軍用から民間用(爆破解体、岩盤等の発破)まで現在も幅広く使われている。
爆薬、火薬、火工品は「火薬類」と総称される。(火薬類取締法)
爆発により物を破壊および変形させるための爆破薬、また炸裂により物を迅速に破壊・切断・穿孔させる炸薬など、火薬類の一種であり、代表的なものにダイナマイトやTNT(トリニトロトルエン)といったものがある。
Q:「爆薬っていうのは、軍隊や土建屋さんが爆破に使う火薬のことでしょ?」
A:「違います。どちらも爆発物ですが法令上の扱いも少し異なります」
火薬は推進的爆発によるガス圧力を利用し、ロケットや弾丸などを推進させるものでであり少し違う。
爆薬は特に高い爆速(2000m/秒以上)で、火薬と比較にならない爆轟(衝撃派)を伴うものを主に指す。
Q:「軍隊に火薬と爆薬の2種類もあるのは補給や管理の面で面倒だし
どうせ爆発させるだけなんだから、銃弾(薬莢)の火薬も爆薬にすればいいじゃないか」
A:「…と考えたあなた、発射時に銃ごと爆発して重大な障害を負う危険性があります」
爆発エネルギーは空気中を伝搬する過程で急速に減衰していくものの…至近距離では関係ない。
ちなみに手元での使用・爆発を想定しない手榴弾・爆弾・地雷、榴弾(炸裂弾)の弾頭部分は爆薬が多い。(爆薬系統を手元で爆発・暴発させるのはただの自爆である)
爆薬や火薬を用いて加工し製造したものは火工品と呼ばれ、雷管など小型のものから魚雷など大型のものまで幅広く存在する。
テロ等に使用されると非常に危険なため、爆発物マーカーと呼ばれる成分の添付することがが当該条約国に義務付けられており、空港等にはその成分を検知する機材が設置されている。ただし業種によっては付着成分が誤作動を起こすことがあるほか、マーカー成分を添加しない非条約国・自作の爆発物に対しては効果が無いという欠点もある。(可塑性爆薬の探知のための識別措置に関する条約)
設置・運用方法は、ただ大量に使えばいいという訳でもなく、真横に置くだけよりも巻き付けたり、穴を開けて差し込むほうが使用量に対する費用対効果は高い。適切量があっても配置が下手だと、派手に爆発はしても効果が薄く、目的は達成できない。いくら高性能な軍用爆薬といえど「何でも壊せるぼくのかんがえた万能の爆弾」ではないのだ。
目的。橋を使用不能にすれば良いのであれば橋全体を派手に爆破する必要はなく、支柱などの主要な構造材を破壊し自重で崩落(自壊)させることで爆薬量や労力は少なくて済み、微妙に残ってしまっても危なっかしくて重車両は通れなくなる。
C-4爆薬などは「プラスチック爆弾」とも呼ばれるが、プラスチック素材でできている訳ではない。
この場合のプラスチックは可塑性(かそせい:物体の形を変えやすい性質)を指す。
実際、粘土のようにグニャグニャ形を変えられるため、取り分けて使用したり、穴に差し込みやすい。
ただしTNTなど、温めなければ形を変えられないもの(熱可塑性)も存在する。
ちなみに軍用の高性能爆薬は火を付けたり叩いたりする程度では爆発しない。
起爆には信管(小型の起爆装置)による誘爆など、素手では出せない大きなエネルギーが必要。
誤解されがちだが、本当にデリケートに扱う必要があるのは信管のほうである。
軍隊で迫撃砲弾や爆弾の信管が外されており、別個保管されているのもこのため。(使用前に取り付ける)
特殊な砲弾/信管は専用機械で空中爆発のタイミング等を入力する場合もあるが。(曳火射撃)
火をつけても爆発しないとはいえ、
漫画や映画等で長いコードと繋がっているシーンは見たことがあるだろう。
あれは爆薬に着火して起爆してる…のではなく、あの先に接続されている「信管」に点火するもの。
リモコンのような無線操作のほうが簡単そうだが、失敗の許されない爆破にはあれが確実。
(配線自体が細い爆薬の、それ自体が信管になる"導爆線"も存在するが、接続方法は少し異なる)
「安全に運用でき、必要な際に確実に爆破できる」のが「高性能爆薬」である所以である。
むしろ爆発しなさすぎて当初は爆薬である事に気づかなかった事例も。
(TNT爆薬の事例)1863年に発明→1891年に爆薬として使用できる事を発見される。(28年後)
いくら安全性の高い高性能爆薬であっても危険物である事に変わりないため
職場の机に置いてあったり、道ばたに落ちていても粘土代わりにいじって遊ばないようにしよう。
ビルの解体=爆破解体なイメージを持つ方もいるが
日本では法規制、住宅密集地が多く、資源のリサイクルもあるためビルや建物の爆破解体の事例は少ない。周囲の被害を最小限にし、中途半端に倒壊しかけの危険な状態で残らないよう、計算した量やタイミングでの起爆が必要なため「ただド派手に吹っ飛ばせば良い」訳ではない点にも注意したい。
(1992年に琵琶湖湖畔で行われている)
映画では迫力が出るよう、ド派手な爆炎を上げて倒壊させているが
実際は意外と光らない。(それでも爆破の音響や迫力が凄いため、大勢のギャラリーが訪れる)
爆薬を使いたい!ド派手に吹っ飛ばしたい!と夢のある方は
炭坑・掘削現場、陸上自衛隊(施設科やレンジャー訓練)などへどうぞ。 ※施設科:工兵
弾薬・信管を製造する企業も日本国内にあるため、製造工程を眺めるのは至福のひと時かも。
しかもすべて合法。取り扱いには十分注意して、ぜひ楽しんできてください。
※「うちの業種でも爆薬使えるよ!人材募集中!」という方、追加募集。
(非合法を除く)
作ってはいけません…と言っても
中学生や高校生、厨二病をこじらせた人が「作りてぇな!」と言っている例や
危ない人が作ろうとする、作ってしまう事例は世界中にある。
手元での製造中に自爆し両目失明を含めた重篤なリスク(即死のほうがマシ)や
爆発した瞬間に警察や消防が即スッ飛んできて、即お縄になるというリスクが高すぎる上に
十分な威力をもつ爆薬を作るには、十分な安全知識や化学知識、機材、大量の材料が必要になる。
(材料になりうる物は免許が必要だったり、購入量が制限されていたり、購入時にバレる)
仮に爆弾だけ完成しても、起爆装置がいい加減だと勝手に点火してしまい、運搬中に自爆する羽目になる。
それでも、いくら止めても「作りたい!」と言う奴は絶対にいるわけだが…
「爆弾を作ってたら暴発して、両腕、顔面や両目が中途半端に抉られて何時間ものたうちまわって死ぬ」
「特に眼球は容易に損傷し二度と再生しないため、小規模な爆発でも重大な事故」
「一命は取り留めても、四肢切断や失明など、死ぬまで多大なハンデを背負って生きる」
という悲惨すぎる結末が待っている点も十分に考慮してほしい。
むしろ即死の方がマシであるが、素人の中途半端に作った威力では難しい。
「俺だけは大丈夫」とか言わないように。
映画や漫画、現実で元特殊部隊の人が手際よく作っているが
文字通り「特殊な訓練を受けています」状態なので、素人は真似しないように。
漫画や創作作品の中ではご自由にどうぞ。
粘土のような塊に起爆装置(タイマー、無線、有線)+配線だけでもそれっぽい。
小さなコードリール、プライヤー/ペンチ、ポケットナイフといった工具もいかがだろうか。
ちなみに、ワイリさんがカチカチやってるのはM57発火具。(実在)
軍用品でも引っ張るもの、捻って爆破するものなど特性によって多岐に渡る。
ただし実際は派手な煙は上がっても、派手な爆炎は上がらない。
フィクションに割り振って爆発させてもいいが、弾薬貯蔵庫・燃料貯蔵庫ならアリかも。
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最終更新:2025/01/13(月) 22:00
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