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タワマン住人から抽選で選ばれる“理事長”になったら地獄の日々…。実際に住んでわかった「厳しい現実」

 タワーマンション(タワマン)の人気は衰えることを知らない。特に東京は、全国のタワマンの約3分の1を占め、約500棟もある。少なからずの東京人にとって、「いつかはタワマンに」という想いを持っている人も多いだろう。  今回お話を伺った竹中信勝さんは、その夢を叶えたひとり。広告会社の電通在籍時にタワーマンションを購入し、長年の憧れを果たした……が、まさかのハプニングに見舞われる。  それは、マンション管理組合のトップたる理事長に任命されたことだ。前任者からの引き継ぎもなく、実務の知識はゼロ。右も左も分からないまま、理事長として奔走する日々が始まったのである。
タワマン

写真はイメージです

 今回は、そんな竹中さんに、管理組合理事長の職務を通じて見える「タワマンの知られざる裏側」を伺った。

人気の高い最上階は抽選で決まる

——まず、タワマンに住むことになったいきさつを教えてください。 竹中信勝(以下、竹中):電通時代に、名古屋から東京本社に転勤することになりました。そのとき、借り上げ社宅を探して、賃貸のタワマンに住むことにしたのですが、入居したのは低層階で、眺望も良くなく「タワマンに住んでいる」という感覚はなかったです。 ちょうどその頃、近くに新しいタワマンが建設中でした。毎日その前を通って通勤しているうちに、そこに住みたい気持ちが募っていき、最終的には決心して、そのタワマンに申し込んだのです。当初、最上階を希望したのですが、他にも希望者がいっぱいいて抽選となりました。抽選には漏れたのですが、それより少し下の階は空いていたので、そこを購入することにしたのです。 購入するうえで問題となったのは住宅ローンについて。名古屋に買ったマンションがあって、住宅ローンが残っていました。それが残っていると新規で住宅ローンが組めません。そこで名古屋のマンションを売り払い、そのお金でローンを完済しました。 タワマンの購入資金はほとんどなかったのですが、幸運にも銀行が全額融資してくれることになりました。マンションを購入してから16年目に電通を早期退職しましたが、ローンは現在も返済中です。

住宅ローン以外に毎月10万円の負担が…

——タワマンに住むとなれば、住宅ローン以外にも結構かかりそうですね。 竹中:管理費は、住む部屋のサイズによって変わりまして、私は4人家族で4LDKに住んでいますので、これが結構な額になりますね。また、タワマンにはサウナやキッズルームなど共用施設があり、そのための管理費もかかってきますし、10年とか15年おきにやってくる大規模修繕工事の積立金も毎月払います。 こうした諸々の費用はタワマンによっても変わるので、相場は一概に言えませんが、私の場合、ローン以外に毎月10万円支払っている状況です。

3倍に上げないと大規模修繕ができない事態に

——では、タワマン管理組合の理事長になってからの話に移りましょう。まず、どのように理事会のメンバーは決まるのでしょうか。 竹中:管理組合は入居者全員が組合員となり、13名からなる理事会のメンバーは抽選で決まります。それで私が心の準備もなく決まってしまった感じです。ネットで調べてもわからないことだらけで、問題が起きるたびにひとりで考えたり、誰かに相談したりと、かなり苦労しました。 ——引き継ぎもマニュアルもないまま、未知の世界に放り出されたら大変ですよね。 竹中:そうですね。特に苦労したのが「修繕積立金」についてです。不動産会社が売り出していたときは、購入意欲を下げないよう、かなり安く設定されていました。歴代の理事会は、その金額で据え置いていましたが、明らかに次回の大規模修繕で不足することが判明しまして……。計算してみると、今の月額の3倍にしないと足りないのです。そこで私は理事会で諮り、住民説明会も行って、3倍に上げました。高齢者の方たちは、「老い先が短いのに、そんな金額払うなんて……」との声もありましたが、最終的には皆さんに納得いただきました。
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不法侵入も絶えず、トイレでのイタズラも…
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ライター、写真家、ボードゲームクリエイター。ちょっとユニークな職業人生を送る人々が目下の関心領域。そのほか、歴史、アート、健康、仕事術、トラベルなど興味の対象は幅広く、記事として書く分野は多岐にわたる。Instagram:@happysuzuki

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