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おとなのきほん 自分の殻を破る方法 / 松浦弥太郎

 

おとなのきほん 自分の殻を破る方法 / 松浦弥太郎 (PHP研究所

 

 

この本は、僕自身とあなたにとっての、おとなのまんなかの覚え書きです――。

 50代になっても新しいチャレンジを続ける松浦弥太郎さんが、おとなのまんなかにいるすべての人に送る、エールであり、今を生きる皆さんへの具体的な方法の提示です。

 「新しいことはまだまだ、できる。」という松浦弥太郎さんが考える、「おとなの」アウトプット/友だち/働き方/文章術/お金/きほん/おしゃれ/趣味/計画/スタートアップについて、余すところなくお伝えします。

 本書を読みながら、松浦弥太郎さんと一緒に、あなたにとっての「おとなのきほん」について今一度考えて見てはいかがでしょうか。 (PHP研究所 HPより)

 

じぶんの中で松浦さんといえば、「暮らしのヒント集」

やさしい(優しい・易しい)ことばに、あたたかいことばに触れて、

おばあちゃん家の居間で昼寝をしているときような、

そんなほっとした気持ちになったのを覚えています。

そんな松浦さんが書かれた「おとなのきほん」

タイトルに惹かれて読んでみました。

 

「やらないことを決める」

「お金が好きという」

「箸の置き方は美しいか」

 

などなど・・・また、じぶんの羅針盤にしたいことばに出会うことができました。

 

いま、30代に突入したばかりのじぶんですが、

40代、50代と、運がよければこれからも人生は続いていくわけで。

人生の方向性をなんとなく、本当になんとなく決めておきたい。(気がする。)

なにも、困っていることはないはずなのに、いつもどこか不安。

 

仕事もあって、暮らす家もあって、

独身だから親戚づきあいや子供の世話もなくて、親の介護もまだなくて、

なのに、なんかいつも不安。なんでなんだろう。

まだことばにできません。

 

きっと、そんなグレーな部分を持ち続けることも、

生きていくことの一つなんだろうな。

 

 

 

カフカの生涯 / 池内 紀

 

カフカの生涯 / 池内 紀(いけうちおさむ) 新書館

明るくてちょっとおかしな、まったく新しいカフカ像が見えてくる! カフカ自身の言葉、日記や手紙、また作品という「精神の証言」をよりどころに、これまでの壮大なカフカ神話からこぼれ落ちた小さな事柄を拾い上げる評伝。(アマゾンの商品説明より)

 

商品説明に、「明るくて」と書いてあるけれど、ぜんぜん明るくないよ。笑

ちょっとおかしくもなかったよ。

とてもまじめで、不器用ながらもその時代を一生懸命に

生きたフランツ・カフカの生涯が記されていました。

 

カフカの日記や作品、手紙など膨大な記録から、

著者がカフカの生涯についてまとめたこの一冊。

時代背景から詳しく描かれているので、

カフカの行動や生活が読み手の腑に落ちるように、

わかりやすく記されている一冊でした。

 

カフカといえば、「変身」と「城」

わたしはまだこの2冊しか読んだことがありません。

初めて読んだのが高校生のときなので、もう10年以上前。

それなのに、読んだときに頭の中で想像した景色がいまでも鮮明に残っています。

グレゴール・ザムザとK。

主人公の名前って、よっぽど印象深い作品か、

ちゃんと読書記録を残しているものでないと覚えていないけれど、

10年ちょっと、ずっと覚えてたもんなあ。

それくらい印象深い作品でした。

(だから、この本を図書館でたまたま目にしたときに読んでみようと思ったのです。)

 

特に「変身」なんかは、ファンタジーなんかじゃなくて

とてもリアルな人間模様。だから、結末にはショックを受けたけれど・・・

この作品が書かれたときのカフカの生活も知ることができて、

なんとなく納得したのでした。

 

2024年はカフカがなくなってちょうど100年の年。

第二次世界大戦前のユダヤ系の人々がいかに私たちと変わらない日常を生きていたか。

カフカの妹たちの未来が、あんなことになるなんて、だれが想像したか。

そんなこともこの本を読みながら思いました。

 

カフカ本人とご両親がねむっているお墓にいつか花を手向けにいきたいな。

カフカは、いやがるかな。静かに過ごしていたいかな。

 

夏帆 / 村上春樹

 

夏帆 / 村上春樹 (新潮 創刊120周年記念特大号より)

 

 

春のみみずく朗読会の続き。

こちらの作品は、村上春樹さんがこの朗読会の日のために書き下ろした作品でした。

 

「タイトルは、夏帆 です。季節の夏に、船の帆と書いて、夏帆です」

と村上さんがおっしゃったときに、会場の雰囲気がぎゅっとひきしまって。

 

「だけど、夏帆は2月生まれです。夏帆の両親がなぜこの名前をつけたのかは、

私もわかりません。」とつづけておっしゃったときに、

ひきしまった雰囲気が一気にほぐれて、笑いが起きて。

 

そっかあ、物語の中の人たちは作者に生み出された存在ではあるけれど、

作者の手の届かない、生身の人間のように生きている部分があるんだなあと

なんだか不思議な気持ちになりました。

 

物語のテーマは、「顔・容姿」

 

自分の話をすると、

私の目はTHE一重で、可愛いや綺麗とはかけはなれている顔なのだけれども、

アイプチや二重に整形しようと思ったことは一度もない。

ソバカス肌で、小学生のころからほっぺたにそばかすや

いまとなっては肝斑が広がっているけれど、まあ、死にはしないしね、とそのくらい。

 

特別、大切に育てられたわけでもなく、自己肯定感が高いわけではないけれど、

自分の容姿についてあまり考えたことがない。

(ということを、この物語を聴いて読んで、初めて認識した。)

 

むかし、10代のころにはじめてつきあった人が

無類の一重好きで、歴代の元カノたちもみんな一重まぶた。

(つきあっていた人も、歴代の元カノたちも、バイト先の先輩だった。

いま思えば、喰われた感。)

ちなみに、当の本人はぱっちり二重。おい!

・・・それはおいといて、

人生ではじめて一重まぶたであることを「かわいい」と言ってもらったことで

「あぁ、そんなふうに思う人もいるんだなあ」と知ったことが、

一重まぶたで悩まなかった理由のひとつにあるように思う。

ラッキーだったね。わたしよ。

 

KPOPブームのおかげかわからないけれど、

ここのところよく一重まぶたを活かすメイクなんかを

ネットの記事や動画でよく目にするようになった。

けれども、モデルは韓国の美男美女のアイドルたち。マネできるかい!

ほかのパーツが違いすぎるぞ!と毎回思うのでした。

 

***

 

村上さんの生の声を、直接会場で、長く聞いたことで、

そのあとに作品を読むと、どの作品も村上さんの声で

再生されるんだなあ。作品の中でよくあるシーンのときには、

勝手に、ちょっと気まずい。「夏帆」の物語にはありませんでしたよ。

 

余談ですが、娘が生まれたら「夏帆」とつけようと思った。

予定はまったくありませんが。(しかも、娘が生まれる前提)

村上さんの何かの作品で、「白のフォレスター」が出てきたときに、

「次に乗る車は白のフォレスターだ!」と決めていたのだけれども、

その意思は簡単にゆらぎ、いま乗っている車は黒のインプレッサ

共通点はスバルだけ。なんであの作品に出てきたのは

白のフォレスターだったんだろう?黒のインプレッサもぜひ登場させてくれませんか。