シリアでは、2011年3月中旬、「アラブの春」(注13)の影響が波及し、シリア各地で大規模な反政府運動が続発するとともに、多数の反体制派勢力が設立された。反体制派勢力の一部は、同年7月、シリア政府軍からの離反者を指導者とする反体制派勢力の連合体「自由シリア軍」(FSA)を立ち上げ、政権打倒を目指す姿勢を明らかにした。 また、イスラム過激組織である「イラク・イスラム国」(ISI)(現「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL))は、シリアでの勢力拡大を目指し、「ヌスラ戦線」を設立した。「ヌスラ戦線」は、FSAと協同するなどし、2013年までに北西部・イドリブ県、北部・アレッポ県等を事実上の支配下に置いた(注14)。 さらに、2013年半ば以降、方針の違いから「ヌスラ戦線」との関係が断絶したISILは、独自にシリアで勢力を拡大させた。 このようなシリア政府軍と反体制派勢力との戦闘、FSA、「ヌ