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本がひらく

NHK出版の書籍編集部が、多彩な執筆陣による連載小説・エッセイ、教養・ノンフィクション読み物や、朝ドラ・大河ドラマの出演者や著者インタビューなどをお届けします。新刊情報も随時更新。ときどき編集部裏話も!

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    ミステリー小説や食エッセイから、小中学生向けの教養読み物まで、さまざまな興味・関心を刺激する作品を取りそろえています。

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【新連載】金光英実「ことばで歩く韓国のいま」#1――凍えるような寒さでも、韓国の若者たちはアイスアメリカーノを選ぶ

#1 얼죽아(オルジュガ) ソウルの冬は寒い。マイナス7度の寒さなど当たり前で、風が吹くと冷凍庫の中で嵐に巻き込まれたかのように冷たくなる。街ゆく人は厚手のコートに身を包み、マフラーで顔を覆いながら足早に歩く。「寒いね」「暖かい店内に早く入りたい」という声がちらほら聞こえてくる。  そんな酷寒の中で目を引くのが、若者が手にしている氷入りのアイスアメリカーノだ。これほどの寒さのなか、なぜわざわざ冷たい飲み物を選ぶのだろうか。  実は、この現象は「얼어 죽어도 아이스 아메리

    • 評伝 『ECDEAD あるラッパーの生と死』第2回「1999年のECD(その1)」 磯部 涼

      顔を覆い隠したラッパー それは異様なポートレートだった。両目に眼帯、口にマスクをつけ、顔を覆い隠した男が、アディダスのジャージを着て腕を組み、ニューバランスのスニーカーを履いて仁王立ちしている。右目に"E"、左目に"C"、口に"D"の文字。そう、被写体は他でもないECD。しかしポーズの力強さに対して、名を記した顔はへのへのもへじのようで表情を読み取ることは出来ず、その姿はまるで幽霊にも見える。  リアルを体現する者こそが本物のラッパーだと言われる。自分はポップ・スターのような

      • お得ととるか、荷が重いととるか「100周年まで愛を込めて」――昆虫・動物だけじゃない、篠原かをりの「卒業式、走って帰った」

        動物作家・昆虫研究家として、さまざまなメディアに登場する篠原かをりさん。その博識さや生き物への偏愛ぶりで人気を集めていますが、この連載では「篠原かをり」にフォーカス! 忘れがたい経験や自身に影響を与えた印象深い人々、作家・研究者としての自分、プライベートとしての自分の現在とこれからなど、心のままにつづります。第21回は篠原さん作家活動10周年の節目についてのお話です。 ※第1回から読む方はこちらです。 #21 100周年まで愛を込めて 今年は、作家デビュー10周年の年である

        • アドレナリンは、たいせつな味方だ。だからこそ。「侮らない」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく

          「同じ病で苦しむ仲間とつながりたい、救いたい、当事者以外の人たちにも病気のことを知ってほしい」という思いでVTuberになり、配信を通してメッセージを伝え続けるもりのこどくさん。高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか、その足跡を綴ったエッセイ連載です。 ※#0から読む方はこちらです。 #39  侮らない アドレナリンが出ている、という表現を耳にすることがある。アドレナリンとはホルモンの一種で分泌されると……と語りだしてしまうと、読んでいる君も語っ

        • 【新連載】金光英実「ことばで歩く韓国のいま」#1――凍えるような寒さでも、韓国の若者たちはアイスアメリカーノを選ぶ

        • 評伝 『ECDEAD あるラッパーの生と死』第2回「1999年のECD(その1)」 磯部 涼

        • お得ととるか、荷が重いととるか「100周年まで愛を込めて」――昆虫・動物だけじゃない、篠原かをりの「卒業式、走って帰った」

        • アドレナリンは、たいせつな味方だ。だからこそ。「侮らない」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく

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          追悼・ムラヨシマサユキさん――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

          『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『マジカルグランマ』など、数々のヒット作でおなじみの小説家、柚木麻子さん。昨年末に逝去された「きょうの料理」でおなじみの菓子・料理研究家・ムラヨシマサユキさんの思い出についてです。 ※当記事は連載の第46回です。最初から読む方はこちらです。 #46 光のようなお菓子を作る人  この連載はもともとはNHKテキスト「きょうの料理ビギナーズ」で始まった。そんな私自身にも遠からぬ縁がある国民的お料理番組で人気だった、料理研究家のムラヨシマサ

          追悼・ムラヨシマサユキさん――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

          古賀及子「これも詩ということにする」第2回

          かわいい柴犬の図書カードは、「ついに発売!」する 観そびれたテレビ番組をTVerで観ようと、検索して動画を再生したらコマーシャルが流れた。だいたいこういうのはいつもすんとして聞き流してしまう。それが今日は、二度見ならぬ、二度聞きした。 「かわいい柴犬の図書カードが、ついに発売!」  画面には、ナレーションどおりかわいい柴犬が走る様子が映し出されている。  まさにこれこそ聞き流すべきコマーシャルというか、すぐにでも空気に溶け込む文句ではあると思う。なんの妙さも、変わったと

          古賀及子「これも詩ということにする」第2回

          「どんな時間を過ごしたいか」から献立を考える。「パリ郊外の友達の家にて、冷蔵庫にあるもので自炊」――料理に心が動いたあの瞬間の記録《自炊の風景》山口祐加

          自炊料理家として多方面で活躍中の山口祐加さんが、日々疑問に思っていることや、料理や他者との関わりの中でふと気づいたことや発見したことなどを、飾らず、そのままに綴った風景の記録。山口さんが自炊の片鱗に触れ、「料理に心が動いた時」はどんな瞬間か。パリ郊外にお住いの友達夫婦のご自宅を訪ねた山口さん。冷蔵庫にある食材で自炊した料理で、山口さんのなかにある発見があったようです。 ※第1回から読む方はこちらです。 #23 パリ郊外の友達の家にて、冷蔵庫にあるもので自炊 2024年の秋、

          「どんな時間を過ごしたいか」から献立を考える。「パリ郊外の友達の家にて、冷蔵庫にあるもので自炊」――料理に心が動いたあの瞬間の記録《自炊の風景》山口祐加

          宮島未奈『モモヘイ日和』第10回「エリカの願い」

          24年本屋大賞受賞作『成瀬は天下を取りにいく』の作者・宮島未奈さんの新作小説が「基礎英語」テキストにて好評連載中です。「本がひらく」では「基礎英語」テキスト発売日に合わせ、最新話のひとつ前のストーリーを公開いたします。 とある地方都市・白雪町を舞台に、フツーの中学生・エリカたちが巻き起こすドタバタ&ほっこり青春劇!  マスコットキャラクター「モモヘイ」がニュースで紹介されてから数日後。  今度は新聞の取材が来ることになり、「白雪町をよくする会」のメンバーは再び白雪公民館に集

          宮島未奈『モモヘイ日和』第10回「エリカの願い」

          オイルマネーで潤う国々が、なぜ「脱石油依存」を目指すのか?

          天皇陛下、総理大臣のアラビア語通訳官も務めた元外交官の中川浩一さんによる著書『「新しい中東」が世界を動かす 変貌する産油国と日本外交』が刊行されました。 広大な砂漠、石油産業で富む王族、終わらないテロや戦争……いまだにこうしたイメージだけで中東を捉えていませんか。中東諸国の表裏を知る中川さんが、大規模改革で台頭する「新しい中東」の様相を明らかにし、エネルギー依存が著しい日本が進むべき道を大胆に提言します。 刊行を記念し、本書の「はじめに」と本編の冒頭を特別公開いたします。

          オイルマネーで潤う国々が、なぜ「脱石油依存」を目指すのか?

          「日本」はいかに誕生したか? グローバルな視点から古代史の謎に迫る

          東アジアを見渡すグローバルな視点から謎に満ちた日本古代史の最前線に迫った、NHKスペシャル「古代史ミステリー」。反響に応え、『新・古代史 グローバルヒストリーで迫る邪馬台国、ヤマト王権』としてNHK出版新書より書籍化されました。 卑弥呼と三国志、空白の四世紀と技術革新、倭の五王と東アジア情勢──。最新の発掘調査とAI・DNA分析などの科学的アプローチ、さらには中国や韓国の国際研究の成果から、「日本」という国の始まりを多数の写真や図版とともに描き出します。 刊行を記念し、本書の

          「日本」はいかに誕生したか? グローバルな視点から古代史の謎に迫る

          愛が、あまって、あまって、しかたないのだ。――「愛がありふれている #3」向坂くじら

          いま、文芸の世界で最も注目を集める詩人・向坂くじらさん。「本がひらく」連載で好評を得た、言葉の定義をめぐるエッセイ「ことぱの観察」の次なる連載テーマは「愛」。稀有なもの、手に入りにくいものだと思われがちな「愛」はどのようにありふれているのでしょうか。向坂さんの観察眼でさまざまに活写するエッセイです。  「くじらさんは、推し、っていますか?」  そうたずねてきた中学生のチーさんは、なぜか人目をはばかるようなひそひそ声だった。そのとき教室にはわたしとチーさんしかいなかったのに、

          愛が、あまって、あまって、しかたないのだ。――「愛がありふれている #3」向坂くじら

          そういうこともあるんだと、知ってもらえたら。「切に願う」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく

          「同じ病で苦しむ仲間とつながりたい、救いたい、当事者以外の人たちにも病気のことを知ってほしい」という思いでVTuberになり、配信を通してメッセージを伝え続けるもりのこどくさん。高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか、その足跡を綴ったエッセイ連載です。 ※#0から読む方はこちらです。 #38  切に願う こどくは、体調がわるいときは、スマホを触らないように、気をつけている。理由は3つある。  ひとつは、スマホを触ることで、無為に時間が過ぎてしまう

          そういうこともあるんだと、知ってもらえたら。「切に願う」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく

          主演・横浜流星(蔦屋重三郎役)特別インタビュー――『NHK大河ドラマ・ガイドべらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 前編』

           2025年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」で、 江戸のメディア王〝蔦重〟こと主人公・蔦屋重三郎を演じる横浜流星さん。  2024年6月、 京都ロケでのクランクインから蔦重と向き合い続けてきた横浜さんに、ドラマに懸ける思いを伺います。 初めてのチャレンジを楽しんでいます  「江戸のメディア王」と評される蔦屋重三郎を演じます。史実に残る彼は、今で言う出版社の社長で、本や浮世絵の企画、プロデュース、営業、時には創作などすべてをこなしたそうです。ふだんの自分は、喜多川

          主演・横浜流星(蔦屋重三郎役)特別インタビュー――『NHK大河ドラマ・ガイドべらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 前編』

          あなたにとって、わたしにとって、「やさしさ」とは?

          現在「本がひらく」にて「愛がありふれている」を連載していただいている向坂くじらさん。以前に連載していただいた言葉の定義をめぐるエッセイ「ことぱの観察」が書籍になり、好評発売中です。書籍の各篇の終わりには、向坂さんによる単語と同じ題名の書き下ろしの詩も収載されています。 刊行を記念し、「やさしさ」の回と「やさしさ」についての向坂さんの詩を公開いたします。 やさしさ バスのあの席が戻ってきた。  あの席だ。前方の扉から乗り込んですぐ、運転席の真後ろにある、ひとり掛けの席。バス通

          あなたにとって、わたしにとって、「やさしさ」とは?

          量子コンピュータのしくみとは? 世界をどう変える?

          量子コンピュータが実用化されると、私たちの暮らしはどのように変わるのか。従来のコンピュータの限界を超える「量子超越」が実現すれば、エネルギー、農業、医療、経済、AI、宇宙探査など、あらゆる分野で現在の技術的限界を突破し、新たな地平が開けると期待されています。 『量子超越 量子コンピュータが世界を変える』は、物理学の世界的権威であり、量子論の研究に生涯を捧げてきたミチオ・カク博士が、量子コンピュータの科学的仕組みや、白熱する開発競争、そしてワクワクするような未来を解説するNY

          量子コンピュータのしくみとは? 世界をどう変える?

          どんな一年にしたいのかを決めるだけで半分達成「来年はどんな年にしようか」――昆虫・動物だけじゃない、篠原かをりの「卒業式、走って帰った」

          動物作家・昆虫研究家として、さまざまなメディアに登場する篠原かをりさん。その博識さや生き物への偏愛ぶりで人気を集めていますが、この連載では「篠原かをり」にフォーカス! 忘れがたい経験や自身に影響を与えた印象深い人々、作家・研究者としての自分、プライベートとしての自分の現在とこれからなど、心のままにつづります。第20回は篠原さんのお正月における心がけ&来年の目標のお話です。 ※第1回から読む方はこちらです。 #20 来年はどんな年にしようか 今年も残すところ、あと数日である。

          どんな一年にしたいのかを決めるだけで半分達成「来年はどんな年にしようか」――昆虫・動物だけじゃない、篠原かをりの「卒業式、走って帰った」