IED(Improvised Explosive Device)は即席爆発装置のこと。
ありあわせの武器弾薬を加工して生まれる爆弾がIED。アフガニスタンやイラクで駐留軍相手に猛威を振るう武装勢力の切り札。特にアフガニスタンでは原理主義組織による自動車爆弾での大量破壊を目的とした自爆攻撃以外ではほとんどこのIEDに切り替わっており、ISAFも手を焼いている。
形状は使用した材料が野ざらしの状態のものから巧みに隠蔽されたものまであり、多くは路肩に駐車してある車や茂みに隠されていて、視認は難しいとされている。
車両で運搬される形式のIEDの事をVehicle Borne IED、略してVBIEDと呼んだりもする。さらに、運転者が死を覚悟してIEDを載せた車両で突っ込んでくるケースの事を、「自殺」を意味する「suicide」を付けて「Suicide Vehicle Borne IED」、略して「SVBIED」などと呼ぶ。
威力は手榴弾程度のものから戦車の装甲を貫通するもの、装甲車自体をひっくり返すほどの威力を持つものまで多岐にわたって存在する(後述)。IEDは決まった形を持たず、起爆装置も無線、有線、時限、センサーなど統一性がなく、駐留軍の妨害電波(無線起爆式に対応)もほとんど効果を発揮していない。
材料はそこら辺にあるもので、爆薬部分は駐留軍の攻撃で発生した不発弾や、旧軍の隠匿物資、新イラク軍からの横流し、戦争後の戦場に残っていた砲弾・弾薬類など豊富にある。起爆装置も無線の場合、携帯電話やリモコンなど身近なものから作られている。材料の爆薬類も組み合わせ自由で、理論上は組み合わせ次第でいくらでも巨大・強力なものが作れる。(戦車すら破壊できるのはそのため)
イラクで活動するアメリカの民間軍事企業や駐留米軍では、爆発対策を施した新型車両を投入しているが、気温が高く窓やハッチなどを開けっぱなしにして走行する乗員が多いため、車体は無事でも衝撃が中の人員にダメージを与える例が相次いでいる。
効果的な対策は特に存在せず、疑わしいものには近づかないのが1番とされている。
また「あれはIEDかもしれない」「そこに仕掛けられているかもしれない」「何も起きないのが不気味」といった疑心暗鬼、不安といった心理効果も強いる事ができる。
Youtubeでは実際に遭遇した兵士が撮影した車載動画や、仕掛けた武装勢力側によるプロパガンダ映像の投稿が相次いだが、アメリカ国防総省からの要請で多くが削除された。しかしそれでも投稿が止むことはなく、今では多くの動画が残っている。
詳しいことは爆弾に詳しいウィキペディア、もしくは参考動画を参照されたし。
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最終更新:2024/12/26(木) 15:00
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