概要
1963年大阪生まれ。慶應義塾大学文学部卒。2002年に短編「フクロウ男」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。
受賞作を含む初単行本『都市伝説セピア』が2003年に刊行、第130回直木賞候補になる。また同年、『白い部屋で月の歌を』で第10回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞。2005年、短編集『花まんま』で第133回直木賞を受賞。
主に昭和30年代や40年代を舞台にしたノスタルジックな短編を得意とし、作品は短編集・短編連作がほとんど。普通の人のもとに何らかの不思議な出来事が訪れるという、70年代日本SF的な展開が基本パターンで、そこからいい話・泣ける話に持っていく「白朱川」と、ホラー要素を交えて人の心の仄暗さや残酷さをじわりと描き出す「黒朱川」がいる。白朱川の作風は「人情ホラー」「ノスタルジックホラー」とも呼ばれる。
『ウルトラマン』『仮面ライダー』直撃世代であるため熱心な特撮ファンであり、『ウルトラマンメビウス』では第32話「怪獣使いの遺産」、第39話「無敵のママ」、第40話「ひとりの楽園」の3話の脚本を担当。小説版『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』も執筆した。
代表作に前述の『都市伝説セピア』『花まんま』のほか、『わくらば日記』『わくらば追慕抄』と続くわくらばシリーズや、文庫版がベストセラーになった『かたみ歌』など。
『都市伝説セピア』収録の「昨日公園」と『かたみ歌』収録の「栞の恋」が『世にも奇妙な物語』でドラマ化されている。また「フクロウ男」「アイスマン」「死者恋」が『都市伝説セピア』のタイトルでWOWOWでドラマ化。『鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様』はNHK-FMの青春アドベンチャーでラジオドラマ化された。
とりあえず初めて読む人はデビュー作の『都市伝説セピア』か、『花まんま』『かたみ歌』『いっぺんさん』あたりの短編集から手にとってみるといいだろう。白い話が気に入った人はわくらばシリーズ、黒い話が気に入った人は『水銀虫』『赤々煉恋』あたりもどうぞ。
作品リスト
特記の無いものは短編集、短編連作。
- 都市伝説セピア (2003年、文藝春秋→2005年、文春文庫)
- 白い部屋で月の歌を (2003年、角川ホラー文庫)
- さよならの空 (2005年、角川書店→2012年、角川文庫) ※長編
- 花まんま (2005年、文藝春秋→2008年、文春文庫)
- かたみ歌 (2005年、新潮社→2008年、新潮文庫)
- わくらば日記 (2005年、角川書店→2009年、角川文庫)
- 赤々煉恋 (2006年、東京創元社→2010年、創元推理文庫)
- 水銀虫 (2006年、集英社→2009年、集英社文庫)
- 超魔球スッポぬけ! (2007年、幻冬舎→2010年、幻冬舎文庫) ※エッセイ
- いっぺんさん (2007年、実業之日本社→2009年、ジョイ・ノベルス→2011年、文春文庫)
- スメラギの国 (2008年、文藝春秋→2010年、文春文庫) ※長編、第3回ホラーサスペンス大賞候補作
- 本日、サービスデー (2009年、光文社→2011年、光文社文庫)
- わくらば追慕抄 (2009年、角川書店→2011年、角川文庫)
- あした咲く蕾 (2009年、文藝春秋→2012年、文春文庫)
- ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント (2009年、光文社→2013年、光文社文庫) ※ノベライズ
- 太陽の村 (2010年、小学館→2012年、小学館文庫) ※長編
- 銀河に口笛 (2010年、朝日新聞出版→2013年、角川文庫)
- 鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様 (2010年、集英社→2013年、集英社文庫)
- オルゴォル (2010年、講談社→2013年、講談社文庫) ※長編
- 遊星ハグルマ装置 (2011年、日本経済新聞出版社) ※歌人の笹公人とのコラボ作品集
→ 遊星小説 (2016年、実業之日本社文庫) ※朱川の小説部分のみの文庫化 - 箱庭旅団 (2012年、PHP研究所→2015年、PHP文芸文庫)
- 満月ケチャップライス (2012年、講談社→2015年、講談社文庫) ※長編
- サクラ秘密基地 (2013年、文藝春秋→2015年、文春文庫)
- なごり歌 (2013年、新潮社→2015年、新潮文庫)
- 黄昏の旗 箱庭旅団 (2013年、PHP研究所→2016年、PHP文芸文庫)
- 月蝕楽園 (2014年、双葉社→2017年、双葉文庫)
- 冥の水底 (2014年、講談社→2017年、講談社文庫[上下巻]) ※長編
- キミの名前 箱庭旅団 (2014年、PHP研究所→2016年、PHP文芸文庫)
- 無限のビィ (2015年、徳間書店→2018年、徳間文庫[上下巻]) ※長編
- 今日からは、愛のひと (2015年、光文社→2017年、光文社文庫) ※長編
- 黒のコスモス少女団 薄紅雪華紋様 (2015年、集英社)
- わたしの宝石 (2016年、文藝春秋→2019年、文春文庫)
- 主夫のトモロー (2016年、NHK出版) ※長編
- 幸せのプチ 町の名は琥珀 (2016年、日本経済新聞出版社→2020年、文春文庫)
- 私の幽霊 ニーチェ女史の常識外事件簿 (2016年、実業之日本社→2019年、実業之日本社文庫)
- 狐と韃 知らぬ火文庫 (2017年、光文社→2020年、光文社文庫)
- アンドロメダの猫 (2018年、双葉社→2022年、双葉文庫) ※長編
- スズメの事ム所 駆け出し探偵と下町の怪人たち (2019年、文藝春秋)
- 鬼棲むところ 知らぬ火文庫 (2020年、光文社→2023年、光文社文庫)
- 時間色のリリィ (2021年、偕成社) ※長編
- 揚羽の夢 知らぬ火文庫 (2022年、光文社)
関連動画
いくつかありますがとりあえず貼らないでおきます。
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 相沢沙呼
- 青崎有吾
- 青山文平
- 赤川次郎
- アガサ・クリスティ
- 芥川龍之介
- 浅暮三文
- 芦沢央
- 芦辺拓
- 綾辻行人
- 鮎川哲也
- 有川浩
- 有栖川有栖
- 泡坂妻夫
- アーサー・C・クラーク
- 池井戸潤
- 伊坂幸太郎
- 石川博品
- 石田衣良
- 石持浅海
- 伊藤計劃
- 稲見一良
- 乾くるみ
- 井上真偽
- 井上夢人
- 今邑彩
- 今村翔吾
- 今村昌弘
- 岩井志麻子
- 歌野晶午
- 内田幹樹
- 浦賀和宏
- 江戸川乱歩
- エラリー・クイーン
- 円城塔
- 大沢在昌
- 大山誠一郎
- 岡嶋二人
- 小川一水
- 荻原規子
- 奥田英朗
- 小栗虫太郎
- 小野不由美
- 折原一
- 恩田陸
- 海堂尊
- 梶尾真治
- 加納朋子
- 紙城境介
- 川原礫
- 神坂一
- 神林長平
- 貴志祐介
- 北方謙三
- 北村薫
- 北森鴻
- 北山猛邦
- 桐野夏生
- 久住四季
- 倉知淳
- 黒川博行
- 黒田研二
- グレッグ・イーガン
- 古泉迦十
- 甲田学人
- 古処誠二
- 小林泰三
- 小松左京
- 紺野天龍
- 今野敏
- 呉勝浩
- 佐々木譲
- 笹本祐一
- 細音啓
- 佐藤究
- 三田誠
- 時雨沢恵一
- 品川ヒロシ
- 篠田節子
- 島田荘司
- 島本理生
- 斜線堂有紀
- 殊能将之
- 白井智之
- 真藤順丈
- 真保裕一
- ジョージ・オーウェル
- 水野良
- 須賀しのぶ
- 瀬名秀明
- 高木彬光
- 高村薫
- 竹本健治
- 田中慎弥
- 田中啓文
- 田中芳樹
- 田辺青蛙
- 月村了衛
- 月夜涙
- 辻堂ゆめ
- 辻村深月
- 土屋隆夫
- 都筑道夫
- 恒川光太郎
- 天藤真
- 遠田潤子
- 鳥飼否宇
- 中村文則
- 中山七里
- 仁木悦子
- 西尾維新
- 西澤保彦
- 西村京太郎
- 西村賢太
- 西村寿行
- 似鳥鶏
- 貫井徳郎
- 沼田まほかる
- 野崎まど
- 法月綸太郎
- 長谷敏司
- 羽田圭介
- 初野晴
- 早坂吝
- 林真理子
- はやみねかおる
- 氷川透
- 東川篤哉
- 東野圭吾
- 広瀬正
- ピエール・ルメートル
- 深水黎一郎
- 藤井太洋
- 船戸与一
- 方丈貴恵
- 星新一
- 誉田哲也
- 舞城王太郎
- 牧野修
- 万城目学
- 町井登志夫
- 松本清張
- 円居挽
- 麻耶雄嵩
- 真梨幸子
- 三崎亜記
- 道尾秀介
- 三津田信三
- 皆川博子
- 湊かなえ
- 宮内悠介
- 宮部みゆき
- 森岡浩之
- 森博嗣
- 森見登美彦
- 矢樹純
- 山田風太郎
- 山田正紀
- 山本巧次
- 夕木春央
- 横溝正史
- 横山秀夫
- 米澤穂信
- 詠坂雄二
- 連城三紀彦
- 魯迅
- 若竹七海
▶もっと見る
- 0
- 0pt