「最近は、人事コンサルタントなどにコンプライアンス強化を頼る企業も増えていますが、そういう業者はコンプライアンスを定型化し、ノウハウを提供するという考えのところが多い。しかし、本来、コンプライアンスというのは、社会の要請や環境の変化にいかに対応できるかということに尽きる。定型化して、ノウハウを学ぶようなものではありません。
それなのに、そんな業者にカネを払うことは『我が社はコンプライアンスにこれだけコストをかけています』という言い訳をしているにすぎません。また、無駄にチェック機能ばかり増やす企業もありますが、それでは業務に支障が出るし、社員も疲弊する一方です」
「コンプライアンス」を声高に叫ぶような人に限って横文字好きが多く、「これがグローバルスタンダード」なんて満足しているのかもしれない。でも、こんなことを続けていたら、中国やインドのような、なんでもありの成長国が相手の「グローバル市場」で、日本企業が生き残ることなど不可能に違いない。
コンプライアンス栄えて国滅ぶ、である。
「週刊現代」2011年11月26日号より