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『テコンダー朴』原作者・白正男による正しい歴史認識と人権思想講座 第3回:ゲーマー・たぬかなによる低身長差別の問題の本質

連載
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人権派格闘技漫画の最高峰『テコンダー朴』を世に送り出した義士・白正男先生が、日本人に正しい歴史認識と人権思想を啓蒙すべく、筆を執っている本連載。プロゲーマー・たぬかな氏の「170ないと正直人権ないんで」という低身長男性を揶揄する発言が物議を醸し、人権派義士である白先生は当然この発言を問題視していると思いきや、批判するつもりは毛頭ないとのこと。

低身長とは具体的に何センチ以下なのか?

古来より議論百出、血を血で洗う激論が繰り広げられてきたが、正しい歴史認識では昨年2月、プロゲーマー・たぬかなによってついに論争に終止符が打たれた。たぬかなは自身のライブ配信で男性の身長について「170ないと正直人権ないんで」などと発言。批判が殺到して活動休止していた。

今年1月、騒動から約1年ぶりに活動再開してライブ配信を敢行。さすがに少しは反省したかと思いきや「ホビホビ」「ホビット連合」「持たざる者」など低身長男性を煽るヘイトスピーチを連発して健在ぶりを世に示した。いきなり差別かよ? と言いたいところだが、自分はたぬかなを批判するつもりは毛頭ない。自分の身長がたぬかな基準をクリアしているから、ではなく、たぬかなには被害者の側面もあると考えているからだ。

たぬかなは主に『鉄拳』をプレイしていたプロゲーマー。『鉄拳』のコンボはとにかく長くて複雑なことで知られている。普通の人間は1キャラ分を覚えるだけでも一苦労だが、たぬかなはプロだから当然全キャラのコンボを覚えていたはず。最新作の『鉄拳7』で使えるキャラは総勢50人。さらにプロともなれば全キャラの全ての技のフレームまで丸暗記していたに違いない。脳の容量が足りなくなって社会常識を入れるスペースがなくなっていたとしても仕方がないのではないだろうか。

格ゲーで勝つためには相手が嫌がることを永遠にやり続ける必要があり、人格形成に悪影響を及ぼす可能性も否定できない。たぬかなの社会常識に欠けた攻撃的な言動は全て鉄拳のせいである可能性が高く、たぬかなは鉄拳被害者と言わざるを得ないのだ。諸悪の根源である『鉄拳』を制作・販売している■ンナムを批判する国民世論の高まりを感じる。

「若者の格闘ゲーム離れ」が語られるようになって久しい。一方で『エーペックスレジェンズ』などのFPSは人気を集めており、対人ゲーム自体の人気は依然として高い。一部の格ゲーガチ勢がなぜか下に見ている『大乱闘スマッシュブラザーズ』はキッズに大人気。敬遠されているのは「操作が複雑で長いコンボの暗記を要求される格闘ゲーム」ではないだろうか。FPSの多くは操作自体は簡単だからライトユーザーでも入りやすい。まともに操作できるまで長時間の練習を強いられる格ゲーが流行らなくなったのは当然とも言える。

かつて自分が熱心にプレイしていた格ゲーは主にストリートファイター2シリーズだった。今の格ゲーと比べるとキャラ数も少なくコンボも単純だったが、それでも上を目指すにはかなりの時間をゲームの練習に捧げる必要があった。格ゲーに捧げた時間を勉強に使っていたら今頃は事務次官くらいにはなっていたに違いなく、日本にとって大きな損失と言わざるを得ない。膨大な練習時間を必要とする今の格ゲーは、学業を最優先にすべきキッズにはお勧めできるとは言い難い。

今年6月にストリートファイターシリーズ最新作『ストリートファイター6』が発売される。1月26日のオリコンニュースのインタビュー記事で、制作ディレクターが「格ゲーの入口になりたい」「難しいコマンド入力は現代的ではない」と語っていた。『スト6』が格ゲー復権の起爆剤になることを自分も期待している。

文/白正男
写真/『鉄拳7』PS4版パッケージ
初出/実話BUNKAタブー2023年4月号

白正男

PROFILE:
白正男(はく・まさお)
職業:義士、漫画原作者。出身成分:核心階層(抗日戦士)。正しい歴史認識と人権思想を啓蒙するため、本誌連載作品『テコンダー朴』の原作を担当。

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