バンクとは、以下のことを表す言葉である。
- 銀行。
- 1より転じて、「何かを貯めておいたり、もしくは何かの登録情報のみを貯めておいたりする部署」。
- バンク(映像作品)。1より転じて、日本のアニメ/特撮で使われる用語「バンクシステム/バンクシーン」。本項で解説する。
バンク(映像作品)
アニメや特撮においてすべてのシーンを新規に作ったり撮ったりしていると制作のための時間や費用を大きく消費するうえに、新規で作った割りに新鮮味を感じてもらえないなどの不都合が発生する。また、視聴者が思う以上に作品を作るための「締め切りとの戦い」「労力配分の取り決め」「予算との戦い」はハードである。
そのため一部の絵や映像を貯めておいて、のちに使いまわす方法をとる。これが鉄腕アトム(アニメ1期)制作中に手塚治虫が命名したバンクシステムである。どのような場合にバンクを使うのか、使う基準にルールを設けるのか、どれを保存しておくのか、これについては作品を作っている現場によってかなり変わってくる。具体的には「発進・変身・変形・合体・必殺技など、手間をかけて作られ、なおかつ使いまわすことが決まっている見せ場のシーン」「背景」「やられているザコども」などをバンクとすることが多い。構図を使い回すときはバンクと呼ばずトレスとしたほうがふさわしいが、使用する目的は似通っている。
バンクは手抜きだと思われる危険をつねに抱えている。そのため工夫をこらして気づかせなくしたり、雰囲気を変えたりする対策をとらなければならない。こちらは具体的には「映像をズームアップさせて流す」「再生速度・向き・ポジションをいじる」「完全版を毎回そのまま流したりしない、細切れ・短縮版にして使う」「最初に不完全版を流して、回が進むごとにバージョンアップさせる」「何か描き加える」という形になる。
劇場版作品ですらバンクを用いた作品は少なからずある。テレビ作品ならなおのこと、見せ場へ作業(すなわちあらかじめ決められた時間や予算)を集中したいという事情が当然発生するため、バンクを使うケースが消えることはないだろう。
バトルものでは必殺技、ロボットアニメではそれに加えて合体シーン等に気合いの入った作画でバンクを用意し、それを毎回用いる事で様式美として昇華させたり、ギャグマンガでわざとバンクをしつこく使用するなどバンクを逆手に取った手法も存在している。
目の肥えた人間からすれば、バンクを一概に手抜きと捉えてしまいがちであるが、前述のようにバンクを逆手に取った手法や製作現場の作業事情などからやむをえず使用しなければアニメを納品する事が出来なくなってしまう等の場合も存在するため単純に手抜きとは言えない事情も多いため、そこら辺の事情を汲み上げて見極めていかないと、ただただバンクを悪として文句ばかり言っているとテレビ放送が月一とかになっていってしまうかもしれないので皆さんほどほどにね。
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関連項目
- アニメーション
- アニメーター
- 富野喜幸(監督作品で、1話ぶんの戦闘をバンクだけで組み立てた逸話が残っている)
- 東映(変身合体バンクの第一人者といえる制作会社。気合を入れてバンクを作り使いまわす)
- ゴッドマーズ
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