JP2000061494A - アンモニア性窒素の生物学的処理方法 - Google Patents
アンモニア性窒素の生物学的処理方法Info
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Abstract
ことができるアンモニア性窒素の生物学的処理方法を提
供する。 【解決手段】硝化槽24当たりのアンモニア性窒素負荷
量を1.5〜2.5kg−N/m3 ・日に維持し、且つ
硝化槽24内のアンモニア性窒素濃度を250〜550
mg/Lに維持するようにしたので、亜硝酸型の硝化反
応を安定的且つ効率的に行うことができる。
Description
の生物学的処理方法に係り、特に、高濃度のアンモニア
性窒素を生物学的に除去する方法に関する。
れるアンモニア性窒素は、放流先の湖沼や内湾等の閉鎖
性水域における溶存酸素の低下や富栄養化現象の原因と
されている。従来、これらの廃水中から窒素成分を除去
する窒素除去技術としては、微生物を利用した生物学的
な硝化・脱窒処理が行われている。生物学的な硝化・脱
窒処理は、独立栄養菌である硝化細菌のアンモニア酸化
力と亜硝酸酸化力を利用して、廃水中のアンモニア性窒
素を好気性状態で亜硝酸性窒素を経て硝酸性窒素まで酸
化する。その後、従属栄養細菌である脱窒細菌の働きで
廃水中の有機物を電子供与体として硝酸性窒素を嫌気状
態で窒素ガスに還元することにより、廃水中のアンモニ
ア性窒素を除去するものである。
ニアから亜硝酸性窒素に酸化する反応と、亜硝酸性窒素
から硝酸性窒素に酸化する反応の2段階の反応を行う。 NH4-N →NO2-N →NO3-N また、硝化反応の後段の脱窒処理における脱窒細菌は、
亜硝酸性窒素から窒素ガスに還元することができる。
を硝酸に酸化する中間生成物である亜硝酸の段階で硝化
反応を停止する亜硝酸型の硝化反応を行うことができる
なら、硝化反応時にエアを曝気する曝気量を低減でき、
ブロアーの運転動力費を大幅に削減することができる。
また、脱窒処理における栄養源であるメタノール等の有
機物の添加量も低減することができる。更には、硝酸性
窒素まで反応させる必要がないので、硝化反応の所要時
間を短縮することができる。
の液の溶存酸素を変化させたり、pHを制御したり、あ
るいは有機のアンモニアや亜硝酸を利用して微生物阻害
する方法等を行ったりして、亜硝酸型の硝化反応を行う
試みがなされてきた。
た従来のいずれの試みも、アンモニア性窒素を硝酸に酸
化する中間生成物である亜硝酸の段階で硝化反応を停止
する亜硝酸型の硝化反応を行うことができなかった。本
発明は、このような事情に鑑みて成されたもので、安定
的且つ効率的に亜硝酸型の硝化反応を行うことができる
アンモニア性窒素の生物学的処理方法を提供することを
目的とする。
成するために、アンモニア性窒素を含有する廃水と微生
物固定化担体とを硝化槽内で好気性条件下で接触させる
ことによりアンモニア性窒素を硝化処理するアンモニア
性窒素の生物学的処理方法において、前記硝化槽当たり
のアンモニア性窒素負荷量を1.5〜2.5kg−N/
m3 ・日に維持し、且つ前記硝化槽内のアンモニア性窒
素濃度を250〜550mg/Lに維持することによ
り、亜硝酸型の硝化反応を行うことを特徴とする。
ア性窒素負荷量を1.5〜2.5kg−N/m3 ・日に
維持し、且つ硝化槽内のアンモニア性窒素濃度を250
〜550mg/Lに維持するようにしたので、亜硝酸型
の硝化反応を安定的且つ効率的に行うことができる。
ンモニア性窒素の生物学的処理方法の好ましい実施の形
態を詳説する。本発明のアンモニア性窒素の生物学的処
理方法の理論的根拠を説明する。発明者等は、アンモニ
ア性窒素を硝酸性窒素に酸化する中間生成物である亜硝
酸性窒素の段階で硝化反応を停止させる亜硝酸型の硝化
反応を安定的且つ効率的に行うための管理指標を検討し
た。
当たりのアンモニア性窒素の負荷量との関係について説
明する。図1は、硝化槽当たりのアンモニア性窒素負荷
量(以下「負荷量」という)と亜硝酸型の硝化反応との
関係を示したものである。即ち、充填率20%の微生物
固定化担体(以下「担体」という)を収納する硝化槽内
にアンモニア性窒素(NH4-N)のみを1000(mg
/L)の濃度で含有する合成廃水を供給し、負荷量を
0.8〜3.0(kg−N/m3 ・日)まで増加してい
きながら硝化反応を行った。そして、この時の硝化槽内
の硝化液中のアンモニア性窒素濃度(NH4-N)、亜硝
酸性窒素濃度(NO2-N)及び硝酸性窒素濃度(NO3-
N)の増減の推移を調べた。
加していった時の硝酸性窒素と亜硝酸性窒素の合計に対
する亜硝酸性窒素の比率(以下「亜硝酸比率」という)
を示したものである。図2において比率が1とは完全な
亜硝酸型の硝化反応が行われていることを意味し、比率
0とは完全な硝酸型の硝化反応が行われていることを意
味する。
0.8(kg−N/m3 ・日)の時には、硝化槽内の硝
化液中には、硝酸性窒素のみが認められた。このこと
は、負荷量が、0.8(kg−N/m3 ・日)の時に
は、アンモニア性窒素が硝化反応により全て硝酸性窒素
まで酸化される硝酸型の硝化反応が完全に支配すること
を意味する。
で増加すると、硝化液中に亜硝酸性窒素が認められ始め
る一方、硝酸性窒素濃度が低下してくる。そして、負荷
量が1.1(kg−N/m3 ・日)の時に亜硝酸比率が
略0.5となり硝酸型の硝化反応と亜硝酸型の硝化反応
が略平衡状態になった。更に、負荷量を1.5(kg−
N/m3 ・日)まで増加すると、亜硝酸比率が0.8と
なり硝酸型の硝化反応から亜硝酸型の硝化反応が支配的
になった。
近において、亜硝酸比率が0.9以上と最大になり、引
き続き負荷量を増加すると亜硝酸比率は低下し始め、負
荷量2.5(kg−N/m3 ・日)において亜硝酸比率
が0.8となった。そして、負荷量3.0(kg−N/
m3 ・日)の時に亜硝酸比率が0.4程度まで低下し、
再び硝酸型の硝化反応が支配するようになった。
g−N/m3 ・日)から3.0(kg−N/m3 ・日)
に増加させる場合で説明したが、逆に3.0(kg−N
/m 3 ・日)から0.8(kg−N/m3 ・日)に減少
させた場合も同様の結果を得た。上記した亜硝酸型の硝
化反応と硝化槽当たりのアンモニア性窒素の負荷量との
関係から、負荷量を1.5〜2.5(kg−N/m3 ・
日)の範囲に維持することにより亜硝酸比率を0.8以
上にすることができるので、亜硝酸型の硝化反応を支配
的に行うことができる。
存するアンモニア性窒素濃度との関係について見ると、
負荷量を増加していった時に、負荷量が1.0(kg−
N/m3 ・日)でアンモニア性窒素が残存し始め、その
後、負荷量が大きくなるにつれて残存濃度が高くなっ
た。そして、負荷量が1.5〜2.5(kg−N/m3
・日)の範囲におけるアンモニア性窒素の残存濃度は2
00〜450(mg/L)の範囲であった。このよう
に、アンモニア性窒素濃度1000(mg/L)の合成
廃水を硝化処理した場合、負荷量を1.5〜2.5(k
g−N/m3 ・日)の範囲に維持することにより亜硝酸
型の硝化反応を支配的に行うことができるものの、硝化
液中には硝化反応が進行しないアンモニア性窒素が多く
残存することになる。
では問題があることを意味する。 (2)そこで、本発明者等は、負荷量を1.5〜2.5
(kg−N/m3 ・日)の範囲に維持した状態で、合成
廃水のアンモニア性窒素濃度(以下「廃水NH 4-N濃
度」という)と硝化液中に残存するアンモニア性窒素の
濃度(以下「硝化液NH4-N濃度」という)の関係につ
いて検討した。
g/L)から100(mg/L)まで減少していった場
合において、廃水NH4-N濃度に対する硝化液NH4-N
濃度の比率である残存NH4-N比率を調べたものであ
る。図3から分かるように、廃水NH4-N濃度を100
0(mg/L)から100(mg/L)まで減少させて
いくに従って残存NH4-N比率が小さくなり、廃水NH
4-N濃度が550〜250(mg/L)の範囲におい
て、残存NH4-N比率が0.1以下の最小領域となっ
た。そして、廃水NH4-N濃度が250(mg/L)を
下回ると残存NH4-N比率が再び増加した。
等は、負荷量を1.5〜2.5(kg−N/m3 ・日)
の範囲に維持し、且つ廃水のアンモニア性窒素濃度を2
50〜550(mg/L)の範囲に維持することによ
り、亜硝酸型の硝化反応を安定的且つ効率的に行うこと
ができるという知見を得た。ところで、硝化反応を行う
硝化細菌を大別すると、高濃度のアンモニア性窒素雰囲
気の条件下で高活性を発揮するAH菌と、低濃度のアン
モニア性窒素雰囲気の条件下で高活性を発揮するAL菌
とがある。そして、AH菌はアンモニア性窒素濃度が4
00(mg/L)以上の領域で優先繁殖し、菌数の顕著
な増殖が見られ、硝化速度も顕著に高くなる。これに対
し、AL菌はアンモニア性窒素濃度が200(mg/
L)以下の領域で優先繁殖し、菌数の顕著な増殖が見ら
れ、硝化速度は100(mg/L)にピークがある放物
線を示す。また、アンモニア性窒素濃度が150〜40
0(mg/L)の領域ではAH菌とAL菌とが混相繁殖
し、硝化速度は2種類の菌の混在による相乗効果を生じ
る。
〜550(mg/L)の範囲のうち、400〜550
(mg/L)の範囲に維持する場合には、予めAH菌を
優先繁殖させた微生物固定化担体を使用することが好ま
しい。ここで、AH菌とは、濃度5000(mg/L)
の硫酸アンモニア溶液中で8週間培養して検出される硝
化細菌を言い、AL菌とは、濃度100(mg/L)の
硫酸アンモニア溶液中で8週間培養して検出される硝化
細菌を言う。
性窒素を含有する廃水と微生物固定化担体とを硝化槽内
で好気性条件下で接触させることによりアンモニア性窒
素を硝化処理するアンモニア性窒素の生物学的処理方法
において、硝化槽当たりのアンモニア性窒素負荷量を
1.5〜2.5kg−N/m3 ・日に維持し、且つ硝化
槽内のアンモニア性窒素濃度を250〜550mg/L
に維持するように構成したものである。
学的処理方法を適用した装置10の1例を示したもので
ある。図4に示すように、原水タンク12と生物反応装
置14を繋ぐ原水配管16の途中に水道配管18が接続
され、原水配管16と水道配管18にはそれれぞれ流量
調整ポンプ20、22が配設される。これにより、原水
タンク12から生物反応装置14に供給される廃水を水
道水で希釈することができる。
交互に複数直列に配設され、最終段に好気槽を配設して
構成され、図4には、1段目硝化槽24と2段目硝化槽
26の2槽から成る硝化槽と、1段目脱窒槽28と2段
目脱窒槽30の2槽から成る脱窒槽と1槽の好気槽32
で構成した例を示した。各硝化槽24、26には、浮遊
汚泥の他に硝化細菌を包括固定化した多数の担体34、
34…が収納される。また、各硝化槽24、26の底部
及び好気槽32の底部には、それぞれ散気板36、36
…が配設され、エア配管38を介して圧縮空気が供給さ
れる。これにより、各硝化槽24、26及び好気槽32
には散気板36からエアが曝気されて好気性条件が形成
される。硝化槽24、26から脱窒槽28、30に排出
される硝化液の排出口には担体流出防止用のスクリーン
40、40がそれぞれ配設される。また、各硝化槽2
4、26の近傍には、カセイソーダ等のアルカリ液を貯
留するアルカリタンク42が設けられ、アルカリタンク
42と各硝化槽24、26とは、配管44及び流量調整
ポンプ46を介して接続される。これにより、硝化槽2
4、26に供給される液のpHが調整される。
れると共に、脱窒槽28、30の底部には攪拌器48、
48が設けられる。これにより、攪拌器48で脱窒槽2
8、30内の液をゆっくりと攪拌することにより、脱窒
槽28、30に嫌気性条件を形成する。この嫌気性条件
下で硝化液が浮遊汚泥に含まれる脱窒細菌により脱窒処
理されて窒素ガスになる。また、各脱窒槽28、30の
近傍には、脱窒細菌の栄養源であるメタノール等の有機
物を貯留する有機物タンク50と、硫酸等の酸液を貯留
する酸液タンク52が設けられ、有機物タンク50及び
酸液タンク52と、脱窒槽28、30とはそれぞれ配管
54、56と流量調整ポンプ58、60を介して接続さ
れる。そして、硝化槽24、26から脱窒槽28、30
に送られる硝化液中の有機物が不足する場合には、有機
物タンク50から脱窒槽に有機物が補充されると共に、
酸液タンク52からの酸液により脱窒槽28、30内の
pHが調整される。
で処理された液が好気性条件下で浮遊汚泥と接触するこ
とにより、残存した微量のアンモニア性窒素及び残存有
機物が分解される。更に、好気槽32には、抜取り配管
64と抜取りポンプ66が設けられ、好気槽32の液を
適宜抜き取って生物反応装置14全体の負荷が調整する
ことにより、生物反応装置14への廃水供給量と相まっ
て1段目硝化槽当たりの負荷量を制御する。
沈殿する沈殿槽62が設けられ、沈殿槽62で沈降した
汚泥は返送配管68及び返送汚泥ポンプ70により1段
目脱窒槽28に返送される。次に、上記の如く構成され
た生物学的処理装置の作用について説明する。原水タン
ク12の廃水が例えば1000(mg/L)程度の高濃
度のアンモニア性窒素濃度の場合には、原水配管16の
途中で水道水により250〜550(mg/L)の範囲
のアンモニア性窒素濃度になるように希釈される。更
に、流量調整ポンプ20、22により1段目硝化槽24
に供給される廃水量が調整されると共に、抜取りポンプ
66により好気槽32の液が抜き取られる。これによ
り、1段目硝化槽24当たりのアンモニア性窒素負荷量
が1.5〜2.5kg−N/m3 ・日に維持される。
ンモニア性窒素負荷量を1.5〜2.5kg−N/m3
・日に維持し、且つ1段目硝化槽24内のアンモニア性
窒素濃度を250〜550mg/Lに維持するようにし
たので、アンモニア性窒素を硝酸性窒素に酸化する中間
生成物である亜硝酸性窒素の段階で硝化反応を停止させ
る亜硝酸型の硝化反応を支配的に行うことができる。従
って、硝化反応の所要時間を短縮することができると共
に、好気性条件を形成するためのエアの曝気量も削減す
ることができる。
28に硝化液が送られて、脱窒処理が行われる。この脱
窒処理において、硝化液中の大部分が亜硝酸性窒素であ
ることから、脱窒細菌の栄養源である有機物の使用量を
削減することができる。この有機物の削減量をメタノー
ルを用いた例で説明する。及びは硝酸型と亜硝酸型
の脱窒反応式を示したものであり、表1は脱窒量に対す
るメタノール必要量の比(メタノール/N比)の理論値
を示したものである。 〔硝酸型〕 2NO3-N +5/3 CH3OH →N2+2OH - +5/3 CO2 +7/3 H2O … 〔亜硝酸型〕 2NO2-N + CH3OH →N2+2OH - + CO2 + H2O …
の硝化反応に比べてメタノール使用量を30%削減する
ことができる。
槽26に送られる。2段目硝化槽26では、1段目硝化
槽24で残存した低濃度のアンモニア性窒素が硝化型の
硝化反応により硝化処理される。2段目硝化槽26で硝
化処理された硝化液は2段目脱窒槽30に送られて脱窒
処理された後、好気槽32において最終的な硝化処理が
行われ、残存有機物が分解される。
ア性窒素の生物学的処理方法によれば、亜硝酸型の硝化
反応を安定的且つ効率的に行うことができる。従って、
硝化反応時に曝気する曝気量を低減でき、ブロアーの運
転動力費を大幅に削減することができる。また、脱窒処
理における栄養源であるメタノール等の有機物の添加量
も低減することができる。更には、硝酸性窒素まで反応
させる必要がないので、硝化反応を所要時間を短縮する
ことができる。
酸型の硝化反応との関係を示したグラフ
時の硝酸性窒素と亜硝酸性窒素の合計に対する亜硝酸性
窒素の比率(以下「亜硝酸比率」という)を示したグラ
フ
に維持した状態で、合成廃水のアンモニア性窒素濃度と
硝化液中に残存するアンモニア性窒素の濃度の関係を示
したグラフ
を適用した装置の構成例を示した構成図
Claims (3)
- 【請求項1】アンモニア性窒素を含有する廃水と微生物
固定化担体とを硝化槽内で好気性条件下で接触させるこ
とによりアンモニア性窒素を硝化処理するアンモニア性
窒素の生物学的処理方法において、 前記硝化槽当たりのアンモニア性窒素負荷量を1.5〜
2.5kg−N/m3・日に維持し、且つ前記硝化槽内
のアンモニア性窒素濃度を250〜550mg/Lに維
持することにより、亜硝酸型の硝化反応を行うことを特
徴とするアンモニア性窒素の生物学的処理方法。 - 【請求項2】前記アンモニア性窒素濃度を400〜55
0mg/Lに維持する場合には、硝化細菌であるAH菌
を優先繁殖させた微生物固定化担体を使用することを特
徴とする請求項1のアンモニア性窒素の生物学的処理方
法。 - 【請求項3】前記亜硝酸型の硝化反応により硝化液中の
硝酸性窒素と亜硝酸性窒素の合計に対する亜硝酸性窒素
の比率が0.8以上になることを特徴とする請求項1の
アンモニア性窒素の生物学的処理方法。
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JP23840598A JP3656426B2 (ja) | 1998-08-25 | 1998-08-25 | アンモニア性窒素の生物学的処理方法 |
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