あらすじ
ミステリをこよなく愛する〈マーダー・ミステリ・ブッククラブ〉に新たなメンバー四人が加わった。顔合わせを兼ねた読書会。課題書はクリスティの『そして誰もいなくなった』、亜熱帯雨林の山中に建つ過去にタイムスリップしたかのような山荘に泊まりこみで行なうのだ。ところが現地に到着してみると、散歩中に大きな石が落ちてきたり、翌日支配人が死体で発見されたり、さらに電話線が切断されて外部と連絡がとれず、山荘の周囲では山火事が起き……。読書会どころではない事態に、ブッククラブの面々はどう立ち向かう? 好評シリーズ第4弾。/解説=♪akira
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Posted by ブクログ
人気シリーズとのことで、早くも第四弾が読めてとても嬉しい。
今作は山荘!由緒正しきクローズド・サークル!!
わたしは“嵐の山荘”ものが大好物なので、好きなシリーズでそれがくるといつもより期待を膨らませてしまう。
しかも、今作からブッククラブに新メンバーが本格的に参加し、シリーズとしても新たな展開があるだろうなと思って、わくわくして読んだ。
期待に違わず、とっても面白かった!
ブッククラブの「初期メンバー」は相変わらずのキャラクターで、わたしはシリーズを通してアリシアにとても共感することが多いのだけれど、今作では妹のリネットの知られざる悩み(残念ながらリネットのような経験をしたことがなく、共感するのは難しかった)を知ることができて、リネットを抱きしめたくなったりもした。
山荘に着く前のプロローグの段階で何やらそれぞれ思惑ありげな各メンバーたちだったが、真相は切なく、エンタメとして十分に楽しめたし、心に残る余韻となった。何だかまた新たな展開も待ち受けていそう。
解説によると、本国ではシリーズ第六作まで発表されているそうで、邦訳刊行がすでに楽しみだ。どうか順調に翻訳され、まだまだこのブッククラブの面々とのミステリが楽しめますように。
Posted by ブクログ
シリーズ4作目のミステリブッククラブは、今回から新メンバーが加入という事で、読書会を山荘で行う。ところが、着いた翌日に支配人が謎の死を遂げ、電話線が切断され、山火事が麓に迫る、文字通り孤島と化した山荘で第2の殺人が起き、疑心暗鬼に陥る心理がとても迫ってくる。サイコパスの様な犯人がとても怖い。
Posted by ブクログ
山火事で孤立した山荘に取り残されたブッククラブのメンバー、迫り来るタイムリミットと、クローズドサークルミステリーの王道とも言える設定。そしてさらに、ブッククラブが今回選んだ本はアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』。それだけでもワクワクしないはずがない。
主人公はブッククラブ主催者のアリシアだが、彼女の視点に絞られないのでそれぞれの思惑が渦巻く様が巧みに表現されている。ある意味これは好みが分かれる書き方だと思う。
クローズドサークルミステリーと言えば、息の詰まるような閉塞感や次に誰が犠牲になるか分からず登場人物たちが疑心暗鬼に陥るような展開が特徴だが、少なくとも犯人と犠牲者は新参者か山荘のスタッフだろうなと察しがついてしまうのはある意味シリーズものの宿命。ブッククラブの面々が基本的に明るいキャラクターであることも相俟って、さほど緊迫感や焦燥感はない。
ただ、犯人は「ミス・マープル」ポジションでこの先も活躍するのだろうなと思っていたフローだったのでそこは意表を突かれた。推理で追い詰めると嬉々として話し出すなかなかサイコなキャラクターだった点も。スノーウィーはまだしも、ヴェイルとフラウニーを殺した理由はめちゃくちゃだと思ったが、やり場のない憎しみや悲しみが爆発すると起こり得る悲劇なのかもしれない。
個人的にはクレアが卒業してしまうのが悲しいのと、次回の課題書がクリスティではなくなってしまうのが少し残念。
Posted by ブクログ
読書クラブご一行様、今回は
新しく4名のメンバーが入った歓迎を兼ねて
旅行に出かけることに。
ところが宿泊先のホテルで従業員が死に
ふもとの山火事がせまってきて
課題書の『そして誰もいなくなった』の
読書会どころではなくなった!
はいはい、まいど事件に遭遇しますねぇ。
刑事の彼氏は同行していないので
(ふもとにいるけど、電波状態悪し)
ブッククラブのメンバーだけで
解決しなくちゃいけない。
王道だわ〜( ^∀^)
殺人事件の他に
各メンバーの人生の事件もいろいろ。
その「独白」がなかなか思わせぶりで
まさかメンバー内に犯人が?って
ハラハラさせるあたりが好きだわ。