・・・早朝、僕は公園のベンチに椅って、ぼんやりと、 そんな詩のことを考えた。 孤独に集中された前方をけして見誤るな、確実な意志の力を。 名前を記すことはできず、 まるで初めからいな
・・・早朝、僕は公園のベンチに椅って、ぼんやりと、 そんな詩のことを考えた。 孤独に集中された前方をけして見誤るな、確実な意志の力を。 名前を記すことはできず、 まるで初めからいな
電車のホーム突入速度は六〇キロを超える、 車体は三〇トン。 融解する、昭和、平成から現れた令和という記号、 指差す権力への密やかな抵抗。 “時速一二〇キロで通り抜ける電車が、 自分の上を走り抜けていく
以降、「灯台」は変化のない時間のなかに潜伏することになる。
「君さあ」 「・・・・・・はい」 「どうして話し掛けようとしたら、 他人です、みたいな顔をするのよ」 「頭オーロラなのかな、この人(?)」 「ぶっ飛ばすよ」 「すみ、すみ、すみ、すみ、すみっ―――墨書き、した
彼女が愛用している耳を塞がない骨伝導のワイヤレスのイヤホン。 音漏れしやすいのが難点で、静かな場所ではかなり目立つアイテムだが、 道路においてはそのようなものは騒音に入らな―――い。 誕生日プレゼントに
かつてここにあった、 (秩序という名の記憶のない声、) 、、、、、 でもそれは、 いまは誰の―――ものでも・・・・・・・、 (完結し
家に帰って自室のドアを開けて、通学鞄からスマホを取り出すと、 LINEのメッセージが届いているのに気付いた。 メッセージは、友達の大江公久からだった。 “幸子と別れることにした”と言う旨を少しだけ
近所のお姉さんが生活に根付く日々―――というのは、 いかがなものだろうか・・。 注釈がつく。 三十秒時間を下さい。 中学生の頃に、大学生だったお姉さん。 冬の池の底に冷たく小魚が動いたような、感情の揺れ。
愛することって、 愛されることより幸せなのかなあ・・・? 酸っぱく苦いだけの麦酒のよう―――な、 気の抜けたむずかゆい雨を、 青春の爽やかな薫りがしたというには、 もはや年貢の納め時で、 どんどんエモーシ
(チャーチ・ストリートの北端にある キャナル・ストリート郵便局で働く人のようによくわからない)
ジリリリリリリ・・・・・・。 目覚まし時計が鳴っている。 ・・・眠い。 カチッ。 時計のボタンを押してベルを止める。 「んにゅ、ふぁぁぁ~」 ・・・欠伸してる。 起きるのか? 否、断じて―――否・・。 で、また眠る。
“・・・・・・止まれ” 鋭く低い声が、歩く彼に呼びかける。 その声は、彼が向かう廊下の奥から発せられている。 声を発した人物は、ゆっくりと彼に歩み寄ってくる。 やがて月明かりが入って来る窓にまで差し掛かり
はじまり。 は。 【黒い画面】が見えている。 >>>隔 壁 は 未 だ 健
「起きていたのか・・・」 目覚めて部屋の扉を開けると、 階段を駆け降りて来る足音が聞こえてきて、 風邪を引いた猫みたいな声でそう言った。 天井の高さ、窓の形、柱、 台所、便所、洗面所
終着駅のように暗くて大きく、 無法の辺境さながら、 天井の高い部屋へ―――。 力感あふれる曲線、 振り子のポテンシャル・エネルギーの最大値・・。 白線の上をずっと歩きた―――い・・。 確実さと忠
何もしていない内から、 じっとりと靴下が濡れてくるような気がす―――る。 何の前触れもなく、流木が辿り着きでもしたような、 雨の日の、みじめったらしく、じゅくじゅくして、 靴下をすぐ新しいものに替えたい
小股の切れ上がった良い啖呵(で、) 共同体コンプレックス、 あっちゅー間に、社会不適合者。 やったー
tacit understanding 君トイル、意味、ハナイノ、 ハッ、 オウトツコスッテ、果テルダケ、 眼玉ッ、火傷サ、口ノ渇キ、 共鳴ッ! パッ・・パッ・・パラシュウゥト(シテ、) ―――二ツノ瞳トヱヴェレスト。
さわやかな風が吹いて 木洩れ日の中にふりそそぐ陽射し、 ぐんぐん進むマウンテンバイク、 (あめは こずゑのなかにあり・・・・・) 無人駅、プラットフォーム。 バスは数本、電子マネーが使えない。 コン
煙が匂って I smell smoke すべてが嘘になっていたんだ、 名付けるということで否応なしに名前が、 後を追いかけてくることを知ったん―――だ・・。 エフェラメルの中、蜃気楼・・。 夜空に、ほらこだまし―――
put on a bandage, remove a bandage 刑事不介入、 第三者が立ち入ることも、 まず出来ない、 黒白の切片の配置、 線の並列交錯に現われる、 節奏や諧調のような、 家庭内の問題、性格上の不一致、 そこ
S 雲は淡々、様々、Go Round! 光の模様が踊り狂う目蓋の底の夢の中、 ふわり浮く、 “情報転送 可視光伝達、共通感覚探索―――” (鳴り響く、) 課題やタスクについては自動化・習慣化が進み、 効率的な
兄と妹 ちょっと兄面すんなって、キモいんだよ。 クラスメイトに見られたら囃されるんだよ。 洗濯物もそうだけど、一緒に洗わないでよね。 え? 血つながってないの? えーと、コホンコホン、お兄ち
運命 今日のことを忘れないでねと十歳の彼女が言う。 三十年後の未来から来たの、と。 未来からと真顔でオウムのように繰り返したあと、 破顔して、 じゃあ、もう四十ぐらいかと言った、 そうすると二
扉 夢の中で、メリーさんという小さな女の子が出てくる。 メリーさんは年端のいかぬ感じで、十歳かそこらあたりの女の子で、 フリルのついたドレスをきている。 真っ白な顔に少しグレーがかかったような重い
怪 苔生した階段が増える、 耳の穴の奥でひとしきり、 ゴオと風の音がする。 夜の二時頃。 丑三つ時。 また月のない夜。 墓地で、戦時中の防空壕もあり、 戦前からも姥捨てなどの話があった地域。 神佛
金縛り なんだったら、こういう言い方をしようか。 僕は呪詛のかけ方を知っているので、あなたに死ぬ呪いを掛けよう。 だって、あなたは「呪い」というのを信じていないんでしょ? あなたは「神通力」という
馬鹿の王国 僕の頼りない内臓に地下水が入り込む、 嗅覚だけで。 苛立ち喚こうと―――。 異常な程の吸収能力、 停止された虚無、抑圧、異常性、閉塞、 ここは無人の惑星でない、 巨大な宇宙空間で瞑想
kamome studio「窓」 アイはじまってます 覗き込めよ この変態野郎 檻の気分はどうだい 今日も奴隷かい?
神社皇帝 ゲイシャはジンジャへいく。 てんぷら。 ラーメンはニンジャする。 ふじやま。 にほんの人は、 ニッポンのヒトです。 じぱんぐ。 さらさらのぱらぱら。 ばきばきのぺらぺら。 でもね、
曲がり角 眼がさかなのように泳ぐのは、 ぎんの数珠を並べたからだ―――ね。 つやな趣のあるやまから、 葡萄酒のような雨が降る、 ちいさな坂道をのぼって、 静脈のような青い春をなつかしみ、 血管の中に
from night to morning あかんぼになる煤紙、句読点を産んでゆく。 疑問符を孕ませてゆく。 常に、継続的に、等しく、須らく、尽く。 ―――平和。 息を殺してる犯罪者、 冥府が十全に機能したような夜、
日の底 地の黒い割れ目と、 見慣れない屋根、 靴すべりを使って家を出た。 このところ急に忙しくなって、 今日東京に着いたところです。 ―――酒が飲みたい。 静寂を焼き切りにか
答えは刺さるのではなく、 答えは最初からある刺 力学に興味があるんだ、 君は人間の始まりや終わりに興味がある。 問い掛けの中に問い掛けがある、 逆向きの作用がある、遠心力がある、 力の場がある。
The mysterious temptation of the sun 太陽にもし感情があるなら 向日葵にでもなりたかったんじゃないか いや違う 別にえらそうなことを 言いたいのとは違う 真夜中 夜の道を歩きながら どうして
君がいたあの場所から From that place where you were 幼馴染がプラットフォームに立ってた。 空、ゴミ、人が遠景で浮かぶ引き戸を開けると、 乱暴な叙情。 ジャングルジムにタンスの防虫剤を見つけたよ
land of mirrors ひと月に一度か二度、 見知らぬ駅を見る。 水晶体が感光する。 心象レンズへ、と。 (君を、)思い出させる、 ―――綾を織る。 羽化が始まる。 スパイダー・ウェブ(へ、) ユング・ザ