量子科学技術開発機構(QST)は、東北大学の新青葉山キャンパス内(仙台市青葉区)に建設が進められ、完成間近となっている次世代放射光計測施設「ナノテラス(NanoTerasu)」の事業内容や施設整備の現状を一般市民に向けて広く理解してもらうことを目的としたイベント「ナノテラスオープンデイ」を7月26日と27日の2日間にわたって開催する。
ナノテラス(NanoTerasu)は、ナノ単位での物質や材料などの構造解析などを可能とする次世代の放射光施設で、2024年3月末までに先端計測施設として稼働させ、同年4月以降に本格運用を開始する予定で整備が進められている。本格運用開始予定の2024年4月時点では、量子科学技術開発機構のビームラインが3本、パートナー側(東北大などを中核に企業や大学などが利用)のビームラインが7本稼働し、運用される予定となっている。
注:パートナー側(東北大などを中核に企業や大学などが利用)のビームライン7本では、コアリション制度による観測・解析支援制度が用意されている。
こうした背景から、広く一般社会に向けて、この次世代放射光計測施設ナノテラスの知名度を高め、その先端計測装置としての意義・意味合いを公表し解説することを今回のイベントでは目指すという。
開催日時は7月26日は午前9時から午後5時まで、7月27日は午前9時から12時(正午)までとなっており、ナノテラスの玄関ホールおよび見学ホールを見学できる模様である。
参加方法としては、事前申し込み不要で、参加費は無料で現地集合(ただし、安全の観点から未就学児の参加は遠慮してもらいたいとしている)。主催である量子科学技術研究開発機構では、駐車場がないため、公共交通機関ならびに東北大学オープンキャンパスのシャトルバスの利用を推奨している(シャトルバスは各日、最終便に乗車した場合、帰路は徒歩となる)。
なお、次世代放射光計測施設ナノテラスは、国側を代表する文部科学省傘下の量子科学技術研究開発機構と、民間側の一般財団法人光科学イノベーションセンター(仙台市)、宮城県、仙台市、東北大、東北経済連合会の5機関が共同で出資して建設し運営する大型研究開発施設で、2024年4月の本格稼働に向けて最後の調整が進められている模様である。
2023年7月14日訂正:記事初出時、「最近も整備中の各ビームラインでの放射光の“ファーストビーム”発光に成功するなど順調に本格稼働に向けて設備整備が進んでいる模様」と記載しておりましたが、現在12月中のファーストビーム達成に向けて調整中であり、事実と異なっておりましたので、当該部分を削除・訂正させていただきました。また、併せて「コアリション制度」を「コアリッション制度」と誤って表記しておりました箇所も訂正させていただきました。ご迷惑をお掛けした読者の皆様、ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。