32、所定配線パターン31を介して外部端
子電極12に導出されている。
【0057】また、GND端子( 一種の電源部) は、所
定IC電極パッド32、所定配線パターン31を介して外部端
子電極13に導出されている。VCON端子は所定IC電極
パッド32、所定配線パターン31を介して外部端子電極14
に導出されている。また、2つの水晶接続端子は、所定
IC電極パッド32、所定配線パターン31やモニタ電極34(3
5)、導電経路を介して容器体1 の表面の電極パッド20、
21に各々導出されている。さらに、4つのデータ書き込
み制御端子は、所定IC電極パッド32、所定配線パターン
31を介して各々IC制御端子電極15〜18に導出されてい
る。
【0058】これらの各端子は例えばICチップ3 の実
装面上にアルミ電極として形成されている。尚、各アル
ミ電極上に金や半田などのバンプを形成しておき、上述
のIC電極パッド32・・・に超音波ボンディングや導電
性フィラーを用いたボンディングなどによって接合及び
接続される。尚、ICチップ6の上面側に各アルミ電極
を形成し、例えばボンディングワイヤを介してIC電極
パッド32・・・に接続しても構わないが、キャビティー
部10の形状が大きくならないよう留意する必要がある。
【0059】電子部品4 、5 は、例えばチップ状コンデ
ンサである。例えば、電子部品4 、5 は、一対の素子電
極パッド33、33間に、Ag粉末を含む導電性樹脂接着材
を介して接合される。
【0060】電子部品4 であるコンデンサは、ICチッ
プ3 とOUT 外部端子電極12との間で、一方がグランド電
位となるように接続される。これは、出力信号中にノイ
ズとなる直流成分を除去するものである。
【0061】また、電子部品5 であるコンデンサは、I
Cチップ3 とVCC 外部端子電極11との間に接続され、VC
C 外部端子電極11に供給される電源電圧に重畳する高周
波ノイズを除去するものである。
【0062】そして、キャビティー部10内には、このI
Cチップ3 と2つ電子部品4 、5 とがキャビティー部10
の形状に応じて、最も実装スペースを最小にするように
並設されている。
【0063】また、キャビティー部10には、上述のIC
チップ3 、電子部品4 、5 を強固に接合させ、また、耐
湿信頼性を向上させるために、充填樹脂7 が充填形成さ
れている。充填樹脂7 は、例えば、少なくとも2種類の
充填樹脂から成り、例えばキャビティー部10底面側に主
に充填・硬化される樹脂層7aと、該樹脂層7a上に充填・
硬化される樹脂層7bである。具体的に、キャビティー部
10の底面側に充填・硬化される収縮率が比較的大きい樹
脂材料で構成される。一般にアンダーフィル樹脂と言わ
れるエポキシ樹脂などの樹脂成分が多い材料である。こ
の樹脂層7aは、少なくともICチップ3 の上面を完全に
被覆する程度に充填・硬化されている。
【0064】即ち、ICチップ3 、電子部品4 、5 とキ
ャビティー部4の底面との間に充填された樹脂層7aの収
縮によって発生する応力によって、両者の接合強度が向
上する。しかも、ICチップ3 を完全に覆うように形成
された樹脂層7aの収縮によって発生する応力が、ICチ
ップ3 に向かって発生する。これにより、応力がICチ
ップ3 の上面側側からキャビティー部10の底面側に押し
つけるように働き、キャビティー部10の底面に接合した
ICチップ3 の接合強度が向上する。
【0065】また、樹脂層7bは、収縮応力の大きい樹脂
層7aによって、ICチップ3 や電子部品4 、5 を被覆す
る樹脂層7aの膜厚が薄くなってしまい、その結果、耐湿
性などが充分に得られないという問題を解消するために
充填・硬化されるものである。これにより、キャビティ
ー部10内に実装したICチップ3 や電子部品4 、5 の接
合強度が向上し、また、耐湿性信頼性が向上する。
【0066】尚、充填樹脂7 は、キャビティー部10の開
口面から突出させないようにする。
【0067】これは、温度補償型水晶発振器を安定して
プリント配線基板に配置するためである。
【0068】上述の構造の温度補償型水晶発振器では、
図4は充填樹脂を省略した状態の下面図に示すように、
ICチップ3 及び2つの電子部品4 、5 のみが、容器体
1 の底面側のキャビティー部10に実装されている。
【0069】図4ではICチップ3 が2つの電子部品4
、5 よりも平面形状が若干大きいものであるとして説
明している。
【0070】本発明では、ICチップ3 が2つの電子部
品4 、5 との省スペース化を配慮した配置構造及び容器
体1の底面構造、即ち、キャビティー部10の開口形状及
び外部端子電極11〜14の配置位置である。
【0071】1つのICチップ3 と2つの電子部品4 、
5 とを省スペース化して配置すれば、従来技術のよう
に、ICチップ3 及び2つの電子部品4 、5 とを全体配
置形状が矩形状となるように実装し、キャビティー部10
の開口形状も矩形状とすべきである。
【0072】しかし、従来技術のように、矩形状のキャ
ビティー部で複数のICチップ、電子部品を実装するた
めに、いたずらに大きくしてしまうと、キャビティー部
の周囲に形成する外部端子電極の形成位置、大きさに制
約が発生し、容器体の底面積を大きくするか、または、
外部電極端子を非常に小型化せざる得ない。
【0073】本発明では、ICチップ3 のような平面形
状が大きな部品を中心に、その周囲に形状の小さい電子
部品4 、5 を配置するようにキャビティー部10に実装し
ている。
【0074】具体的には、容器体1 の幅方向の中心線(
図面の左右に延びる線) に沿って、電子部品4 、ICチ
ップ3 、電子部品5 と配置している。上述の電子部品4
、5の形状が若干小さいため、電子部品4 、ICチップ
3 、電子部品5 の全体の配置形状が概略十字形状となっ
ている。
【0075】従って、キャビティー部10の平面開口( 底
面) 形状も、電子部品4 、ICチップ3 、電子部品5 の
全体の配置構造に略相似関係の概略十字形状となってい
る。
【0076】そして、容器体1 の矩形状の底面に対し
て、概略十字形状のキャビティー部10が形成されてお
り、容器体1 の矩形状の底面と十字形状のキャビティー
部10とによって形成される容器体1 の4つの隅部の領域
に外部端子電極11〜14が配置されている。
【0077】図4では、キャビティー部10は、隣接しあ
う2つ外部端子電極11と14との間の底面領域に、キャビ
ティー部10の一部が延出するように広がった張出部10a
を有し、例えば、電子部品5 が主に配置されている。
【0078】また、隣接しあう2つ外部端子電極12と13
との間の底面領域に、キャビティー部10の一部が延出す
るように広がった張出部10c を有し、例えば、電子部品
4 が主に配置されている。
【0079】尚、隣接しあう2つ外部端子電極11と12と
の間及び13と14との間の底面領域に、キャビティー部10
の一部が延出するように広がった張出部10b 、10d を有
している。この張出部10b 、10d には、ICチップ3 の
一部が配置されており、これにより、キャビティー部10
の全体形状、即ち、キャビティー中央部10e 、4つの張
出部10a 〜10d の形状の小型化を達成している。
【0080】以上のように、図4に示す容器体1の矩形
状の底面形状において、4つの張出部10a 〜10d 及び中
央部10e から成る十字状のキャビティー部10と、十字状
キャビティー部10のデッドスペースである4つの隅部で
外部端子電極11〜14を配置しているため、容器体1 の底
面全体では、全く無駄なスペースが存在せず、容器体1
のプリント配線基板への実装面積を非常に小型化するこ
とができる。
【0081】しかも、張出部10a と張出部10b とによっ
て形成される隅部にVCC電位が供給される外部端子電
極11を配置している。そして、張出部10a に配置する電
子部品5 を電源電圧に重畳される高周波ノイズ成分をカ
ットするコンデンサを用いれば、所定配線パターン31に
よる接続も非常に簡単になる。また、他の配線パターン
31の引回しの制約が解消される。
【0082】また、張出部10b と張出部10c とによって
形成される隅部に発振出力を行うOUT端子となる外部
端子電極12を配置している。そして張出部10a に配置す
る電子部品4を出力信号に重畳されるノイズ成分をカッ
トするコンデンサを用いれば、所定配線パターン31によ
る接続も簡単になり、また、他の配線パターン31の引回
しの制約が解消される。尚、張出部10b と張出部10c と
によって形成される隅部にグランド電位のGND端子と
なる外部端子電極13を配置しているため、ノイズ成分を
カットするため、一方端がグランド電位に接続されるコ
ンデンサ( 電子部品4)として非常に接続が簡単となる。
【0083】また、従来技術の水晶発振器では、小型化
のために、発振動作を制御する回路としてICチップ53
のみを容器体50の底面側キャビティー部57に実装してい
る。
【0084】本実施例では、ICチップに集積が困難な
大容量のコンデンサをもチップ状電子部品4 、5 とし
て、容器体1 のキャビティー部10に実装できる。このた
め、プリント配線基板に搭載する電子部品の部品数も減
少し、配線も簡単になり、移動体通信機等で要求される
小型化にも大きく寄与でき、しかも取り扱いも非常に容
易となる温度補償型水晶発振器である。
【0085】次に、上述の温度補償型水晶発振器の組立
方法を説明する。
【0086】まず、上述した容器体1、水晶振動子2 、
ICチップ3 、コンデンサなどの電子部品4 、5 及び金
属製蓋体6 を用意する。尚、容器体1の表面には、シー
ムリング36がろう付けなどにより接合し、電極パッド2
0、21上にバンプ22、23を形成しておく。さらに、IC
チップ3 実装面の各入出力部のアルミ電極上に、金バン
プを形成しておく。
【0087】次に、水晶振動子2 の実装を行う。具体的
には、容器体1の表面の水晶振動子用電極パッド20、21
上に形成した接続用バンプ22、23と、水晶振動子2 の引
出電極部2d、2eとが合致するように位置決め載置し、引
出電極部2d、2eと電極パッド20、21とをAg等の導電性
接着材2f、2gを用いて両者を接合する。尚、水晶振動子
5の他端側の下面は、保持用バンプ24上に載置されて接
合が行われるが、この時、導電性接着材の硬化時に収縮
応力が働き、水晶振動子2 の他端側先端を持ち上げり、
容器体1の表面との間に、接続用バンプ22、23の高さに
相当する間隙を形成する。
【0088】これにより、水晶振動子2 の振動電極2b、
2cは、電極パッド20、21、第1のビアホール導体25、2
6、内部配線パターン29、30及び第2ビアホール導体2
7、28を介して、キャビティー部10の底面に形成した所
定配線パターン31及びモニタ電極パッド34、35に導出さ
れることになる。
【0089】次に、水晶振動子2 の周波数調整を行う。
具体的にはこのモニター電極パッド34、35に周波数測定
装置の測定用端子(プローブ)を接触させ、水晶振動子
2 を所定発振させて、周波数を測定する。その結果に基
づいて、容器体1に接合された水晶振動子2 の上面側の
振動電極2b上に、Agなどの金属の蒸着を行い、実質的
に振動電極2bの質量を変動させて発振周波数の調整を行
う。
【0090】次に、水晶振動子2 の調整した周波数を安
定化させる。具体的には、水晶振動子2 が接合した容器
体1全体を、150〜250℃で熱処理を行う。この熱
処理を一般に熱エージングという。この熱エージングに
より、振動電極2b上に被着した周波数調整用の蒸着物を
安定化させ、また、導電性ペーストなどに含まれている
溶剤などの不純物を揮発させる。
【0091】次に、金属製蓋体6 の封止をおこなう。具
体的には、シールリング36上に、金属製蓋体6 を載置
し、金属製蓋体6 の周囲をシーム溶接用のローラー電極
(図示せず)で、溶接電流を印加しながら接触移動させ
て両者を溶接する。
【0092】次に、ICチップ3 や電子部品4 、5 をキ
ャビティー部10内に実装を行う。具体的には、まずIC
チップ3 の実装は、ICチップ3 に形成した各Auバン
プと各IC電極パッド32・・・とが合致するように、I
Cチップ3 を位置決め載置し、その後、ICチップ3 に
超音波などを印加して互いに融着させる。
【0093】また、電子部品4 、5 の接合は、素子電極
パッド33・・・・にAg粉末などを含む導電性樹脂ペー
ストを塗布し、電子部品4 、5 を載置し、導電性樹脂ペ
ーストをキュアーして硬化する。
【0094】次に、ICチップ3 、電子部品4 、5 を充
填樹脂7 で充填・被覆する。具体的には、キャビティー
部10内に配置されたICチップ3 や電子部品4 、5 の全
体を、一般にアンダーフィルと言われる樹脂材料で完全
に覆い、硬化し、さらにこの樹脂層上に耐湿性に優れた
エポキシ樹脂を充填・硬化する。即ち、充填樹脂7 を積
層構造で構成してもよい。
【0095】次に、温度補償型水晶発振器の所定動作の
ため、予め周波数調整工程によって決定された水晶振動
子2 の温度周波数特性に基づいて、ICチップ3 のメモ
リ部に、この温度周波数特性を、常温を含む広い温度範
囲で平坦化するための温度補償データ等を、IC制御端
子15〜18を用いて入力する。
【0096】尚、必要に応じて、書き込んだ補償データ
によって、動作確認を行い、再度修正の補償データを書
き込んでも構わない。
【0097】この温度補償動作は、例えば、所定温度に
おける水晶振動子2 の発振周波数が、基準周波数からの
変動量を、バリキャップダイオードの容量の調整によっ
て補正するものであり、温度補償データは、感温手段に
よる周囲温度に基づいて、周波数変位量を補正するため
に、バリキャップダイオードの容量を制御する電圧を適
正化するためのデータである。これにより、水晶振動子
2 が有する固有の温度周波数特性は、常温を含む広い温
度範囲で平坦化されることができる。
【0098】上述の温度補償型水晶発振器では、外部端
子電極11〜14を容器体1 の底面に配置し、IC制御用端
子電極15〜18を容器体の側面に配置しているため、容器
体1の底面は何等変動がなく、外部端子電極11〜14とキ
ャビティー部10のみで専有することができ、装置全体の
小型化が維持できる。
【0099】また、図2 に示すように、IC制御用端子
電極15〜18は、容器体1 の側面で、セラミック絶縁層1a
及び1dの端面部分には形成されていない。表面側のセラ
ミック絶縁層1aを避けて形成したのは、IC制御用端子
電極15〜18と封止用導体パターン19との短絡を防止する
ためである。仮に、IC制御用端子電極15〜18と封止用
導体パターン19とが短絡してしまうと、例えばシーム溶
接時の溶接電流がIC制御用端子電極15〜18が流れ、温
度補償データが消去されたり、また、ICチップ3 の誤
動作の原因となってしまう。
【0100】また、底面となるセラミック絶縁層1dを避
けて形成したのは、IC制御用端子電極15〜18と外部端
子電極11〜14やプリント配線基板などの配線パターンと
の短絡を防止するためである。
【0101】さらに、図2のように、IC制御用端子電
極15〜18は、表面側のセラミック絶縁層1aと底面側のセ
ラミック絶縁層1dによって挟持される他のセラミック絶
縁層1b、1cの端辺に、厚み方向に形成された半円形状の
凹み部を形成し、その内壁表面に上述の高融点金属ペー
ストの焼き付けにより形成されている。
【0102】即ち、IC制御用端子電極15〜18は、容器
体1 の長辺側側面に形成されているものの、実際には側
面表面から凹んでいる。このようにすれば、外的要因に
導電性異物がIC制御用端子電極15〜18に接触しようと
しても実際には接触されにくく、ICチップ3 に保持し
た温度補償データの安定的な保持でき、また、ICチッ
プ3 の誤動作を未然に防止できる。
【0103】また、外部端子電極14を省略して、矩形状
の容器体1 の底面の3つの隅部に外部端子電極11〜13を
形成した温度補償型水晶発振器であっても、本発明の範
囲から逸脱するものではない。
【0104】容器体1 を少なくとも3層以上で構成すれ
ば、表面側のセラミック絶縁層と底面側のセラミック絶
縁層とに挟まれたセラミック絶縁層が存在する。そし
て、このセラミック絶縁層の端辺を利用すれは、容器体
の側面に、表面及び底面側に到達することがないIC制
御用端子電極を形成することができる。
【0105】また、セラミック絶縁層の積層数が多い場
合、中間に位置している任意のセラミック絶縁層にIC
制御用端子電極を形成すればよい。
【0106】
【発明の効果】本発明では、水晶振動子の安定且つ高性
能に動作させるために必要なICチップを制御するIC
制御用端子電極が、容器体の側面に配置されている。こ
れにより、外部端子電極やキャビティー部で容器体の底
面を利用することになり、IC制御用端子電極が必要と
なっても,容器体の底面形状の小型化を維持できる。
【0107】しかも、容器体の表面及び底面にまで、到
達することがないため、封止用導体パターンと短絡する
ことがなく、金属製蓋体の取着時に溶接電流のによっ
て、ICチップを破壊されることがない。また、プリン
ト配線基板への半田接合時に、他の配線パターンと短絡
することがないため、ICチップに保持された補償デー
タ等を安定して保持でき、安定した動作が維持できるこ
とになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明は温度補償型水晶発振器の断面図であ
る。
【図2】本発明は温度補償型水晶発振器の側面図であ
る。
【図3】本発明は温度補償型水晶発振器の蓋体省略した
状態の上面図である。
【図4】本発明は温度補償型水晶発振器の充填樹脂を省
略した下面図である。
【図5】本発明の内部配線パターンを示す概略平面図で
ある。
【図6】従来の温度補償型水晶発振器の断面図である。
【図7】従来の温度補償型水晶発振器の省略した上面図
である。
【図8】従来の温度補償型水晶発振器の下面図である。
【符号の説明】
1・・容器体 2・・水晶振動子 3・・ICチップ 4、5・・電子部品 6・・・金属製蓋体 7・・・充填樹脂 10・・・キャビティー部 11〜14・・・外部端子電極 15〜18・・・IC制御端子電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下面にキャビティー部を有する容器体
    と、 該容器体の上面側に実装された水晶振動子と、 前記キャビティー部に収容され、前記水晶振動子の温度
    補償を行うICチップとを具備する温度補償型水晶発振
    器であって、 前記容器体の側面で、上下面より離間した領域に、前記
    ICチップに温度補償データを書き込むためのIC制御
    用端子電極を設けたことを特徴とする温度補償型水晶発
    振器。
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