山の向こうのとなり街 滋賀
今週のお題「となり街」
私の地元・三重県の北勢地域は、買い物でも遊びでも何かに付けて直ぐナゴヤ、偶に津に免許を取りに往つたり、伊勢にお参りをしに往つたり為るのが常。北側や西側に聳える鈴鹿山の向かうは闇。
ここまで椎名林檎構文でお送りしました。
山の向こうは岐阜と滋賀で、まだ岐阜は大桑(=大垣・桑名)道路や高速道路(建設中)、養老鉄道などによってある程度の結びつきはありますが、滋賀県に向かう経路はごくわずか。
北勢↔滋賀の間にある峠は鈴鹿峠、石榑峠と鞍掛峠(これは調べて初めて知りました)。石榑峠以外は冬季通行止めで、その石榑も2011年にトンネルができるまでは冬季通行止めだったようです。
物理的距離に対して、精神的距離ははるかに遠い。わくわくしますね。
そんなこんなで、自分が物心ついたころには既に1時間やそこらで行けた滋賀ですが、地元のどこからでも見える山を越えた先なので実際はもっと遠くに行っているような不思議な感覚でした。
スーパー銭湯の八風の湯や永源寺、八日市駅前のクラブハリエにスガキヤ…
山を挟んで四日市(三重)と八日市(滋賀)が存在するのって神秘ですね。
また行きたいです。
Jリーグとプロ野球
こないだ、地元・ヴィッセル神戸の試合を初めて見に行きました。
ブラジル人のパトリッキ選手の応援は「ジェアン!リマ!パットリッキ!」と大合唱で、とても語呂がよく気持ちよかったです。
大迫のシュートも目撃できました。
ところで、ヴィッセルの応援では「ヴィッセル」ではなく「神戸」が強調されがちな気がします。例えば「神戸魂見せてやれ」や「港の戦士」、応援テーマソング(?)は「神戸賛歌」で「神戸を愛したい」と歌われています。「愛の讃歌」の替え歌だったので初耳の自分も歌うことができて嬉しかったです。
おそらくほかのJリーグチームも似たような感じだと思います。
これは、同じプロスポーツでもプロ野球とは全然違うなあと興味深かったです。
例えば、中日ドラゴンズの応援は「ドラゴンズ」がメインで「名古屋」はあまり意識されません。応援歌でも「ナゴヤドームに詰めかけた」とは歌えど「しゃちほこ魂」みたいな言葉は歌詞にありません。
ドラゴンズは大都市の名古屋が本拠地なので分かりやすいですが、阪神タイガースや埼玉西武ライオンズを、本拠地のある場所から「西宮のチーム」「所沢のチーム」と捉える人はめちゃくちゃまれな気がします。代わりに、本拠地球場の「甲子園」や「西武ドーム」のほうが意識されるでしょう。
よく考えるとJリーグチームは、例えば七夕祭りが有名だから、織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)からベガルタ仙台、毛利元就の三本の矢から三+イタリア語(だったかな?)で矢=サンフレッチェ広島など、地元ゆかりのチーム名なのに対して、プロ野球のチーム名には地名すらない場合もあります。
ヴィッセル神戸も港町から連想される「船」を意味する英単語に由来しています。
J2、J3、バレーやバスケのチームも地元にちなんだものが多くて面白いですね。
好きなやつはファジアーノ岡山(ファジアーノはどこかの国の言葉でキジ。なぜ桃太郎ではないのか)やカマタマーレ讃岐(まあ分かるでしょう)、京都ハンナリーズ(同じく)などなど。
プロ野球チームは一企業がスポンサーとなっていることがほとんどでチームを応援するという感じ、Jリーグなど他の多くのプロスポーツチームは一企業というよりも地域の多くの企業やサポーターの絆で支えられている面が強い、という風にとらえられそうです。
そうすると、東京や大阪など複数のJリーグチームがある地域はどんな応援なんでしょうか。「大阪」じゃなくて、ガンバは吹田、セレッソは大阪市の南のほうが本拠地で若干離れているので、もっと細かい地名が応援に登場するんでしょうか。
もっと参考文献や裏付けを探して誰か論文書いてください。
それでは。
下敷き ~江國香織『とるにたらないものもの』を読んで~
小学生の読書感想文のようなタイトルで失礼します。
少しでも検索に引っかかろうと必死です。
最近、常に小説1冊とエッセイ一冊を同時並行で読んでいます。
現実逃避手段としてよくSNSやYouTubeに行きつきますが、気になることがあったらひたすら調べてしまうし、変に自分と属性が似ている人がいたら比較してしまいます。
それにも疲れたとき、本の中だけで世界が完結して、文字通り現実とは異なる世界の小説に行きつきます。
とはいえ、たいていは「小説」という場所に旅する、くらいの気楽さで読んでいます。
それに対して、エッセイは現実の話ですが、逆に想像がしやすく、かといって深堀するほどのものでもないので、「旅行めんどくさいなあ」というときに頼りになります。
江國香織さんは小説もエッセイもよく読んでいるのですが、今回は『とるにたらないものもの』というエッセイの話。一見「とるにたらない」ようにみえるものものに対する熱い思いや偏愛が綴られています。
その中でも下敷きの話が印象に残りました。子供の頃はみんな使っていたのに大人になるにつれて自然と卒業するもの。
江國さんとおなじく私も下敷きを卒業していません。
硬い机の上で一枚の紙にものを書くなら必要ないですが、ノートともなると下敷きが無いとどうしても筆跡が裏にうつってしまうのでムズムズします。
意外と屋外でものを書くときにも下敷きは重宝しますよ。
塩化ビニル製の下敷きはふにゃふにゃで嫌だという話にはヘドバンするくらいに首肯します。
昔おじいちゃんからもらった日航のルート図が描かれた下敷きは大きいけど、触感がザラザラしていてふにゃふにゃ。
地図を描く時はこっちのほうが良かったりもしましたが。
ハッピーセットでもらったポケモンの下敷きは紙製なので裏写りを考えたら意味無し。
でも昔はそんなこと気にせずどちらも使っていました。
今の方が逆に下敷きを選り好みしています。
あらゆる条件をクリアして今も使っているのは、お母さんから受け継いだ下敷きだけ。
たまに染みついた鉛の黒ずみを消しゴムで消したり指でこすったりするのも楽しいですね。
主は私の羊飼い。私は、乏しいことがありません。
それでは。
初めての釜山あるある2 ~紙にまつわるエトセトラ~
釜山あるあるの続き。
「2」からサブタイトルがつくシリーズ作品がたまにありますが、ああいうのは「1」の段階ではサブタイトルをつけ忘れていたのでしょうか。思いもよらずシリーズ化することになったので、「サブタイトル付けてみるか~」という感じなんでしょうか。
…いきます。
1. やっぱりバスが日本とはだいぶ違う
前記事でも触れましたが、もう少し追加。
外国に行って思うことは、日本の公共交通機関のダイヤにはいかに信頼がおけるかということ。遅れが比較的少ないことはもちろん、逆に決められた時刻より早く駅やバス停を通過してしまうことなどありえません。
バスは電車と違い、渋滞などダイヤの乱れを招く要因が多いですが、よく観察しているとバスのダイヤはだいぶ余裕をもってつくられていて、渋滞の際もある程度まではダイヤ通り、逆に道が空き空きで想定以上に早く進んでしまった場合でも、たまにバス停に数十秒から数分程度停車して時間調整をすることによって、事前に決められたダイヤを守っています。
しかし…笑
釜山のバスは前回書いた通りの荒々しい運転のおかげ(?)で大幅に遅れることは少ないですが、逆に時刻表よりも早くバスが行ってしまうことが間々ありました。
こちらは時刻表どおりに動いているのにやるせない気持ちになりますね…
あとは、バス停に先行のバスがすでに停まっている場合、そのバスが行き過ぎるのを待たずに、手前の適当な歩道でおもむろにバスの扉が開くこともありました。
「バス停に停まってから席を立つか~」とのんびりしていたら、急に降ろされて焦りました。
まあ、世界基準で見たらおそらく日本が特殊なんでしょうね。
運ちゃんが爆音でラジオや好きな音楽を流しているのも日本との大きな違いです。
2. 日本よりも若者冷たい
泣
肌感覚で言うとこんな感じ。
若者→
誰に対しても冷たい。困っているそぶりをしていても、具体的なアクションを取らない限り無視(日本も同じか)。事務的(コンビニが典型)(日本も同じか)。
観光関係に携わっているおっちゃん・おばちゃん→
過去に数々のトラブルに巻き込まれて辟易しているのか、とてもとても冷たい。話を平気で打ち切る。外国人をめんどくさがっているだけで、韓国人にはまるで違う対応をしていることもしばしば。ただ、英語力と冷たさは反比例しており、英語(さらには日本語)が通じるところほど、気配りができていてきめ細やかな対応をしてくれる。
万国共通なのか、こんな固定観念は持ちたくないけど、おっちゃんのほうが圧倒的に怖い。
特に観光業界とは関係ない普通のおっちゃんおばちゃん→
優しい。にこにこ。もちろん韓国語以外通じないけど、親身になってくれそう。
前回書いたおせっかいおじちゃん・おばちゃんも優しさが空回りすることが多いだけで、この部類に入る。
もちろん、「マシッソヨ」と言ったら満面の笑みで「カムサハムニダ Thank you!」と返してくれたキンパ食堂のおばちゃんや、「これ何?」と聞いたらわざわざググって見せてくれたカフェの兄ちゃんもいましたが、何となく接客を大事にしてそうな観光地に行っても、日本よりも神対応に遭遇する確率が圧倒的に低い気がする。
若者はよくも悪くも個人主義といった感じで、客が外国人でも韓国人でも特に態度は変えません。逆に英語が通じる率も高いので中途半端なおせっかいよりもいいかもしれません。
3. 英語を話せる・話せないの差が激しい
そんな英語の話。
確か日本は、ある程度発展している国の中では飛びぬけて英語ができない国、韓国は結構できる国(非常にあいまいですみません)だったはずで、大学入試がめちゃくちゃ厳しいらしいですが、それを裏付けるように、若者の英語を使える割合は日本よりも高く感じました。
多言語表記が日本よりも多い、という感じではないので、日常的に英語を見聞きするというよりも、教育が優れているのでしょう。
個人的に、中国語や韓国語で英単語を無理やり発音しているときは、日本語でカタカナで発音しているときよりも癖があって、英語を学習するのもより難しそうだなあと思います。
話しかけるときに、英語っぽい発音か、少しカタコトっぽくて韓国語の単語として受け取ってもらえそうな感じで発音するか迷いますね。
意外にこの人が流ちょうな英語で返してきた!の時もあったし、こちらの英語に難点があったのか「日本語でお願いします」と日本語で返された三枚上手パターンもありました。
かと思えば、西面で止まった安ホテルの塩対応おっちゃんには、”Umbrella”すら通じず、身振り手振りで伝えました。「傘貸してくれませんか?」と聞きたかったのですが、結局伝わったのか伝わらなかったのか、終始 "NO!!"とおっしゃっていました…
4. トイレットペーパーの壁
さて、しょうもないあるあるパートですが、一番共感が多そうな話題です。
韓国ではトイレットペーパーは流さずに、備え付けのごみ箱に捨てる、という都市伝説を聞いていたので、慄きながら渡韓しました…
行ってみた結果、釜山にはなく、慶州の田舎の公衆トイレなど、あきらかにゴミ箱からそのにおいがするところもありましたが、むしろほとんどのトイレでは因習を改めるために「紙は流してください」といった貼り紙がされていました。
トイレットペーパーは、韓国に限らず、日本人が海外に行ったときに違いを感じるものの一つだと思います。
これの使い勝手の悪さにつきます。
どう考えても横回しじゃなくて縦回しのほうが紙切りやすいやろ!(怒)
今でもこのタイプのトイレットペーパーホルダーを使って紙を切るとくしゃくしゃになります。
あと、紙が小さくてキッチンペーパーみたいな素材のやつもありますね。
いろいろ言っていますが、今回言いたいのはこの話ではなく、そもそもトイレットペーパーが「無い」ことについてです。
結構な確率で、個室の中にトイレットペーパーが無い!
トイレ全体の入り口に置いてあるだけだったりします。
そういう場合、入る前にどれくらい紙が必要か計算する必要があるし、予想以上に盛り上がったときは困ります。
一番困ったのは、慶州の街中で入ったハンバーガー屋さん「MOM'S TOUCH」です。
チキンを推していて、ボリューミーでコスパがよかったのですが、これ以上の涙を生まないためにもあえて店名を具体的に書いておきます(笑)
韓国3日目、ほぼ毎食キムチを食べ、果敢にもおかずでだされた生ニンニクや激辛青唐辛子に挑戦したり、躊躇なく生魚に食らいついたりしていたため、おなかの調子は最悪でした。
入り口に無かったので、「個室にペーパーあるやろ~」と思って中に入ったらどこにも紙が無い・・・
ゆるゆるだったのでもう余裕もなく、その場は手で処理をして、4回ほど手を洗い、席に戻り、ティッシュを持ってとんぼ返り。
実は個室のドアにハングルの貼り紙が貼られていて、どうせ「紙流せ」って書いてあるんだろうなあと気にしていなかったのですが、それが誤りの始まり(韻が踏める)でした。
あとでGoogleさんに聞いてみると「盗難が頻発しているので、トイレットペーパーはレジ前に移動しました」と。
何たるトイレ難易度!
5. 紙コップが薄い、凶器となり得る
最後もしょうもない話題です。
タイトル以上に書くこともないですが、韓国の紙コップはペラペラで三角形。
水を入れるとすぐにこぼれそうな感じです。
薄すぎて断面が鋭く、唇を切りそうでした。
逆に言うとすぐぺしゃんこになるので捨てるときにかさばらないというメリットはありそうですが、慣れるまでは使いこなせなさそうです。
ただ、予期せぬところからの文化の違いで、個人的には楽しめました。
あとは、日本人(+台湾人)はみんな簡体字が読めると思われているのか、よほど読み方が推測しにくいものではない限り、繁体字やカタカナが併記されずに、ハングル・英語・簡体字だけのサイン表記が多かったことも興味深い点です。
なんとなく最近の韓国は中国よりも日本・台湾との距離のほうが近いように思っていました(まあ、あいみょんはいたるところで流れていましたが)。
他にもいろいろとありますが、釜山あるある全2回、これにて終了です。
それでは。
初めての釜山あるある
韓国の釜山に行ってきました。
たまたま航空券が安かった、という理由で行ったのであまり事前知識もなく、気になることやびっくりすることだらけでした。
ついついメモしたことを中心に、紹介していきます。
繁華街の西面(ソミョン)・南浦(ナンポ)、東にビーチリゾートの海雲台(ヘウンデ)、西に空港があります。
1. 釜山(物理的にも感覚的にも)広すぎ
釜山に限らず海外は日本と行政区分の感覚が違うことがよくありますね。
釜山は「釜山広域市」ですが、「大阪市」と同じ感覚で行っていたので痛い目を見ました。
大阪は大都市の中ではかなり狭いほう(東京23区のだいたい3分の1くらい)ですが、それにしても釜山はでかすぎた。
海雲台から最大の繁華街・西面(ソミョン)まで良くて30分、西面から南浦(ナンポ)までも15分強。要するに同じ市の中でも1時間くらいかかるところがある。
大阪市内ならどれだけ遠くても30分以内?
渋谷・新宿といった東京都心の西側から東側の銀座あたりでも30分くらいで行けるし…
関西人からすれば、釜山広域市は大阪-神戸間くらいの広さに感じました。
物理的距離もさることながら、たぶん地下鉄のルートがだいぶ迂回していて、何より快速が無いので遅い!
多分駅も多すぎる!笑
あと、日本(大阪市かあまり知りませんが)の地下鉄駅に対して、釜山の地下鉄駅は広い。出入り口の数が多いので、○○駅の出入り口まで徒歩3分でもそこからホームまで延々5分以上歩くから、隣の△△駅のほうが実質近い?ということがありました。
(例:釜山タワーのおひざ元あたりからの南浦駅・中央駅との位置関係)
2. エスカレーター、明らかに日本より遅い
釜山の空港に着いてすぐ感じたことです。
日本なら階段はちょっと早歩きしないとエスカレーターにすぐ抜かされてしまいますが、韓国(釜山だけ?)のエスカレーターはのんびり歩いていても追いつきます。
「せまい日本 そんなに急いで どこにいく」に反してせかせかが染みついている私は、なおさら歩きたくなってしまうのですが、2列になれるところも少なく歩いている人も少なげでした。
3. いたるところにおせっかいおじちゃんおばちゃん
地下鉄の駅で1日乗車券を買おうとしていたら、蛍光ベストを着たおじちゃんがこちらに。スマホにアプリを入れて買うやつで、ちょっとまごついていたらカタコトの日本語で話しかけられました。
おじちゃんは券を買うのを手伝おうとしてくれたみたいですが、「スマホで買えるんですか!すごい!」とか言っているだけであんまりわかっていなかったみたいです(笑)。
国家功労者と呼ばれる定年後の人たちは特別パスが支給されていて、無料で券売機で切符を発券できるみたいで、私にも発券してくれようとしましたが、あまりよくないと思うのでお断りしました…。
観光地・チャガルチ市場の最寄り駅であるチャガルチ駅、繁華街の西面(ソミョン)駅などにはもっとわんさかおじちゃんおばちゃんがいて手伝ってくれそうなそぶりでした。
英語や日本語はカタコトで基本的に韓国語しか通じないので、実はありがた迷惑だったりも…笑
釜山市がやっている事業なんですかね?
4.交通費が安い
2.で言った通り、スマホに「釜山都市鉄道」のアプリを入れてクレジットで金額をチャージすると、3日間13000ウォン(≒1300円(現地ではわかりやすい10ウォン=1円で計算していました))で釜山地下鉄が乗り放題です。全4路線で114km。調べてみると大阪メトロが全8路線129km。
バスも含めた1日乗り放題券が820円。それと比べると明らかに安いですね!
釜山市内のバスは基本1乗車1550ウォン(≒155円)。
驚いたことに、郊外の慶州市に行くとさらにバス代が安かったです。
日本だと田舎に行くほど公共交通機関は高くなって、田舎ばかり旅している自分としてはいつも苦労しているところです。
韓国が日本とどこまで似通っているかはわかりませんが、最近の合計特殊出生率は1を切っていて、日本よりも首都一極集中が深刻。
おそらく高齢者は日本と同じく都市より郊外に偏っていると思いますが、そこに運賃、本数(多い)、使いやすさ(どのバス停に行ってもロケーションシステムがある!)がそろった公共交通機関があれば強い味方です。
政府や地方自治体の方針やお金の使い方がだいぶ違いそうですね。
5. つり革が違う
これまでとは打って変わって非常にしょうもない話です。
日本のつり革は文字通り革(まあ実際には合革かプラスチックかゴムだと思いますが…)で、持ち手(丸い部分)を持っていても車両の振動をモロに受けてガクガクなってしまいます。
しかし!
釜山都市鉄道のつり革は革の部分が金属製のばねで出来ていて、振動をかなり吸収してくれて心強いです。
日本のやつは、革が持ち手(丸い部分)に通されているだけですが、バネは持ち手に直接つながれているので安心。
日本でも採用してほしいです。
6. バスの運転が荒い
釜山で唯一前から知っていて、いつか行きたかった場所・甘川(カンチェン)文化村。
カラフルな家が密集していて路地裏歩きも楽しい。猫もたくさんいました。
チャガルチや南浦といった中心部から直線距離は近いですが、写真で見てわかる通り山あいにあって、バスを使わないと行きにくい場所です。
バスは本数が多く安いので使いやすいのですが、運転がヒジョーに荒い!
センターラインもなんのそのでマリオカート並みの動きをします。
特に文化村行のバスは、狭い道に対応するためかミニバスのような車両で、車内はぎゅうぎゅう詰め。吐く一歩手前でした。
しかもここに限ってつり革が旧式…笑
だいぶ長くなってしまったので、前後編にしようと思います。
それでは。
旅情をくすぐられたモネ展
初の大阪中之島美術館。モネ展。生涯を通じて転々とした住まいやお気に入りの旅先ごとにチャプター分けされていて新鮮だった。
オランダのザーンダムとフランスのヴェティーユは覚えておいていつか行きたい。
ザーンダムは港沿いに家が並ぶ、伊根の舟屋に少し似た町、ヴェトゥイユは花と教会のきれいな田園の村。
みおつくし(?)を画面の中央にドカンと置いた構図のこの作品は、浮世絵からインスピレーションを受けているらしい。
ただ、一番印象に残った作品は、ザーンダムでもヴェティーユでもなく、モナコのモンテカルロを描いた「ロクブリュヌの眺め」。木々の間からモンテカルロの街並みがのぞいた景色だが、光がいっぱい差し込んでいるのか、ぼやけにぼやけている。暗い森の中で久しぶりに光が差し込んだ時のちょっと眩しいけど嬉しいあの感覚。一枚の絵の中に光の温かさの魅力が詰め込まれていた。
写実主義の精巧な絵画も好きだけど、やっぱり絵を見ながらいろいろ勝手に考えを巡らせられる絵画のほうが見ていて楽しい。
ピカソとかカンディンスキーとかダリとか抽象的すぎるのも面白いけど、たまにどれだけ眺めていても全くわからない時があるので、単純にみていて落ち着く印象派あたりが一番?
光の美しさを見た感動がびしびし伝わってくる感じがします。
木漏れ日が差し込む窓辺に置いて、季節や時間によって見せ方を変える絵を楽しみたい。
絵の代わりにポストカードを買いたかったけど、無かった…
自分の気に入った作品に限って売られてながち…
それでは。
きらきらひかる
前のブログにも書いたけど、「普通」の設定で、「よくある」恋愛の作品は経験がないのであまり面白がれない。
どんな作品の根底にもある、恋愛、家族の形が変わっている、江國香織の『きらきらひかる』はまさに自分向けの作品。
男の恋人がいる夫・睦月とアルコールに溺れヒステリックな妻・笑子の夫婦の物語。
睦月は、ご多分に漏れず笑子の家族から冷ややかな目で見られるけど、笑子自身は睦月とただ「ずっとこのままでいられること」を願っている。
むしろ、睦月たち(=ゲイ)を群れから外れて暮らす美しい銀のライオンにたとえているし、睦月の恋人・紺とも仲良くしている。
ここまで来ると睦月と笑子(だけ)が結婚していることや睦月と紺が結婚できないこと、もしかしたら笑子と紺が結婚していないことも不思議に思えてきてしまう。
ただ、それを除けば、彼らがとても幸せに暮らしているんだろうなと素直に入ってくる。
笑子はアル中になってるけど、多分笑子にとってこの生活は当たり前で、夫がゲイだからとかではなく、この家族が外に受け入れられないから、どうしようもなく酒浸りになっているんだろうな。
自分は酒を飲むと眠たくなるだけだけど、今から自分のするべきこと、しようと思っていることが途方もなく、前例もなく恐ろしいことだという思考にはまり下を向きそうなときでも、風呂に入ってすっきりすれば、現状は変わらずとも全知全能の神になった気分で、へっちゃらな感じがする。
この小説は結局何も解決しないけど、みんなで明るく笑って最後を迎えている。
いい意味で現実逃避できる、アルコールのような、風呂のような小説だと思った。
実際たくさん酒が出てきて勉強になる。