小室哲哉(こむろ てつや)とは、globe、TM NETWORKのメンバー兼リーダー・作詞家・作曲家・アレンジャー・キーボーディスト・ピアニスト・ギタリスト・音楽プロデューサー・シンセサイザープログラマー・ミキシングエンジニア・DJである。
略歴
少年時代から音楽の才能を発揮し、高校時代には音楽の授業で出された作曲の宿題でクラスメイトの半数以上の作曲の課題を肩代わりさせられて提出した。しかもその事実に音楽教師は卒業するまで気が付かなかったという逸話がある。
早稲田大学に進学後、プロのミュージシャンとして活動を開始。あのねのねや原田真二のバックバンドや、SPEEDWAYというロックバンドでキーボードを担当する。ミュージシャンとしての仕事が忙しくなり、大学は5年在籍した後に単位を取れず除籍となった。
1983年に前述のSPEEDWAYに在籍した宇都宮隆と木根尚登と共にTM NETWORK(後にTMNへ改名)を結成。中心メンバーとして活躍した。1984年にメジャーデビュー後、「Get Wild」など数々のヒット曲を世に送り出した。
1994年にTMNは終了宣言を行う。これ以降、本格的に音楽プロデューサーとして活動を始める。「TKサウンド」と呼ばれたプロデュース曲は1990年代に多くのヒットを飛ばし、1995年から4年連続でプロデュース曲が日本レコード大賞受賞、1996年4月15日付のオリコンウィークリーチャートで上位5曲をプロデュース曲で独占、1996年から2年連続で長者番付(高額納税者番付)で全国4位という快挙を成し遂げた。
(長者番付はいわゆる「芸能人・ミュージシャン」カテゴリでの順位ではない。日本の全納税者で第4位である。)
しかし、この巨額の資産を手に入れたことが皮肉にも彼の転落のきっかけとなる。度重なる浪費、香港の音楽ビジネスの失敗、2番目の妻との離婚による巨額の慰謝料と子供の養育費の支払いと雪だるま式に借金が膨らんでいく。2000年前後から彼のプロデュース曲もセールスが低迷して、過去の数々のヒット曲の印税だけで年に数億円もの収入があったにもかかわらず、借金を借金で返す生活に陥った。
そして2008年11月4日、小室が著作権を保有していない楽曲の売買を資産家に持ちかけて、前払い金など5億円を騙し取った詐欺容疑で大阪地検特捜部に逮捕された。 この逮捕に芸能ニュースのみならず、主要新聞でも一面を独占、NHKニュースでもトップニュースとなるなど衝撃が走り、台湾など日本の文化の影響も強い近隣国のメディアでも大々的に報道された。逮捕時、彼の個人事務所の預金口座には数千円しか残金が無かったという。
2009年5月11日に懲役3年、執行猶予5年の有罪判決が言い渡される。この裁判の際にはファンや業界関係者から減刑を求める嘆願書が提出され、その根強い人気を裏付ける結果となった。(これに先立つ3月10日、解決金も含む6億5000万円をエイベックス・グループ・ホールディングス社長の松浦勝人が立て替え払いを行い、被害者に完済している。松浦はエイベックス創業時代から小室と公私に渡ってパートナーとして活動していた。事件前に意見の相違から小室と絶縁状態になっていたが、事件を受けて「恩師としての小室を思い出し、今後の音楽活動に賭けてみようと決心した」としてこの立て替え払いを行っている。)
同年8月22日に開催された、エイベックス所属アーティストによる音楽イベント『a-nation'09』にglobeのメンバーと共にシークレットゲストとして出演し、音楽活動を本格的に再開している。
人物
- 夫人はglobeのKCO。3人目の妻である。全盛期には華原朋美との交際もあり、それゆえに「女癖が悪い」と評されることも多々あるが、2012年で結婚10周年。そろそろ許してやってください(´・ω・`) 。
- 鼻にかかった声(モスキートボイス)が特徴で、よくミュージシャン仲間から声真似の対象とされてしまう。なお、本人も若干気にしていた模様。
- かなりの偏食家であり、特に大の魚嫌い(現在は妻KCOの実家がふぐ料理屋なこともあり多少克服した)。弟子だった久保こーじ氏によると、こいのぼりが出ている時期は、外出するのも嫌がっていたほどだという。逆に好きなものは、ファミレスにあるような食べ物で、過去の企画ユニット「ハンバーグ&カニクリームコロッケ」は、当時お気に入りだったすかいらーくのメニューから取っているほど。全盛期の時も決して豪奢な食生活は送っておらず、当時のマネージャーをして「世界一エンゲル係数の小さい人」と言わしめている。
- ライブにおいてキーボードを複数使うプレイスタイルが有名であるが、それだけに飽きたらず大画面TVを複数使ってウイイレをプレイしたり、MACを5台使ってスケジュール管理をしていたりしている。むしろ非効率では・・・。
- 声が小さく挙動不審なため、近年は表舞台に出る度にいらぬ心配をされることがあるが、デビュー時からこんな感じだ、問題ない(→参考)。
- 自分の楽曲を広く世間に認めてもらいたいという欲求が強く、それが90年代にTMNからプロデュース業にシフトしていく一因ともなった。その時の「僕のファンは僕が消しゴムを売ったって買うだろう」という発言をもとに、ベストアルバム・BOXや好きではない曲でもとりあえず買ってしまうファンが、自嘲気味に「消しゴムオタ」「消しゴム信者」などと自称することがある。TM NETWORKファンの間でも使われる。
音楽性
一般的には邦楽ダンスミュージックの第一人者として知られるが、その時々によってニューロマンティック・ファンク・ユーロビート・テクノ・ジャングル・ハウス・トランス・アンビエント・HIP HOP・R&B・ハードロック・プログレ・純邦楽など、ありとあらゆるジャンルを取り入れており、中でもプログレは演奏スタイルを始めとして全時期を通じて大きな影響を及ぼしている。また、70年代UKロック、1989年に取り入れたユーロビート、2006年からのHIP HOPも現在に至るまでの影響として本人がよく言及している。
ちなみに曲風がコロコロ変わるため小室ファンを自称する人たちの間でもガノタやジョジョラーのように好きな時期が分かれる。主として、プロデューサー時代前のTM NETWORKやソロ活動を好きなファン、全盛期やそれに近い曲調が好きなファン、2001~2004頃のトランスにハマってた時期が好きなファンなど。
小室コード(小室進行)
彼の楽曲に於いてはVI - IV - V - Iというコード進行が多く用いられている。この進行自体は小室以前にもよく使われていた循環コードだが、彼の音楽を特徴づけるコードであるとして俗に小室進行ないし小室コードと呼ばれる。また、カノンコードやIV△7→V7→IIIm7→VImと合わせて日本の三大コードと呼ばれることもある。小室コード(ないしはその派生)を用いた小室曲には、「悲しいね」「masquerade」「WOW WAR TONIGHT」「Get Wild」「恋しさとせつなさと心強さと」などがある。また、J-POPでは「Runner」「愛唄」「会いたくて 会いたくて」、ニコ動で有名な曲の中では「you」「LEVEL5-judgelight-」「初音ミクの消失」などがある。
転調
彼の楽曲の特徴として唐突な転調がある。その理由として、過去には 「ソフトのバグで勝手に音調が変化し転調してしまった音源を聞き、小室が『意外と気持ちいい』と感じたことがきっかけ」と語っていたが、現在では「声が張るピーク・一番伸びる部分をサビに持っていくため。サビに合わせるとほかのパートが低くなりすぎるため、仕方なく4度転調とか、そういう変な転調を無理やり入れる」と言っている。どっちだよ・・・。
ニコニコ動画と小室哲哉
ニコニコ動画黎明期には既に過去の人扱いになっていたため、関連動画はTM NETWORKやアニソンを中心に少しずつ増えていくのみで、MADなどでネタ的に扱われることもあまり無かった。また、新しいツールにはすぐ飛びつく性格の本人も、逮捕前にニコニコ動画に興味を示すことはほとんど見られなかった。しかし、復帰後の生放送出演をきっかけとして徐々にドワンゴとの関係を深めていき、2012年には『小室哲哉 meets VOCALOID』の発売やそれに伴う記念特番、ニコニコ超会議の出演に至った。だが、依然として関連動画の再生数やコメント数は多いとは言えず、一般的なニコ動ユーザーから見た小室の存在感は決して大きいとは言えない。
しかしながら、動画サイトの前提となるPVや音楽配信の日本における普及に貢献した一人であること(詳しくはWikipediaなどを参照のこと)。アイマスやボカロ界隈で使われるプロデューサーという言葉を世間に浸透させた一人であること。アニソン作曲者やボカロPの中に少なくないフォロワーがいること。鏡音リン・レンのデザインのモデルとなったEOSの開発に関わったことなど、1つ1つは小さな事なものの、全体として間接的に今のニコニコ動画の文化形成に寄与している一人であると言ってもいいだろう。
関連動画
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関連リンク
関連項目
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