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マガジン一覧

u-note(宇野常寛の個人的なノートブック)

宇野常寛がこっそりはじめたひとりマガジン。社会時評と文化批評、あと個人的に日々のことを綴ったエッセイを書いていきます。いま書いている本の草稿や没原稿、なども載せていく予定。SNSでは書く気にならないことを、実はかなりマメに更新しています。月に数万字は余裕で更新しているので、かなりお得です。

¥980 / 月

「買い物の次」を考えると都市の「これから」が見えてくる

さて、昨日は毎年恒例の渋谷ヒカリエでの年忘れイベント(大忘年会)だった。第1部(文化)とメインステージの3部(社会)の間に、僕が昨年立ち上げた有志の都市開発についての研究会「庭プロジェクト」の発表会を第2部として行った。登壇したのはプロジェクトメンバーから小川さやかさん(人類学)、門脇耕三さん(建築)、鞍田崇さん(哲学)と僕の4人。こういった分野の人が集まって「都市」について考えるというのはなかなかユニークな試みだと思うのだけど、今日はここで個人的に改めて考えたことをまとめて

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なぜ共同体に依存すると本が読めなくなる(人間関係しか読めなくなる)のか

さすがに発売直後なので、どうしても気になって『庭の話』の感想を検索することが多い。概ね好評で、ほっとしているのだけど、ごくたまにだけど「ああ、やっぱりか……」とガッカリすることもある。 もちろん、批判されると当然内容によってはムカついたりするのだけど、「ガッカリ」させられる反応というのはその中でもちょっと違っていて、「批判したい」という気持ちが先走って、僕が実際には書いていないような主張を脚色したり、捏造したりして「宇野を批判してやったぜ」とドヤ顔をしてるケースだ。それが、

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『光る君へ』と「パートナーシップ」の問題

昨晩、成馬零一さん、三宅香帆さんと完結したばかりの『光る君へ』についての座談会を行った。いろいろな論点が出たのだが、今日はそこで特に考え直してみたいことをピックアップしてみたい。 それは要するに、このテレビドラマで描かれたヒロインのまひろ(紫式部)と藤原道長との関係性の問題だ。放映当初から、当時の身分制から考えてあり得ない「紫式部と藤原道長が恋愛関係になる」という設定で物議を醸した本作だが、放送開始から数回で作品の完成度の高さも手伝ってほどなく、「まあ、あり得ないんだろうけ

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なぜ(焦って)「発信」すると本が読めなくなるのか

さて、今日は以前から気になっていることについて書きたい。それは「本の内容」が把握できない人というのが、割と多いことだ。誤解しないて欲しいけれど、僕はここで知識がなかったり、思考力が追いつかなくて、抽象的な議論をしている自分の本が読めない人がいる……といったことが言いたいんじゃない。いや、そういう人もいなくはなくて、自分が追いつかない悔しさを作者を罵倒することで解消……といったケースもなくはない(たとえばNewsPicks booksから本を出したときは、ふだん自己啓発書やビジ

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