このブログでは今年初の投稿となります。昨年末に書いた記事と内容が重複しますが、石破政権のひどい外交姿勢がこの国の安全保障と経済を不安定化させ、再び雇用を悪化させたり軍事独裁国家に蹂躙されるような事態を招く危険性を指摘したいと思います。
なお国民民主党が公約として掲げた手取り収入を増やすための減税政策の実現性については「基礎知識編」ブログで軽く書きまとめておきましたのでご覧ください。
本題に入ります。
間もなく任期が終了となりますが、アメリカのバイデン大統領が今年1月3日に日本の製鉄メーカーである日本製鉄がアメリカの製鉄メーカーであるUSスチール(以下USS)の買収を行うことを禁止する行政命令を出しました。この取引は買収される側のUSSの経営陣だけではなく労組や地元からも歓迎されていたもので、日鉄側は雇用創出のための巨額追加投資など誠意を持ってかなり良い条件を出しています。バイデン大統領は「安全保障上の理由」で買収阻止命令を出しましたが、USSのデビッド・ブリット最高経営責任者(CEO)は、「北京の中国共産党指導者たちは路上で小躍りして(喜んで)いる」とコメントし、「政治的腐敗と戦う」と痛烈に非難しています。他にもペンシルベニア州選出のダン・ミューザー下院議員(共和党)が「バイデン氏は日本を中国と混同している」と皮肉りました。アメリカと同盟国であるはずの日本の企業に対して行われたこの命令に違和感を持った人がかなり多いことを示します。
しかしながらバイデン現大統領だけではなく、トランプ次期大統領もまた日本製鉄によるUSS買収に賛成していません。氏はSNS上で「関税によってUSスチールの収益力と企業価値がはるかに高まるという今、なぜUSスチールを売却したがるのか?」と述べています。
両氏の狙いや真意についてはよくわからず不思議に感じられるのですが、筆者はこの言動や行動の奥に「アメリカは日本を同盟国として信用していない」という裏メッセージを込めているのではないかと憶測しています。日本を中国と並ぶ仮想敵国として見做しはじめたというのは考えすぎでしょうか?だとしたらその元凶は日本の石破政権にあると筆者は思います。
石破総理の外交についてはマスコミ等でも猛烈な批判がなされていますが、トランプ氏がアメリカ新大統領に選出された後から今に至るまで直接面談するには至っていません。イタリアのメローニ首相やアルゼンチンのミレイ大統領などは既にトランプ氏と面談できています。石破氏とは電話での短い会話しかしていません。その一方で石破総理や岩屋毅外相、森山裕幹事長らは中国の習近平主席や李強首相、王毅共産党政治局員兼外相などと会談しており、中国人向けの査証(ビザ)発給要件の大幅緩和まで表明しております。トランプ次期政権は強硬な反中派をメンバーに揃えて組閣を進めているところへ、石破政権の態度は完全に媚中で喧嘩を売っているも同然です。バイデン大統領だけではなくトランプ次期大統領の目から見たら日本と中国は同列の仮想敵国に映ることでしょう。
トランプ新政権については関税を武器に自国の要求をのませる手法で世界各国との外交を推し進めていくことでしょう。中国に対しては最大60%の関税を課すことをトランプ氏はほのめかしています。さらには「中国が台湾に侵攻すれば150%から200%の関税を課す」と発言しました。いまの石破政権の外交態度ですと、日本に対しても容赦ない関税攻撃を仕掛けてくる可能性が大きいです。そうなったら日本の輸出産業は大打撃を受け、雇用が著しく悪化する危険が出てきます。
石破政権が擦り寄っている中国については不動産バブルの崩壊や習近平政権の経済政策失政によって若者は就職できず、慢性的デフレ不況状態に突入しつつあります。1990年代以降の日本と同じ道、いやそれ以上ひどい状況に陥ることでしょう。おまけに中国は習近平政権以降ますます軍事独裁色をどんどん強めていっており、日本人だけではなく多くの外国人が理不尽な理由で逮捕拘束され死刑判決を下されてしまっています。これでは安心して企業進出なんかできません。そんな国に靡いていっても奪われることはあれ、得るものは何ひとつないに決まっています。互恵関係なんてありえません。石破政権のセンスのなさにただただ絶望するだけです。
内政面についても石破政権の経済政策についてもまったく芯がなく、不確実性をじりじり高めていっています。国民民主党が要求した基礎控除+給与所得控除を現行103万円から178万円に引き上げる減税案について、自民党・公明党側は消極的な姿勢しか示さず123万円でおさめさせようとしてきました。それだけではなく増税路線に前のめりな立憲民主党と大連立政権を組み、消費税税率を15%まで引き上げてしまうのではないかとも囁かれています。
金融政策についても株価が暴落してしまった政権発足直後に石破総理と日銀植田総裁が会い追加利上げは慎重にやるよう申し入れたのですが、安倍政権や菅義偉政権時代のようにしっかり睨みを利かすことはしないでしょう。石破氏は総理になる前まで安倍元総理が進めていた異次元金融緩和に対し反発的な態度をみせていました。植田総裁が景気や雇用状況を顧みずじりじり利上げを進めていっても、それを止めることはしないと予想されます。トランプ氏はドル高・円安状態に対し警戒感を示しており、それを是正するよう日本側に圧力をかける可能性があります。安倍元総理であれば巧くトランプ氏に説明できていたでしょうが、石破氏や植田総裁はトランプ氏からの圧力に屈して利上げを進めてしまうかも知れません。利上げをするということは日本の民間企業に対し(雇用を含めた)投資を抑制させ、経済活動を弱めさせることです。関税強化と日銀利上げが重なったら企業活動と雇用の萎縮が進み、やっと脱出できた数十年間に渡る慢性的デフレ不況を再発させかねません。
いまの自民党はもはや保守政党ではなく左派政党になっております。この流れは岸田前政権からはじまったものですが、石破政権で決定的なものとなりました。外交・経済政策共に迷走し、国民に不安と怒りと失望を与えた民主党政権の再来といえるのが今の石破政権です。本当は高市早苗氏や旧安倍派の議員が反旗を翻し石破おろしを進めていかないと自民党という党だけではなく、日本の安全保障と経済という屋台骨が崩れていくことでしょう。
先の衆議院選挙で旧安倍派議員の多くが落選してしまっていますが、日米同盟を強化し自由主義経済を尊重する路線を自民党が復活させないと、日本の政治や経済は混迷を極め、周辺の軍事独裁国家に蹂躙されることになりかねません。そのためにも一刻も早い石破政権の退陣を求めなくてはなりません。
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