Land O'Lakes の挑戦 : 100 億人分の食料をまかなう農業を GCP で後押し
2016年5月24日火曜日
* この投稿は米国時間 5 月 12 日、Google の Product Marketing Manager である Jennifer Garcia によって投稿されたもの(投稿はこちら)の抄訳です。
2050 年には世界人口が 100 億人を超え、その食料をまかなえるだけの生産量が農業にも必要となります。そのためには、農業従事者 1 人あたり 250 人分の食料を生産しなければなりません。これは、現在の 1 人あたりの生産量よりも 61 % 多い量です。
こうした爆発的に増加する食料需要に応えるため、農業協同組合の Land O'Lakes はクラウドによって現代農業に革新を起こそうとしています。その取り組みは、子会社で農業ソリューションの大手プロバイダーである WinField のブランドで実を結びつつあります。
Land O'Lakes が先ごろ発表した、Google Cloud Platform(GCP)を利用して構築された WinField Data Silo は、農業者がデータに基づいて的確な判断を下せるように支援するクラウド ベースのアプリケーションです。
農業者は作物の生育過程で十数回、重要な判断を下します。いつ種をまくか、どこにどれだけの水と肥料をやるかといった具合です。
従来、こうした判断は主に勘に頼って行われていました。しかし、多くのソースから同時にデータを収集して取り込み、分析できるクラウド ベースのビッグデータ ツールがあれば、農業者は精密な情報を活かして収穫の最大化を図れます。
Land O'Lakes は農業向けの高機能な意思決定ツールを目指し、農業者がデータを活用できるクラウド ネイティブなシステムとして Data Silo を構築しました。
Data Silo は、データの収集、取り込み、蓄積を行い、農業者や小売業者、サードパーティ プロバイダーに提供します。以前はばらばらに存在していたシステムを接続し、ユーザーが作物と農作業に関する情報を迅速に共有できるようにします。
Data Silo を使えば、農業者は簡単にデータをそのプラットフォームにアップロードし、ダッシュボードを作成して情報を検索できます。こうして、特定の耕地でどの作物を栽培すべきかといった農学上のベスト プラクティスのガイダンスが得られる一方、それらのデータの所有者やアクセス権限を管理できます。
Land O'Lakes は、Google Cloud Platform Technology Partner である Cloud Technology Partners(CTP)の協力を得て、Data Silo をゼロから開発しました。CTP は最初のフェーズにかかわり、Google App Engine と Google Cloud SQL を利用して、プロジェクト開始から数週間でワーキング プロトタイプを構築しました。
Land O'Lakes は最終的に、Data Silo を Google Compute Engine(GCE)に移行し、GCE 上でそのウェブ ベース PHP アプリケーションの運用や、モバイルおよびウェブ ベース インターフェースの提供、既存の監視およびセキュリティ システムとの連携を行うようにしました。さらに、複雑な GIS 関数を実行するため、PostgreSQL データベースと PostGIS ライブラリを実装しています。
Cloud Platform の重要な差別化要素の 1 つは、高度な地理空間データ機能にあります。Land O’Lakes は Data Silo を Google Maps API と連携させることで、有意義なラベルのレイヤが重ねられた地理空間データをモバイル デバイスやデスクトップで閲覧できるようにしています。
Data Silo ユーザーは、作物の種類や生育期間、収穫などのデータを、ユーザー定義ビューでソートして見ることができます。マップは、ユーザーがシステムにアップロードする新しいデータでリアルタイムに更新されます。
Google Cloud Platform の各種機能は、Land O’Lakes と Data Silo にユニークな可能性を提供しています。Data Silo は現在、農業者が農作業に関するデータを保存し、共有する場として主に機能していますが、将来は、さまざまな農業アプリケーションのデータ ハブに進化する可能性があります。
たとえば、Data Silo とともに Google Cloud Pub/Sub を使用してデータを統合したり、Google BigQuery と Google Cloud Bigtable を使用して作物の収穫増につながる分析を行ったりということが可能になるかもしれません。
Land O'Lakes は 50 年以上にわたって成長を続け、30 万以上の農業者のニーズに対応してきました。農業者の生産量拡大に加えて、省資源と環境への影響低減を支援するため、Land O'Lakes は新しい技術に多額の投資を行っています。
柔軟かつ安全で簡単にスケーリングできるクラウドを利用できることは、Land O'Lakes にとって、Data Silo のリリースと将来のイノベーションを成功させるうえで不可欠なのです。
Land O'Lakes がどのように Google Cloud Platform を導入したのかを詳しく知りたい方は、GCP NEXT での同社の技術セッションをご覧ください。
- Posted by Jennifer Garcia, Product Marketing Manager, Google
2050 年には世界人口が 100 億人を超え、その食料をまかなえるだけの生産量が農業にも必要となります。そのためには、農業従事者 1 人あたり 250 人分の食料を生産しなければなりません。これは、現在の 1 人あたりの生産量よりも 61 % 多い量です。
こうした爆発的に増加する食料需要に応えるため、農業協同組合の Land O'Lakes はクラウドによって現代農業に革新を起こそうとしています。その取り組みは、子会社で農業ソリューションの大手プロバイダーである WinField のブランドで実を結びつつあります。
Land O'Lakes が先ごろ発表した、Google Cloud Platform(GCP)を利用して構築された WinField Data Silo は、農業者がデータに基づいて的確な判断を下せるように支援するクラウド ベースのアプリケーションです。
農業者は作物の生育過程で十数回、重要な判断を下します。いつ種をまくか、どこにどれだけの水と肥料をやるかといった具合です。
従来、こうした判断は主に勘に頼って行われていました。しかし、多くのソースから同時にデータを収集して取り込み、分析できるクラウド ベースのビッグデータ ツールがあれば、農業者は精密な情報を活かして収穫の最大化を図れます。
Land O'Lakes は農業向けの高機能な意思決定ツールを目指し、農業者がデータを活用できるクラウド ネイティブなシステムとして Data Silo を構築しました。
Data Silo は、データの収集、取り込み、蓄積を行い、農業者や小売業者、サードパーティ プロバイダーに提供します。以前はばらばらに存在していたシステムを接続し、ユーザーが作物と農作業に関する情報を迅速に共有できるようにします。
Data Silo を使えば、農業者は簡単にデータをそのプラットフォームにアップロードし、ダッシュボードを作成して情報を検索できます。こうして、特定の耕地でどの作物を栽培すべきかといった農学上のベスト プラクティスのガイダンスが得られる一方、それらのデータの所有者やアクセス権限を管理できます。
Land O'Lakes は、Google Cloud Platform Technology Partner である Cloud Technology Partners(CTP)の協力を得て、Data Silo をゼロから開発しました。CTP は最初のフェーズにかかわり、Google App Engine と Google Cloud SQL を利用して、プロジェクト開始から数週間でワーキング プロトタイプを構築しました。
Land O'Lakes は最終的に、Data Silo を Google Compute Engine(GCE)に移行し、GCE 上でそのウェブ ベース PHP アプリケーションの運用や、モバイルおよびウェブ ベース インターフェースの提供、既存の監視およびセキュリティ システムとの連携を行うようにしました。さらに、複雑な GIS 関数を実行するため、PostgreSQL データベースと PostGIS ライブラリを実装しています。
Cloud Platform の重要な差別化要素の 1 つは、高度な地理空間データ機能にあります。Land O’Lakes は Data Silo を Google Maps API と連携させることで、有意義なラベルのレイヤが重ねられた地理空間データをモバイル デバイスやデスクトップで閲覧できるようにしています。
Data Silo ユーザーは、作物の種類や生育期間、収穫などのデータを、ユーザー定義ビューでソートして見ることができます。マップは、ユーザーがシステムにアップロードする新しいデータでリアルタイムに更新されます。
Google Cloud Platform の各種機能は、Land O’Lakes と Data Silo にユニークな可能性を提供しています。Data Silo は現在、農業者が農作業に関するデータを保存し、共有する場として主に機能していますが、将来は、さまざまな農業アプリケーションのデータ ハブに進化する可能性があります。
たとえば、Data Silo とともに Google Cloud Pub/Sub を使用してデータを統合したり、Google BigQuery と Google Cloud Bigtable を使用して作物の収穫増につながる分析を行ったりということが可能になるかもしれません。
Land O'Lakes は 50 年以上にわたって成長を続け、30 万以上の農業者のニーズに対応してきました。農業者の生産量拡大に加えて、省資源と環境への影響低減を支援するため、Land O'Lakes は新しい技術に多額の投資を行っています。
柔軟かつ安全で簡単にスケーリングできるクラウドを利用できることは、Land O'Lakes にとって、Data Silo のリリースと将来のイノベーションを成功させるうえで不可欠なのです。
Land O'Lakes がどのように Google Cloud Platform を導入したのかを詳しく知りたい方は、GCP NEXT での同社の技術セッションをご覧ください。
- Posted by Jennifer Garcia, Product Marketing Manager, Google
0 件のコメント :
コメントを投稿