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連載

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ミステリー小説や食エッセイから、小中学生向けの教養読み物まで、さまざまな興味・関心を刺激する作品を取りそろえています。
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記事一覧

「性格が悪い」とはどういうことか――お題を通して“壇蜜的こころ”を明かす「蜜月壇話」

タレント、女優、エッセイストなど多彩な活躍を続ける壇蜜さん。ふだんラジオのパーソナリティとしてリスナーからのお便りを紹介している壇蜜さんが、今度はリスナーの立場から、ふられたテーマをもとに自身の経験やいま思っていることなどを語った連載です。 *第1回からお読みになる方はこちらです。 #20 「悪い」と「ゆがんでいる」の違い いまだに「アイツ性格悪いんだよ」とか、「彼女は性格のいい人でね」と言われても理解できない。性格が良い悪いとは、いったいどういう意味なんだろう、と。  た

しんどい症状を責めるわけでもなく、ただ、わらいに変えて。「わらいに」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく

「同じ病で苦しむ仲間とつながりたい、救いたい、当事者以外の人たちにも病気のことを知ってほしい」という思いでVTuberになり、配信を通してメッセージを伝え続けるもりのこどくさん。高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか、その足跡を綴ったエッセイ連載です。 ※#0から読む方はこちらです。 #41  わらいに あだ名をつけられた経験はあるだろうか。もしかしたらそれはいい思い出かもしれないし、ひとによってはいやな経験だったりするだろう。今回は、こどくがあ

【連載】南沢奈央「女優そっくり」第8回

女優をやりたいと思える理由は、確かにここにある なぜ、女優になったのか。  取材において、最も聞かれる質問と言っていいだろう。だが、聞かれるたびに考えてしまう。どうしてだろうか。未だに頭の中では整理がついていないけれど、もうこれまで幾度となくしてきた受け答えが勝手に口から流れ出る。  ――中三の時に、当時住んでいた埼玉の家の前でスカウトされたのがきっかけです。芸能界にはまったく興味がなかったし、高校受験を控えているし、何より人前に出るのが苦手なのでお断りしたんです。だけどその

偶然の出会いだけは仕込めない。「メキシコで作る働き者のためのハンバーグ」――料理に心が動いたあの瞬間の記録《自炊の風景》山口祐加

自炊料理家として多方面で活躍中の山口祐加さんが、日々疑問に思っていることや、料理や他者との関わりの中でふと気づいたことや発見したことなどを、飾らず、そのままに綴った風景の記録。山口さんが自炊の片鱗に触れ、「料理に心が動いた時」はどんな瞬間か。メキシコで旅しているとき、山口さんが現地で出会ったふたりの日本人。その出会いによって思いもよらないかたちで、山口さんの願いがかなったようです。 ※第1回から読む方はこちらです。 #24  メキシコで作る働き者のためのハンバーグ 「初めて

「よい関係」を作ろうとする、一番おだやかな道――「愛がありふれている #4」向坂くじら

いま、文芸の世界で最も注目を集める詩人・向坂くじらさん。「本がひらく」連載で好評を得た、言葉の定義をめぐるエッセイ「ことぱの観察」の次なる連載テーマは「愛」。稀有なもの、手に入りにくいものだと思われがちな「愛」はどのようにありふれているのでしょうか。向坂さんの観察眼でさまざまに活写するエッセイです。  新しい年が来て、年越しを過ごした実家から自宅へ戻ると、赤や黄色のあざやかな葉書がポストの中に重なっていた。手に取ると思ったよりも枚数がある。年賀状が、たくさん来ているのだった

冷凍チャーハンの歴史を変えた、「本格炒め炒飯」のブレイクスルー(ニチレイフーズ・竹本亮太) 【前編】

冷凍炒飯の市場が年々拡大するなか、ニチレイフーズの「本格炒め炒飯®」は売り上げ世界一でギネス世界記録™(※1)に認定されました。同商品は24年前の発売時に「革命を起こした」ともいわれています。いったいどんなブレイクスルーをもたらしたのでしょうか。炒飯のおいしさの決め手とは何か。ニチレイフーズで冷凍炒飯の商品企画を担当する竹本亮太さん(39)に聞きました。 ■初めて本当に「炒めた炒飯」──会社の受付横の「本格炒め炒飯」のオブジェ、インパクトありますね。 「本格炒め炒飯」は弊

孤独は一生なくなることのないからこそ、互いに手を取り合って。「孤独の名を背負って」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく

「同じ病で苦しむ仲間とつながりたい、救いたい、当事者以外の人たちにも病気のことを知ってほしい」という思いでVTuberになり、配信を通してメッセージを伝え続けるもりのこどくさん。高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか、その足跡を綴ったエッセイ連載です。 ※#0から読む方はこちらです。 #40  孤独の名を背負って 本エッセイも、#40をむかえた。#0から連載しているから、実質41話目なのだが、それはともかく、めでたいことだ。  記念すべき#40と

【新連載】金光英実「ことばで歩く韓国のいま」#1――凍えるような寒さでも、韓国の若者たちはアイスアメリカーノを選ぶ

#1 얼죽아(オルジュガ) ソウルの冬は寒い。マイナス7度の寒さなど当たり前で、風が吹くと冷凍庫の中で嵐に巻き込まれたかのように冷たくなる。街ゆく人は厚手のコートに身を包み、マフラーで顔を覆いながら足早に歩く。「寒いね」「暖かい店内に早く入りたい」という声がちらほら聞こえてくる。  そんな酷寒の中で目を引くのが、若者が手にしている氷入りのアイスアメリカーノだ。これほどの寒さのなか、なぜわざわざ冷たい飲み物を選ぶのだろうか。  実は、この現象は「얼어 죽어도 아이스 아메리

評伝 『ECDEAD あるラッパーの生と死』第2回「1999年のECD(その1)」 磯部 涼

顔を覆い隠したラッパー それは異様なポートレートだった。両目に眼帯、口にマスクをつけ、顔を覆い隠した男が、アディダスのジャージを着て腕を組み、ニューバランスのスニーカーを履いて仁王立ちしている。右目に"E"、左目に"C"、口に"D"の文字。そう、被写体は他でもないECD。しかしポーズの力強さに対して、名を記した顔はへのへのもへじのようで表情を読み取ることは出来ず、その姿はまるで幽霊にも見える。  リアルを体現する者こそが本物のラッパーだと言われる。自分はポップ・スターのような

お得ととるか、荷が重いととるか「100周年まで愛を込めて」――昆虫・動物だけじゃない、篠原かをりの「卒業式、走って帰った」

動物作家・昆虫研究家として、さまざまなメディアに登場する篠原かをりさん。その博識さや生き物への偏愛ぶりで人気を集めていますが、この連載では「篠原かをり」にフォーカス! 忘れがたい経験や自身に影響を与えた印象深い人々、作家・研究者としての自分、プライベートとしての自分の現在とこれからなど、心のままにつづります。第21回は篠原さん作家活動10周年の節目についてのお話です。 ※第1回から読む方はこちらです。 #21 100周年まで愛を込めて 今年は、作家デビュー10周年の年である

アドレナリンは、たいせつな味方だ。だからこそ。「侮らない」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく

「同じ病で苦しむ仲間とつながりたい、救いたい、当事者以外の人たちにも病気のことを知ってほしい」という思いでVTuberになり、配信を通してメッセージを伝え続けるもりのこどくさん。高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか、その足跡を綴ったエッセイ連載です。 ※#0から読む方はこちらです。 #39  侮らない アドレナリンが出ている、という表現を耳にすることがある。アドレナリンとはホルモンの一種で分泌されると……と語りだしてしまうと、読んでいる君も語っ

追悼・ムラヨシマサユキさん――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『マジカルグランマ』など、数々のヒット作でおなじみの小説家、柚木麻子さん。昨年末に逝去された「きょうの料理」でおなじみの菓子・料理研究家・ムラヨシマサユキさんの思い出についてです。 ※当記事は連載の第46回です。最初から読む方はこちらです。 #46 光のようなお菓子を作る人  この連載はもともとはNHKテキスト「きょうの料理ビギナーズ」で始まった。そんな私自身にも遠からぬ縁がある国民的お料理番組で人気だった、料理研究家のムラヨシマサ

古賀及子「これも詩ということにする」第2回

かわいい柴犬の図書カードは、「ついに発売!」する 観そびれたテレビ番組をTVerで観ようと、検索して動画を再生したらコマーシャルが流れた。だいたいこういうのはいつもすんとして聞き流してしまう。それが今日は、二度見ならぬ、二度聞きした。 「かわいい柴犬の図書カードが、ついに発売!」  画面には、ナレーションどおりかわいい柴犬が走る様子が映し出されている。  まさにこれこそ聞き流すべきコマーシャルというか、すぐにでも空気に溶け込む文句ではあると思う。なんの妙さも、変わったと

「どんな時間を過ごしたいか」から献立を考える。「パリ郊外の友達の家にて、冷蔵庫にあるもので自炊」――料理に心が動いたあの瞬間の記録《自炊の風景》山口祐加

自炊料理家として多方面で活躍中の山口祐加さんが、日々疑問に思っていることや、料理や他者との関わりの中でふと気づいたことや発見したことなどを、飾らず、そのままに綴った風景の記録。山口さんが自炊の片鱗に触れ、「料理に心が動いた時」はどんな瞬間か。パリ郊外にお住いの友達夫婦のご自宅を訪ねた山口さん。冷蔵庫にある食材で自炊した料理で、山口さんのなかにある発見があったようです。 ※第1回から読む方はこちらです。 #23 パリ郊外の友達の家にて、冷蔵庫にあるもので自炊 2024年の秋、