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◆はじめに
日本企業は改善活動が得意であり、競争優位の理由の一つであると多くの人が考えています。一方で、欧米、中国といった先進国が成長している中で、日本だけは成長が停滞しているという現実があります。
この問題について、目に見える問題現象を解決していく改善という活動に焦点を当てて、その利害を考えるとともに、VUCAの時代に対応するポイント点としてリーダーシップとマネジメントという視点から考えてみたいと思います。
◆「目に見える問題」だけに対処する限界
日本のコロナ対応をみていて改めて認識させられるのは、「目に見えている」問題の解決を繰り返していけば、いつかは真の原因にたどり着き、問題全体を解決できるという信念があることです。
直近で言えば、夜の飲食が感染源になっていることを発見し、飲食施設の営業時間に制限を加え、感染者数を一桁減らしました。しかし、現時点では下げ止まりをしており、リバウンドが始まったという状況です。
感染者の減少が止まったのは、よく言われるように飲食の制限だけでは効果に限界があるということなのでしょうが、飲食施設を応対のターゲットにしたのは。見えている範囲でもっとも大きな問題だと認識しているためでしょう。考えてみればこれまでもクラスターが生まれた高齢者施設、夜の街、劇場などに的を絞り、検査をして、感染者を減らすということを繰り返してきました。
このように「目に見える」範囲で類似施設を対策するだけでは、なかなか、根本的に感染を無くすのは難しいというのが現状だと思われます。