[事例ニュース]
羽立水産、偽造防止ラベルとブロックチェーンで「はだての生うに」の偽装を防止
2023年4月20日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
高級ウニの水産加工業者である羽立水産(北海道茅部郡)は、同社のうに「はだての生うに」の偽装品を防ぐ仕掛けとして、偽造防止システムを導入した。2023年4月から運用する。旭化成とTISが開発した偽造品防止システム「Akliteia(アクリティア)」を使う。偽造困難なラベルを商品のパッケージに貼付する。ラベル上には、真正品であるという表示とQRコードを付記する。これにより、消費者も本物であることが一目で分かるようになる。旭化成とTISが2023年4月20日に発表した。
高級ウニの水産加工業者である羽立水産は、同社のうに「はだての生うに」の偽装品を防ぐ仕掛けとして、偽造防止システムを導入した(図1)。2023年4月から運用する。旭化成とTISが開発した偽造品防止システム「Akliteia(アクリティア)」を使う(関連記事:旭化成とTIS、ブロックチェーンや微細パターン印刷を用いた偽造防止システム「Akliteia」をアパレル業界向けに提供)。
背景には、食品の偽装問題がある。羽立水産においても、過去5年ほど、羽立水産製と偽装されたウニの流通が増加していることに懸念を抱いていた。一方で旭化成は、2023年にアパレル業界向けに偽造防止システムのAkliteiaを提供しており、新たな用途として食品偽装対策への展開を模索していた。こうした経緯から、「はだての生うに」の偽造防止対策にAkliteiaを活用する取り組みを開始した。
羽立水産の取り組みでは、偽造困難なラベルを商品のパッケージに貼付する(写真1)。ラベル上には、消費者への情報提供のため、真正品であるという表示と、QRコードを付記する。これにより、消費者から見ても本物であることが一目で分かり、より安心して商品を購入できるようになる。
旭化成とTISは今後、羽立水産との取り組みを皮切りに、食品業界のニーズや課題を収集し、サプライチェーンの各流通拠点で真贋を判定可能なシステムを構築していく。将来的には、消費者自身が、購入した商品を食べる前に本物かどうか確認可能なシステムの提供も検討する。
●Next:偽造防止システム「Akliteia」の仕組み
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