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2014.01.17

米軍が見た日本軍
『日本軍と日本兵』著者・一ノ瀬俊也氏インタビュー

――米軍が最も恐れた日本軍の戦法は何だったのでしょうか?

一ノ瀬 本書には直接出てこない話で申し訳ないのですが、航空特攻だと思います。最も少ない犠牲で最も多数の米兵を殺傷できる戦法だからです。人命重視の米軍からみるとこれは怖い。逆に日本軍としては、特攻で米兵に出血を強要し続ければもしかしたら米国内の世論を動かし、有利な条件で講和に持ち込めるかもしれないという打算がある。沖縄戦で数千機の特攻機を出動させたにもかかわらず、沖縄の陥落が目前となって米軍が音をあげないことが判明したとたん、昭和天皇が和平を口にするなど降伏への動きが表面化していくのは、最後の希望が絶たれたことの表れだったのでしょう。

一ノ瀬 陸戦では、地下壕に立て籠もって米軍最大のアドバンテージである火力をしのぐ、という戦法になるでしょう。米軍からすれば最大の長所が封殺されるわけですからやりづらくなる。

実は、兵士の士気は下がっていた?

――逆に、日本軍に対して効果的だった戦法は?

一ノ瀬 航空特攻はレーダーやピケット艦による監視を厳重にして大型艦の前方で戦闘機を待ち伏せさせて撃墜するという戦法を徹底し、そのため特攻の成功率は著しく低下します。陸上では基本の徹底しかなく、地下壕に立て籠もった日本軍の抵抗を猛烈な砲爆撃で圧倒、排除し、戦車を壕に肉薄させて火炎放射を浴びせ、中の将兵を窒息させたら前進する。この繰り返しです。もちろん日本軍も猛烈に撃ちますから米軍もただでは済みません。