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ニューノーマル時代の事業継続の体制のポイントは?オートメーション・エニウェアに訊く

 強制的にテレワークを実施した結果、意に反して生産性が下がったり、一部社員のみが出社を余儀なくされることへの不公平感が生まれた会社がある。こうした課題を克服するために、入念な事業継続の体制が必要となり、そのための手段としてあらためてRPAが見直されているという。オートメーション・エニウェアの責任者に、ニューノーマル時代の事業継続のポイントを訊いた。

 多くの企業が、新型コロナウイルス対策でテレワーク環境への移行を強いられた。ITRの2020年7月の調査でも、コロナ禍以前はテレワークをほとんど実施していない企業が67%だったのに対し、コロナ禍以降は従業員の一部(10から20%程度)まで含めれば、テレワークを実施した企業が71%と、実施していない企業を大きく逆転している。今後は一部企業で利用を減らすかもしれないが、多くがテレワーク体制を維持し、再びやってくるであろうパンデミックや大規模災害などにも耐えうる事業継続の体制を整えようとしている。

デジタルワーカーが目の前の属人化の課題を解決する

 今回、強制的にテレワークを経験した結果、企業ではいくつかの課題が浮き彫りになった。1つは、テレワークで生産性が下がる場合があること。十分に準備できていなかった企業が緊急避難的にテレワーク体制に移行した場合、思うようにビジネスを回せず生産性が低下してしまう。一方で、これまでも積極的にデジタル化を進め適宜テレワークも利用してきた企業は、全社規模のテレワーク体制でむしろ生産性が向上しているケースもある。

 また長期に亘る自宅での1人作業は、孤独感が募り従業員に精神面や健康面の問題が出ている。さらに目の前にいない社員をどのように管理、評価すれば良いかに頭を悩ませる経営層や人事部門も多い。他にも紙のプロセスや判子の押印、代表電話の対応などのために、一部の社員だけがオフィスへの出社を余儀なくされ、それが社員間の不公平感にもなっている。

 さまざまな課題を抱えながらも、ニューノーマルな時代には多くの企業がテレワークを前提とした多様な働きを実現していくこととなる。その際にテレワークで生産性を落とさずむしろ向上させられなければならない。そのためにはより一層デジタル化を進め、属人化を排しプロセスの自動化にも積極的に取り組む必要がある。

 デジタル化を進め自動化を実現する方法の1つが、RPAだ。とはいえ「従来のRPAは、在宅で業務を行うテレワークとは紐付いていませんでした」と言うのは、オートメーション・エニウェア・ジャパン 営業統括 本部長の由井希佳氏だ。当初の急ぎテレワーク体制を整備している段階は、RPAがらみの案件は優先順位が下がり少し停滞するところもあった。しかし緊急対応が落ち着いた昨今は、テレワーク下での事業継続の観点から、徐々にRPAへの引き合いが増えている。「テレワークの体制でデジタルワーカーをどう活用すべきかの話をする機会は多いです」と由井氏。

オートメーション・エニウェア・ジャパン 営業統括 本部長 由井希佳氏

 今後も新たなパンデミックの発生で、いつオフィスがロックダウンされるかは分からない。その際に、たとえば紙で処理する業務プロセスが残っていると、そこで業務の分断が起こり出社せざる得なくなる。それが、従業員の安全面を脅かすことになりかねない。これは企業としての事業継続の課題となり、それに真剣に取り組み始めた企業が増えているのだ。従来は企業のIT投資の優先順位は、業務の効率化やコスト削減だった。それが今回のCOVID-19を受け、事業継続のためへと変化している。時間と場所に縛られることなく働ける環境を、ITにより実現し業務プロセスの属人化を排除する。それへの投資順位が、上がっているのだ。

 実際、航空会社のフライトのキャンセルに伴う返金作業を、人が対応するのではなくbotが対応し自動で受け付けている例がある。顧客からメール添付で送られてきた航空券チケットの情報を自動で読み取り、その情報をもとに返金処理のプロセスを自動で実行する。これを今回のCOVID-19の対応で、急遽RPAを活用して実現したのだ。またコニカミノルタでは、複合機の部品が海外から入ってこない状況が発生したが、ちょうど期末と重なり忙しく、人が対応するのが難しかった。そこで受注システムから在庫の引き当て処理を自動化する仕組みを、RPAを活用し10日間ほどで構築したとのことだ。

「ビジネスの現場では、目の前の課題を解決する必要があります。その際にはアジャイルで開発し、素早く取り組んで効果を出さなければなりません。そこでRPAによるデジタルワーカーが活用されています。デジタルワーカーを上手く使えば、事業継続のための効果がすぐに発揮できるでしょう」(由井氏)

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Automation Anywhereはクラウド化とAIの活用に優位性がある

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

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