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源氏とは、源を姓とするもののことを指す。皇族が臣籍降下したときに与えられ名乗る姓である。「源」の記事も参照。
- 平家に対し反乱をおこし、最終的に鎌倉幕府を開いた武家集団。源頼朝、源義経などで知られる。
- 「源氏物語」 - 紫式部の作品。光源氏が主人公。
- 「源氏パイ」 - 三立製菓の商品。
- 「源氏シリーズ」 - ファイナルファンタジーシリーズに登場する装備一式。
- 「GENJI」 - ジャニーズ事務所所属のアイドルグループ。後に同じくジャニーズ事務所所属の「光」と合体して「光GENJI」となるが、GENJIはアイドル内ユニットとして残った。
概要
嵯峨天皇には子女が大変多く、皇室の財政を圧迫すると判断されて親王の座から降ろされ臣籍降下されたのが始まりである。彼ら賜姓皇族は藤原氏が席巻し旧来の豪族たちが消えていくのと並行し、新しい貴族としてその間に割り込んでいったのだ。二十一流といわれているが実在が確認できない源氏もちらほらいる。
嵯峨天皇以前の皇別氏族（多朝臣・文室真人・清原真人・三国真人 など）の中で後世まで残った。公家の村上源氏・宇多源氏・花山源氏・正親町源氏、武家の清和源氏・嵯峨源氏・宇多源氏などである。
源氏の一覧
嵯峨源氏
源信、源弘、源常、源明と4人の女子が源の姓を与えられて臣籍降下した最初の源氏である。その後さらに弟の源定、源融、源生、源勤なども加わり、特に源融の子孫が栄えて嵯峨源氏といえば、もっぱら彼の子孫を指す。
公家社会に残ることは出来なかったが、武家として摂津渡辺氏や肥前松浦党などが子孫である。
仁明源氏
源多、源冷、源光、源覚、源効が当初源氏となり、さらに人康親王の子、興基、興範が続く。早くに断絶したため、基本的に諱が一時の源氏は嵯峨源氏とみなしてよいとまで言われてしまっている。
文徳源氏
能有、毎有、時有ら7人の皇子と5人の皇女が始め臣籍降下し、その後富有と3人の皇女がこれに加わった。
子孫は 5世孫まで堂上家として納言から大臣になったが、それ以降は北面の武士として活躍し、南北朝の初期くらいまでは追うことができるが、南朝についたため以降見出すことはできない。
清和源氏
一番有名な源氏。さすがに清和源氏として別記事をたてる。
陽成源氏
陽成天皇の皇子清蔭、清鑒、清遠の3人の皇子と元良親王の子・佐芸、佐平、佐親、元平親王の子・兼名、元明親王の子・兼明、元利親王の子・忠時が源氏となった。
いずれの4、5代で終わっており断絶したと思われる…のだが、上の清和源氏が陽成源氏ではなかったかというのが根拠が同時代史料ということもあり結構有力な学説にもなっている（異論ももちろん多い）。
光孝源氏
数がやたらと多く、まず、元長、兼善ら12人の皇子（そのうち清実はのちに滋水の姓を授かる）が、さらに国紀、香泉、友貞、遅子、崇子ら23人の皇子と皇女が（そのうち4人は妃となったため内親王に復した）、さらに和子、快子、善子、祑子ら4人の皇女が、さらに是忠親王の子・宗于、清平、正明、和、孫の康行、とこれだけいるのに子孫が全く栄えていないよくわからない源氏である。
是忠親王の曾孫が仏師となり、その系統は七条仏所として明治時代をむかえた。
宇多源氏
順子、臣子を除けば基本的に皇孫であり、斉世親王の子・英明、庶明、敦慶親王の子・後古、方古、敦固親王の子・宗室、宗成、敦実親王の子・寛信、雅信、重信、行明親王の子・重熙が源氏となった。
公家としては源雅信の子孫が村上源氏とともに堂上公家（羽林家・半家）の有力な存在となるが、武家の佐々木氏も同じく雅信の子孫とされる。
醍醐源氏
醍醐天皇の皇子・高明、兼明、兼子、厳子、自明、允明らが、さらに盛明、為明が、皇孫では克明親王の子・博雅以下4人、代明親王の子・重光以下4人、重明親王の子・邦正以下3人、常明親王の子・茂親、式明親王の子・親頼、有明親王の子・忠清以下4人、兼明親王の子・伊陟、章明親王の子・尊光、近光、盛明親王の子・則忠らも源氏となった。
源高明に代表されるようにしばらくは堂上公家として栄えたが、鎌倉時代以降に地下家に没落していった。ただし則忠の子孫信濃小路家は九条家の諸大夫となり、源長盛が従三位となった後、その子・源宗盛の代で九条幸家の命で橘氏になったとされる。
村上源氏
村上天皇の皇子・昭平が源氏となったのにはじまり、ほかにその兄・致平親王と為平親王の子、さらにその弟の具平親王の子・師房、頼成が臣籍降下して源氏となったらしい。
公家としては源師房の子孫が栄え、嫡流で清華家の家格を得た「久我家」・大臣家の家格の「中院家」のほか、数多くの堂上公家（羽林家）を生み出している。
この中から、幕末から明治時代前期に活躍した岩倉具視（岩倉家出身）、昭和時代に活動した女優久我美子（久我家出身）が出ている。
冷泉源氏
為尊、敦道の二人が源氏になったんじゃないかといわれているが、実態は不明。
村上源氏の北畠持方が冷泉を称したことが起こりかもしれないとも。
花山源氏
清仁親王の子・延信王が源氏となったのにはじまる。その弟の兼文王の子孫も源氏だったらしいがすぐに断絶した。
神祇官の長官である神祇伯として代々世襲を行い、王氏もしくは白川家を名乗った。
江戸時代前期に分家の品川氏が設立し、武家として加賀藩に仕えた。宗家の白川家は明治時代以降も続いたが、昭和時代中期の1962年（昭和37年）に後継者を欠き絶家した。
三条源氏
三条源氏の皇子・敦明親王は小一条院となりその子の敦貞親王、敦昌親王、敦賢親王らのほかに基平、信宗、顕宗、当宗らが加わって源氏となった。本流は敦貞親王の子孫で正親司の長官・正親正を世襲することになり王を号したが、鎌倉時代に断絶した。
後三条源氏
皇子・輔仁親王の子・有仁（花園左大臣）が白河天皇の皇子の待遇を受け源氏となったらしい…のだが、系図には載っておらず、実在は確認できるのだが謎の多い源氏である。
後白河源氏
反乱を起こしたため臣籍降下扱いにされた以仁王のことである。
順徳源氏
承久の乱で佐渡に流された順徳天皇の皇子・忠成王の子・彦仁、善統親王の孫善成が源氏となったがすぐに途絶えた。
後嵯峨源氏
いわゆる親王将軍である。ただ惟康親王は親王に復したため一代限りである。
後深草源氏
同じく親王将軍である。また８代将軍久明親王の子・久良王、さらにその子の宗明、宗久も源氏になったとされる。
亀山源氏
正式に源氏を名乗ったわけではなく、いわば宮家の先駆的存在で、亀山天皇の第5皇子守良親王が五辻宮を、第7皇子恒明親王が常磐井宮を号した。五辻宮は同時期に同名の 2系統あり、いずれも早い時期に絶家し、常盤井宮は室町時代後期の常盤井宮恒直親王の薨去の後は不明となっており事実上の絶家となった。
後二条源氏
同じく、いわば宮家の先駆的存在で、後二条天皇の長子邦良親王が早くに薨去、その皇子である康仁親王が木寺宮を名乗った。
木寺宮は鎌倉時代から室町時代中期にかけて存続し、事実上最後の当主にあたる木寺宮邦康親王の代に至っては公家社会から忘れ去られた宮家になっており、40過ぎてようやく親王宣下を受け、一瞬だけ日の目を見た以外はこれといった動向は無く、文明4年（1472年）に薨去した後、皇子が地方に下向したとされて絶家した。
後醍醐源氏
宗良親王の子・尹良、養子・宗治に源氏姓が与えられたとされる。武家の大橋氏と社家の氷室家が自称している。
正親町源氏
源氏唯一の新家で、堂上公家「広幡家」のことである。明治時代以降、華族（侯爵）に列して宮内省の官僚として活動した。
関連項目
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