トヨタ トヨタ GRヤリス 新型情報|グレード/性能/新車・中古価格
- 2024/08/01
トヨタ GRヤリスの新型モデル情報を紹介します。トヨタ GRヤリスの性能・装備や燃費・内装など特徴をまとめて解説。トヨタ GRヤリス新型モデルのグレード一覧や新車・中古価格をチェックして購入の参考にしてください。
トヨタ GRヤリス新型モデルの概要
トヨタ GRヤリスは、世界ラリー選手権(WRC)のホモロゲーションモデル。東京オートサロン2020で世界初公開された。
WRCで「勝ち抜く」ための知見やノウハウを注ぎ込んだスポーツカーで、多くのモータースポーツ参戦を通じて培った知見を活かした新開発1.6L直列3気筒直噴ターボエンジン「G16E-GTS」を搭載。同じく新開発のスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」も投入された。
ファーストエディション(特別仕様車、限定車)の予約を経て、通常モデルは、2020年9月の発売。当初のラインアップは、「RZハイパフォーマンス」、「RZ」、「RC」、「RS」の4タイプ(RSのみ1.5LのNAエンジン+CVT)。
追って、KINTO限定のモデル「GRヤリス“モリゾウセレクション”」(2021年6月)、フルチューンモデル「GRMNヤリス」(2022年1月)といった限定モデルも登場。
加えて、2024年4月発売(3月発表)で、通常モデルを改良(進化モデル)。同時に、トヨタガズーレーシング(TGR)ワールドラリーチーム所属の選手が監修した特別仕様車、「RZハイパフォーマンス オジエ エディション」と「同 ロバンペラ エディション」の予約を開始した。
ここでは進化版(通常モデル)を中心に、GRヤリスの魅力をチェックしていこう。
トヨタ GRヤリスの外観・内装デザイン
WRCで勝つためTMR(Tommi Makinen Racing)とともに一から開発を行ったトヨタ GRヤリス。5ドアのヤリス標準モデルと異なるアプローチで磨き上げた外観は、走りとともにぜひチェックしたい部分だ。またコックピットをはじめ内装デザインについてもここで見ていこう。
外観:モータースポーツで勝つために
4ドア+ハッチゲートのヤリス標準車に対して、GRヤリスは2ドア+ハッチゲート。ルーフは、リアエンドにかけて、ゆるやかに傾斜していくが、2ドアボディとこのルーフが織り成すフォルムも、GRヤリスのエクステリアのぐっとくるポイントのひとつだろう。
フロントマスクは、大きなエアダムが目を引く。そして向かって右側に装着のGRエンブレムも誇らしげだ。ちなみに、ドアはサッシュレス。窓枠のないドアのため、クーペに近い。開けると少し下がり、閉めると上がるのもまたクーペ的。GRヤリスは2ドアクーペとハッチバックの双方の要素を持つ。そこがまたカッコイイ。
2024年に登場の進化版では、モータースポーツの現場の声を反映し、エクステリアをリファイン。サイドロアグリルは開口部の大きい形状に変更し、冷却性能を確保。さらに、バンパーサイドに熱を効果的に排出するアウトレットを設けるなど、フロントまわりを変更。
リアまわりは、ロアガーニッシュ下端に開口部を設けて、空気抵抗を下げて操縦安定性を向上し、同時に、マフラーの熱を排出。リアフォグランプとハイマウントストップランプを移動し、上下リヤランプ類を集約していているのは、モータースポーツ参戦中の損傷回避などの理由だ。ハイマウントストップランプをリアスポイラーから移動したのは、リアスポイラーのカスタマイズ性の向上にも貢献している。また、一文字に繋がる一体感のあるテールランプデザインは、ひと目で新しいGRヤリスだと分かるポイントとなっている。
内装:専用コックピットに進化
GRヤリスはデビュー当初、ヤリス標準モデルと同様のデザインをインパネに採用。ワンクラス上の空間演出やトレイ形状による実用性を継承した。
2024年4月からの進化モデルでは、インパネを大胆に変更。スーパー耐久シリーズ参戦車や全日本ラリー参戦車をモチーフに、操作パネルとディスプレイをドライバー側へ15度傾けて設置して、視認性と操作性を改善した。
ドライビングポジションは25mm下げていて、これはヘルメット装着時のクリアランス確保に貢献しそうだ。また、合わせてステアリング位置も調整し、ドライビングポジションを改善した。そのうえ、ルームミラーの取り付け位置をフロントガラス上部に移動。さらにセンタークラスターの上端を50mm下げ、前方視界の拡大につなげている。メーターは、12.3インチフルカラーTFTメーター。プロドライバーの意見を取り入れながら、スポーツ走行に必要な視認性と車両情報に焦点を当てた仕様だ。
インパネセンター部とディスプレイは、そり立つ崖のような無骨な造形。4点式シートベルト装着時でも手の届きやすい設計のスパルタンかつ機能的な専用コックピットなのだ。
トヨタ GRヤリスのサイズ・室内スペース
2ドア+ハッチバックのボディでデビューしたトヨタ GRヤリス。ヤリス標準モデルと異なる専用ボディを持つが、全幅を含めて実際のサイズは大いに気になるポイントだろう。また、室内スペースの広さや、荷室を含めた収納のスペースはどうなっているのか、ここでチェックしていこう。
ボディサイズ:専用ボディはロー&ワイド
ボディサイズは、全長3955㎜×全幅1805㎜×全高1455㎜。ヤリス標準モデルと比較すると、全長はほぼ同じだが、全幅は110mmワイドだ。トレッドを拡大するなど走行性能を高める仕様などを施しているためだが、3ナンバーモデルとなっている。
また、ルーフの低さも印象的だ。標準モデルより全高は40mm低く、スポーツモデルとしての資質を持って生まれていることを、ここからも伺い知ることができる。
室内スペース:後席はエマージェンシー用
フロントに大型シートを採用するものの、後席の足元まわりは、ヤリス標準モデルと同等レベルの印象だ。また尻の収まりのいい座面も標準モデルと同じ印象を受けるが、大きな違いは、頭上の空間だ。リアにかけてルーフが下がってくる関係からか標準モデルに比べると頭上はタイト。大人が乗り込んで頭がルーフに触っている状態になる。
乗車定員は4名だが、後席はエマージェンシー用と考えると良い。リアシートセンターの窪みは小物入れスペースだ。ただ、GR86などのようにクーペでは頭上のすぐ上あたりからリアウインドウが始まるが、それとは異なり、後方までルーフが伸びている点がありがたい。
収納スペース:可倒シートでタイヤ4本を積める
助手席の前には、オープントレイを設置。進化版では、モータースポーツのフィードバックをもとに、コ・ドライバー向けのモニターを置きやすいようにしている。カップホルダーは、運転席と助手席の間に2つ。その後ろには、小さめの小物入れがある。また、フロントドアには、ポケットとボトルホルダーを用意した。
荷室のスペースは、6:4分割可倒式リアシートでアレンジは可能だ。荷室容量は4名乗車時で174L(VDA法)。寸法は、荷室長(4名乗車時)574mm、荷室幅1081mm、荷室高570mmとなっている。リアシートバックを倒せば、タイヤ4本(225/40R18サイズ)に加えて、工具箱やヘルメットなども積み込めるスペースになる。
トヨタ GRヤリスの性能・燃費・装備
WRCのホモロゲモデルとして誕生したトヨタ GRヤリス。その走りの性能を引き上げるために投入されたメカニズムなど、気になるポイントをチェックしていこう。また、ランニングコストに関連する燃費や、安全性能、装備・機能についても見ていこう。
走行性能:進化版はサーキットのためのATを用意
FIA世界ラリー選手権(WRC)で「勝ち抜く」ための知見やノウハウを注ぎ込んだスポーツカー、トヨタ GRヤリス。「RZハイパフォーマンス」、「RZ」、「RC」の3グレードは、1618cc直列3気筒DOHC直噴ターボチャージャーユニット(G16E-GTS)を搭載してデビューした。パワースペックは、最高出力272ps/6500rpm、最大トルク370Nm/3000〜4600rpmを発揮。TNGAエンジンの高速燃焼コンセプトに加え、軽量な運動部品採用によるエンジンの高回転化、ターボチャージャーなど吸排気系の最適化によって、3気筒エンジンとして世界最高レベルのパワーを実現した。6速マニュアルトランスミッション(iMT)を組み合わせる。
エンジンのパワーは、多板クラッチによる新開発スポーツ4WDシステム「GR-FOUR」によって余すことなく四輪に伝達。前後駆動力可変システムを採用することで、前後駆動力配分の自由度を拡大し、卓越した走行安定性をもたらした。
また、手軽に走りを楽しめる「RS」グレードを用意。こちらは、NAの1.5L直列3気筒ダイナミックフォースエンジン(M15A-FKS)を搭載のFFモデルで、最高出力は120ps/6600rpm、最大トルクは145Nm/4800〜5200rpmを発揮する。ダイレクトシフトCVTを組み合わせ、10速シーケンシャルシフトマチックのパドルシフトを装備する。
GRヤリスは、2024年に改良を受けるが、この進化版の登場は、再び大いに注目を集めた。エンジンは、モータースポーツでの戦闘力を高めるためにパワーアップ。出力を272psから304psへと32ps向上し、トルクは370Nmから400Nmへ30Nmアップした。
レースでMTと同等に戦えるATを目指した新開発の8速AT「GR-DAT」の設定も話題に。モータースポーツの現場や様々な道で鍛えられ、車両挙動の変化が起こる前に変速が必要な場面を先読みすることで、「ドライバーの意思を汲み取るギヤ選択」を実現している。
「RZハイパフォーマンス」、「RZ」、「RC」、それぞれのサスペンションを専用で味付け。シャシーとボディを強化し、よりハードな走行に耐えるための改良も実施した。ボディとショックアブソーバーの締結ボルトは1本から3本に変更して、走行中のアライメント変化を抑制。ステアリング操作に対する応答性を高め、操縦安定性を向上させた。また、スポット溶接打点数を約13%増加。合わせて、構造用接着剤の塗布部位を約24%拡大し、ボディ剛性のアップも実施した。
なお、進化版では、NA・FFの「RS」グレードがラインアップから消滅している。
安全性能:スポーツモデルであっても重視
「RC」グレードを除き、最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)」を標準装備する。2種類のセンサーで高い認識性能と信頼性を両立し、先進機能が、多くの状況でドライバーをサポート。
■プリクラッシュセーフティ
歩行者[昼夜]・自転車運転者[昼夜]・自動二輪車[昼]検知機能付き衝突回避支援タイプ。
■レーントレーシングアシスト
高速道路で、車線中央を走行するために必要なステアリング操作の一部を支援。
■レーンディパーチャーアラート
車線をはみ出しそうな時は、ディスプレイ表示およびステアリングの振動または警報ブザーにより警告。
■レーダークルーズコントロール
ブレーキ制御付き(MTモデル)。ATモデルは、全車速追従機能付き/停止保持機能なし。
■オートマチックハイビーム
ハイビームとロービームを自動で切り替えてくれる。夜間、歩行者などの早期発見をサポート。
■ロードサインアシスト
「最高速度」「はみ出し通行禁止」「一時停止」「転回禁止」の道路標識の見逃し防止をサポート。
■発進遅れ告知機能
先行車の発進を知らせてくれる機能に加え、信号が赤から青に変わった時の「うっかり出遅れ」も表示とブザーで告知。
燃費性能:GR-DATはWLTCモード10.8km/L
デビュー当初のWLTCモード燃費は、「RZハイパフォーマンス」、「RZ」、「RC」が、いずれも13.6km/L(6速MT)。NA・FFの「RS」グレードでは、18.2km/Lをマークしていた(ダイレクトシフトCVT)。使用ガソリンは、「RS」はレギュラーだが、そのほかはプレミアムガソリンとなる。
2024年に登場の進化版は、WLTCモード燃費データはダウン。6速MTモデルで12.4km/Lとなった。新登場の8速AT(GR-DAT)モデルでは、10.8km/Lとなっている。1.6Lという排気量からイメージすると、実用性も考慮した際は物足りなさもあるデータだが、パワーアップを実施した分のトレードオフと考えたい部分だ。
装備・機能:トップグレードはルックスも差別化
ここでは進化版に絞って装備を紹介したいが、「RZハイパフォーマンス」と「RZ」のどちらも、4スピーカーのディスプレイオーディオで、JBLの8スピーカー・車載ナビありのタイプをオプションで用意する。高ミューパッドとアルミ対向キャリパーのブレーキ、スマートキー、前方ドライブレコーダー、リアカメラ、フルオートエアコン、3灯式フルLEDヘッドライトなども装備する。
充実装備を誇るが、トップグレードの「RZハイパフォーマンス」のほうがやはり内容は濃くなる。タイヤは同サイズ(225/40R18)ながら、ダンロップ SP SPORT MAXXを採用の「RZ」に対して、「RZハイパフォーマンス」ではミシュラン Pilot Sport 4Sを装備する。アルミホイールは、「RZ」がエンケイの鋳造タイプ、「RZハイパフォーマンス」はBBSの鍛造タイプだ。
また、ブレーキキャリパーのレッド塗装、空冷インタークーラーの「GR-FOUR」のロゴや冷却スプレー機能、トルセンLSD、外装パーツのピアノブラック塗装など、「RZハイパフォーマンス」は多岐に渡り装備が充実するのだ。とくにレッドキャリパー(GRロゴ入り)、インタクーラー「GR-FOUR」ロゴなどは、ルックス重視派にとっても見逃せないポイントだ。
なお、モータースポーツ参戦ベース車としてのポジショニングを担う「RC」では、ヘッドライトがプロジェクター式ハロゲンとなり、空調はヒーター(エアコンレス)、ディスプレイオーディオもレスになるなど、装備は簡素化される。
トヨタ GRヤリスおすすめポイント要約
「トヨタのスポーツカーを取り戻したい」という想いのもと、「モータースポーツ用の車両を市販化する」という逆転の発想で開発。空力、軽量、高剛性を追求した車両パッケージをはじめ、ハイパワーエンジン、スポーツ4WDシステムなど、「誰もが安心して意のままに運転できる」ことを標榜し、それを実現した非常に魅力的なモデルだ。
2024年に発売となった進化版では、さらなるパワーアップ、専用コックピットの投入、サーキットでもMT同様に戦える8速AT「GR-DAT」など、たゆまぬ性能アップの取り組みはぜひ注目したい内容だ。
他のスポーツカーと同様で、人気は加熱。2024年7月の上旬、3店のディーラー(東京、神奈川)に確認を入れてみると、オーダーは受け付けていなかった。発売から数週間で当初の枠は埋まったようで、オーダーの再開を待つことになる。
手に入れたい場合は、まずはディーラーで今後の予定を聞いてみよう。購入への思いの強さを伝えつつ、再開となった場合に連絡をしてほしい旨を伝えるなど手を打っておくのがいいだろう(ただし、それも約束してもらえない可能性もある)。
中古車で、進化版が現れてきたが、スポーツモデルだけに高額のケースもあるだろう。ならば、コンディションのいい改良前のモデルを探してみたい。また、合わせて「KINTO FACTORY」でのソフトアップグレードを確認してもよさそうだ。セットでのアップグレードが、2023年10月から、エンジン系、ステアリング系、4輪駆動配分のそれぞれが、個別でオーダー可能になっている。
トヨタGRヤリス 2024年4月発売モデル
RZ ハイパフォーマンス
価格 | 533万円 |
---|---|
排気量 | 1600cc |
駆動方式 | フルタイム4WD |
最高出力 | 304 ps(224 kW)/6500rpm |
---|---|
最大トルク | kg・m(40.8 Nm)/3250〜4600rpm |
乗員 | 4名 |
燃費 | - |
RZ
価格 | 483万円 |
---|---|
排気量 | 1600cc |
駆動方式 | フルタイム4WD |
最高出力 | 304 ps(224 kW)/6500rpm |
---|---|
最大トルク | kg・m(40.8 Nm)/3250〜4600rpm |
乗員 | 4名 |
燃費 | - |
RC
価格 | 384万円 |
---|---|
排気量 | 1600cc |
駆動方式 | フルタイム4WD |
最高出力 | 304 ps(224 kW)/6500rpm |
---|---|
最大トルク | kg・m(40.8 Nm)/3250〜4600rpm |
乗員 | 4名 |
燃費 | - |
RZ ハイパフォーマンス
価格 | 498万円 |
---|---|
排気量 | 1600cc |
駆動方式 | フルタイム4WD |
最高出力 | 304 ps(224 kW)/6500rpm |
---|---|
最大トルク | kg・m(40.8 Nm)/3250〜4600rpm |
乗員 | 4名 |
燃費 | - |
RZ
価格 | 448万円 |
---|---|
排気量 | 1600cc |
駆動方式 | フルタイム4WD |
最高出力 | 304 ps(224 kW)/6500rpm |
---|---|
最大トルク | kg・m(40.8 Nm)/3250〜4600rpm |
乗員 | 4名 |
燃費 | - |
RC
価格 | 349万円 |
---|---|
排気量 | 1600cc |
駆動方式 | フルタイム4WD |
最高出力 | 304 ps(224 kW)/6500rpm |
---|---|
最大トルク | kg・m(40.8 Nm)/3250〜4600rpm |
乗員 | 4名 |
燃費 | - |
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