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JP2000045858A - 電子制御装置及び不揮発性メモリの書換回数記憶方法 - Google Patents

電子制御装置及び不揮発性メモリの書換回数記憶方法

Info

Publication number
JP2000045858A
JP2000045858A JP10212584A JP21258498A JP2000045858A JP 2000045858 A JP2000045858 A JP 2000045858A JP 10212584 A JP10212584 A JP 10212584A JP 21258498 A JP21258498 A JP 21258498A JP 2000045858 A JP2000045858 A JP 2000045858A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rewriting
data
storage area
address
nonvolatile memory
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10212584A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirokazu Komori
裕和 小森
Haruhiko Kondo
晴彦 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP10212584A priority Critical patent/JP2000045858A/ja
Priority to US09/335,046 priority patent/US6046937A/en
Priority to DE19935154A priority patent/DE19935154A1/de
Publication of JP2000045858A publication Critical patent/JP2000045858A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C16/00Erasable programmable read-only memories
    • G11C16/02Erasable programmable read-only memories electrically programmable
    • G11C16/06Auxiliary circuits, e.g. for writing into memory
    • G11C16/34Determination of programming status, e.g. threshold voltage, overprogramming or underprogramming, retention
    • G11C16/349Arrangements for evaluating degradation, retention or wearout, e.g. by counting erase cycles
    • G11C16/3495Circuits or methods to detect or delay wearout of nonvolatile EPROM or EEPROM memory devices, e.g. by counting numbers of erase or reprogram cycles, by using multiple memory areas serially or cyclically
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C16/00Erasable programmable read-only memories
    • G11C16/02Erasable programmable read-only memories electrically programmable
    • G11C16/06Auxiliary circuits, e.g. for writing into memory
    • G11C16/34Determination of programming status, e.g. threshold voltage, overprogramming or underprogramming, retention
    • G11C16/349Arrangements for evaluating degradation, retention or wearout, e.g. by counting erase cycles

Landscapes

  • Techniques For Improving Reliability Of Storages (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Memory System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不揮発性メモリ内の制御プログラムや制御デ
ータを書き換え可能であると共に、その不揮発性メモリ
の記憶内容の書き換え回数を該不揮発性メモリの特定の
記憶領域に記憶させるようにした電子制御装置におい
て、その不揮発性メモリの書き換え回数を容易に判断す
ることができ、しかも、上記特定の記憶領域でビット化
けが生じても書き換え回数を正確に判定できるようにす
る。 【解決手段】 制御プログラム等をフラッシュメモリに
記憶した電子制御装置において、フラッシュメモリの書
き換え回数を記憶するための回数情報記憶領域が、フラ
ッシュメモリにて連続した複数のアドレス(0001h〜00C
8h)として設定されており、当該装置は、フラッシュメ
モリに対する書換処理を行う毎に、回数情報記憶領域の
アドレスのうちでデータが未書き込みのアドレスを先頭
のアドレスから順に1つ選択し、そのアドレスに書き換
え回数を表す数値データを書き込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の制御対象を
制御するのに用いる制御プログラムや制御データをオン
ボード書き換え可能な電子制御装置に関し、特に、制御
プログラムや制御データを記憶した不揮発性メモリの記
憶内容の書き換え回数を、その不揮発性メモリの特定の
記憶領域に記憶するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば自動車のエンジンやト
ランスミッション等を制御する電子制御装置として、電
気的に記憶内容の消去及び書き込みが可能なフラッシュ
メモリやEEPROM等の読み出し専用の不揮発性メモ
リ(以下、書換可能ROMともいう)を備え、その書換
可能ROMに記憶された制御プログラムや制御データ
を、当該装置の完成状態で書き換えることができるよう
にした所謂オンボード書き換え可能なものが実用化され
ている。
【0003】即ち、この種の電子制御装置は、通常時に
は、書換可能ROM内の制御プログラム及び制御データ
に従ってエンジン等の制御対象を制御するが、別途接続
された外部装置としてのメモリ書換装置から書き換え指
令を受ける等して、書換条件が成立したと判断すると、
自己の動作モードを書換モードに移行させて、書換可能
ROMの記憶内容を上記メモリ書換装置から送信されて
来る新たなデータに書き換える書換処理を行う。
【0004】そして、このようなオンボード書き換え可
能な電子制御装置によれば、市場への供給後に、何等か
の原因で動作内容(制御内容)を変更しなければならな
い事態が起こったとしても、簡単に対応することができ
る。ところで、フラッシュメモリやEEPROM等の書
換可能ROMにおいては、記憶内容の書き換え回数(即
ち、記憶内容の消去及び書き込みの回数)に制限があ
る。
【0005】このため、この種の電子制御装置では、書
換可能ROMの記憶内容の書き換え回数(以下、書換可
能ROMの書き換え回数、或いは単に、書き換え回数と
もいう)を、同じ書換可能ROMに設定された回数情報
記憶領域に記憶させておくことにより、書換可能ROM
の記憶内容の書き換えが、その書換可能ROMの書換保
証回数を越えて行われてしまうことを防止するようにし
ている。
【0006】そして、書換可能ROMの書き換え回数を
記憶するための基本的な方法としては、書き換え回数を
特定するための回数情報として、書き換え回数を直接表
す数値データ(以下、回数値データともいう)を用い、
書換可能ROMの記憶内容を書き換えるための書換処理
を行う毎に、上記回数情報記憶領域内の回数値データ
を、1つカウントアップした値のデータに書き換えると
いうものがある。
【0007】しかしながら、この種の書換可能ROMに
おいて、記憶内容を書き換える際には、まず、記憶内容
をメモリセルのブロック単位あるいは一括で消去し、そ
の消去した領域に新たなデータを書き込む、といった手
順が必要となるため、上記基本的な方法では、書換処理
を行う毎に、前もって上記回数情報記憶領域からそれま
での回数値データをRAMに読み込んでおき、少なくと
も回数情報記憶領域の記憶内容を消去してから、その同
じ領域に、上記RAMに読み込んでおいた回数値データ
に1を加算した新たな回数値データを書き込む、といっ
た手順が行われることとなる。よって、上記基本的な方
法では、書換可能ROMにおける回数情報記憶領域の記
憶内容(つまり、それまでの回数値データ)を消去した
段階で電子制御装置への電源供給が遮断されてしまう
と、回数値データを完全に消失してしまうこととなり、
もはや、書換可能ROMの書き換え回数が全く不明にな
ってしまうという大きな問題があった。
【0008】そこで、上記問題を解決するための方法と
して、この種の書換可能ROMにおいては、データの未
書き込み状態では記憶データの全ビットが「1」であ
り、ビットデータを「1」から「0」にするだけなら消
去を行わずに追記することができるという点に着目し、
回数情報としてビットデータを用いると共に、書換処理
を行う毎に、書換可能ROM内の回数情報記憶領域に
「0」のビットを1ビットずつ追加して書き込んでい
く、という方法が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
「0」のビットを追記していく方法を用いた場合、回数
情報記憶領域内のデータを見ただけでは、書き換え回数
を容易に判断することができないという欠点がある。
【0010】つまり、この種の電子制御装置において
は、書換可能ROMの記憶内容を書き換える作業者が現
在の書き換え回数を知るために、メモリ書換装置側から
電子制御装置へ指令を与えて、電子制御装置に回数情報
記憶領域のアドレス及びデータをメモリ書換装置へ送信
させ、メモリ書換装置が電子制御装置からのアドレスと
その各アドレスに記憶されたデータとを対応させて表示
装置や紙面等に表示させる、所謂メモリダンプを行う場
合がある。そして、このメモリダンプを行えば、作業者
は書換可能ROMの回数情報記憶領域の記憶内容を見る
ことができるのであるが、「0」のビットを追記してい
く方法では、表示されたデータから書換可能ROMの書
き換え回数を容易に判断することができないのである。
【0011】また、フラッシュメモリやEEPROM等
の書換可能ROMにおいては、希ではあるが、ビットデ
ータが「0」から「1」へ、或いは、「1」から「0」
へと変化してしまう“ビット化け”が発生する可能性が
ある。そして、書換処理が行われる毎に「0」のビット
を追記していく方法では、図9に示すように、「0」を
書き込み済みのビットと「0」を未書き込みのビット
(つまり、未だ「1」のビット)との境目付近で、下記
〜の何れかのパターンでビット化けが発生すると、
書換可能ROMの書き換え回数を正確に特定することが
できなくなってしまう。
【0012】:「0」を書き込み済みのビットと
「0」を未書き込みのビットとの境目を成す2つのビッ
トbn ,bn+1 のうちで、本来ならば「0」を書き込み
済みのビットbn が、「1」に変わってしまった場合。
そして、この場合には、書換可能ROMの書き換え回数
が実際よりも1回少なく判断されてしまう。
【0013】:上記境目を成す2つのビットbn ,b
n+1 のうちで、本来ならば「0」を未書き込みのビット
bn+1 が、「0」に変わってしまった場合。そして、こ
の場合には、書換可能ROMの書き換え回数が実際より
も1回多く判断されてしまう。
【0014】:上記境目を成す2つのビットbn ,b
n+1 のうちで「0」を書き込み済みのビットbn の1つ
前のビットbn-1 が、「1」に変わってしまった場合。
そして、この場合には、2つのビットbn ,bn-1 のう
ちの何れがビット化けしているのかを特定できず、正確
な書き換え回数が分からない。
【0015】:上記境目を成す2つのビットbn ,b
n+1 のうちで「0」を未書き込みのビットn+1 の1つ後
のビットn+2 が、「0」に変わってしまった場合。そし
て、この場合には、2つのビットbn+2 ,bn+1 のうち
の何れがビット化けしているのかを特定できず、正確な
書き換え回数が分からない。
【0016】このため、書換処理が行われる毎に「0」
のビットを追記していく方法では、作業者がメモリダン
プによって書換可能ROMの書き換え回数を調べる場合
だけではなく、電子制御装置自身が、書換処理を開始す
る前に、書換可能ROMの回数情報記憶領域に記憶され
たデータを読み出して、書換可能ROMの書き換え回数
が書換保証回数に達したか否かを判定するように構成し
た場合にも、実際の書き換え回数を正確に判定できない
可能性が大きくなる。
【0017】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、不揮発性メモリに記憶された制御プログラム
や制御データを書き換え可能であると共に、その不揮発
性メモリの記憶内容の書き換え回数を該不揮発性メモリ
の特定の記憶領域に記憶させるようにした電子制御装置
において、その不揮発性メモリの記憶内容の書き換え回
数を容易に判断することができ、しかも、上記特定の記
憶領域でビット化けが生じても書き換え回数をより正確
に判定できるようにすることを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】上記目
的を達成するためになされた請求項1に記載の本発明の
電子制御装置は、電気的に記憶内容の消去及び書き込み
が可能な読み出し専用の不揮発性メモリ(以下、書換可
能ROMという)を備えており、通常時には、その書換
可能ROMに記憶された制御プログラム及び制御データ
に従って所定の制御対象を制御するが、予め定められた
書換条件が成立した場合には、書換可能ROMの記憶内
容を外部から送信されて来る新たなデータに書き換える
書換処理を行う。そして、本発明の電子制御装置では、
前記書換処理が行われる毎に、回数記憶手段が、書換可
能ROMの記憶内容の書き換え回数を特定するための回
数情報を、その書換可能ROMに設定された回数情報記
憶領域に記憶させる。
【0019】ここで特に、請求項1に記載の電子制御装
置において、前記回数情報記憶領域は、書換可能ROM
において複数のアドレスに亘る記憶領域として設定され
ている。そして、回数記憶手段は、書換処理が行われる
毎に、前記回数情報記憶領域のアドレスのうちでデータ
が未書き込みのアドレスを1つ選択して、その選択した
アドレスに、書換可能ROMの記憶内容の書き換え回数
を表す数値データを、前記回数情報として書き込む。
【0020】つまり、請求項1に記載の電子制御装置で
は、書換可能ROMの記憶内容の書き換え回数を特定す
るための回数情報を、その書換可能ROMに設定された
回数情報記憶領域に記憶させる書換回数記憶方法とし
て、「回数情報記憶領域を、書換可能ROMにおいて複
数のアドレスに亘る記憶領域として設定しておき、書換
処理が行われる毎に、前記回数情報記憶領域のアドレス
のうちでデータが未書き込みのアドレスを1つ選択し
て、その選択したアドレスに、書換可能ROMの記憶内
容の書き換え回数を表す数値データを、前記回数情報と
して書き込む」という請求項5に記載の不揮発性メモリ
の書換回数記憶方法を実施している。
【0021】このような請求項1に記載の電子制御装置
及び請求項5に記載の書換回数記憶方法では、書換可能
ROMに対する書換処理が行われる毎に、回数情報記憶
領域のデータを書き換えるのではなく、その回数情報記
憶領域にてデータが未書き込みのアドレスへ、書換可能
ROMの書き換え回数を表す数値データを追加して書き
込むようにしているため、前述の基本的な方法を用いた
場合のように書き換え回数を失ってしまうことがない。
【0022】そして特に、請求項1に記載の電子制御装
置及び請求項5に記載の書換回数記憶方法によれば、書
換可能ROMの回数情報記憶領域に追記していくデータ
が、ビットではなく、書き換え回数を直接表す数値デー
タ(回数値データ)そのものであるため、回数情報記憶
領域のアドレス及びデータを電子制御装置から外部装置
へロードして外部装置側で表示させるメモリダンプを行
った場合には、書換可能ROMの書き換え回数を容易に
知ることができる。
【0023】即ち、請求項1に記載の電子制御装置及び
請求項5に記載の書換回数記憶方法では、書換処理が行
われる毎に、回数情報記憶領域のデータ未書き込みのア
ドレスへ、最初の書換処理の場合には1を表す数値デー
タ,2回目の書換処理の場合には2を表す数値データ,
3回目の書換処理の場合には3を表す数値データ,…と
いった具合に、1ずつ値が増加する数値データが追記さ
れていくため、メモリダンプで表示された各アドレス毎
のデータの中から、全ビットが「1」であるデータ(つ
まり、未書き込みのアドレスのデータ)以外で値が最大
のデータを見つければ、そのデータの値がそのまま書換
可能ROMの現在の書き換え回数だからである。
【0024】また更に、請求項1に記載の電子制御装置
及び請求項5に記載の書換回数記憶方法によれば、万
一、回数情報記憶領域におけるデータのビットが、
「0」から「1」へ、或いは、「1」から「0」へ、と
いった具合にビット化けしたとしても、回数情報記憶領
域の各アドレスのデータを値が小さいものから順に並べ
た場合の数値列の連続性により、ビット化けによる異常
な数値データを容易に特定したり訂正することができ
る。よって、回数情報記憶領域でビット化けが生じて
も、書換可能ROMの書き換え回数をより正確に判定す
ることができるようになる。
【0025】次に、請求項2に記載の電子制御装置で
は、前述した請求項1の電子制御装置において、回数情
報記憶領域が、書換可能ROMにおいて連続した複数の
アドレスに亘る記憶領域として設定されている。そし
て、回数記憶手段は、前記書換処理が行われる毎に、回
数情報記憶領域のアドレスのうちでデータが未書き込み
のアドレスを先頭のアドレスから順に1つ選択して、そ
の選択したアドレスに、書換可能ROMの書き換え回数
を表す数値データを書き込むように構成されている。
【0026】つまり、請求項2に記載の電子制御装置で
は、「回数情報記憶領域を、書換可能ROMにおいて連
続した複数のアドレスに亘る記憶領域として設定してお
き、書換処理が行われる毎に、前記回数情報記憶領域の
アドレスのうちでデータが未書き込みのアドレスを先頭
のアドレスから順に1つ選択して、その選択したアドレ
スに、書換可能ROMの記憶内容の書き換え回数を表す
数値データを書き込む」という請求項6に記載の不揮発
性メモリの書換回数記憶方法を実施している。
【0027】そして、このような請求項2に記載の電子
制御装置及び請求項6に記載の書換回数記憶方法では、
回数情報記憶領域の先頭アドレスには1を表す数値デー
タが書き込まれ、先頭から2番目のアドレスには2を表
す数値データが書き込まれ、先頭から3番目のアドレス
には3を表す数値データが書き込まれる、といった具合
に、回数情報記憶領域の各アドレスには、そのアドレス
値に対応した値の数値データが書き込まれることとな
る。よって、回数情報記憶領域のデータにビット化けが
生じた場合に、そのビット化けによる異常な数値データ
を一層容易に特定して訂正することができる。
【0028】つまり、回数情報記憶領域のアドレスによ
って、書き込まれるべき数値データが規定されるため、
回数情報記憶領域の各アドレスのデータのうち、全ビッ
トが「1」であるデータ以外で、アドレス値に対応しな
い数値データがある場合には、その数値データにビット
化けが生じていものと特定することができる。そして、
その異常な数値データのアドレス値から、真の数値デー
タを容易に知ることができるからである。
【0029】従って、請求項2に記載の電子制御装置及
び請求項6に記載の書換回数記憶方法によれば、仮に回
数情報記憶領域において複数ビット同時にビット化けが
生じたとしても、書換可能ROMの書き換え回数を非常
に高い確率で正確に判定できるようになる。
【0030】尚、請求項1,2に記載の電子制御装置と
請求項5,6に記載の書換回数記憶方法において、書換
可能ROMの1アドレス当たりのデータビット数がNで
ある場合に、書換可能ROMの書き換え回数を最大でも
「2(N-1)−2 」回までしかカウントしないように設定
すれば、回数情報記憶領域に故意に書き込まれた書き換
え回数を表す本来の数値データと、全ビットが「1」で
あるデータに1ビットのビット化けが生じたデータと
を、確実に区別することができ、延いては、ビット化け
が生じた場合の書き換え回数の判定精度を更に向上させ
ることができる。
【0031】例えば、1アドレス当たりのデータが8ビ
ット(N=8)であるとすると、全ビットが「1」であ
る未書き込みのアドレスのデータ(16進数表示でF
F)は、その最上位ビットが「0」にビット化けした場
合に最小値の127となる。そして、このような場合で
も、書き換え回数を126(=2(8-1)−2 )回以下ま
でしかカウントしないのであれば、回数情報記憶領域に
故意に書き込まれた書き換え回数を表す本来の数値デー
タと、全ビットが「1」であるデータに1ビットのデー
タ化けが生じたデータとを確実に区別して、ビット化け
に対する書き換え回数の判定精度を向上させることがで
きる。
【0032】一方、請求項3に記載の本発明の電子制御
装置は、請求項1,2に記載の電子制御装置と同様に、
通常時には、書換可能ROMに記憶された制御プログラ
ム及び制御データに従って所定の制御対象を制御し、予
め定められた書換条件が成立した場合には、書換可能R
OMの記憶内容を外部から送信されて来る新たなデータ
に書き換える書換処理を行う。そして、この電子制御装
置においても、前記書換処理が行われる毎に、回数記憶
手段が、書換可能ROMの記憶内容の書き換え回数を特
定するための回数情報を、その書換可能ROMに設定さ
れた回数情報記憶領域に記憶させる。
【0033】ここで、この請求項3に記載の電子制御装
置においては、請求項2に記載の電子制御装置と同様
に、回数情報記憶領域が、書換可能ROMにおいて連続
した複数のアドレスに亘る記憶領域として設定されてお
り、回数記憶手段は、書換処理が行われる毎に、前記回
数情報記憶領域のアドレスのうちでデータが未書き込み
のアドレスを先頭のアドレスから順に1つ選択するが、
特に、回数記憶手段は、その選択したアドレスに、書き
換え回数を表す数値データではなく、予め定められた一
定値を表す数値データを前記回数情報として書き込む。
【0034】つまり、請求項3に記載の電子制御装置で
は、書換可能ROMの記憶内容の書き換え回数を特定す
るための回数情報を、その書換可能ROMに設定された
回数情報記憶領域に記憶させる書換回数記憶方法とし
て、「回数情報記憶領域を、書換可能ROMにおいて連
続した複数のアドレスに亘る記憶領域として設定してお
き、書換処理が行われる毎に、前記回数情報記憶領域の
アドレスのうちでデータが未書き込みのアドレスを先頭
のアドレスから順に1つ選択して、その選択したアドレ
スに、予め定められた一定値を表す数値データを、前記
回数情報として書き込む」という請求項7に記載の不揮
発性メモリの書換回数記憶方法を実施している。
【0035】このような請求項3に記載の電子制御装置
及び請求項7に記載の書換回数記憶方法によれば、書換
処理が行われる毎に、一定値を表す数値データが回数情
報記憶領域の先頭アドレスから順に追記されていくた
め、回数情報記憶領域のアドレス及びデータを電子制御
装置から外部装置へロードして外部装置側で表示させる
メモリダンプを行った場合には、表示された各アドレス
毎のデータの中から、全ビットが「1」であるデータ
(未書き込みのアドレスのデータ)を先頭アドレスから
順に探し、全ビットが「1」である最初のデータのアド
レス値から先頭のアドレス値を引くだけで、書換可能R
OMの現在の書き換え回数を知ることができる。尚、こ
のような手順は、電子制御装置自身が、回数情報記憶領
域に記憶されたデータを読み出して、書換可能ROMの
書き換え回数を判定する場合も、同様である。
【0036】そして更に、請求項3に記載の電子制御装
置及び請求項7に記載の書換回数記憶方法によれば、正
常時には、回数情報記憶領域の各アドレスのデータ値
が、上記一定値と、全ビットが「1」のデータ値との、
何れか一方になるため、万一、回数情報記憶領域におけ
るデータのビットがビット化けしたとしても、そのビッ
ト化けが生じているデータが、一定値の数値データから
ビット化けしたものか、或いは、全ビットが「1」であ
るデータからビット化けしたものかを、容易に判別する
ことができる。このため、回数情報記憶領域でビット化
けが生じても、書換可能ROMの書き換え回数を誤って
判定することを防止することができる。
【0037】特に、請求項4及び請求項8に記載のよう
に、上記一定値として0を用いれば、その一定値を表す
数値データは全ビットが「0」であるデータとなるた
め、回数情報記憶領域でビット化けが生じた場合に、元
のデータが一定値の数値データか全ビットが「1」のデ
ータかを、より確実に判別できるようになり、非常に効
果的である。例えば、「1」のビットの数が所定数以上
であれば、元のデータが未書き込みのアドレスのデータ
であると判断することができ、そうでなければ、元のデ
ータが一定値(0)を表す数値データであると判断する
ことができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図面を用いて説明する。まず図1は、車両(自動
車)に搭載されて内燃機関型エンジンの制御を行う、第
1実施形態の電子制御装置(以下、ECUという)2の
構成を表すブロック図である。
【0039】図1に示すように、ECU2は、エンジン
の運転状態を検出する様々なセンサ4からの信号を入力
して波形処理する入力処理回路6と、入力処理回路6か
らのセンサ信号等に基づき、エンジンを制御するための
様々な処理を行うマイクロコンピュータ(以下、マイコ
ンという)8と、マイコン8からの制御信号に応じて、
エンジンに取付けられた燃料噴射装置(インジェクタ)
や点火装置(イグナイタ)等のアクチュエータ10を駆
動する出力回路12と、外部装置としてのメモリ書換装
置14との間でシリアルデータ通信を行うための通信回
路16と、車両のイグニッションスイッチ17のオンに
伴い供給されるバッテリBTからの電源を受けて、マイ
コン8を始めとする当該ECU2内の各部に動作用の電
源電圧(例えば5V)を供給する電源回路18とを備え
ている。
【0040】尚、電源回路18は、イグニッションスイ
ッチ17がオンされて上記電源電圧の供給を開始してか
ら、その電源電圧が安定すると見なされる所定時間だけ
マイコン8へリセット信号を出力する、所謂パワーオン
リセット機能を有している。そして、マイコン8には、
プログラムに従い動作する周知のCPU(中央演算処理
装置)20と、CPU20を動作させるのに必要なプロ
グラム(詳しくは、そのプログラムを構成するデータ)
やそのプログラムの実行時に参照されるデータを記憶す
る不揮発性のフラッシュメモリ22及びマスクROM2
4と、CPU20による演算結果等を一時的に記憶する
ための揮発性のRAM26と、入力処理回路6,出力回
路12,及び通信回路16との間で信号やデータをやり
取りするためのI/O28と、各種レジスタ(図示省
略)とが備えられている。
【0041】ここで、フラッシュメモリ22は、電気的
に記憶内容の消去及び書き込みが可能な読み出し専用の
不揮発性メモリ(書換可能ROM)であり、本実施形態
では、その1アドレス当たりに8ビットのデータが記憶
されるようになっている。そして、このフラッシュメモ
リ22には、エンジンを制御するためのプログラム(以
下、エンジン制御プログラムという)と、そのエンジン
制御プログラムの実行時に参照されるエンジン制御用の
制御データとが記憶されている。
【0042】また特に、本実施形態では、図2の最上段
に示すように、フラッシュメモリ22の0001h番地
から00C8h番地までの連続する200個のアドレス
が、当該フラッシュメモリ22の記憶内容(つまり、エ
ンジン制御プログラム及び制御データ)の書き換え回数
を記憶するための回数情報記憶領域として設定されてお
り、この回数情報記憶領域は、データの書き換えが禁止
されている。そして、その回数情報記憶領域以外の記憶
領域に、エンジン制御プログラムと制御データとが記憶
されている。
【0043】尚、本明細書において、上記0001hや
00C8hのように、最後に“h”が付された0から9
までの数字及びAからFまでのアルファベットの並び
は、16進数表示の数値を表している。また、ECU2
が製造される前の段階において、フラッシュメモリ22
にはデータが全く書き込まれておらず、各アドレスのデ
ータ値は、全ビットが「1」であるFFh(10進数表
示で255)となっている。そして、フラッシュメモリ
22の回数情報記憶領域以外の記憶領域には、ECU2
の製造工程においてマイコン8がECU2へ実装されて
から、該当するエンジン制御プログラム及び制御データ
が書き込まれるが、ここでは、エンジン制御プログラム
及び制御データが既に書き込まれているものとする。
【0044】これに対して、マスクROM24は、記憶
内容の書き換えが不可能な読み出し専用の不揮発性メモ
リである。そして、このマスクROM24には、マイコ
ン8のリセット解除直後に実行されるブートプログラム
が予め記憶されている。一方、当該ECU2には、フラ
ッシュメモリ22に書き込まれているエンジン制御プロ
グラムや制御データを新たな内容に書き換える際に、メ
モリ書換装置14が接続される。そして、図1に示すよ
うに、ECU2とメモリ書換装置14との接続は、両者
の接続用コネクタ30が嵌合されて、互いの通信ライン
32が信号的に接続されることにより行われる。即ち、
接続用コネクタ30が嵌合されると、ECU2のマイコ
ン8は、通信回路16及び通信ライン32を介して、メ
モリ書換装置14とシリアルデータ通信可能になる。
【0045】このようなECU2において、マイコン8
は、リセットが解除されて初期状態から動作を開始する
と、最初にマスクROM24内のブートプログラムを実
行する。そして、メモリ書換装置14が接続されていな
い通常時には、そのブートプログラムにてフラッシュメ
モリ22内のエンジン制御プログラムをコールして、エ
ンジンを制御するためのエンジン制御処理を行う。
【0046】また、マイコン8は、ブートプログラムの
実行時や、エンジン制御処理を行っている最中に、後述
する書換条件が成立していると判断すると、メモリ書換
装置14から送信されて来る書換プログラムを受信して
RAM26へロード(転送)する。そして、その書換プ
ログラムをRAM26上で実行することにより、フラッ
シュメモリ22内のエンジン制御プログラム及び制御デ
ータの一部又は全部をメモリ書換装置14から送信され
て来る新たなデータ(即ち、新たなエンジン制御プログ
ラムを構成するデータや新たな制御データ)に書き換え
るための書換処理を行う。
【0047】そこで次に、ECU2のマイコン8で実行
される処理について、図3〜図5のフローチャートを用
いて説明する。まず、図3は、マイコン8で実行される
処理の全体を表すフローチャートチャートであり、その
ステップ(以下、単に「S」と記す)100〜S12
0,S150,及びS160の処理が、マスクROM2
4内のブートプログラムによって実行される。そして、
S130及びS140の処理が、フラッシュメモリ22
内のエンジン制御プログラムによって実行され、S16
5〜S190の処理が、メモリ書換装置14から送信さ
れてRAM26へロードされる書換プログラムによって
実行される。
【0048】図3に示すように、マイコン8は、イグニ
ッションスイッチ17のオンに伴い初期状態(リセット
状態)から動作を開始すると、マスクROM24内のブ
ートプログラムの実行を開始し、まずS110にて、フ
ラッシュメモリ22の記憶内容を書き換えるべき書換条
件が成立したか否かを判定する。尚、本実施形態では、
当該ECU2に通信ライン32を介して接続されたメモ
リ書換装置14がフラッシュメモリ22の書き換えを指
令する書換コマンドを送信し、その書換コマンドをマイ
コン8が受信割込処理等によって検知した場合に、書換
条件が成立したと判定する。
【0049】そして、上記S110で書換条件が成立し
ていないと判定した場合には(S110:NO)、通常
のエンジン制御モードであると判断して、S120に進
み、このS120にて、フラッシュメモリ22内のエン
ジン制御プログラムの開始アドレスへジャンプする。
【0050】すると、その後は、フラッシュメモリ22
内のエンジン制御プログラムが実行されて、S130及
びS140の処理が行われる。即ち、まずS130に
て、エンジンを制御するためのエンジン制御処理が行わ
れる。尚、このエンジン制御処理は、入力処理回路6か
らの各種センサ信号とフラッシュメモリ22内の制御デ
ータとに基づき、エンジンに対する最適な燃料噴射量や
点火時期等を演算し、その演算結果に応じて、燃料噴射
装置や点火装置等のアクチュエータ10を駆動するため
の制御信号を出力回路12に出力する、といった手順で
実行される。
【0051】そして、このエンジン制御処理が繰り返し
実行されることで、エンジンの運転が可能となるが、エ
ンジン制御処理の実行を一通り終了すると、次にエンジ
ン制御処理を繰り返す前に、S140にて、前述したS
110の場合と同様に書換条件が成立したか否かを判定
する。そして、書換条件が成立していなければ(S14
0:NO)、S130に戻ってエンジン制御処理を実行
する。
【0052】よって、エンジン制御処理(S130)が
繰り返される毎に、書換条件の成立/非成立がチェック
され(S140)、書換条件が成立していなければ、直
ちに、エンジン制御処理(S130)を繰り返すことと
なる。一方、ブートプログラムのS110或いはエンジ
ン制御プログラムのS140で書換条件が成立している
と判定した場合には(S110:YES或いはS14
0:YES)、フラッシュメモリ22の記憶内容を書き
換える書換モードであると判断して、ブートプログラム
のS150に移行する。そして、このS150にて、メ
モリ書換装置14からの書換プログラムを、RAM26
へロードする。
【0053】つまり、メモリ書換装置14は、所定の操
作が行われると、前述した書換コマンドを送信した後、
ECU2へ書換プログラムを送信するように構成されて
いる。そこで、ECU2のマイコン8は、S150の処
理により、メモリ書換装置14からの書換プログラムを
受信して、RAM26に格納するのである。
【0054】そして、S150の処理によって書換プロ
グラムのRAM26へのロードが終了すると、次のS1
60に進んで、RAM26へロードした書換プログラム
の開始アドレスへジャンプする。すると、マイコン8
は、上記書換プログラムをRAM26上で実行すること
となり、これによりS165〜S190の処理が行われ
る。
【0055】即ち、まずS165にて、メモリ書換装置
14から所定時間以内にメモリダンプ要求が送信されて
来たか否かを判定し、メモリダンプ要求が送信されて来
た場合には(S165:YES)、S167に進んで、
フラッシュメモリ22の回数情報記憶領域のアドレス及
びデータをメモリ書換装置14へ送信する。すると、メ
モリ書換装置14は、当該ECU2からのアドレスとそ
の各アドレスのデータとを対応させて表記した所謂ダン
プリストを、CRT等の表示装置に表示させることとな
る。
【0056】そして、上記S167の処理を行うか、或
いは、S165でメモリダンプ要求が送信されて来なか
ったと判定した場合には(S165:NO)、S170
に進んで、フラッシュメモリ22の回数情報記憶領域に
記憶されたデータから該フラッシュメモリ22の記憶内
容の書き換え回数を取得する書換回数読み出し処理を実
行する。尚、この書換回数読み出し処理の詳しい内容に
ついては、図5を用いて後述する。
【0057】次に、続くS175にて、S170の書換
回数読み出し処理で取得したフラッシュメモリ22の書
き換え回数が、予め定められた所定値以下であるか否か
を判定する。尚、上記所定値は、基本的には、フラッシ
ュメモリ22の書換保証回数(即ち、消去及び書き込み
の保証回数)と同じ値に設定しておけば良いが、本実施
形態では、余裕を持たせることと回数情報記憶領域のア
ドレス数とを考慮して、フラッシュメモリ22の実際の
書換保証回数よりも小さい値(例えば100)に設定さ
れている。
【0058】ここで、上記S175にて、フラッシュメ
モリ22の書き換え回数が所定値以下ではないと肯定判
定した場合には(S175:NO)、S177に進み、
フラッシュメモリ22の書き換え回数が所定値をオーバ
ーしていることを示す報知信号をメモリ書換装置14へ
送信する、報知処理を行う。そして、その後、全ての処
理を終了する。尚、メモリ書換装置14は、上記S17
7で送信された報知信号を受信すると、フラッシュメモ
リ22の記憶内容を書き換えることができない旨を示す
メッセージを表示装置に表示させると共に、ECU2と
の通信を停止する。
【0059】これに対し、上記S175にて、フラッシ
ュメモリ22の書き換え回数が所定値以下であると判定
した場合には(S175:YES)、フラッシュメモリ
22の書き換えが可能であると判断して、S180に移
行する。そして、このS180にて、フラッシュメモリ
22の回数情報記憶領域に該フラッシュメモリ22の最
新の書き換え回数を記憶させる後述の書換回数カウント
処理(図4)を実行し、更に続くS190にて、フラッ
シュメモリ22の記憶内容をメモリ書換装置14から送
信されて来る新たなデータ(詳しくは、新たなエンジン
制御プログラムを構成するデータや新たな制御データ)
に書き換える書換処理を行う。
【0060】尚、S190の書換処理は、次の[1]〜
[3]のような手順で行われる。 [1]まず、メモリ書換装置14から送信されて来る消
去要求に従って、フラッシュメモリ22の記憶領域のう
ちでデータを書き換える対象の記憶領域から、旧来のデ
ータを消去する。
【0061】[2]次に、メモリ書換装置14から送信
されて来る新たなデータを受信して、その受信したデー
タを、上記[1]の手順で旧来のデータを消去したフラ
ッシュメモリ22の記憶領域に書き込む。 [3]最後に、上記[2]の手順でフラッシュメモリ2
2に書き込んだデータを読み出して、そのデータと、メ
モリ書換装置14から受信したデータとが一致している
か否かを検査するベリファイチェックを行う。そして、
そのベリファイチェックの結果をメモリ書換装置14へ
送信した後、全ての処理を終了する。
【0062】ここで、このような書換処理の直前毎に実
行されるS180の書換回数カウント処理では、図4に
示すように、まずS210にて、当該マイコン8内の第
1レジスタmにフラッシュメモリ22の回数情報記憶領
域の先頭アドレスを代入する。
【0063】次に、続くS220にて、フラッシュメモ
リ22の回数情報記憶領域から、第1レジスタmの値と
一致するアドレス(以下、アドレスmという)のデータ
をRAM26へ読み出し、そのアドレスmのデータがF
Fhであるか否かを判定する。
【0064】そして、上記S220にてアドレスmのデ
ータがFFhであると判定した場合には(S220:Y
ES)、回数情報記憶領域の先頭アドレスに未だデータ
が書き込まれていないということであり、この場合に
は、S230に進んで、当該マイコン8内の第2レジス
タnに1(=01h)を代入する。そして更に、続くS
240にて、回数情報記憶領域のアドレスm(第1レジ
スタmの値と一致するアドレス)に、第2レジスタnの
値を書き込み、その後、当該書換回数カウント処理を終
了する。よって、回数情報記憶領域の先頭アドレスに未
だデータが書き込まれていなかった場合には、その先頭
アドレスに1を表す01hが書き込まれることとなる。
【0065】一方、上記S220にてアドレスmのデー
タがFFhではないと判定した場合には(S220:N
O)、S250に移行して、第1レジスタmの値を1イ
ンクリメントする。次に、続くS260にて、S220
と同様に、回数情報記憶領域からアドレスmのデータを
RAM26へ読み出して、そのアドレスmのデータがF
Fhであるか否かを判定する。
【0066】そして、上記S260にてアドレスmのデ
ータがFFhではないと判定した場合には(S260:
NO)、S250に戻る。これに対し、上記S260に
てアドレスmのデータがFFhであると判定した場合に
は(S260:YES)、S270に進んで、回数情報
記憶領域から、第1レジスタmの値よりも1だけ小さい
値と一致するアドレス(即ち、アドレスmの1つ前のア
ドレスであって、以下、アドレス(m−1)という)の
データをRAM26へ読み出し、そのアドレス(m−
1)のデータ値に1を加算した値(=アドレス(m−
1)のデータ値+1)を、第2レジスタnに代入する。
そして、その後、前述したS240の処理を行ってか
ら、当該書換回数カウント処理を終了する。
【0067】つまり、この書換回数カウント処理では、
回数情報記憶領域のアドレスのうちで、記憶されている
データがFFhであるデータ未書き込みのアドレスを、
先頭のアドレスから順に探索している(S210,S2
20,S250,S260)。そして、先頭アドレスの
データがFFhであったならば(S220:YES)、
その先頭アドレスへ1を表す数値データを書き込み(S
230及びS240)、また、先頭アドレスのデータが
既にFFhでなかった場合には(S220:NO)、デ
ータがFFhであると探索したアドレスへ、そのアドレ
スの1つ前のアドレスに記憶されているデータよりも1
だけ大きい値の数値データを書き込むようにしている
(S270及びS240)。
【0068】このため、本実施形態のECU2では、図
3のS190の書換処理が行われる毎に、回数情報記憶
領域のアドレスのうちでデータ未書き込みのアドレスが
先頭のアドレスから順に1つ選択され、その選択された
アドレスに、フラッシュメモリ22の書き換え回数を直
接表す数値データが書き込まれることとなる。
【0069】即ち、図2に示すように、書換処理が1回
目に行われる場合には、回数情報記憶領域の先頭アドレ
ス(0001h)に1を表す数値データ(01h)が書
き込まれ、書換処理が2回目に行われる場合には、回数
情報記憶領域の先頭から2番目のアドレス(0002
h)に2を表す数値データ(02h)が書き込まれ、書
換処理が3回目に行われる場合には、回数情報記憶領域
の先頭から3番目のアドレス(0003h)に3を表す
数値データ(03h)が書き込まれる、といった具合
に、回数情報記憶領域の各アドレスには、書換処理が行
われる毎に且つ先頭アドレスから順に、そのアドレス値
に対応した値の数値データであってフラッシュメモリ2
2の書き換え回数を直接表す数値データが、追加して書
き込まれていくこととなる。よって、例えば、3回目の
書換処理が行われた後においては、回数情報記憶領域の
各アドレスのデータが、先頭アドレスから順に、01
h,02h,03h,FFh,FFh,…といった状態
となり、最初のFFhの1つ前のデータ(つまり、FF
h以外のデータの最大値)である03hが、フラッシュ
メモリ22の現在の書き換え回数をそのまま表すことと
なる。
【0070】尚、本第1実施形態では、図4の書換回数
カウント処理が、請求項1,2に記載の回数記憶手段と
しての処理に相当している。また、図4のS270にお
いて、第2レジスタnへは、{第1レジスタmの値−
(回数情報記憶領域の先頭アドレスのアドレス値−
1)}を代入するようにしても良い。そして、このよう
にすれば、既に書き込んだ数値データにビット化けが生
じていても、それが後に書き込む数値データに影響しな
い、という利点がある。
【0071】一方、こうした図4の書換回数カウント処
理によって回数情報記憶領域に記憶されるデータからフ
ラッシュメモリ22の書き換え回数を取得するために図
3のS170で実行される書換回数読み出し処理は、図
5に示す手順で行われる。即ち、書換回数読み出し処理
では、まずS310にて、当該マイコン8内の第1レジ
スタmにフラッシュメモリ22の回数情報記憶領域の先
頭アドレスを代入する。
【0072】次に、続くS320にて、フラッシュメモ
リ22の回数情報記憶領域から、アドレスm(第1レジ
スタmの値と一致するアドレス)のデータをRAM26
へ読み出し、そのアドレスmのデータがFFhであるか
否かを判定する。ここで、上記S320にてアドレスm
のデータがFFhであると判定した場合には(S32
0:YES)、回数情報記憶領域の先頭アドレスに未だ
データが書き込まれておらず、書換処理が一度も行われ
ていないということである。よって、この場合には、S
330に進んで、当該マイコン8内の第2レジスタn
に、フラッシュメモリ22の書き換え回数として0(=
00h)を代入し、その後、当該書換回数読み出し処理
を終了する。
【0073】尚、前述した図3のS175では、当該書
換回数読み出し処理によって第2レジスタnに代入され
た値を、フラッシュメモリ22の書き換え回数として用
い、その第2レジスタnの値が所定値以下であるか否か
を判定する。一方、上記S320にてアドレスmのデー
タがFFhではないと判定した場合には(S320:N
O)、S340に移行して、第1レジスタmの値を1イ
ンクリメントする。そして、続くS350にて、S32
0と同様に、回数情報記憶領域からアドレスmのデータ
をRAM26へ読み出して、そのアドレスmのデータが
FFhであるか否かを判定し、アドレスmのデータがF
Fhでなければ(S350:NO)、S340に戻る。
【0074】これに対し、上記S350にてアドレスm
のデータがFFhであると判定した場合には(S35
0:YES)、S360に進んで、回数情報記憶領域か
らアドレス(m−1)のデータをRAM26へ読み出
し、その読み出したアドレス(m−1)のデータに対し
て「データ異常判定及び修復処理」を行う。
【0075】ここで、「データ異常判定及び修復処理」
は、アドレス(m−1)のデータにビット化けが生じて
いるか否かを判定すると共に、ビット化けが生じている
場合には、そのデータを正常なデータに修復するための
処理である。そして、この「データ異常判定及び修復処
理」は、まず、アドレス(m−1)のデータ値が、
{(第1レジスタmの値−1)−(回数情報記憶領域の
先頭アドレスのアドレス値−1)}と等しいか否かを判
定し、等しければ、アドレス(m−1)のデータは正常
と判断するが、そうでなければ、アドレス(m−1)の
データにビット化けが生じていると判断して、RAM2
6に読み出したアドレス(m−1)のデータ値を、
{(第1レジスタmの値−1)−(回数情報記憶領域の
先頭アドレスのアドレス値−1)}に置き換える、とい
った手順で実行される。
【0076】そして、続くS370にて、当該マイコン
8内の第2レジスタnに、フラッシュメモリ22の書き
換え回数として、上記「データ異常判定及び修復処理」
を行った後のアドレス(m−1)のデータ値を代入し、
その後、当該書換回数読み出し処理を終了する。
【0077】つまり、この書換回数読み出し処理では、
回数情報記憶領域のアドレスのうちで、記憶されている
データがFFhであるデータ未書き込みのアドレスを、
先頭のアドレスから順に探索し(S310,S320,
S340,S350)、もし、先頭アドレスのデータが
FFhであったならば(S320:YES)、第2レジ
スタnに、フラッシュメモリ22の書き換え回数として
0(=00h)を代入するようにしている(S33
0)。また、先頭アドレスのデータがFFhでなかった
場合には(S320:NO)、基本的には、データがF
Fhであると探索したアドレスの1つ前のアドレスのデ
ータ値を、フラッシュメモリ22の書き換え回数として
第2レジスタnへ代入するが(S370)、万一、デー
タがFFhであると探索したアドレスの1つ前のアドレ
スのデータ値が、そのアドレス値から[回数情報記憶領
域の先頭アドレスのアドレス値−1]を引いた値である
正常値でなければ、ビット化けが生じていると判断し
て、第2レジスタnへ代入する値を、上記正常値に置き
換えるようにしている(S360)。
【0078】よって、例えば、図3のS190の書換処
理が過去に3回行われている場合には、基本的には、回
数情報記憶領域の0003h番地のデータ値が、フラッ
シュメモリ22の書き換え回数として第2レジスタnへ
代入されるが、もし、その0003h番地のデータ値
が、正常値である03h(={0003h−(0001
h−1)})でなければ、第2レジスタnへ、0003
h番地の異常なデータ値に代えて、03hが代入される
こととなる。
【0079】以上詳述したように本第1実施形態のEC
U2では、回数情報記憶領域が、フラッシュメモリ22
において連続した200個のアドレスに亘る記憶領域と
して設定されている。そして、フラッシュメモリ22に
対する書換処理が行われる毎に、回数情報記憶領域のデ
ータを書き換えるのではなく、その回数情報記憶領域の
アドレスのうちでデータが未書き込みのアドレスを先頭
のアドレスから順に1つ選択して、その選択したアドレ
スに、フラッシュメモリ22の書き換え回数を直接表す
数値データを書き込むようにしている。
【0080】よって、前述した従来の基本的な方法を用
いた場合のように、電源供給の遮断によって書き換え回
数を失ってしまう虞がない。そして特に、本第1実施形
態のECU2によれば、フラッシュメモリ22の回数情
報記憶領域に追加して書き込んでいくデータが、ビット
ではなく、書き換え回数を表す数値データ(回数値デー
タ)そのものであるため、当該ECU2が図3のS16
7の処理によって回数情報記憶領域のアドレス及びデー
タをメモリ書換装置14へ送信し、メモリ書換装置14
が回数情報記憶領域のダンプリストを表示装置に表示さ
せた際において、フラッシュメモリ22の記憶内容を書
き換える作業者は、フラッシュメモリ22の現在の書き
換え回数を容易に知ることができる。
【0081】例えば、図6は、フラッシュメモリ22の
FF38h番地からFFFFh番地までの200個のア
ドレスが回数情報記憶領域として設定されていると共
に、書き換え回数を50回までカウントしている時点で
のダンプリストを例示している。そして、作業者は、こ
のようなダンプリストにおける各アドレス毎のデータの
中から、FFhではないデータの最大値(この例の場
合、FF69h番地の32h(=50))を瞬時に認識
して、フラッシュメモリ22の現在の書き換え回数が5
0回であることを極めて容易に知ることができる。
【0082】また更に、本第1実施形態のECU2にお
いて、回数情報記憶領域の各アドレスには、書換処理が
行われる毎に且つ先頭アドレスから順に、そのアドレス
値に対応した値の数値データであってフラッシュメモリ
22の書き換え回数を直接表す数値データが、書き込ま
れていくこととなる。
【0083】よって、回数情報記憶領域におけるデータ
のビットが、「0」から「1」へ、或いは、「1」から
「0」へ、といった具合にビット化けしたとしても、そ
のビット化けによる異常な数値データを容易に特定して
訂正することができ、その結果、回数情報記憶領域でビ
ット化けが生じても、フラッシュメモリ22の書き換え
回数を非常に高い確率で正確に判定することができるよ
うになる。
【0084】つまり、回数情報記憶領域の各アドレスに
は、そのアドレス値から[回数情報記憶領域の先頭アド
レスのアドレス値−1]を引いた値が書き込まれるはず
であるため、回数情報記憶領域の各アドレスのデータの
うち、全ビットが「1」であるFFh以外で、アドレス
値に対応しない数値データがある場合には、その数値デ
ータにビット化けが生じていものと特定することがで
き、更に、その異常な数値データのアドレス値から、正
常な数値データを容易に知ることができるからである。
そして、前述した図5のS360で実行される「データ
異常判定及び修復処理」は、まさにこの考えに基づいて
行われている。
【0085】尚、上記第1実施形態において、メモリ書
換装置14が、ECU2から送信された回数情報記憶領
域のアドレス及びデータをダンプリストとして表示装置
に表示させる際に、アドレス値に対応しないFFh以外
の数値データを、正常なデータ(即ち、その数値データ
のアドレス値から[回数情報記憶領域の先頭アドレスの
アドレス値−1]を引いた値のデータ)に修正して表示
するように構成することもできる。
【0086】また、上記第1実施形態のECU2では、
図3のS175の判定で用いる所定値を100に設定し
て、フラッシュメモリ22の書き換え回数を126回
(=2 (8-1)−2 )以下の100回までしかカウントし
ていないため、回数情報記憶領域に故意に書き込まれた
書き換え回数を表す本来の数値データと、全ビットが
「1」であるFFhに1ビットのビット化けが生じたデ
ータとを、確実に区別して、ビット化けが生じた場合の
書き換え回数の判定精度をより向上させることができ
る。
【0087】つまり、データが未書き込みのアドレスの
データであるFFhは、1ビットのビット化けが生じる
と、FFh以外の8通りの数値データに化けてしまう。
そして、極めて希ではあるが、その8通りの数値データ
の何れかの値よりも1つ少ない書き換え回数の時に、実
際の書き換え回数に対応するアドレスの次のアドレスの
データが、FFhからそのアドレス値に対応した数値デ
ータに化けてしまうと、書き換え回数を1回多く認識し
てしまうこととなる。例えば、実際の書き換え回数が1
26回の時に、回数情報記憶領域の先頭から127番目
のアドレスのデータが、ビット化けによってFFhから
7Fh(=127)に変化してしまうと、書き換え回数
が127回であると1回余分に誤認識してしまう。
【0088】そこで、FFhは、その最上位ビットが
「0」にビット化けした場合に最小値の127となるた
め、フラッシュメモリ22の書き換え回数を126回以
下までしかカウントしないのであれば、回数情報記憶領
域に故意に書き込まれた本来の数値データと、FFhに
1ビットのデータ化けが生じたデータとを確実に区別し
て、ビット化けに対する書き換え回数の判定精度を向上
させることができるのである。但し、このようなカウン
ト数の制限を設けなくても、書き換え回数を1回だけ余
分に認識することは安全側の誤認識であるため、極めて
大きな問題とはならない面もある。
【0089】一方、上記第1実施形態のECU2では、
フラッシュメモリ22において連続する複数のアドレス
を、回数情報記憶領域として用いたが、連続していない
複数のアドレスを回数情報記憶領域として設定し、図3
のS180では、その回数情報記憶領域のアドレスのう
ちでデータが未書き込みのアドレスを1つ選択して、そ
の選択したアドレスに、フラッシュメモリ22の書き換
え回数を表す数値データを書き込むようにしても良い。
尚、アドレスの選択順序は、アドレス値の小さいもの順
が一般的であるが、アドレス値が大きいものから順に選
択することもできる。
【0090】そして、このように構成しても、フラッシ
ュメモリ22の回数情報記憶領域に追記していくデータ
が、書き換え回数を直接表す数値データそのものである
ため、メモリダンプを行った場合には、表示装置に表示
された各アドレス毎のデータの中から、FFh以外で値
が最大のデータを見つけるだけで、フラッシュメモリ2
2の書き換え回数を容易に知ることができる。また更
に、万一、回数情報記憶領域におけるデータにビット化
けが生じたとしても、回数情報記憶領域の各アドレスの
データを値が小さいものから順に並べた場合の数値列の
連続性により、ビット化けによる異常な数値データを容
易に特定して訂正することができる。
【0091】次に、第2実施形態のECUについて説明
する。第2実施形態のECUは、第1実施形態のECU
2と比較して、図3のS180で、図4の処理に代えて
図7に示す書換回数カウント処理が実行される点と、図
3のS170で、図5の処理に代えて図8に示す書換回
数読み出し処理が実行される点とが異なっている。そし
て、その他の構成等は、第1実施形態のECU2と同様
である。
【0092】そこで以下、本第2実施形態のECUで実
行される書換回数カウント処理と書換回数読み出し処理
とについて、図7及び図8を用いて説明する。まず、図
7に示すように、第2実施形態のECUで実行される書
換回数カウント処理では、最初のS410にて、第1レ
ジスタmにフラッシュメモリ22の回数情報記憶領域の
先頭アドレスを代入し、続くS420にて、フラッシュ
メモリ22の回数情報記憶領域から、アドレスm(即
ち、第1レジスタmの値と一致するアドレス)のデータ
をRAM26へ読み出して、そのアドレスmのデータが
FFhであるか否かを判定する。
【0093】そして、上記S420にてアドレスmのデ
ータがFFhではないと判定した場合には(S420:
NO)、S430に進み、第1レジスタmの値を1イン
クリメントした後、S420へ戻る。これに対し、上記
S420にてアドレスmのデータがFFhであると判定
した場合には(S420:YES)、S440に移行し
て、回数情報記憶領域のアドレスmに、一定値としての
0を表す00hを書き込み、その後、当該書換回数カウ
ント処理を終了する。
【0094】つまり、第2実施形態の書換回数カウント
処理では、回数情報記憶領域のアドレスのうちで、記憶
されているデータがFFhであるデータ未書き込みのア
ドレスを、先頭のアドレスから順に探索し(S410〜
S430)、データがFFhであると探索したアドレス
へ、0を表す数値データ(00h)を書き込むようにし
ている(S440)。
【0095】このため、本第2実施形態のECUでは、
図3のS190の書換処理が行われる毎に、回数情報記
憶領域のアドレスのうちでデータ未書き込みのアドレス
が先頭のアドレスから順に1つ選択され、その選択され
たアドレスに00hが書き込まれることとなる。よっ
て、例えば、3回目の書換処理が行われた後において
は、回数情報記憶領域の各アドレスのデータが、先頭ア
ドレスから順に、00h,00h,00h,FFh,F
Fh,…といった状態となり、最初のFFhのアドレス
値(この例の場合0004h)と先頭アドレスのアドレ
ス値(0001h)との差が、フラッシュメモリ22の
現在の書き換え回数を表すこととなる。
【0096】尚、本第2実施形態では、図7の書換回数
カウント処理が、請求項3,4に記載の回数記憶手段と
しての処理に相当している。一方、図8に示すように、
本第2実施形態のECUにおいて図3のS170で実行
される書換回数読み出し処理では、まずS510にて、
第1レジスタmにフラッシュメモリ22の回数情報記憶
領域の先頭アドレスを初期値として代入し、続くS52
0にて、第2レジスタnに0(=00h)を初期値とし
て代入する。
【0097】そして、続くS530にて、フラッシュメ
モリ22の回数情報記憶領域から、アドレスm(第1レ
ジスタmの値と一致するアドレス)のデータをRAM2
6へ読み出し、続くS540にて、上記S530で読み
出したアドレスmのデータに対して「データ異常判定及
び修復処理」を行う。
【0098】ここで、S540の「データ異常判定及び
修復処理」は、アドレスmのデータにビット化けが生じ
ているか否かを判定すると共に、ビット化けが生じてい
る場合には、そのデータを正常なデータに修復するため
の処理である。そして、このS540の「データ異常判
定及び修復処理」は、下記の[1]〜[3]の手順で行
われる。
【0099】[1]まず、アドレスmのデータが、00
hとFFhとの何れかであるか否かを判定し、00hと
FFhとの何れかであれば、アドレスmのデータは正常
と判断して、そのまま当該「データ異常判定及び修復処
理」を終了する。 [2]これに対して、アドレスmのデータが00hとF
Fhとの何れでもない場合には、アドレスmのデータに
ビット化けが生じていると判断して、アドレスmのデー
タが有している「1」のビットの数を調査する。
【0100】[3]そして、アドレスmのデータ中の
「1」のビットの数が所定数(例えば5個)以上であれ
ば、RAM26に読み出したアドレスmのデータをFF
hに置き換え、逆に、「1」のビットの数が上記所定数
未満であれば、RAM26に読み出したアドレスmのデ
ータを00hに置き換える。そして、その後、当該「デ
ータ異常判定及び修復処理」を終了する。
【0101】次に、続くS550にて、上記S540で
の「データ異常判定及び修復処理」を行った後のアドレ
スmのデータがFFhであるか否かを判定し、FFhで
なければ(S550:NO)、次のS560に進んで、
第1レジスタmの値を1インクリメントし、更に続くS
570にて、第2レジスタnの値を1インクリメントし
た後、S530へ戻る。
【0102】また、S550にて、上記S540での
「データ異常判定及び修復処理」を行った後のアドレス
mのデータがFFhであると判定した場合には(S55
0:YES)、そのまま当該書換回数読み出し処理を終
了する。そして、本第2実施形態のECUにおいても、
前述した図3のS175では、図8の書換回数読み出し
処理によって第2レジスタnに代入されている値を、フ
ラッシュメモリ22の書き換え回数として用い、その第
2レジスタnの値が所定値以下であるか否かを判定す
る。
【0103】つまり、本第2実施形態の書換回数読み出
し処理では、基本的には、回数情報記憶領域のアドレス
のうちで、記憶されているデータがFFhでないデータ
書き込み済みのアドレスを、先頭のアドレスから順に1
アドレスずつ探索すると共に(S510,S530,S
550,S560)、その探索したアドレスの個数を第
2レジスタnの値としてカウントするようにしている
(S520,S570)。そして、その第2レジスタn
の値をフラッシュメモリ22の書き換え回数として用い
ている。また特に、上記の探索中において、回数情報記
憶領域から読み出したデータが00hとFFhとの何れ
でもなければ、そのデータにビット化けが生じていると
判断して、その異常なデータ中の「1」のビットの数か
ら、元の正常なデータが00hとFFhとの何れであっ
たかを特定し、その異常なデータを上記特定した正常な
データに修正してS550の判定を行うようにしている
(S540)。
【0104】尚、図8の書換回数読み出し処理におい
て、S520とS570の処理を行う代わりに、S55
0でアドレスmのデータがFFhであると判定した場合
に(S550:YES)、第2レジスタnへ、{第1レ
ジスタmの値−回数情報記憶領域の先頭アドレスのアド
レス値}を、フラッシュメモリ22の書き換え回数とし
て代入し、その後、当該書換回数読み出し処理を終了す
るようにしても良い。
【0105】以上詳述したように本第2実施形態のEC
Uでは、回数情報記憶領域が、フラッシュメモリ22に
おいて連続した複数のアドレスに亘る記憶領域として設
定されており、フラッシュメモリ22に対する書換処理
が行われる毎に、回数情報記憶領域のデータを書き換え
るのではなく、その回数情報記憶領域のアドレスのうち
でデータが未書き込みのアドレスを先頭のアドレスから
順に1つ選択して、その選択したアドレスに、0を表す
数値データ(00h)を書き込むようにしている。
【0106】よって、前述した従来の基本的な方法を用
いた場合のように、電源供給の遮断によって書き換え回
数を失ってしまう虞がない上に、当該ECUが図3のS
167の処理によって回数情報記憶領域のアドレス及び
データをメモリ書換装置14へ送信し、メモリ書換装置
14が回数情報記憶領域のダンプリストを表示装置に表
示させた際において、フラッシュメモリ22の記憶内容
を書き換える作業者は、表示された各アドレス毎のデー
タの中から、全ビットが「1」であるFFhを先頭アド
レスから順に探し、最初のFFhのアドレス値から先頭
アドレスのアドレス値を引くだけで、フラッシュメモリ
22の現在の書き換え回数を容易に知ることができる。
【0107】そして更に、本第2実施形態のECUによ
れば、正常時には、回数情報記憶領域の各アドレスのデ
ータ値が、00hとFFhとの何れか一方になるため、
万一、回数情報記憶領域におけるデータのビットがビッ
ト化けしたとしても、そのビット化けが生じているデー
タが、00hからビット化けしたものか、或いは、FF
hからビット化けしたものかを、容易に判別することが
できる。このため、回数情報記憶領域でビット化けが生
じても、フラッシュメモリ22の書き換え回数を誤って
判定することを防止することができる。
【0108】特に、本第2実施形態では、FFhに対し
て各ビットの「1」と「0」とが全く反対になる00h
を書き込むようにしているため、回数情報記憶領域でビ
ット化けが生じた場合に、元のデータが00hとFFh
との何れであるかをより確実に判別することができ、非
常に効果的である。例えば、「1」のビットの数が所定
数以上であれば、元のデータがFFhであると判断する
ことができ、そうでなければ、元のデータが00hであ
ると判断することができる。そして、前述した図8のS
540で実行される「データ異常判定及び修復処理」
は、まさにこの考えに基づいて行われている。
【0109】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は、前述した第1及び第2実施形態に限定
されるものではなく、種々の形態を採り得ることは言う
までもない。例えば、上記各実施形態のECUでは、図
3のS165〜S190の処理を実行するための書換プ
ログラムを、メモリ書換装置14側からRAM26へロ
ードするようにしたが、上記書換プログラムをマスクR
OM24に予め格納しておき、そのマスクROM24上
で実行するようにしても良い。そして、この場合には、
図3のS150及びS160の処理を省略することがで
きる。
【0110】また、上記各実施形態のECUは、車両の
エンジンを制御するものであったが、本発明は、例えば
ブレーキ、トランスミッション、サスペンション等の他
の制御対象を制御する電子制御装置に対しても、全く同
様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の電子制御装置(ECU)の構
成を表すブロック図である。
【図2】 フラッシュメモリに設定された回数情報記憶
領域を説明する説明図である。
【図3】 第1実施形態のECUで実行される処理の全
体を表すフローチャートである。
【図4】 第1実施形態のECUで実行される書換回数
カウント処理を表すフローチャートである。
【図5】 第1実施形態のECUで実行される書換回数
読み出し処理を表すフローチャートである。
【図6】 メモリダンプを行った場合のダンプリストの
一例を示す図である。
【図7】 第2実施形態のECUで実行される書換回数
カウント処理を表すフローチャートである。
【図8】 第2実施形態のECUで実行される書換回数
読み出し処理を表すフローチャートである。
【図9】 従来技術の問題を説明する説明図である。
【符号の説明】
2…電子制御装置(ECU) 4…センサ 6…入
力処理回路 8…マイクロコンピュータ(マイコン) 10…アク
チュエータ 12…出力回路 14…メモリ書換装置 16…通
信回路 BT…バッテリ 17…イグニッションスイッチ
18…電源回路 20…CPU 22…フラッシュメモリ 24…マ
スクROM 26…RAM 28…I/O 30…接続用コネク
タ 32…通信ライン

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的に記憶内容の消去及び書き込みが
    可能な読み出し専用の不揮発性メモリを備えると共に、
    通常時には、前記不揮発性メモリに記憶された制御プロ
    グラム及び制御データに従って所定の制御対象を制御
    し、予め定められた書換条件が成立した場合には、前記
    不揮発性メモリの記憶内容を外部から送信されて来る新
    たなデータに書き換える書換処理を行うように構成さ
    れ、 更に、前記書換処理が行われる毎に、前記不揮発性メモ
    リの記憶内容の書き換え回数を特定するための回数情報
    を、前記不揮発性メモリに設定された回数情報記憶領域
    に記憶させる回数記憶手段を備えた電子制御装置であっ
    て、 前記回数情報記憶領域は、前記不揮発性メモリにおいて
    複数のアドレスに亘る記憶領域として設定されており、 前記回数記憶手段は、前記書換処理が行われる毎に、前
    記回数情報記憶領域のアドレスのうちでデータが未書き
    込みのアドレスを1つ選択して、その選択したアドレス
    に、前記不揮発性メモリの記憶内容の書き換え回数を表
    す数値データを、前記回数情報として書き込むように構
    成されていること、 を特徴とする電子制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子制御装置におい
    て、 前記回数情報記憶領域は、前記不揮発性メモリにおいて
    連続した複数のアドレスに亘る記憶領域として設定され
    ており、 前記回数記憶手段は、前記書換処理が行われる毎に、前
    記回数情報記憶領域のアドレスのうちでデータが未書き
    込みのアドレスを先頭のアドレスから順に1つ選択し
    て、その選択したアドレスに、前記書き換え回数を表す
    数値データを書き込むように構成されていること、 を特徴とする電子制御装置。
  3. 【請求項3】 電気的に記憶内容の消去及び書き込みが
    可能な読み出し専用の不揮発性メモリを備えると共に、
    通常時には、前記不揮発性メモリに記憶された制御プロ
    グラム及び制御データに従って所定の制御対象を制御
    し、予め定められた書換条件が成立した場合には、前記
    不揮発性メモリの記憶内容を外部から送信されて来る新
    たなデータに書き換える書換処理を行うように構成さ
    れ、 更に、前記書換処理が行われる毎に、前記不揮発性メモ
    リの記憶内容の書き換え回数を特定するための回数情報
    を、前記不揮発性メモリに設定された回数情報記憶領域
    に記憶させる回数記憶手段を備えた電子制御装置であっ
    て、 前記回数情報記憶領域は、前記不揮発性メモリにおいて
    連続した複数のアドレスに亘る記憶領域として設定され
    ており、 前記回数記憶手段は、前記書換処理が行われる毎に、前
    記回数情報記憶領域のアドレスのうちでデータが未書き
    込みのアドレスを先頭のアドレスから順に1つ選択し
    て、その選択したアドレスに、予め定められた一定値を
    表す数値データを、前記回数情報として書き込むように
    構成されていること、 を特徴とする電子制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の電子制御装置におい
    て、 前記一定値は0であること、を特徴とする電子制御装
    置。
  5. 【請求項5】 電気的に記憶内容の消去及び書き込みが
    可能な読み出し専用の不揮発性メモリを備え、通常時に
    は、前記不揮発性メモリに記憶された制御プログラム及
    び制御データに従って所定の制御対象を制御し、予め定
    められた書換条件が成立した場合には、前記不揮発性メ
    モリの記憶内容を外部から送信されて来る新たなデータ
    に書き換える書換処理を行うように構成された電子制御
    装置に用いられ、 前記不揮発性メモリの記憶内容の書き換え回数を特定す
    るための回数情報を、前記不揮発性メモリに設定された
    回数情報記憶領域に記憶させる不揮発性メモリの書換回
    数記憶方法であって、 前記回数情報記憶領域を、前記不揮発性メモリにおいて
    複数のアドレスに亘る記憶領域として設定しておき、 前記書換処理が行われる毎に、前記回数情報記憶領域の
    アドレスのうちでデータが未書き込みのアドレスを1つ
    選択して、その選択したアドレスに、前記不揮発性メモ
    リの記憶内容の書き換え回数を表す数値データを、前記
    回数情報として書き込むこと、 を特徴とする不揮発性メモリの書換回数記憶方法。
  6. 【請求項6】 請求5に記載の不揮発性メモリの書換回
    数記憶方法において、 前記回数情報記憶領域を、前記不揮発性メモリにおいて
    連続した複数のアドレスに亘る記憶領域として設定して
    おき、 前記書換処理が行われる毎に、前記回数情報記憶領域の
    アドレスのうちでデータが未書き込みのアドレスを先頭
    のアドレスから順に1つ選択して、その選択したアドレ
    スに、前記書き換え回数を表す数値データを書き込むこ
    と、 を特徴とする不揮発性メモリの書換回数記憶方法。
  7. 【請求項7】 電気的に記憶内容の消去及び書き込みが
    可能な読み出し専用の不揮発性メモリを備え、通常時に
    は、前記不揮発性メモリに記憶された制御プログラム及
    び制御データに従って所定の制御対象を制御し、予め定
    められた書換条件が成立した場合には、前記不揮発性メ
    モリの記憶内容を外部から送信されて来る新たなデータ
    に書き換える書換処理を行うように構成された電子制御
    装置に用いられ、 前記不揮発性メモリの記憶内容の書き換え回数を特定す
    るための回数情報を、前記不揮発性メモリに設定された
    回数情報記憶領域に記憶させる不揮発性メモリの書換回
    数記憶方法であって、 前記回数情報記憶領域を、前記不揮発性メモリにおいて
    連続した複数のアドレスに亘る記憶領域として設定して
    おき、 前記書換処理が行われる毎に、前記回数情報記憶領域の
    アドレスのうちでデータが未書き込みのアドレスを先頭
    のアドレスから順に1つ選択して、その選択したアドレ
    スに、予め定められた一定値を表す数値データを、前記
    回数情報として書き込むこと、 を特徴とする不揮発性メモリの書換回数記憶方法。
  8. 【請求項8】 請求7に記載の不揮発性メモリの書換回
    数記憶方法において、 前記一定値は0であること、を特徴とする不揮発性メモ
    リの書換回数記憶方法。
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