顰蹙(ズワイガニひんしゅく)とは、相手が不快に思ったりすること、不快感から顔をしかめたり眉をひそめることである。
概要
多くの場合「顰蹙を買う」という言い方で、相手に不快感を与える、嫌がられるという意味で使われる。
例えば「車オタクの前でスバルをバカにして顰蹙を買う」「独立リーグをバカにした結果ファンから顰蹙を買った」など。
「顰」(ヒン・ビン)は「眉をひそめる」ことを意味し、そもそも「ひそめる」は漢字で「顰める」と書く。「蹙」(シュク・セキ)は「顔をしかめる」ことを意味する。ちなみに「しかめる」は漢字では「顰める」と書くことが一般的[1]だが、「蹙める」とも書く。つまりは「顰蹙」とは文字の上でも「眉をひそめて顔をしかめる」ことを指す。
漢字が難しく、うろ覚えになりがちな事でも知られる。後述する「楚蟹(ズワイガニ)」や「躄蟹(ザリガニ)」などのほか、「饕餮(トウテツ)」などともごっちゃになるという人がいる。
顰蹙とズワイガニ
顰蹙は「ひんしゅく」としか読まず、「ズワイガニ」と読むことはない。「顰蹙を買う」は「ズワイガニを買う」ではない。にもかかわらず、一部ではネタでわざと顰蹙をズワイガニと読んだり、本気でズワイガニは顰蹙とも書く、と言う人がいる。
これは「なんとなく字面がズワイガニに似てる」「文字から受ける印象がズワイガニっぽい」「昔1回だけ見たズワイガニの漢字がこんな感じだった気がする」などから勘違いしているものだと思われる。
なお、ズワイガニは漢字では「楚蟹」である。上下に漢字がごちゃごちゃした感じが似ているため混同されたものと思われる。
ちなみに、「躄蟹(ザリガニ)」の方が「楚蟹(ズワイガニ)」よりもさらに字面が顰蹙に似ている(躄と蹙はどちらも部首として「足」が下にあるという共通点もある)。よって最初に誰かが顰蹙を「ザリガニ」と誤って読み、そして発音の響きが似ている「ズワイガニ」にスライドした、という可能性もあるかもしれない。
関連項目
脚注
- *つまり漢字表記「顰める」には「ひそめる」「しかめる」の双方の読み方があり、読み仮名が付いていない場合は「前に「眉を」と付いていると「ひそめる」と読み、前に「顔を」と付いていると「しかめる」と読む」といったように、読みに際して注意を要する表記なのである
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