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エンタープライズコラボレーションの今と今後を鋭く分析

盛り上がるフードテックとシェアリングエコノミー

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今年はフードテックがブームのようで、8月から9月にかけて、都内で立て続けにフードテック絡みのイベントが開催されていた。

その中の一つ、「PropTech JAPAN Meetup vol.11 ゴーストキッチン/クラウドキッチン」がなかなかに興味深かったので、ちょっと時間は立ってしまったがレポートと感想を書いておきたい。

このイベントを主催したのは東京の茅場町で不動産ビジネスを展開している平和不動産株式会社で、場所は彼らが運営するスタートアップ支援施設「FinGATA KAYABA」の一階イベントスペースを提供。イベントの前半は、3人の登壇者によるそれぞれがゴーストキッチンやクラウドキッチンにどのように取り組んでいるかの簡単なプレゼン、そして後半のパネルディスカッションでの話題や議論内容で、おおむね今の日本におけるこの分野の状況を示してくれて非常に参考になった。

まずは、いきなりイベントのタイトルになっている、ゴーストキッチンやクラウドキッチンといった関連語の定義と整理から。登壇者と参加者の掛け合いのもと、当日整理された各言葉の定義は以下の通り。

ゴーストキッチンとは、客席のない調理場のみの店舗またはその運営形態のこと
クラウドキッチンとは、拡張性を持った厨房設備群(あるいは店舗群)を持った施設を表し、利用者はその事業規模によって使いたい時に使いたいだけ機器や設備を拡大して利用可能とするサービス形態
シェアキッチンは、厨房設備や機器を複数人で時間を分けて共有する形態
レンタルキッチンは、厨房設備を使いたい人が使いたい時に保有せずに使える仕組み
最後のシェアキッチンとレンタルキッチンの違いは何かという議論も当日あり、シェアキッチンでは会員制等によって基本は知っている人同士あるいは利用者が限定されているのに対して、レンタルキッチンは不特定多数での共用となるのが異なるとされた。

さて、ではまず最初のゴーストキッチンについて。ここ数年特に米国で急速に拡大した割に日本ではイマイチだった理由はなにか。多くの人から出てきたのは、出来上がった料理を顧客に配達するUber Eatsの存在である。日本では都心以外では現時点でUber Eatsが普及していない、首都圏でもちょっと都心を離れるとUber Eatsなんていない。今後をみても少子高齢化が進む地方都市では配達基盤として成り立つかどうかは疑問だという意見もあった。私個人もほぼ同感だ。あと日本では古来「出前」という慣習があり、今後もし「ゴーストキッチン」というキーワードが浸透した場合、従来店舗運営と出前の両方を行っていた店が出前専門になるというゴーストキッチン化はあり得ると思う。

次にクラウドキッチン。こちらについては、当日講演した株式会社よじげんを始めとして、いくつかの会社がネットでの空き厨房設備のマッチングサービスを開始しはじめた段階。こちらはイベントスペースのマッチングサイトなどと同様、今後も不動産の有効活用として不動産オーナーや運営委託者など業界のウケも良いだろうから、順調に拡大していくのではないだろうか。

さて最後にシェアキッチンであるが、こちらはもう日本でも5年以上前から現実に運用されているそうだ。まとめのマップサイトなどもあるくらいで、既に定着期に至っていた。
日本におけるシェアキッチンの利用層の主流は主婦または主婦からの起業組だそうで、お菓子やパン作りが多い。作った商品は地元の店舗で販売。お菓子やパンは日持ちをする為に扱いやすく、中にはネット通販に乗り出している人もいる。
あと都市圏の場合は、キッチンカーの運営者が仕込みのために短時間だけシェアキッチンを使う例もあるようだ。

こうしてみると今の日本のシェアキッチンはレストランや飲食業というよりは、食品物販の為の拠点という色合いが濃い。聞いていて思ったのだが、そうなると今後のシェアキッチンでは、簡単な食品加工用の機械や個人では買えない高額な調理器具などが求められるのではないだろうか。例えばレトルトパックの製造機械や高額なオーブンなどを備え付けたシェアキッチンというよりは、シェアプラントやシェアファクトリー的な方向に行くのではないかとも推察した。
なお、課題については、複数の講演者の方が衛生管理面とそれに関連する役所の規制だとされていた。

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