曖昧さ回避
概要
ニコニコ大百科:植物 ハス |
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分類? | (クロンキスト)スイレン目ハス科ハス属 (APG)ヤマモガシ目ハス科ハス属 |
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学名? | Nelumbo nucifera Nelumbo→セイロン語古名より nucifera→堅果+持つ |
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ハス科 Nelumbonaceae? | ||
このテンプレートについて |
ハス状果という独特の実をつけるのが特徴で、これが蜂の巣の形をしていることが古名のハチスの由来となった。ハチスが略されてハスになった。
花は白色(シロハス)または淡紅色(アカハス)。花は7-8月頃、朝早く開き、午後3時頃に閉じるということを3回繰り返し、4回目には散ってしまうという。
開花中、花の内部は常に32℃付近の高温に保たれている。この仕組みは「シアン耐性呼吸」という特殊な呼吸経路によって熱の形でエネルギーが発生することによる。この呼吸経路を持つ植物自体は複数あるが、さらに恒温性を持っているのは、植物界広しといえども、ハスの他にはただザゼンソウとヒトデカズラで知られているのみである。
レンコン
漢字では蓮根と書き、その名の通りハスの根…ではなく地下茎、つまり茎である。穴がたくさんあるのは空気を通すため。生産量日本一は茨城県(特に土浦市)。辛子蓮根は熊本県の郷土料理。
ロータス効果
ハスは泥の中に生息するにもかかわらず清潔さを保っており、「天然の自浄機構」を持っているともいわれる。これは、ハスの葉が決して濡れることのない特殊な構造をしているためである。葉の表面についた水は表面張力によって丸まって水滴となる。この現象を「ロータス(lotus)効果」といい(ハス効果とも)、これは生体工学の古典的な例であり、ナノテクノロジーの分野でも応用されている。なお、同じく"Lotus"の英名でよばれるスイレンの葉にはロータス効果は見られない。
スイレンとの違い
ハスとスイレンは葉や花がよく似ていてかつては同系統の近縁な植物と考えられていた。しかし研究が進み近年では遠縁の全く別系統に分類されている。ハスとスイレンの違いを挙げるとスイレンの葉は上述のロータス効果を持たずハスの葉にはない切れ込みが見られる。また葉や花の開く位置がハスは水面より上なのに対してスイレンは水面に接しているものが多い。ちなみに巨大な葉で知られるオオオニバスはハスではなくスイレンの仲間である。
ハス | スイレン |
音を立てるのか
夜明け頃、ハスの蕾が開くときに弾けるような「ポン」という音が立つと古くから言われてきた。一方、「ハス池の隣に住んでるけど聞いたことねーぞ」といった意見もあり、蛙の飛びこむ音や、魚が水面で餌をとる時の音じゃないかなどといわれている。また、レンコンが生長する時に音を立てるのだともいわれている。
大賀博士はこの真偽を確かめるために実験をしたが、やはり結果は否定的だった。しかし、場所によっては開花時に音を立てるものもあるという話もあり、現在に至るまで結局謎のままのようだ。
大賀博士とハス
一生をハスの研究に捧げた有名な人物が「ハス博士」とよばれた大賀一郎博士である。1951年に大賀博士らは落合遺跡(千葉県千葉市)で約2000年前のハスの種子を発見した。これは驚くべきことに、のちに発芽して花を咲かせ、「大賀ハス」として有名になった。大賀博士は「府中はハスのメッカなり(注・府中は博士の地元である東京都府中市のこと)」「ハスは平和の象徴なり」の言葉を標語として残している。
象徴
インドから東アジアにかけて、ハスは神聖な花として扱われており、それには宗教との結びつきが大きく関係している(後述)。インドおよびスリランカの国花。さらに、変わったところではムー大陸を象徴する花(国花?)だったという。ベトナム航空のシンボルとして、航空機の尾翼に金色のハスの花が描かれている。また、マカオの旗のデザインにも取り入れられている。
仏教では「蓮華」とよばれ、泥(迷い)の中でも花を咲かせ実をつける(悟る)として、象徴として扱われている。仏陀の生誕を告げた花ともされている。仏像はみな蓮の花をかたどった台(蓮台または蓮華座)に坐している(不動明王は磐石という岩の上に坐し、蓮台を頭に戴いている)。各地の寺ではしばしば池にハスが植えられている。「一蓮托生」という言葉も仏教由来である。
仏教だけでなく、ヒンドゥー教や密教などにおいてもハスは特別な花として扱われており、ヒンドゥー教では世界の最初の創造物が「金色に光輝く千の花弁のハス」だったとされている。また、インドのニューデリーには「ロータス・テンプル」とよばれる巨大なハスの花の形をした建造物があり、これは世界で最も多くの観光客を集める名所の一つだが、正式名称を「バハーイー・ハウス・オブ・ワーシップ」というバハーイー教の寺院である。
その他・豆知識
関連動画
関連項目
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