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レビュー

除湿機だけど衣類乾燥除湿機&サーキュレーターの「DCC-6513」って?

梅雨時期になると悩ましいのが“洗濯”です。筆者は基本的には部屋干し派ですが、梅雨時期は湿度が高いため、なかなか乾きません。そんな日は、いくら「部屋干し用」の洗剤を使っても生乾きになり洗濯物が臭ってしまうことも……。洗濯物のニオイいといえば「雑菌」が原因。せっかく洗ったのに雑菌だらけだと思うと、いい気持ちはしませんよね。

最近は、部屋干し対策ができる高機能のエアコンも発売されていますが、エアコンの買い替えは取り付け工事が必要なうえ、予算的にも敷居が高い! そこで、エアコンより手軽に使えて価格も安い、近頃話題の「衣類用除湿機」を使ってみることに。今回選んだのは、アイリスオーヤマの「衣類乾燥除湿機 DCC-6513」(以下、DCC-6513)。実はこの製品には、後継モデル「DCC-6515」があるのですが、両者の主な違いはキャスターの有無と風量調節機能の2つ。でも、価格には1万円以上の開きがあり……(2015年6月10日現在/価格.comにおいて)、悩んだ末、洗濯物の乾燥がメイン用途なら旧モデルで必要十分なのでは、と判断したというわけです。この選択が吉と出るか!? さっそく使ってみました! 

サーキュレーター搭載でパワフルな除湿機

筆者がDCC-6513を選択した最大の理由は、“広い範囲の衣類を乾燥できること”です。我が家では、部屋干しにリビングと続き部屋の「かまち」を使っています。衣類をハンガーにかけて一列に並べるので、幅約150cmの範囲を乾燥できる製品が必要なのです。幅100cmまでという製品も多いなか、DCC-6513は左右に可動する「首ふり機能」を搭載。広い範囲をカバーできるのが特長です。

また、DCC-6513上部に搭載されているファンは、扇風機ではなく「サーキュレーター」。扇風機よりも強力な風で部屋の空気を撹拌する機能があります。このため、エアコンを使用する夏と冬に、部屋の空気をかく拌するのに力を発揮します。うまく使用すれば、エアコンの節電になりそうなのも、選択理由のひとつです。「除湿機」の上に「サーキュレーター」が搭載されているので、一般的な除湿機よりも強い風で、一気に洗濯物を乾かせそうなのも魅力的でした。

実際に製品を見てみると、高さが79cmとかなり背が高く大きいことに驚きます。サイズが大きいため、重量は13.2kgほどあります。とはいえ、本体横に持ち手があるので、移動は意外にラクです。階段の上り下りするのは大変ですが、部屋の隅に置いている本体を、部屋中央の洗濯物の前に移動させるくらいならば、非力な筆者でも苦になりません。

除湿機の上部に、ポンと丸いサーキュレーターを配置したようなユニークなデザイン。サイズは、31(幅)×23.5(奥行き)×79(高さ)cm。重さは13.2kgと、比較的大きめ

重量はそれなりにありますが、左右にそれぞれ持ち手があるため移動は比較的ラク

重量はそれなりにありますが、左右にそれぞれ持ち手があるため移動は比較的ラク

階段の上り下りがなければ、とくに移動が大変とは思いませんでした。とはいえ、大きいので子供やシルバー世代に運ばせるのは危なく感じます

本体裏には吸気口用フィルターがあります。埃がたまった場合は、カバーを外して掃除機で汚れを吸い取ります。説明書によると、フィルター掃除の目安は1か月に1度

除湿方式は、コンプレッサー式にヒーターをプラスしたハイブリッド方式

除湿方式は、コンプレッサー式にヒーターをプラスしたハイブリッド方式

除湿した水分を溜めるタンクの容量は約3.5L。満タンになったら、本体正面から引き出して水を捨てます。満水になると3kgを超える重量になりますが、ハンドルがあり、シンクまで運びやすいのは便利でした

タンクは、カバーの一部を開いて排水できるようになっています。いちいちタンクカバーを外さないでよいのは便利。ロック解除でカバーを外すことも可能なので、メンテナンスも簡単です

乾燥時間はかなり短縮!ただし部屋の温度は……

衣類乾燥と部屋の除湿には、同じメニューを使用します。選択できるのは「スピード」と「標準」、「エコ」の3メニュー。「スピード」は温風で部屋を暖めながら除湿するモード。いっぽう、「標準」は室温が10℃以下のときのみ部屋を暖め、室温が10℃以上ある場合は冷風で除湿します。最後の「エコ」は、室温にかかわらず、常に冷風で除湿するモードです。除湿中はかならずサーキュレーターを使用しますが、「首ふり」ボタンで、サーキュレーター部を左右に首ふりさせることも可能です。

実際に湿度の高い日に「スピード」コースを使用すると、LサイズのTシャツは約1時間、ジーンズは約3時間で乾燥しました。同じ温度、湿度の別の部屋で干した洗濯物は、Tシャツは5時間、ジーンズは乾燥までなんと10時間ほどかかったことを考えると、かなり優秀な結果です。

ただし、スピードモードは素早く洗濯物を乾かせるのですが、その反面室温を上げてしまうデメリットもあります。使用当時の室温は約25℃でしたが、1時間後には27℃、4時間連続運転したところ室温は30℃まで上がってしまいました。このため、温かい時期は「標準」あるいは「ECOモード」がおススメです。27℃でECOモードを使用したところ、Tシャツは1時間、ジーンズは4時間ほどで乾燥しました。温風を使用しないモードでも、風のない室内より素早く乾燥できるので、暑い日は冷風除湿をするか、人がいない風呂場などで使用するのがよさそうです。

操作ボタンはかなりシンプル。電源を「入」にしたら、「衣類乾燥(除湿)」でメニューを選びます。スピードは温風を出しながら衣類乾燥、標準は室温10℃以下の場合は温風乾燥、エコは室温で乾燥します

我が家の室内干しの定位置でDCC-6513をテストしました。リビングと続き部屋の「かまち」にハンガーをかけて乾燥しています。ハンガーを干せる幅は150cmほど

温度・湿度計も一緒に干して「スピード」モードで乾燥。なんとTシャツなら1時間で乾燥しました。とはいえ開始時点で温度25℃だった部屋が、4時間後は30℃に……夏は標準モードを使用するのが現実的かもしれません。ちなみに湿度は開始時点で63%、4時間後には40%になっていました

DCC-6513が動作する様子。強力な風で服が揺れているのがわかります。本体は洗濯物から30cmほどしか離していませんが、首ふり機能のおかげで150cmの端から端まで風が届いているのがわかります

4時間動作後のタンクにはこれだけの水が!普段はこれだけの水が部屋に漂っていると思うと、カビが発生しないか心配になってきました

衣類だけでなく、クローゼットや靴箱の除湿にも力を発揮!クローゼットはカビが発生しやすい場所でもあるので、梅雨時期は定期的に除湿をしたいところ

ちなみに、気になる消費電力は、50Hzエリア(関東など)では温風使用時で780W、冷風除湿時で180W。電気代はエリアによって変わりますが、温風運転で5時間使用するとだいたい86円、冷風運転5時間なら20円程度の計算になります。電気代の節約をしたい場合も冷風での運転はおススメです。

ところで、除湿のパワーが高く、有効範囲も広いためDCC-6513をかなり気に入りましたが、少々残念な点もあります。それが、サーキュレーター機能を停止できない点です。サーキュレーターは強力な送風ができますが、その分駆動音もあります。そのため、テレビをみている時など、少々除湿能力が落ちてもよいので、静かに除湿したいと感じることも何度かありました。

サーキュレーターとしても優秀!

DCC-6513は除湿機能を使用せず、サーキュレーターとしても利用できます。サーキュレーターとは、部屋の空気を循環させるための空調機器。見た目は扇風機に似ていますが、扇風機が「近くにいる人に直接風をあてて涼しくする」のに対し、サーキュレーターは「部屋全体の空気を循環させる」のが目的です。空調機能としての最大の違いは「風の届く範囲」。扇風機の風は短い距離でも拡散しやすいのに対し、サーキュレーターは直線的に遠くまで風を運びます。

このため、冷房や暖房を使用するときは、サーキュレーターを併用することで効率よく部屋を快適にできるのです。たとえば、冬は天井付近に溜まりやすい暖気を、空気を循環させることで床まで温かくします。このため、暖房の設定温度を1〜2℃下げて節電できると言われているのです。

DCC-6513のサーキュレーター部分。風吹き出し口の直径は約16cmほど。決して大きい直径ではないのですが、強力な風を送風します

上下の角度は、手動で自由に設定できます

上下の角度は、手動で自由に設定できます

可動範囲は本体前面から背面までの約180度。風を身体に当てたくない場合は、真上の天井に向けることも可能です

今回DCC-6513を使用したのは6月でしたが、30℃を超える日もあったため冷房とサーキュレーターを併用しました。今まではエアコン付近にいると足だけが冷えていたのが、サーキュレーターを併用することで解消されました。そして、特に気に入ったのが、部屋の空気が常に“動いている”感覚があること。我が家の冷房は、部屋が温度が設定温度に達するとほとんど風が出なくなるのですが、そうすると、室内温度は下がっているにも関わらず体感温度は“蒸し暑い”と感じることがありました。しかし、部屋の空気が緩やかに動いていると、この「蒸し暑さ」を感じず快適に過ごせます。そのため、普段よりも高い冷房の設定温度でも、比較的心地よく過ごせました。また、普段なら「エアコンを入れようか」という温度の日でも、DCC-6513だけで快適に過ごせる日も多かったです。

乾燥機として利用していない時は、リビングのサーキュレーターとして使用。エアコンの風が効率よく循環します。強力な風が発生するので、夏はエアコンなしでも涼しく感じそう。今回はこの位置から、どこまで風が届くか確認してみました

1.3mほど離れたリビング中央にも、それなりに強い風が吹いているのがわかります

1.3mほど離れたリビング中央にも、それなりに強い風が吹いているのがわかります

約3m離れた場所でも、柔らかな風が当たります

約3m離れた場所でも、柔らかな風が当たります

なんと、DCC-6513を置いた対角線上にあるキッチンカウンター内まで風が届いていました

なんと、DCC-6513を置いた対角線上にあるキッチンカウンター内まで風が届いていました

ちなみに、除湿機能を使用せず、サーキュレーターだけを利用した時のDCC-6513の消費電力は約30W(50Hzエリア時)。これは電気代にすると、およそ1時間1円以下の消費電力です。

なお、説明書によると、本製品がサーキュレーターとして効率よく利用できるのは、木造なら7.5畳、鉄筋コンクリートで15畳まで(50Hzエリアの場合)。我が家は木造戸建てですが、14畳のリビングキッチンでも、それなりに快適に過ごせました。とはいえ、効率よく利用したい場合は、普段は子供部屋や寝室で利用し、洗濯物を部屋干しする時だけDCC-6513を移動して使用するといった使い方が向いているのかもしれません。

木造なら7.5畳までが効率的に除湿できるサイズ。そのため、衣類乾燥時以外は、子供部屋や書斎などで利用すると便利です。サーキュレーターは、それなりに動作音があるので“テレビを観るときにはリビングで使いたくない”という人もいるのでは?

まとめ

DCC-6513試用中は雨の日が多かったのですが、湿度が高い日でも衣類が素早く乾くのには驚きました。ジーンズなどの特別厚手の衣類がなければ、2時間ほどでほとんどの洗濯物が乾きました。ちなみに、我が家のドラム式乾燥機の乾燥時間は2時間半ほど。衣類によっては乾燥機より早く乾燥できます。また、ハンガーにかけて乾燥させるため、洗濯乾燥機と違ってシワにもならないのも、洗濯乾燥機にはないメリットです。何よりうれしいのは、洗濯物が臭わない事。湿度の高い日には、乾燥した洗濯物を畳みながら“生臭いからもう一度洗濯しないと”ということがありましたが、本製品を使用中はこの問題は一度もありませんでした。

最初は13.2kgという重さに“移動が大変そう”と躊躇しましたが、考えてみれば最近の高性能除湿機は10kg以上のモデルが多いです。部屋干しをするたびに、除湿機を物置から運び出すのは面倒な作業ですが、本製品はサーキュレーターとしても優秀。そのため、普段はサーキュレーターとして部屋の隅に設置し、洗濯時は洗濯物の近くに移動させれば“片づける”という面倒な作業が必要ないのも便利でした。扇風機のように人の近くに置いて涼をとることもできるなど、梅雨時期に限らず活躍してくれるのではないでしょうか? ただ、サーキュレーターとしても大いに活用したいならば、動作音が気になるという人も多いかもしれないので、風量調整機能のある新モデルDCC-6515Cを選択したほうがベターかもしれませんね。

倉本 春
Writer
倉本 春
パソコン雑誌編集者からドッグカフェオーナーという、異色の経歴を経た家電ライター。家電を活用することで、いかに家事の手を抜くかに日々頭を悩ませている。
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