20周年を迎えたランボルギーニとイタリア国家警察の協力関係

「“知る人ぞ知る”ランボルギーニの横顔」20年間もイタリア国家警察に車両提供「“ガヤルド”など6台も」【動画】

2004年の「ガヤルド 510-4」をベースとする初代ポリスカーに続き、合計3台のガヤルドがイタリア全土で活躍している。
2004年に初導入された「ガヤルド」を皮切りに、20年にわたってランボルギーニはイタリア国家警察に車両提供を行ってきた。
2024年、アウトモビリ・ランボルギーニと、イタリア国家警察(Polizia di Stato)の協力関係が20周年を迎えた。2004年に初めて「ガヤルド」ポリスカーが誕生し、2014年には「ウラカン」、2023年には「ウルス ペルフォマンテ」が投入され、今やイタリア国家警察を象徴する存在となっている。

Lamborghini Gallardo Polizia

スピードを活かして臓器搬送任務で活躍

2014年、ガヤルドに代わるポリスカーとして、イタリア国家警察に「ウラカン LP 610-4」を提供。そのスピードを活かし、2023年にも臓器搬送を行っている。
ランボルギーニ製ポリスカーは、その圧倒的な走行性能を活かし、イタリア全土において臓器搬送任務で活躍した。写真はウラカンのフロントラゲッジに搭載された臓器用搬送クーラーボックス。

ランボルギーニは、イタリア国家警察に、パトロールや緊急医療対応サービス用の貴重なツールとして、20年間で6台のハイパフォーマンスモデルを提供。高速性能に優れたランボルギーニ製ポリスカーは、イタリア全土で200以上の緊急臓器搬送任務を遂行し、人命救助に多大な貢献を果たした。また、安全運転を促進するため、1500を超える交通安全教育イベントでも活躍している。

6台の車両は、20年以上にわたってイタリア国家警察のポリスカーとして活動。 それぞれの車両は、警備や緊急活動をサポートするための専用装備が導入された。アウトモビリ・ランボルギーニのステファン・ヴィンケルマン会長兼CEOは、イタリア国家警察との協力関係が20周年を迎えたことを受けて次のようにコメントしている。

「イタリア国家警察との協力関係が20周年を迎えたことを大変誇りに思います。イタリア国民の安全を守るため、日々活動しているイタリア国家警察の皆さんを私たちは、心からリスペクトしています。私たちの車両が警察の道路活動をサポートし、人命救助に貢献しているのは大きな喜びです」

内務省のヴィットリオ・ピサーニ長官は、あらためてランボルギーニへの感謝の意を表した。

「アウトモビリ・ランボルギーニとの20年にわたる協力関係は、緊急臓器搬送のようなデリケートな任務を遂行するイタリア国家警察を大いに助けてきたと言えるでしょう。国家警察の使命のひとつである、すべての市民への奉仕に役立てられてきました。ガヤルドから最新のウルスまで、使用されているランボルギーニによって、私たちは最先端の設備と技術を活用しています。特別な訓練を受けたドライバーは、ランボルギーニ ポリスカーがあるからこそ、この重要な任務を迅速かつ安全に遂行することができるのです」

3台が導入された「ガヤルド ポリスカー」

2004年の「ガヤルド 510-4」をベースとする初代ポリスカーに続き、合計3台のガヤルドがイタリア全土で活躍している。
2004年の「ガヤルド 510-4」をベースとする初代ポリスカーに続き、合計3台のガヤルドがイタリア全土で活躍している。

2004年、ランボルギーニは最初の「ガヤルド 510-4」をイタリア国家警察に納車。その年の9月に臓器輸送車として実用化された。ガヤルド 510-4は、可変バルブタイミングを導入した先進的な5.0リッターV型10気筒エンジンを搭載した、初の量産ランボルギーニだった。

ガヤルド 510-4は交通監視装置を装備しており、危険な運転行為を検知すると、ナンバープレートを識別し、作戦センターにリアルタイムで画像を送信することが可能だった。1号車はローマのストラダーレ部隊に配属され、中南部地域のパトロールや緊急医療支援などを実施。約14万kmを走行し、4年間の任務を終えている。

2005年、2台目のガヤルド 510-4をボローニャ地域の国家警察に納車。交通安全監視用に1号車と同様の装備に加えて、緊急の臓器搬送のためにトランクには冷蔵コンパートメントが追加された。

2008年、初代ガヤルドの後継モデルとして、優れたパフォーマンスと先進技術を備えた「ガヤルド LP560-4」が発表。、0-100km/h加速3.7秒、最高速度325km/hというスペックを誇るガヤルド LP560-4は、イタリア中南部に配属され、主にサレルノ-レッジョ・カラブリア間の臓器輸送で活躍。フロントトランクには、臓器を迅速に搬送するための冷蔵室と除細動器が装備され、人命救助に貢献している。

日常業務に加え、ガヤルドはローマの伝統的な警察記念日のパレードなど、数々の代表的なイベントにも参加。タルガ・フローリオやミラノ-サンレモ・ラリーなど、ヒストリックカーイベントにおいてエスコートカーとしても活躍している。

現在も活躍する「ウラカン ポリスカー」

2014年、ガヤルドに代わるポリスカーとして、イタリア国家警察に「ウラカン LP 610-4」を提供。そのスピードを活かし、2023年にも臓器搬送を行っている。
2014年、ガヤルドに代わるポリスカーとして、イタリア国家警察に「ウラカン LP 610-4」を提供。そのスピードを活かし、2023年にも臓器搬送を行っている。

2014年、ランボルギーニはイタリア国家警察に「ウラカン LP 610-4」を提供。2017年に2台目が納車された。ウラカン LP 610-4は、最高出力610PSを発揮する5.2リッターV型10気筒エンジンを搭載し、スペックは0-100 km/h加速が3.2秒、最高速度は325km/h。ヘッドライトの底部には視認性を高める青色LEDが導入され、アルミニウム製ケーシングのフロント、リヤ、サイドにも白色LEDが装備されている。

直近では、2023年2月に、エミリア=ロマーニャ交通警察に配属されたウラカンが、重要な臓器搬送に使用された。ラクイラのサン・サルヴァトーレ病院から腎臓を回収し、トリノのル・モリネット病院へと搬送。時間のロスなく臓器が移植患者へと届けられたことで、57歳の女性の命が救われている。

最新のウルスを2023年12月に導入

現在も活躍する2台のウラカンに加えて、2023年末からは最新装備が数多く搭載された「ウルス ペルフォマンテ 」が導入された。
現在も活躍する2台のウラカンに加えて、2023年末からは最新装備が数多く搭載された「ウルス ペルフォマンテ 」が導入された。

2023年12月、ローマのヴィミナーレ広場において、ランボルギーニのヴィンケルマン会長兼CEO、内務省のピサーニ長官立ち会いのもと、マッテオ・ピアンテドージ内務大臣に「ウルス ペルフォマンテ  ポリスカー」のキー贈呈式が行われた。

ウルス ペルフォマンテは、最高出力666PS を発揮する4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンを搭載。SUVモデルながらも、0-100km/h加速は3.3秒、最高速度は306km/hに達する。カラーリングは、ランボルギーニのデザイン部門「チェントロ・スティーレ」が担当。イタリア国家警察のクラシカルなブルーとホワイトが組み合わされ、ルーフにはブルーの360°LEDライトを備えたライトバーと、ツートンカラーの電動サイレンが取り付けられた。

コクピットには、厳重に補強されたウェポン・ボックスなど、警察業務に不可欠な装備を数多く搭載。トランク内にはサービス機器や救急対応用の除細動器を収納するための専用コンパートメントも配置された。この臓器保冷庫は、車内のディスプレイとデータロガーにより、常時温度を監視することができる。

ランボルギーニとイタリア国家警察の活動を動画でチェック!

ボローニャで開催された「オート・エ・モト・デ・エポカ」では、現在レストア中の1968年製「ミウラS」のボディと、認証取得中の1994年製「ディアブロ SE」を展示。

「人気が急上昇のクラシック・ランボルギーニ」2025年の創立10周年に向けて精力的に活動した「ポロストリコ」とは?

2024年、多くのイベントに参加したアウトモビリ・ランボルギーニのヒストリックカー部門「ポロストリコ(Polo Storico)」。クラシック・ランボルギーニによるドライブイベントを主催した他、世界の名だたるコンクルーデレガンスに美しくレストアされたクラシック・ランボルギーニを送り込んだ。その活動を振り返る。

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著者プロフィール

ゲンロクWeb編集部 近影

ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…