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JP2000075478A - ポジ型感光性樹脂前駆体組成物 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂前駆体組成物

Info

Publication number
JP2000075478A
JP2000075478A JP24496398A JP24496398A JP2000075478A JP 2000075478 A JP2000075478 A JP 2000075478A JP 24496398 A JP24496398 A JP 24496398A JP 24496398 A JP24496398 A JP 24496398A JP 2000075478 A JP2000075478 A JP 2000075478A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
general formula
group
integer
precursor composition
photosensitive resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24496398A
Other languages
English (en)
Inventor
Takenori Fujiwara
健典 藤原
Masao Tomikawa
真佐夫 富川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP24496398A priority Critical patent/JP2000075478A/ja
Publication of JP2000075478A publication Critical patent/JP2000075478A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカリ現像可能な感光性樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】(a)一般式(1)で表される構造単位を
主成分とするポリマーと、(b)一般式(2)で表され
るキノンジアジド化合物を含有することを特徴とするポ
ジ型感光性樹脂前駆体組成物である。 【化1】 (R1は少なくとも2個以上の炭素原子を有する3価〜
8価の有機基であり、R2は、少なくとも2個以上の炭
素原子を有する2価〜6価の有機基であり、R3は水
素、または炭素数1〜20までの有機基である。nは1
0〜100000までの整数、mは0〜2までの整数、
p、qは0〜4までの整数を示す。p、qは同時に0に
ならない。) 【化2】 (R4は1〜10個の窒素原子を含む複素環である。b
は1〜10までの整数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子の表面
保護膜、層間絶縁膜などに適した、紫外線で露光した部
分がアルカリ水溶液に溶解するポジ型の感光性ポリイミ
ド前駆体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】露光した部分が現像により溶解するポジ
型の耐熱性樹脂前駆体組成物としては、ポリアミド酸に
ナフトキノンジアジドを添加したもの(特開昭52−1
3315号公報)、水酸基を有した可溶性ポリイミドに
ナフトキノンジアジドを添加したもの(特開昭64−6
0630号公報)、水酸基を有したポリアミドにナフト
キノンジアジドを添加したもの(特開昭56−2714
0号公報)などが知られていた。
【0003】しかしながら、通常のポリアミド酸にナフ
トキノンジアジドを添加したものではナフトキノンジア
ジドのアルカリに対する溶解阻害効果よりポリアミド酸
のカルボキシル基の溶解性が高いために、ほとんどの場
合希望するパターンを得ることが出来ないという問題点
があった。また、水酸基を有した可溶性ポリイミド樹脂
を添加したものでは、今述べたような問題点は少なくな
ったものの、可溶性にするために構造が限定されるこ
と、得られるポリイミド樹脂の耐溶剤性が悪い点などが
問題であった。水酸基を有したポリアミド樹脂にナフト
キノンジアジドを添加したものも、溶解性を出すために
構造にある限定はあること、そのために熱処理後に得ら
れる樹脂の耐溶剤性に劣ることなどが問題であった。
【0004】以上の欠点を考慮し、本発明はポリイミド
前駆体に新規ナフトキノンジアジドを添加することで、
得られる樹脂組成物が、露光前はアルカリ現像液にほと
んど溶解せず、露光すると容易にアルカリ現像液に溶解
することを見いだし、発明に至ったものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
を解決せしめ、環境に優しいアルカリ現像可能であり、
かつ熱処理後の対溶剤性に優れたポリイミド系のポジ型
感光性樹脂前駆体組成物を提供することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)一般式
(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーと、
(b)一般式(2)で表されるキノンジアジド化合物を
含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂前駆体組成
物である。
【0007】
【化7】 (R1は少なくとも2個以上の炭素原子を有する3価〜
8価の有機基であり、R2は、少なくとも2個以上の炭
素原子を有する2価〜6価の有機基であり、R3は水
素、または炭素数1〜10までの有機基である。nは1
0〜100000までの整数、mは0〜2までの整数、
p、qは0〜4までの整数を示す。p、qは同時に0に
ならない。)
【化8】 (R4は1〜10個の窒素原子を含む複素環である。b
は1〜10までの整数を示す。)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における一般式(1)で表
される構造単位を主成分とするポリマーとは、加熱ある
いは適当な触媒により、イミド環、オキサゾール環、そ
の他の環状構造を有するポリマーとなり得るものであ
る。環構造となることで、耐熱性、耐溶剤性が飛躍的に
向上する。
【0009】上記一般式(1)は、水酸基を有したポリ
アミド酸を表しており、この水酸基の存在のために、ア
ルカリ水溶液に対する溶解性が水酸基を有さないポリア
ミド酸よりも良好になる。特に、水酸基の中でもフェノ
ール性の水酸基がアルカリ水溶液に対する溶解性より好
ましい。また、フッ素原子を一般式(1)中に10重量
%以上有することで、アルカリ水溶液で現像する際に、
膜の界面に撥水性が適度に出るために、界面のしみこみ
などが抑えられる。しかしながら、フッ素原子含有量が
20重量%を越えると、アルカリ水溶液に対する溶解性
が低下すること、熱処理により環状構造にしたポリマー
の耐有機溶媒性が低下すること、発煙硝酸に対する溶解
性が低下するために好ましくない。このように、フッ素
原子は10重量%〜20重量%含まれることが好まし
い。
【0010】上記一般式(1)中、R1は酸二無水物の
構造成分を表しており、この酸二無水物は芳香族環を含
有し、かつ、水酸基を1個〜4個有した、炭素数6〜3
0の3価または8価の有機基が好ましい。
【0011】具体的には、一般式(3)に示されるよう
な構造のものが好ましく、この場合、R5、R7は得ら
れるポリマーの耐熱性より芳香族環を含んだものが好ま
しく、その中でも特に好ましい構造としてトリメリット
酸、トリメシン酸、ナフタレントリカルボン酸残基のよ
うなものを挙げることができる。またR6は炭素数3〜
20より選ばれる水酸基を有した3価〜6価の有機基が
好ましい。さらに、水酸基はアミド結合と隣り合った位
置にあることが好ましい。このような例として、フッ素
原子を含んだ、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(3−ヒドロキシ
−4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、フッ
素原子を含まない、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ビス(3−ヒドロキシ−4−アミ
ノフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’
−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、2,4−ジアミノ−フ
ェノール、2,5−ジアミノフェノール、1,4−ジア
ミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼンのアミノ基が結合
したものなどを挙げることができる。
【0012】また、R8、R9は水素、および/または
炭素数1〜20までのの有機基が良い。炭素数20以上
になるとアルカリ現像液に対する溶解性が低下する。
【0013】o、sは1または2をあらわしており、r
は1〜4までの整数を表している。rが5以上になる
と、得られる耐熱性樹脂膜の特性が低下する。
【0014】一般式(1)のR1(COOR3)m(O
H)pが一般式(3)で表される化合物の中で、好まし
い化合物を例示すると下記に示したような構造のものが
挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
【化9】 また、アルカリに対する溶解性、感光性能、耐熱性を損
なわない範囲で、水酸基を有していないテトラカルボン
酸、ジカルボン酸で変性することもできる。この例とし
ては、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ジフェニルエーテル
テトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン
酸などの芳香族テトラカルボン酸やそのカルボキシル基
2個をメチル基やエチル基にしたジエステル化合物、ブ
タンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン
酸などの脂肪族のテトラカルボン酸やそのカルボキシル
基2個をメチル基やエチル基にしたジエステル化合物、
テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカル
ボン酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを挙
げることができる。これらは、酸成分の50モル%以下
の変性が好ましいが、さらに好ましくは30モル%以下
である。50モル%以上の変性を行うと、アルカリに対
する溶解性、感光性が損なわれる恐れがある。
【0016】上記一般式(1)中、R2はジアミンの構
造成分を表している。この中で、R2の好ましい例とし
ては、得られるポリマーの耐熱性より芳香族を有し、か
つ水酸基を有するものが好ましく、具体的な例としては
フッ素原子を有した、ビス(アミノ−ヒドロキシ−フェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、フッ素原子を有さな
い、ジアミノジヒドロキシピリミジン、ジアミノジヒド
ロキシピリジン、ヒドロキシ−ジアミノ−ピリミジン、
ジアミノフェノール、ジヒドロキシベンチジンなどの化
合物や一般式(4)、(5)、(6)に示す構造のもの
をあげることができる。
【0017】この中で、一般式(4)内のR10、R1
2、一般式(5)内のR14、一般式(6)内のR17
は、得られるポリマーの耐熱性より芳香族環を有した水
酸基を有した有機基が好ましい。一般式(4)内のR1
1、一般式(5)内のR13、R15、一般式(6)内
のR16は、得られるポリマーの耐熱性より芳香族環を
有した有機基が好ましい。
【0018】一般式(1)のR2(OH)qを一般式
(4)で表される具体例を下記に示す。
【0019】
【化10】 また、一般式(1)のR2(OH)qを一般式(5)で
表される具体例を下記に示す。
【0020】
【化11】 一般式(1)のR2(OH)qを一般式(6)で表され
る具体例を下記に示す。
【0021】
【化12】 一般式(4)において、R10、R12は炭素数2〜2
0より選ばれる水酸基を有した3価〜4価の有機基を示
しており、得られるポリマーの耐熱性より芳香族環を有
したものが好ましい。具体的にはヒドロキシフェニル
基、ジヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基、
ジヒドロキシナフチル基、ヒドロキシビフェニル基、ジ
ヒドロキシビフェニル基、ビス(ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン基、ビス(ヒドロキシフェニ
ル)プロパン基、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン
基、ヒドロキシジフェニルエーテル基、ジヒドロキシジ
フェニルエーテル基などを表す。また、ヒドロキシシク
ロヘキシル基、ジヒドロキシシクロヘキシル基などの脂
肪族の基も使用することができる。R11は炭素数2〜
30までの2価の有機基を表している。得られるポリマ
ーの耐熱性よりは芳香族を有した2価の基がよく、この
ような例としてはフェニル基、ビフェニル基、ジフェニ
ルエーテル基、ジフェニルヘキサフルオロプロパン基、
ジフェニルプロパン基、ジフェニルスルホン基などをあ
げることができるが、これ以外にも脂肪族のシクロヘキ
シル基なども使用することができる。
【0022】一般式(5)において、R13、R15は
炭素数2〜30までの2価の有機基を表している。得ら
れるポリマーの耐熱性よりは芳香族を有した2価の基が
よく、このような例としてはフェニル基、ビフェニル
基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルヘキサフルオロ
プロパン基、ジフェニルプロパン基、ジフェニルスルホ
ン基などをあげることができるが、これ以外にも脂肪族
のシクロヘキシル基なども使用することができる。R1
4は、炭素数3〜20より選ばれる水酸基を有した3価
〜4価の有機基を示しており、得られるポリマーの耐熱
性より芳香族環を有したものが好ましい。具体的にはヒ
ドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、ヒドロ
キシナフチル基、ジヒドロキシナフチル基、ヒドロキシ
ビフェニル基、ジヒドロキシビフェニル基、ビス(ヒド
ロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン基、ビス(ヒ
ドロキシフェニル)プロパン基、ビス(ヒドロキシフェ
ニル)スルホン基、ヒドロキシジフェニルエーテル基、
ジヒドロキシジフェニルエーテル基などを表す。また、
ヒドロキシシクロヘキシル基、ジヒドロキシシクロヘキ
シル基などの脂肪族の基も使用することができる。
【0023】一般式(6)においてR16は炭素数2〜
20の2価の有機基を表している。得られるポリマーの
耐熱性よりは芳香族を有した2価の基がよく、このよう
な例としてはフェニル基、ビフェニル基、ジフェニルエ
ーテル基、ジフェニルヘキサフルオロプロパン基、ジフ
ェニルプロパン基、ジフェニルスルホン基などをあげる
ことができるが、これ以外にも脂肪族のシクロヘキシル
基なども使用することができる。R17は炭素数3〜2
0より選ばれる水酸基を有した3価〜6価の有機基を示
しており、得られるポリマーの耐熱性より芳香族環を有
したものが好ましい。具体的にはヒドロキシフェニル
基、ジヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基、
ジヒドロキシナフチル基、ヒドロキシビフェニル基、ジ
ヒドロキシビフェニル基、ビス(ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン基、ビス(ヒドロキシフェニ
ル)プロパン基、ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン
基、ヒドロキシジフェニルエーテル基、ジヒドロキシジ
フェニルエーテル基などを表す。また、ヒドロキシシク
ロヘキシル基、ジヒドロキシシクロヘキシル基などの脂
肪族の基も使用することができる。
【0024】また、1〜40モル%の範囲の、他のジア
ミン成分を用いて変性することもできる。これらの例と
しては、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエー
テル、アミノフェノキシベンゼン、ジアミノジフェニル
メタン、ジアミノジフェニルスルホン、ビス(トリフル
オロメチル)ベンチジン、ビス(アミノフェノキシフェ
ニル)プロパン、ビス(アミノフェノキシフェニル)ス
ルホンあるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲ
ン原子で置換した化合物などを挙げることができる。こ
のような例として、フェニレンジアミン、ジアミノジフ
ェニルエーテル、アミノフェノキシベンゼン、ジアミノ
ジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ビス
(トリフルオロメチル)ベンチジン、ビス(アミノフェ
ノキシフェニル)プロパン、ビス(アミノフェノキシフ
ェニル)スルホンあるいはこれらの芳香族環にアルキル
基やハロゲン原子で置換した化合物など、脂肪族のシク
ロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミ
ンなどが挙げられる。このようなジアミン成分を40モ
ル%以上共重合すると得られるポリマーの耐熱性が低下
する。
【0025】一般式(1)のR3は水素、あるいは炭素
数1〜20の有機基を表している。得られるポジ型感光
性樹脂前駆体溶液の安定性からは、R3は有機基が好ま
しいが、アルカリ水溶液の溶解性より見ると水素が好ま
しい。本発明においては、水素原子とアルキル基を混在
させることができる。このR3の水素と有機基の量を制
御することで、アルカリ水溶液に対する溶解速度が変化
するので、この調整により適度な溶解速度を有したポジ
型感光性樹脂前駆体組成物を得ることができる。R3
は、炭素数1〜16までの炭化水素基を少なくとも1つ
以上含有し、その他は水素原子であることが好ましい。
好ましい範囲は、R3の10%〜90%が水素原子であ
ることである。R3の炭素数が20を越えるとアルカリ
水溶液に溶解しなくなる。
【0026】さらに、基板との接着性を向上させるため
に、耐熱性を低下させない範囲でR1、R2にシロキサ
ン構造を有する脂肪族の基を共重合してもよい。具体的
には、ジアミン成分として、ビス(3−アミノプロピ
ル)テトラメチルジシロキサン、ビス(p−アミノ−フ
ェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどを1〜10
モル%共重合したものなどがあげられる。
【0027】本発明のポジ型感光性樹脂組成物は一般式
(1)で表される構造単位のみからなるものであっても
良いし、他の構造単位との共重合体あるいはブレンド体
であっても良い。その際、一般式(1)で表される構造
単位を90モル%以上含有していることが好ましい。共
重合あるいはブレンドに用いられる構造単位の種類およ
び量は最終加熱処理によって得られるポリイミド系ポリ
マの耐熱性を損なわない範囲で選択することが好まし
い。
【0028】本発明の感光性樹脂前駆体は公知の方法に
より合成される。例えば、低温中でテトラカルボン酸二
無水物とジアミン化合物を反応させる方法(C.E.S
roogら、Journal Polymer Sci
ence誌、PartA−3、1373(196
5))、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによ
りジエステルを得、その後アミンと縮合剤の存在下で反
応させる方法(特開昭61−72022号公報)、テト
ラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステル
を得、その後残りのジカルボン酸を酸クロリド化し、ア
ミンと反応させる方法(特開昭55−30207号公
報)などで合成することができる。
【0029】本発明において、一般式(2)で表される
ナフトキノンジアジド化合物として、R4は1〜10個
の窒素を含む複素環を有するものである。またXは一般
式(2)の下に表示した基のどちらを選択しても構わな
い。この一般式(2)で表されるナフトキノンジアジド
化合物は、塩基性を適当に選択することで、ポリマー中
のカルボン酸濃度が高い場合、つまり、アルカリに対す
る溶解性が高すぎる場合、R4に窒素を含む複素環を有
さないナフトキノンジアジド化合物に比べ、アルカリに
対する溶解阻害剤として好ましく働き、適度なアルカリ
に対する溶解性をもたらす。R4としてはピリジン、ピ
リダジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノ
リン、キナゾリン、キノキサリン、プリン、プテリジ
ン、カルバゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾー
ル、3−ピロリン、ピロリジンなどがあげられるがこれ
らに限られるわけではない。一般式(2)で表されるナ
フトキノンジアジド化合物は、フェノール性の水酸基を
有するR4とナフトキノンジアジドのスルホニル酸がエ
ステルで結合したものが好ましい。例として、下記に示
すものを挙げることができるがこれらに限られるわけで
はない。
【0030】
【化13】 また、ナフトキノンジアジド化合物の分子量が1500
以上になると、その後の熱処理においてナフトキノンジ
アジド化合物が十分に熱分解しないために、得られる膜
の耐熱性が低下する、機械特性が低下する、接着性が低
下するなどの問題が生じる可能性がある。このような観
点より見ると、好ましいナフトキノンジアジド化合物の
分子量は300〜1500である。さらに好ましくは、
350〜1200である。
【0031】感光剤は、一般式(2)で表される構造の
みであっても良いし、他の構造との混合体であっても良
い。
【0032】また、必要に応じて上記、ポジ型感光性前
駆体組成物と基板との塗れ性を向上させる目的で界面活
性剤、乳酸エチルやプロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテートなどのエステル類、エタノールなどの
アルコール類、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケ
トンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン
などのエーテル類を混合しても良い。また、2酸化ケイ
素、2酸化チタンなどの無機粒子、あるいはポリイミド
の粉末などを添加することもできる。
【0033】さらにシリコンウエハなどの下地基板との
接着性を高めるために、シランカップリング剤、チタン
キレート剤などをポジ型感光性樹脂前駆体組成物のワニ
スに0.5〜10重量%添加したり、下地基板をこのよ
うな薬液で前処理したりすることもできる。
【0034】ワニスに添加する場合、メチルメタクリロ
キシジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、などのシランカップリング剤、チタンキレー
ト剤、アルミキレート剤をワニス中のポリマーに対して
0.5〜10重量%添加する。
【0035】基板を処理する場合、上記で述べたカップ
リング剤をイソプロパノール、エタノール、メタノー
ル、水、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、乳酸エチル、アジピン酸ジエチルな
どの溶媒に0.5〜20重量%溶解させた溶液をスピン
コート、浸漬、スプレー塗布、蒸気処理などで表面処理
をする。場合によっては、その後50℃〜300℃まで
の温度をかけることで、基板と上記カップリング剤との
反応を進行させる。
【0036】次に、本発明のポジ型感光性前駆体組成物
を用いて耐熱性樹脂パターンを形成する方法について説
明する。
【0037】ポジ型感光性前駆体組成物を基板上に塗布
する。基板としてはシリコンウエハ、セラミックス類、
ガリウムヒ素などが用いられるが、これらに限定されな
い。塗布方法としてはスピンナを用いた回転塗布、スプ
レー塗布、ロールコーティングなどの方法がある。ま
た、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度
などによって異なるが通常、乾燥後の膜厚が、0.1〜
150μmになるように塗布される。
【0038】次にポジ型感光性前駆体組成物を塗布した
基板を乾燥して、ポジ型感光性前駆体組成物皮膜を得
る。乾燥はオーブン、ホットプレート、赤外線などを使
用し、50度〜150度の範囲で1分〜数時間行うのが
好ましい。
【0039】次に、このポジ型感光性前駆体組成物皮膜
上に所望のパターンを有するマスクを通して化学線を照
射し、露光する。露光に用いられる化学線としては紫外
線、可視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では
水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g
線(436nm)を用いるのが好ましい。
【0040】耐熱性樹脂のパターンを形成するには、露
光後、現像液を用いて露光部を除去することによって達
成される。現像液としては、テトラメチルアンモニウム
の水溶液、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノ
ール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミ
ン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミ
ノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性
を示す化合物の水溶液が好ましい。また場合によって
は、これらのアルカリ水溶液にN−メチルピロリドン、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクロ
ン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール
類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、
シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン類などを単独あるいは数種を組み
合わせたものを添加してもよい。
【0041】現像後は水にてリンス処理をする。ここで
もエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコー
ル類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えてリ
ンス処理をしても良い。
【0042】現像後、200度〜500度の温度を加え
て耐熱性樹脂皮膜に変換する。この加熱処理は温度を選
び、段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び連続的に
昇温しながら5分〜5時間実施する。一例としては、1
30度、200度、350度で各30分づつ熱処理す
る。あるいは室温より400度まで2時間かけて直線的
に昇温するなどの方法が挙げられる。
【0043】本発明によるポジ型感光性前駆体組成物に
より形成した耐熱性樹脂皮膜は、半導体のパッシベーシ
ョン膜、半導体素子の保護膜、高密度実装用多層配線の
層間絶縁膜などの用途に用いられる。
【0044】
【実施例】以下本発明をより詳細に説明するために、実
施例および比較例をあげて説明するが、本発明はこれら
の例によって限定されるものではない。
【0045】特性の測定方法 粘度の測定 トキメック社製E型粘度計を使用し、25℃にて測定を
行った。
【0046】膜厚の測定 大日本スクリーン製造社製ラムダエースSTM−602
を使用し、屈折率1.64で測定を行った。
【0047】合成例1 ナフトキノンジアジド化合物
(1)の合成 乾燥窒素気流下、2,3−ジヒドロキシピリジン11.
1g(0.10モル)と5−ナフトキノンジアジドスル
ホニル酸クロリド52.8g(0.22モル)をN−メ
チルピロリドン(NMP)180gに溶解させ、室温に
した。ここに、NMP38gと混合させたトリエチルア
ミン20.2gを系内が45度以上にならないように滴
下した。滴下後40度で2時間攪拌した。トリエチルア
ミン塩を濾過し、ろ液を水に投入させた。その後、析出
した沈殿をろ過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥
させ、ナフトキノンジアジド化合物(1)を得た。
【0048】合成例2 ナフトキノンジアジド化合物
(2)の合成 乾燥窒素気流下、2−ヒドロキシニコチン酸メチル1
1.2g(0.10モル)と5−ナフトキノンジアジド
スルホニル酸クロリド52.8g(0.22モル)をN
MP180gに溶解させ、室温にした。ここに、NMP
38gと混合させたトリエチルアミン20.2gを系内
が45度以上にならないように滴下した。滴下後40度
で2時間攪拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、ろ液
を水に投入させた。その後、析出した沈殿をろ過で集め
た。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、ナフトキノンジ
アジド化合物(2)を得た。
【0049】合成例3 ナフトキノンジアジド化合物
(3)の合成 乾燥窒素気流下、4,6−ジヒドロキシピリミジン1
1.2g(0.10モル)と5−ナフトキノンジアジド
スルホニル酸クロリド52.8g(0.22モル)をN
MP180gに溶解させ、室温にした。ここに、NMP
38gと混合させたトリエチルアミン20.24gを系
内が45度以上にならないように滴下した。滴下後40
度で2時間攪拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、ろ
液を水に投入させた。その後、析出した沈殿をろ過で集
めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、ナフトキノン
ジアジド化合物(3)を得た。
【0050】合成例1〜3で得られたナフトキノンジア
ジド化合物および比較例1〜3で用いる感光剤の構造を
下記に示す。
【0051】
【化14】 合成例4 酸無水物(1)の合成 乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒド
ロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF)
18.3g(0.05モル)とアリルグリシジルエーテ
ル34.2g(0.3モル)をγ−ブチロラクトン(G
BL)100gに溶解させ、−15℃に冷却した。ここ
にGBL50gに溶解させた無水トリメリット酸クロリ
ド22.1g(0.11モル)を反応液の温度が0℃を
越えないように滴下した。滴下終了後、0℃で4時間反
応させた。
【0052】この溶液をロータリーエバポレーターで濃
縮して、トルエン1lに投入して酸無水物(1)を得
た。構造を下記に示す。得られた物質は350℃までに
明確な融点が見られなかった。
【0053】
【化15】 合成例5 酸無水物(2)の合成 乾燥窒素気流下、3−ヒドロキシ−4−アミノビフェニ
ル(HAB)10.8g(0.05モル)とグリシジル
メチルエーテル30g(0.34モル)をGBL300
gに溶解させ、−15℃に冷却した。ここにGBL50
gに溶解させた無水トリメリット酸クロリド22.1g
(0.11モル)を反応液の温度が0℃を越えないよう
に滴下した。滴下終了後、0℃で4時間反応させた。
【0054】この溶液をアセトン5lに投入して酸無水
物(2)を得た。構造を下記に示す。得られた物質は3
50℃までに明確な融点が見られなかった。
【0055】
【化16】 合成例6 ヒドロキシル基含有ジアミン化合物(1)の合成 BAHF18.3g(0.05モル)をアセトン100
ml、プロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に
溶解させ、−15℃に冷却した。ここに4−ニトロベン
ゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン
100mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、
−15℃で4時間反応させ、その後室温に戻した。溶液
をロータリーエバポレーターで濃縮し、得られた固体を
テトラヒドロフランとエタノールの溶液で再結晶した。
【0056】再結晶して集めた固体をエタノール100
mlとテトラヒドロフラン300mlに溶解させて、5
%パラジウム−炭素を2g加えて、激しく攪拌させた。
ここに水素を風船で導入して、還元反応を室温で行っ
た。約2時間後、風船がこれ以上しぼまないことを確認
して反応を終了させた。反応終了後、ろ過して触媒であ
るパラジウム化合物を除き、ロータリーエバポレーター
で濃縮し、ジアミン化合物(2)を得た。構造を下記に
示す。得られた固体をそのまま反応に使用した。
【0057】
【化17】 合成例7 ヒドロキシル基含有ジアミン(2)の合成 2−アミノ−4−ニトロフェノール15.4g(0.1
モル)をアセトン50ml、プロピレンオキシド30g
(0.34モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。こ
こにイソフタル酸クロリド11.2g(0.055モ
ル)をアセトン60mlに溶解させた溶液を徐々に滴下
した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させた。その
後、室温に戻して生成している沈殿をろ過で集めた。
【0058】この沈殿をGBL200mlに溶解させ
て、5%パラジウム−炭素3gを加えて、激しく攪拌し
た。ここに水素ガスを入れた風船を取り付け、室温で水
素ガスの風船がこれ以上縮まない状態になるまで攪拌を
続け、さらに2時間水素ガスの風船を取り付けた状態で
攪拌した。攪拌終了後、ろ過でパラジウム化合物を除
き、溶液をロータリーエバポレーターで半量になるまで
濃縮した。ここにエタノールを加えて、再結晶を行い、
目的の化合物の結晶を得た。構造を下記に示す。
【0059】
【化18】 実施例1 乾燥窒素気流下、合成例(6)で合成したジアミン化合
物(1)57.4g(0.095モル)、1,3−ビス
(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.
24g(0.005モル)をGBL350gに溶解させ
た。ここに合成例(4)で合成した酸無水物(1)7
1.4g(0.1モル)をGBL40gとももに加え
て、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で4時間反
応させた。この溶液のフッ素原子含有量は17.1%で
あった。得られた溶液にナフトキノンジアジド化合物
(1)26.0gをGBL10gと共に加えて感光性ポ
リイミド前駆体組成物のワニスAを得た。
【0060】6インチシリコンウエハ上に、ワニスAを
プリベーク後の膜厚が5μmとなるように塗布し、つい
でホットプレート(大日本スクリーン社製SKW−63
6)を用いて、100℃で3分プリベークすることによ
り、感光性ポリイミド前駆体膜を得た。ついで、露光機
(ニコン社製i線スッテパーNSR−1755−i7
A)に、パターンの切られたレチクルをセットし、露光
量200mJ/cm2(365nmの強度)でi線露光
を行った。
【0061】現像は、大日本スクリーン製造社製SCW
−636の現像装置を用い、50回転で水酸化テトラメ
チルアンモニウムの2.38%水溶液を10秒間噴霧し
た。この後、0回転で50秒間静置し、400回転で水
にてリンス処理、3000回転で10秒振り切り乾燥し
た。現像後の未露光部の膜厚は4.4μmであり、現像
により膜の減少は0.6μmと少なく良好であった。
【0062】現像後のパターンを観察した結果、半導体
用バッファーコートとして要求される3μmのパターン
が解像しており、パターン形状も問題なかった。
【0063】実施例2 乾燥窒素気流下、合成例(7)で合成したジアミン化合
物(2)15.1g(0.025モル)と4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル4.5g(0.0225モ
ル)と1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチ
ルジシロキサン0.62g(0.0025モル)をNM
P100gに溶解させた。ここに合成例(5)で合成し
た酸無水物(2)19.7g(0.035モル)、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
4.42g(0.015モル)を室温でN−メチルピロ
リドン33gとともに加え、そのまま室温で1時間、そ
の後50℃で4時間反応させた。得られたポリマーのフ
ッ素原子含有量は0%であった。このポリマー溶液50
gにナフトキノンジアジド化合物(2)3gを溶解させ
て感光性ポリイミド前駆体組成物のワニスBを得た。
【0064】4インチシリコンウエハ上に、ワニスBを
用いて、実施例1と同様に感光性ポリイミド前駆体膜を
得た。ついで、露光機(キャノン社製コンタクトアライ
ナーPLA−501F)に、パターンの切られたマスク
をセットし、露光量300mJ/cm2(365nmの
強度)で露光を行った。
【0065】現像は、実施例1と同じ現像装置を用い、
50回転で5%ジエチルアミノエタノール水溶液を10
秒間噴霧した。この後、0回転で80秒静置し、400
回転で10秒間水を噴霧してリンス処理、3000回転
で10秒振り切り乾燥した。現像後の未露光部の膜厚は
4.2μmであり、現像により膜の減少は0.8μmと
少なく良好であった。
【0066】現像後のパターンを光学顕微鏡で目視した
結果、10μmのラインが解像しており、パターン形状
も問題なかった。
【0067】実施例3 乾燥窒素気流下、BAHF11.0g(0.03モ
ル)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル4.0g
(0.02モル)とグリシジルメチルエーテル88g
(1モル)をGBL100mlに溶解させ、ドライアイ
ス−アセトンの冷媒を用いて、−15℃にした。ここに
トリメリット酸クロリド21.1g(0.1モル)をG
BL100gに溶解させた溶液を1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、この温度で1時間反応を行った。
【0068】次いで、溶液の温度を5℃にして、パラフ
ェニレンジアミン4.87g(0.045モル)、2,
2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミ
ノビフェニル9.6g(0.03モル)、1,3−ビス
テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モ
ル)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物9.67g(0.03モル)をGBL1
00mlとともに加え、この温度で30分、次いで50
℃で2時間反応させた。
【0069】反応終了後、反応液を5lの水に投入して
ポリアミド酸の沈殿を生成した。この沈殿を集めて、水
で十分に洗浄の後に真空乾燥機で50度で24時間乾燥
した。得られたポリマーのフッ素含有量は11.5%で
あった。このポリマー10gとナフトキノンジアジド化
合物(3)2gをGBL45gに溶解させて感光性ポリ
イミド前駆体組成物のワニスCを得た。
【0070】ワニスCを用いて露光量500mJ/cm
2(405nmの強度)にした他は実施例2と同様に露
光した。
【0071】現像は、実施例1と同じ現像装置を用い、
50回転で1.7%テトラメチルアンモニウム水溶液を
10秒間噴霧した。この後、70秒間静置し、400回
転で10秒間水を噴霧してリンス処理、3000回転で
10秒振り切り乾燥した。現像後の未露光部の膜厚は
4.5μmであり、現像により膜の減少は0.5μmと
少なく良好であった。
【0072】現像後のパターンを光学顕微鏡で目視した
結果、10μmのラインが解像しており、パターンの形
状も問題なかった。 実施例4 BAHF36.6g(0.1モル)をジメチルアセトア
ミド100mlとピリジン9.5g(0.12モル)に
溶解させ、−15℃に冷却した。この溶液にシクロヘキ
サノン80mlに溶解させたイソフタル酸クロリド2
1.3g(0.105モル)を徐々に滴下した。滴下終
了後、反応溶液の温度を20℃にして5時間反応させ
た。
【0073】反応終了後、溶液を水10lに投入してポ
リヒドロキシアミド(ポリマー(ア))の沈殿を生成さ
せた。この沈殿をろ過で集めて、水で洗浄して50℃の
真空乾燥機で20時間乾燥させた。
【0074】乾燥窒素気流下、BAHF11.0g
(0.03モル)と4,4’−ジアミノジフェニルエー
テル4.0g(0.02モル)をアセトン30gとプロ
ピレンオキシド58g(1.0モル)に溶解させ、−1
0℃に冷却した。ここに、トリメリト酸クロライド2
1.1g(0.1モル)をアセトン40gに溶解させた
溶液を反応溶液の温度が0℃を越えないように徐々に滴
下した。滴下終了後、1時間−5℃以下で反応を行い、
ここに合成例(6)で合成したジアミン化合物(1)1
8.1g(0.03モル)、4,4’−ジアミノジフェ
ニルエーテル3.0g(0.015モル)と1,3−ビ
ス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン
1.24g(0.005モル)をNMP80gに溶解さ
せた溶液を加えて、0℃で1時間反応させ、次いで30
℃で4時間反応させた。
【0075】反応終了後、溶液を水10lに投入してポ
リヒドロキシアミド酸(ポリマー(イ))の沈殿を生成
させた。この沈殿をろ過で集めて、水で洗浄して50℃
の真空乾燥機で20時間乾燥させた。
【0076】ここでポリマー(ア)2gとポリマー
(イ)8gと合成例1のナフトキノンジアジド化合物
(1)2gと合成例2のナフトキノンジアジド化合物
(2)2gとを混合し、GBL40gに溶解させ、ポジ
型感光性樹脂前駆体組成物のワニスDを得た。また上記
ポリマーのフッ素原子含有量は17.1%であった。
【0077】ワニスDを用いて、実施例3と同様に露光
した。現像は、実施例1と同じ現像装置を用い、50回
転で2.0%テトラメチルアンモニウム水溶液を10秒
間噴霧した。この後、50秒間静置し、400回転で1
0秒間水を噴霧してリンス処理、3000回転で10秒
振り切り乾燥した。現像後の未露光部の膜厚は4.0μ
mであり、現像により膜の減少は1.0μmと少なく良
好であった。
【0078】現像後のパターンを光学顕微鏡で目視した
結果、5μmのラインが解像しており、パターンの形状
も問題なかった。
【0079】比較例1 実施例1で得られたポリマー10gとナフトキノンジア
ジド化合物(4)2gをGBL45gに溶解させて感光
性ポリイミド前駆体組成物のワニスEを得た。実施例1
と同様に6インチシリコンウエハ上に、塗布、プリべー
ク、露光、現像を行った。現像後の膜厚は2.2μmで
あり、現像により膜厚の減少は2.8μmであった。実
施例1と比較して、現像後の未露光部の膜厚が薄く膜減
りが大きかった。現像後のパターンを光学顕微鏡で目視
した結果、5μmのラインが解像しており、パターンの
形状は問題なかった。
【0080】比較例2 実施例2で得られたポリマー10gとナフトキノンジア
ジド化合物(5)2gをGBL45gに溶解させて感光
性ポリイミド前駆体組成物のワニスFを得た。実施例2
と同様に4インチシリコンウエハ上に、塗布、プリべー
ク、露光、現像を行った。現像後の膜厚は2.0μmで
あり、現像により膜厚の減少は3.0μmであった。実
施例2と比較して、現像後の未露光部の膜厚が薄く膜減
りが大きかった。現像後のパターンを光学顕微鏡で目視
した結果、15μmのラインが解像しており、パターン
の形状は問題なかった。
【0081】比較例3 実施例3で得られたポリマー10gとナフトキノンジア
ジド化合物(6)2gをGBL45gに溶解させて感光
性ポリイミド前駆体組成物のワニスFを得た。実施例3
と同様に4インチシリコンウエハ上に、塗布、プリべー
ク、露光、現像を行った。現像後の膜厚は3.0μmで
あり、現像により膜厚の減少は2.0μmであった。実
施例3と比較して、現像後の未露光部の膜厚が薄く膜減
りが大きかった。現像後のパターンを光学顕微鏡で目視
した結果、15μmのラインが解像しており、パターン
の形状は問題なかった。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、環境に優しいアルカリ
水溶液で現像できる解像度の優れたポジ型の感光性組成
物を得ることができる。さらに、本発明の感光剤を用い
ることで、樹脂膜のパターン加工性、残膜率を向上させ
ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)一般式(1)で表される構造単位を
    主成分とするポリマーと、(b)一般式(2)で表され
    るキノンジアジド化合物を含有することを特徴とするポ
    ジ型感光性樹脂前駆体組成物。 【化1】 (R1は少なくとも2個以上の炭素原子を有する3価〜
    8価の有機基であり、R2は、少なくとも2個以上の炭
    素原子を有する2価〜6価の有機基であり、R3は水
    素、または炭素数1〜20までの有機基である。nは1
    0〜100000までの整数、mは0〜2までの整数、
    p、qは0〜4までの整数を示す。p、qは同時に0に
    ならない。) 【化2】 (R4は1〜10個の窒素原子を含む複素環である。b
    は1〜10までの整数を示す。)
  2. 【請求項2】一般式(1)のR1(COOR3)m(O
    H)pが、一般式(3)で表されることを特徴とする請
    求項1記載のポジ型感光性樹脂前駆体組成物。 【化3】 (R5、R7は炭素数2〜20より選ばれる3価〜4価
    の有機基であり、R6は、炭素数3〜20より選ばれる
    水酸基を有した3価〜6価の有機基であり、R8、R9
    は水素、および/または炭素数1〜20までの有機基で
    ある。o、sは1あるいは2、rは1〜4までの整数で
    ある。)
  3. 【請求項3】一般式(1)のR2(OH)qが、一般式
    (4)で表されることを特徴とする請求項1記載のポジ
    型感光性樹脂前駆体組成物。 【化4】 (R10、R12は炭素数2〜20より選ばれる水酸基
    を有した3価〜4価の有機基であり、R11は炭素数2
    〜30よりなる2価の有機基である。t、uは1あるい
    は2の整数である。)
  4. 【請求項4】一般式(1)のR2(OH)qが、一般式
    (5)で表されることを特徴とする請求項1記載のポジ
    型感光性樹脂前駆体組成物。 【化5】 (R13、R15は炭素数2〜20までの2価の有機基
    であり、R14は、炭素数3〜20より選ばれる水酸基
    を有した3価〜6価の有機基である。vは1〜4までの
    整数である。)
  5. 【請求項5】一般式(1)のR2(OH)qが、一般式
    (6)で表されることを特徴とする請求項1記載のポジ
    型感光性樹脂前駆体組成物。 【化6】 (R16は炭素数2〜20より選ばれる2価の有機基で
    あり、R17は、炭素数3〜20より選ばれる水酸基を
    有した3価〜6価の有機基である。wは1〜4までの整
    数である。)
  6. 【請求項6】一般式(1)で表されるポリマー中にフッ
    素原子が全体の10〜20重量%含まれることを特徴と
    する請求項1記載のポジ型感光性樹脂前駆体組成物。
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