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prologue 1

 読者の皆様方の応援のお陰で、書籍版が第1~7巻まで発売されました。



挿絵(By みてみん)



 特に最初の部分は、読み返してみると技術的に拙かったり冗長だったりする部分が多かったので、書籍化に当たって殆どの部分に加筆と改稿で手を入れました。加えて、大規模な内容の追加も行いました。

 以降WEB連載版は旧版となるので、よろしければ書籍版をご購入いただき、最新刊まで追いついた後はweb版で続きを読んでいただけると、この物語を100%楽しんでいただけると思います。

 ご検討よろしくおねがいします。購入先や特設ページなど、書籍版についてのリンクは、当ページ下部と目次ページ下にまとめてあります。

 朝、目が覚めると、俺はベッドから上半身を起こして、目をこすった。

 頭から血がすーっと抜ける感じがして、意識が薄れ、もう一度ベッドで寝たくなり、二度寝した。


 二度寝から起きると、あと三十分もしないうちに午後になるという時間だった。

 顔を洗ってパソコンデスクの前に座る。

 ニュースサイトで身の周りのニュースを軽くチェックして、今やっているゲームのコミュニティを見て回った。


 腹が減ってきたのでカップラーメンに湯を入れ、簡単な朝食を摂る。

 その後、ゲームを立ち上げて、三時間ほどゲームで遊んだ。


 その後、近所の牛丼屋まで足を運んで、大盛りの牛丼を頼んで腹に入れた。

 昼に食ったカップラーメンが最後の一つだったのでスーパーにも寄る。

 スーパーで安酒と夜食とカップラーメンを買って家に戻った。


 俺の家は平屋の一軒家で、築五十年ほどのくたびれ果てた3DKのボロ家だ。

 俺の母親の生家でもある。

 一人暮らしには広すぎるくらいだが、昔はこの家に一家五人が暮らしていたというのだから、その時は狭くてしかたなかっただろう。


 昼食と買い物を済ませ、家に帰ると、ゲームのコミュニティをチェックし、知り合いと対戦したり協力プレイをしたりして、知り合いが落ちるとランダムマッチングで海外の強敵と戦ったりして遊んだ。

 途中で酒を飲んだりしながら午前三時ごろまで遊び、眠くなったらベッドに入った。


 楽しいながらも頭の何処かがぼやけているような、果物が腐った時に発する、甘い腐敗臭がたちこめているような生活だった。

 それに息苦しくなると、旅行に出たりもするが、帰ってくればやはり同じ生活に戻ってしまう。


 かれこれそれを三年も続け、俺は三十路を越えてしまっていた。

 結婚も望まず、預金を切り崩して生きる生活。

 きっと俺は何かの転機がない限り延々とこんな生活を続けていくのだろう。


 大切なものが何もない人間は、一体なんのために人生に努力するのだろう。

 きっと俺は自分の人生すら大切ではないのだ。 

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