5月4日(水) ウィキリークスが暴露した普天間基地移設をめぐる嘘とペテンの数々 [在日米軍]
驚きましたね。今日の『朝日新聞』を読んで、嫌になってしまいました。
これほどの嘘とペテンに満ちあふれていたなんて。ウィキリークスによって暴露されなければ、私たち国民は騙され続け、政治家や官僚は何食わぬ顔で嘘を言い続けていたでしょうから……。
『朝日新聞』5月4日付の一面の見出しは、「米軍グアム移転費水増し」となっていました。「負担率操作示す文書」「ウィキリークス公電7000点 本社分析」という見出しもあります。
記事は、こう述べています。
日米両政府が在沖縄米海兵隊のグアム移転について合意した2006年春のロードマップ(行程表)で、米政府が、関連費用の総額を水増しして日本側の負担割合を見かけ上減らし、日本政府も08年に追認していた。海兵隊の移転人数については、削減をアピールしやすいよう実態より多い数字を挙げていた。
つまり、グアム移転の規模を大きくし、日本政府の負担割合を小さくするために、海兵隊の数を多く、再編に必要な費用の総額を水増ししていたというわけです。嘘をついて、日本の世論を欺いていたことになります。
しかも、「08年の交渉では米側が、軍用道路を盛りこんだのは総額を増やすことで日本側の負担比率を相対的に低く見せることが目的だったと説明し、日本政府もその点を了承した」というのですから、呆れてしまいます。日本国民への嘘は、日米両政府による「共同謀議」だったのですから……。
これについて、08年12月19日付の在東京大使館から国務長官らに当てた「秘」指定の公電は、「全体の費用見積もりを増やし、日本側の費用割合を(数値上)減らすために盛り込まれた」とし、移転する海兵隊の人数について「(日米)双方とも、この数字が(実態と)かけ離れていたことを認識していた」「日本国内での政治的な効果を最大限引き出すために、意図的に大きく見積もられた」と書いています。何ということでしょうか。
以上は、グアム移転費用についてのペテンですが、それ以外にまだ多くの嘘やペテンがあります。例えば、次の小池百合子防衛相による仲井真沖縄県知事への約束があります。
小池さんは仲井真さんに、アセス後であれば滑走路を沖合に50メートル移すことに同意すると密かに約束していました。これについて、「もしアセスの結果、滑走路を動かす科学的な根拠がなかったらどうするのか」と問われて、「『09年までには違う政権ができているから、我々が彼(仲井間知事)にこれまで何を約束したかは問題にならない』と返答した」(07年11月7日、メア総領事と小池百合子防衛相との会談についての公電)といいます。
例え、嘘をついたとしても、政権が変わっているから問題にならないと答えたというのです。小池さんの弁明通り政権が交代したとはいえ、一国の大臣としては無責任きわまりない発言だというべきでしょう。
また、沖縄普天間基地移設問題でも、民主党の関係者や官僚は嘘とペテンを積み重ね、アメリカの顔色をうかがいながら、それに迎合するような態度に終始していたことも暴露されています。
先ず、政権交代の直前、岡田さんは「ひとたび政権につけば、米政権との対話を経た上でのみ取り組む」(09年7月17日、キャンベル国務次官補との会談での発言)とアメリカに約束し、アメリカの意に反する形での安保・外交路線の転換を行わないことを表明しています。
そのうえで、普天間基地の移設問題では、次のように一貫して「現行案」の実現が目指されています。「最低でも県外移設」という鳩山首相の方針は、「形だけ」のものにすぎませんでした。
○前原誠司「もし、現行案以外のあらゆる代替案に米国が賛成しなければ、民主党は現行の再編計画を進め、必要ならばゴールデンウィーク後に連立を解消する用意がある」(09年12月9日、米大使公邸でのルース大使と前原誠司国土交通相・沖縄北方担当相との会談での発言)
○藪中三十二「政府による見直し作業で辺野古移設に代わる実現可能な案が見つからなければ、06年の再編合意(現行案)に立ち返る、と鳩山は確認した」(09年12月21日、藪中三十二外務事務次官とルース大使の昼食会での発言)
○松野頼久「鳩山首相と、沖縄問題での(日米閣僚級)作業部会は、『形の上だけは』沖縄県以外の選択肢を検討しなければならないが、唯一現実的な選択肢は、普天間をキャンプ・シュワブかほかの『既存施設』に移すことだ」(10年1月26日、米大使館政務担当公使らと松野頼久官房副長官との会談での発言)
この途中では、外務官僚の次のような「面従腹背発言」もあったようです。彼らは、沖縄県民の願いや日本のためではなく、アメリカのために外交を行っていたと言うべきでしょう。
○外務官僚ら「米政府は普天間移設問題では民主党政権に対して過度に妥協的であるべきではなく、合意済みのロードマップについて譲歩する意思があると誤解される危険を冒すべきでもない」(09年12月10日、在日米大使館の政務担当者と政務担当を務める参事官ら3人の外務官僚との会話での発言)
これらの発言を見れば、普天間基地の移設問題の目的地がはっきりしていたことがわかります。それは「迷走」したのではなく、「現行案」に到着するための「形の上」だけの時間稼ぎだったのです。
結局、民主党も自民党も、「同じ穴のムジナ」であり、どちらもアメリカ向けと国民向けの二つの顔を使い分けていたのです。どちらも、沖縄県民や日本国民を欺いていたという点では全く変わりません。
昨日のブログで、私は「アメリカからの押し付けに唯々諾々と従ってきた結果」として、「日米同盟と原発推進、それに農業破壊は、対米従属によって犯された3つの大罪である」と書きました。ウィキリークスによって暴露された日米関係は、まさにこの「大罪」を明確にしたものであると思います。
そこから、どうやって抜け出すのか。どのようにして、このような偽りの政治を転換するのかが、今こそ真剣に問われるべきなのではないでしょうか。
これほどの嘘とペテンに満ちあふれていたなんて。ウィキリークスによって暴露されなければ、私たち国民は騙され続け、政治家や官僚は何食わぬ顔で嘘を言い続けていたでしょうから……。
『朝日新聞』5月4日付の一面の見出しは、「米軍グアム移転費水増し」となっていました。「負担率操作示す文書」「ウィキリークス公電7000点 本社分析」という見出しもあります。
記事は、こう述べています。
日米両政府が在沖縄米海兵隊のグアム移転について合意した2006年春のロードマップ(行程表)で、米政府が、関連費用の総額を水増しして日本側の負担割合を見かけ上減らし、日本政府も08年に追認していた。海兵隊の移転人数については、削減をアピールしやすいよう実態より多い数字を挙げていた。
つまり、グアム移転の規模を大きくし、日本政府の負担割合を小さくするために、海兵隊の数を多く、再編に必要な費用の総額を水増ししていたというわけです。嘘をついて、日本の世論を欺いていたことになります。
しかも、「08年の交渉では米側が、軍用道路を盛りこんだのは総額を増やすことで日本側の負担比率を相対的に低く見せることが目的だったと説明し、日本政府もその点を了承した」というのですから、呆れてしまいます。日本国民への嘘は、日米両政府による「共同謀議」だったのですから……。
これについて、08年12月19日付の在東京大使館から国務長官らに当てた「秘」指定の公電は、「全体の費用見積もりを増やし、日本側の費用割合を(数値上)減らすために盛り込まれた」とし、移転する海兵隊の人数について「(日米)双方とも、この数字が(実態と)かけ離れていたことを認識していた」「日本国内での政治的な効果を最大限引き出すために、意図的に大きく見積もられた」と書いています。何ということでしょうか。
以上は、グアム移転費用についてのペテンですが、それ以外にまだ多くの嘘やペテンがあります。例えば、次の小池百合子防衛相による仲井真沖縄県知事への約束があります。
小池さんは仲井真さんに、アセス後であれば滑走路を沖合に50メートル移すことに同意すると密かに約束していました。これについて、「もしアセスの結果、滑走路を動かす科学的な根拠がなかったらどうするのか」と問われて、「『09年までには違う政権ができているから、我々が彼(仲井間知事)にこれまで何を約束したかは問題にならない』と返答した」(07年11月7日、メア総領事と小池百合子防衛相との会談についての公電)といいます。
例え、嘘をついたとしても、政権が変わっているから問題にならないと答えたというのです。小池さんの弁明通り政権が交代したとはいえ、一国の大臣としては無責任きわまりない発言だというべきでしょう。
また、沖縄普天間基地移設問題でも、民主党の関係者や官僚は嘘とペテンを積み重ね、アメリカの顔色をうかがいながら、それに迎合するような態度に終始していたことも暴露されています。
先ず、政権交代の直前、岡田さんは「ひとたび政権につけば、米政権との対話を経た上でのみ取り組む」(09年7月17日、キャンベル国務次官補との会談での発言)とアメリカに約束し、アメリカの意に反する形での安保・外交路線の転換を行わないことを表明しています。
そのうえで、普天間基地の移設問題では、次のように一貫して「現行案」の実現が目指されています。「最低でも県外移設」という鳩山首相の方針は、「形だけ」のものにすぎませんでした。
○前原誠司「もし、現行案以外のあらゆる代替案に米国が賛成しなければ、民主党は現行の再編計画を進め、必要ならばゴールデンウィーク後に連立を解消する用意がある」(09年12月9日、米大使公邸でのルース大使と前原誠司国土交通相・沖縄北方担当相との会談での発言)
○藪中三十二「政府による見直し作業で辺野古移設に代わる実現可能な案が見つからなければ、06年の再編合意(現行案)に立ち返る、と鳩山は確認した」(09年12月21日、藪中三十二外務事務次官とルース大使の昼食会での発言)
○松野頼久「鳩山首相と、沖縄問題での(日米閣僚級)作業部会は、『形の上だけは』沖縄県以外の選択肢を検討しなければならないが、唯一現実的な選択肢は、普天間をキャンプ・シュワブかほかの『既存施設』に移すことだ」(10年1月26日、米大使館政務担当公使らと松野頼久官房副長官との会談での発言)
この途中では、外務官僚の次のような「面従腹背発言」もあったようです。彼らは、沖縄県民の願いや日本のためではなく、アメリカのために外交を行っていたと言うべきでしょう。
○外務官僚ら「米政府は普天間移設問題では民主党政権に対して過度に妥協的であるべきではなく、合意済みのロードマップについて譲歩する意思があると誤解される危険を冒すべきでもない」(09年12月10日、在日米大使館の政務担当者と政務担当を務める参事官ら3人の外務官僚との会話での発言)
これらの発言を見れば、普天間基地の移設問題の目的地がはっきりしていたことがわかります。それは「迷走」したのではなく、「現行案」に到着するための「形の上」だけの時間稼ぎだったのです。
結局、民主党も自民党も、「同じ穴のムジナ」であり、どちらもアメリカ向けと国民向けの二つの顔を使い分けていたのです。どちらも、沖縄県民や日本国民を欺いていたという点では全く変わりません。
昨日のブログで、私は「アメリカからの押し付けに唯々諾々と従ってきた結果」として、「日米同盟と原発推進、それに農業破壊は、対米従属によって犯された3つの大罪である」と書きました。ウィキリークスによって暴露された日米関係は、まさにこの「大罪」を明確にしたものであると思います。
そこから、どうやって抜け出すのか。どのようにして、このような偽りの政治を転換するのかが、今こそ真剣に問われるべきなのではないでしょうか。
2011-05-04 11:32
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