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大そうじへの備え
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プロの作家に熱狂的なファンが多数いるというガジェット、それが「ポメラ」。前機種「DM30」から4年ぶりの新機種「DM250」が7月29日に発売になりました。発売が発表されるやいなや、SNS上では「ポメラ」ユーザーたちを中心に「DM250」へ多くの期待の声が挙がり、人気の高さを改めて証明しています。 「ポメラ」はインターネットに接続できない、文章を書くことに特化したデジタルメモ。2年前に「monokaki」編集部は販売元の文具メーカーであるキングジムさんにお話を伺うことができました。 エブリスタユーザーの中にも「ポメラ」ユーザーがいるという話も聞きます。また、定期的に開催している「未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン」では、以前は「DM30」が大賞受賞作の賞典になっていました。「DM30」の販売終了後からは、「DM200」が賞典となっています。こちらも10月以降からは「DM250」へ移
ピッコマノベルによる韓国ウェブ小説翻訳配信と中国BL『魔道祖師』のヒット 日本市場の特徴を踏まえた上でのローカライズ成功という意味では2020年、2021年に個別の作品レベルでは新たな展開がふたつあった。 ひとつは2020年2月からピッコマ上で『俺だけレベルアップな件』(以下『俺レベ』)や『捨てられた皇妃』をはじめとする韓国ウェブ小説の翻訳配信が始まったことだ。 韓国ではこれらのウェブ小説が人気になったあとでウェブトゥーン化されたのだが、日本ではピッコマ上でまずウェブトゥーン版を小説よりも先行して配信した。ピッコマノベルの本格スタ-トは2018年11月だから、その1年3ヶ月後から韓国ウェブ小説の翻訳配信が始まった。つまり、ノベルサービスの反響を見てから原作ウェブ小説の翻訳を進めたことになる。 なぜウェブトゥーンから先に翻訳したのか。ピッコマがマンガアプリとして始まったからだ。日本ではマンガ
2019-2022年のウェブ小説書籍化② 日本のウェブ小説における有料販売の歴史、中国・韓国式有料課金モデル導入の夢|飯田一史 日本のウェブ小説サービスにおける有料販売の歴史 2010年代後半に日本にやってきた「北米型チャット小説」は、書籍化も有料サービス(新しいビジネスモデル)も軌道に乗らなかった。 では「中国・韓国型有料ウェブ小説」はどうだったか。その話に入る前に、ふたつの流れを確認しておく必要がある。 ひとつは日本のウェブ小説サービスにおける有料販売の歴史と作家への利益還元の潮流。 もうひとつは中国と韓国におけるウェブ小説市場の隆盛だ。このふたつの流れが合流したところで、日本における「中国・韓国型有料ウェブ小説」サービスは誕生した。 まずは前者からだ。「日本のウェブ小説は無料」というイメージが強い人も多いだろうが、すべてが無料で提供されてきたわけではない。 1997年6月に村上龍が書
2019-2022年のウェブ小説書籍化① 第二次ボカロ小説ブーム、ウェブ小説書籍化の歴史において一貫して重要なプレイヤーであり続けてきたスターツ出版の姿勢|飯田一史 2019年から2022年までの時期の流れをひとことで言えば、有料販売に力を入れた広義のウェブ小説投稿サービスの登場が相次いだが、いまだ成功した事例は登場していない、ということになる。 とはいえ、この間の動きは、ひとことに集約できないほど多様なものだ。それらを紹介しながら、なぜ日本では有料ウェブ小説がなかなか根付かないのか、一般文芸系ウェブ小説が成功する見込みはあるのか、といったことも考えていこう。 なろう系ラノベの動き、「やる夫スレ」の書籍化 2016年には出版社主催の公募小説新人賞とウェブ小説書籍化の比較がされ、後者の勢いが語られていた。それが2019年にはウェブ発の書籍に対する語りが「どうなんですかね」「出すぎちゃったから
2016-2018年のウェブ小説書籍化④ 軌道に乗ったカクヨムと他出版社系投稿サイトとの違い、ウェブ小説に対する「語り」の変化|飯田一史 カクヨムと明暗を分けたピクシブ文芸、NOVEL DAYS、セルバンテス カクヨム以外にも2016年から2018年の間に出版社が投稿サイト運営に乗り出した例はあった。 たとえば幻冬舎とpixivが組んだ文芸小説投稿サイト「ピクシブ文芸」だ。これは2016年10月にスタートし、小説誌「小説幻冬」とのコラボレーションを行い、山形市で三浦しをんらを講師に小説講座を実施した。また、両社にテレビ朝日を加えて「ピクシブ文芸大賞」(2016年10月~2017年3月募集)を開催。pixivで行った小説コンテストの中でも史上最多の応募数となる3600以上の投稿を集め、大賞受賞作・小林大輝『Q&A』を書籍化、同作品はテレビ朝日系列にて2018年3月にTVドラマ化(ただし深夜帯
2016年から2018年にかけては、広い意味での一般文芸に含まれるSFと純文学でもウェブ小説書籍化の動きが見られた。ただ、SFはウェブ小説との折り合いを見つけられたのに対して、純文学は散発的な施行に終わった。「歴史」を事実ベースで辿るに留まらず、今回はその違いがなにゆえだったのかまで考えてみたい。 SF系ウェブ小説書籍化の一般化 前回挙げた北野勇作の100文字SFのように、2016年からはウェブ発のSF小説が書籍化されることが当たり前になっていく。 早川書房が主催する第4回「ハヤカワSFコンテスト」で優秀賞を受賞した吉田エン『世界の終わりの壁際で』と黒石迩守『ヒュレーの海』はウェブが初出の作品だった。 吉田は2014年ころから「小説家になろう」で執筆を開始。黒石は2010年頃から個人サイト「矛盾でふらぐ。」で、2011年末頃から「なろう」で活動を開始。両作品は「なろう」投稿作を元にしている
小学生向けに広がるウェブ発小説 男性向けのエロライトノベルや女性向けのTL、BLでウェブ小説書籍化が本格化していく2015、2016年から、奇しくも小学生向けにもウェブ小説の書籍化が広がっていく。 「2011年のウェブ小説書籍化」で記したように、角川つばさ文庫でエブリスタ発の『オンライン!』が2011年に刊行されているが、児童文庫におけるウェブ小説書籍化が一般化するのは、双葉社ジュニア文庫が創刊タイトルのひとつとして『王様ゲーム』を掲げて創刊した2015年7月以降である。 双葉社ジュニア文庫はアニメやマンガのノベライズ、一般文芸のジュニア文庫版なども刊行しているが、双葉社が刊行してきたウェブ小説書籍化作品のジュニア文庫版が刊行ラインナップで大きな割合を占めている。 たとえば魔法のiらんど発のホラーである日高由香『ゴメンナサイ』を2016年7月、『カラダ探し』を2016年11月、『京都寺町三
2014年&2015年のウェブ小説書籍化(前編)なろう系がラノベになり、ライト文芸にウェブ発が合流していった2年|飯田一史 なろう系作品のヒットによって大人の読者が顕著に目立つようになった 2014年と2015年はセットで見た方が傾向がつかみやすい。 ひとことで言えば「なろう系がラノベになり、ライト文芸にウェブ発が合流した」のがこの2年の動きだった。まとめてみていこう。 2014年には小峰書店の児童文学総合誌「日本児童文学」7・8月号で初めてライトノベル特集が組まれている。その中で榎本秋「児童文学好きのみなさんのための「ライトノベル」事始」は「「メインの読者ターゲット」を「中学生・高校生」として捉えた上で、そこに様々な事情がついてくるのがライトノベル」(36p)、「「中学生・高校生向け」という軸は変わらないだろう――それがライトノベルの今後に対する私の予測である」(45p)と書く。だがこの
2013年のウェブ小説書籍化② 『ビリギャル』『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』を当てたKADOKAWAの躍進|飯田一史 (10月25日:記事を一部修正しました) ウェブと出版の連動における試行錯誤 すでに連載で紹介している『ペプシマン』など以外にも、たとえば2013年に刊行された渡辺浩弐『2013年のゲームキッズ』(星海社文庫)がある。同作の収録作のほとんどは星海社のサイト「最前線」上に掲載され、Twitterを使って個々の作品から引用して意見を投稿できるようにしたり、ニコニコ生放送を使って声優の生朗読によって読者に意見を書き込めるようにしながら公開するといった双方向企画などが試みられた。 しかし、たとえばブログを模した形式で書かれるグロテスクなホラーとして700万PV以上を叩き出した渡辺の「謎と旅する女」は、書籍版では、縦書きで基本的には画像もなく一般的な小説形式で綴られていく(
2013年のウェブ小説書籍化① ラノベの転換点となった一年、KADOKAWAとその周辺の動向|飯田一史 2010年代に入ってウェブ小説書籍化およびその源泉となるウェブサービスの動きは加速し、多様化してきたが、2013年は2012年以上に大きな出来事がいくつもあった。 KADOKAWA周辺に限っただけでも、なろう系単行本レーベルであるMFブックスの創刊、ニコニコ連載小説(ドワンゴとの提携)、STORYS.JP発の『ビリギャル』、エブリスタ発の『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』刊行が同時並行的に展開されていた。 もちろん、KADOKAWA以外でも大人の女性向けロマンスに関してなど、語るべきことは多い。ただ、KADOKAWAとそれ以外で分けた方が「まとまり」として理解しやすいから、この回は2013年のKADOKAWA周辺で見られたウェブ小説書籍化の動きを見ていきたい。 2010年代のKAD
「なろう」系専門の「ライトノベル」文庫レーベル・ヒーロー文庫の衝撃 2012年最大の出来事は、「小説家になろう」系専門の「レーベル」が誕生し、しかもその判型が「文庫」だったこと、さらにそれが「ライトノベル」として認識されたことである。 9月末に主婦の友社インフォスからヒーロー文庫が創刊され、第1弾として渡辺恒彦『理想のヒモ生活』、赤雪トナ『竜殺しの過ごす日々』を刊行。ヒーロー文庫は創刊から数年にわたって重版率100%を達成し(もっとも、初版部数の読み間違え自体は褒められるべきことではないが)、新刊の初版部数が漸減傾向にあった既存のライトノベルレーベルを尻目に、同レーベルの作品は創刊当初いずれも数万部は平気で売り上げ、ラノベ編集者と読者に少なからず「なろう」系の存在を意識させることになった。 それまで「なろう」や「Arcadia」発の異世界ファンタジー作品だけを集めて刊行する「レーベル」は、
↑以前の第六回までの「Web小説書籍化クロニクル」マガジン ウェブコンテンツ、ウェブ文化は日本では90年代中盤以降に勃興し、2000年代前半まではニッチなものだった。『いま会い』や『電車男』のような大ヒット作も生まれたが、それぞれはいわば「単発」のものだった。だが2000年代後半になるとモバイル発のケータイ小説が、無数の作家が参加するひとつの「ジャンル」として社会現象となった。そして2010年前後からは若い女性向け以外の領域でも、多様なジャンルのウェブ発の作品が大衆的な支持を恒常的に得るようになる。 2009年に続き2010年もウェブ小説書籍化の歴史上、重要な出来事があった年だ(2010年代前半には大きな出来事が毎年あった)。 なろう法人化、エブリスタ開設、『ゲート』『まおゆう』がArcadia、2ちゃんねるという異なるプラットフォームから書籍化され、初の異世界転生ものの商業出版『リセット
メディア上ではケータイ小説に注目が集まっていた2000年代後半には、ようやくファンタジーのウェブ小説書籍化からヒットが登場し、異世界「転移」の書籍化作品もついに現れた――異世界「転生」はおそらくまだだったが。 今回はケータイ小説以外の2000年代後半のウェブ小説書籍化の動きについてまとめてみていく。 2000年代後半のアルファポリス 『レイン』『虹色ほたる』『THE QUIZ』 05年には吉野匠の代表作『レイン』がアルファポリスのドリームブッククラブを通じて書籍化され、最終的にはシリーズ累計100万部に達する。 黒衣の剣士レインが無双するファンタジー小説である。 吉野はラノベ新人賞に投稿していたがなかなか通らず、自分の楽しみのために書いたという。これが吉野のデビュー作にして最大のヒット作となる――が、四六判単行本で刊行された『レイン』を当時「ライトノベル」とみなしている業界関係者は少なかっ
エッセイ『傷口から人生。 メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった』やスペインにあるカトリック三大巡礼路のひとつ、カミーノ・デ・サンティアゴを歩いたドキュメント『人生に疲れたらスペイン巡礼 飲み、食べ、歩く800キロの旅』などの著作でも注目され、Webでライターとしても活躍されていた小野美由紀氏。 早川書房のnoteで異例のアクセス数「20万PV」を越えた短編小説『ピュア』 。その後『ピュア』を表題作とした単行本が発売されるやいなや、作品に描かれているフェミニズムやジェンダー問題が大きな反響を呼んだ。現在は小説家として新作執筆中で多忙な中、小野美由紀氏に影響を受けたものや小説を書こうと思ったきっかけについて聞いた。 自分の書いたものを出版できる場所を諦めずに探し続けた ――小説を書きはじめたきっかけがありましたらお聞かせください 小野:『傷口から人生。 メンヘラが就活して失敗し
第二次ケータイ小説ブーム 『天使がくれたもの』『恋空』『赤い糸』 今回から全3回にわたって2000年代後半のウェブ小説書籍化の動きを追っていくが、今回と次回は第二次ケータイ小説ブームについて扱う。 おそらく第二次ケータイ小説ブームがなければ、2010年代のウェブ小説書籍化ブームはなかっただろうと思われるほど、実はこのふたつのムーブメントはつながっている――そのつながりについては本稿後半と次回見ていくとして、まずは第二次ケータイ小説ブームの動きを改めて辿ってみよう。 第一次ケータイ小説ブームは、2000年にYoshiが『Deep Love アユの物語』を5月から「iモード」上の自分のサイト「zavn(ザブン)」で連載したことに始まったものだった。 2002年頃から日本ではガラケー(フィーチャーフォン)からアクセスするモバイル・インターネットが急成長しはじめる。 総務省の発表では 2005年に
「楽園」での高評価を受けて新人賞投稿に至った米澤穂信『氷菓』 自費出版やモバイルサイトの有料課金モデルではないウェブ小説書籍化の動きは、2001年から起こっている。 たとえば米澤穂信『氷菓』が第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞して角川スニーカー文庫内「スニーカー・ミステリ倶楽部」の第1回配本として10月に刊行された。 米澤によれば、この作品は「オンライン小説の評価サイトに投稿したミステリーがほかの作品と比べて桁違いに評価が良かったため、リライトして新人賞に応募」したものだった(「米澤穂信バイオグラフィー&作品紹介」、「ダ・ヴィンチ」2015年9月号、160p)。 「ユリイカ」2007年4月号182pの米澤と滝本竜彦との対談「HTML派宣言!ネットが僕らの揺藍だった」を読むかぎり、この「評価サイト」の名前は「楽園」である。 「楽園」はオンライン小説リンク集のひとつ
98年に個人サイト上で連載が始まり、01年12月に自ら制作費を投じて作った同人版刊行を経て、04年6月に講談社ノベルスで刊行された『空の境界』は、ウェブ発ながら実質的に「同人シーン発」として2000年代前半に注目された、という話を前回した。 オンライン発、自費出版のヒット作『オルゴール』 2000年代のウェブ小説書籍化を語る上では、新風舎と文芸社が中心となって巻き起こっていた、やはり作家自身がお金を出す自費出版ブームの存在が切り離せない。 2010年代以降のようにウェブで人気が出るとすぐに出版社から声がかかる環境になかった2000年代前半には、ウェブ小説と自費出版はきわめて距離が近かった。 日本でウェブ小説が最初に書籍化されてから今日までに四半世紀以上経っているが、日本では今も昔も多くの書き手の目標が「本を出すこと」であることを思えば、この近さは当然のことである。 新風舎が「大賞作品は書籍
オンライン小説の歴史は、パソコン通信やインターネットなどオンライン通信の歴史と同じくらいの長さがある。 たとえば1981年元旦に発足した小田原マイコンクラブのBBS「マイコンセンター」上に原田えりかによって85年8月頃から約3年にわたって毎日、全1038回書かれたSFファンタジー「シシャノミルユメ」がおそらく日本初のオンライン連載小説だろうと目されている(小口覺『パソコン通信開拓者伝説』小学館、98年、48-52p)。 本来ならばストレートにオンライン小説、なかでもWWW(ワールドワイドウェブ)上に書かれたウェブ小説の歴史自体を辿っていきたいところだが、サイトや作品は時代とともに消えていくことが多く、のちの世の人間が整理することは難しい。 そこで、この連載では奥付が刻印される「本」を軸に確実に辿ることのできる「ウェブ小説書籍化の歴史」、つまりウェブに書かれた小説はいかにして本になってきたの
今回は「めろんそーだん」特別編の第二弾。海猫沢めろん先生が「monokaki」で以前に連載していた「Web小説定点観測」でめろんさんからアドバイスをもらった作家のキタハラさんが登場。キタハラさんは第4回「カクヨムWeb小説コンテストキャラクター文芸部門大賞」を『熊本くんの本棚』で受賞しデビュー、さらに2020年11月に、エブリスタ掲載作品『京都東山「お悩み相談」人力車』が刊行されました。zoomを使ってめろん先生がキタハラさんの質問にお答えしてくれました。 今月の相談者:キタハラさん お悩み:僕は昨年、キャラクター文芸の賞をいただきデビューすることができました。 Webに掲載をした当初から、僕の作品は「キャラ文ではない」とよくいわれています。では文芸なのかというと違うらしく、文芸畑の方からすると、「ラノベ寄り」だそうなのです。 今月二作目が発売されます。さて、ではこの作品はいったいキャラ文
プロの作家に熱狂的なファンが多数と噂のガジェット、それが「ポメラ」。インターネットに接続できない、文章を書く機能に特化したデジタルメモです。開発は文房具メーカーとして名高いキングジム。なぜ文房具メーカーがデジタルガジェットなのか、なぜものかきに人気なのか。 エブリスタユーザーさんの中にも「ポメラ」ユーザーさんが多数いるという話もよく聞きます。また、現在開催中の「未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン」では「pomera DM30」が大賞受賞作の賞典になっているのでぜひお話を聞きたい! ということで今回はキングジムの開発者の東山慎司さん、広報室の稲葉大力さんに「ポメラ」の秘密をお伺いしました。 ※この記事はポメラの最新機種「DM200」で執筆しています。 文字を打つためのストイックな道具――文字を書くことに特化した「ポメラ」ですが、主にどのような用途で使われているのでしょうか? 東山:商
エブリスタが運営する物書きのためのメディア「monokaki」です。 小説の書き方、おもしろい小説を書くコツなど、頭の中でくしゃくしゃになった原稿用紙をふたたび開き、物語の「つづき」に取り組みたくなる記事を提供。 毎週火曜・木曜更新。 https://estar.jp/
児童文庫市場シェアトップの角川つばさ文庫。『怪盗レッド』(シリーズ累計120万部)、『絶体絶命ゲーム』(シリーズ累計30万部)、『5年霊組こわいもの係』(シリーズ累計83万部)などのヒット作を担当してきた編集者・青山真優氏と服部圭子編集長に、児童文庫としてブレてはいけない点、書き手に望む姿勢を訊いた。 10歳と14歳は大きく違うことを意識する――2009年につばさ文庫が創刊され、12年には児童文庫シェアトップになりました。以降、たくさんの出版社が参入しましたが、それを受けて何か変えたことはありますか 青山:あえて変えたところはないですね。むしろ「ブレないことが大事だ」といつも思っています。 服部:児童文庫の中に大人っぽい話が増えてきている印象がありますが、私たちとしては「小学生に向けている」ということを常に意識しています。 青山:つばさ文庫がメインで対象としている読者は小学5年生、10歳で
PHP研究所は、2010年代には『悪ノ娘』をはじめとするボカロ小説や『ゆめにっき』などのフリーゲームのノベライズといったウェブ発コンテンツの書籍化で存在感を放ってきた。それらを手がけてきた中心的な編集者たちが異動して2018年に創刊したのがPHPジュニアノベルだ。 ボカロ小説の第一人者であるmothy_悪ノPの『悪ノ物語』やフリーゲーム『青鬼』のノベライズなど、従来からの流れを汲んだタイトルだけでなく、櫻いいよ、いぬじゅんなどケータイ小説出身作家の作品が目立つ。小学生にはどう受けとめられているのだろうか? 児童書出版部の小野くるみ氏に訊いた。 子どもが読者だからこそ、変に遠慮してやさしいだけの世界にしない――レーベル立ち上げの経緯を教えてください 小野:数年前から児童書出版部で児童文庫の話が出はじめ、2017年夏頃から本格的に始動しました。 弊社の刊行物の対象年齢は、一番下は絵本で5歳くら
新年明けましておめでとうございます。 今年こそ、8年続いている連載を終わらせる。ただそれだけのために生きたい海猫沢ですが、大晦日3日前くらいに突然、ゲーム実況に覚醒してひたすら毎日ゲーム実況をする意味のわからないおじさんになってしまいました。 新年一発目の相談いかせていただきます。 今月の相談者:須野さん(26歳・販売員) 執筆歴:15年 ご相談内容:子どもの頃、創作コラムで「実体験や日常生活の中での経験によって、作品に深みが出る。多くのことを経験し、そのときの喜びやつらさを鮮明に覚えておくことがいい作品につながるのだ」と読んだことがあります。 それに則って、苦手な人付き合いや接客業、SNSの利用などを続けていたら、段々と心が疲弊してうつになってしまいました。 執筆において、実体験の重要性とはどのくらいなのでしょうか。執筆のために必要な経験や、日常生活の中で意識するべき心の機微とは具体的に
「創刊号以来、86年ぶりの3刷」「大増補の上、単行本化決定」――昨年、こんなニュースをネットで目にした読者も多いはずだ。河出書房新社が年4回刊行する「文藝」。1933年創刊の老舗文芸誌が、2019年4月のリニューアルを期に、稀に見る快進撃を続けている。 同誌が主催する新人賞「文藝賞」は、山田詠美『ベッドタイムアイズ』から長野まゆみ『少年アリス』まで、綿矢りさ『インストール』から若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』まで、ジャンルも著者の年齢もさまざまなベストセラーを世に送り出してきた。いま最も勢いのある文藝編集部が、いま求める作家とは? 坂上陽子・矢島緑の両氏に聞いた。 ジャンルの境界線にあるもの――リニューアル後、初の「文藝賞」が作品募集中です。求める作品像はありますか 坂上:第一回受賞作、高橋和巳の『悲の器』から田中康夫さんの『なんとなく、クリスタル』、堀田あけみさんが16歳で受賞された
「創作居酒屋」そこは編集者・作家・書店員・漫画家・イラストレーター・サイト運営者・読者など分け隔てなく、書籍業界にかかわる人々が集まり、創作論を語り合う居酒屋である。 どうも皆様お疲れ様です。黒澤です。 今回は3回目ということと、お酒のトークがもりあがりまして本編が盛沢山となりましたので、早速ゲストのご紹介をいたします。 一二三書房の代表取締役の「辺見正和」さんと、一二三書房で「サーガフォレスト」「ブレイブ文庫」「一二三文庫」といった複数レーベルの編集長をつとめられている「遠藤毅一」さんのお二人です。 お二人の略歴は以下をご参照ください。 ■今回の来客 辺見正和 様(現一二三書房代表取締役社長。元々は某大手電信会社関係の硬い本を展開していたが、5年前に電子書籍の担当に。そこから小説やキャラクターグッズなどを展開するエンタメ系の部署に本格的に異動となり主に営業を担当。その後、サーガフォレスト
昨年、フィルムアート社から刊行されている『ストーリー ロバート・マッキーが教える物語の基本と原則』の抄録をmonokakiに特別掲載しました。作家・脚本家の堺三保さんが書く同書の解説に、こんなくだりがあります。 ここ数年、いくつかの講座で小説や脚本の構成について、作家志望の人々に教えている。そこで最も痛切に感じることは、多くの人が「こんな話を書きたい」という語るべき何事かを抱えているにも関わらず、うまくそれを形にすることができずにいるということだ。そういう人たちの場合、登場人物、テーマ、話の発端とエンディングは、おぼろげではあってもすでに心の中で形作られていることがほとんどだ。問題は、それをどうやって映画脚本や小説の形に組み上げていけばいいか、どんなふうに語っていけばいいのかがわからないまま、悩んでいるのだ。 「長編を書きたいけど、どうしても最後まで書ききれない」というのは、monokak
こんにちは。海猫沢です。 前回から始まった悩み相談コーナーですが、いろいろなお悩みありがとうございます。 ぼくも常に悩んでいるのでみんなの悩みは他人事だと思えません。機会があればサシで話がしたいですね。 というところで今回の悩みですが、ちょっと長くなりそうなので急いで本題にはいります。 長編を書こうとしてもぜんぜん書けない 今月の相談者:紫津夕輝さん(24歳) 執筆歴:8年目 ご相談内容:8万文字以上の長編にしたいと思っています。でも長編が書けないです。よくて5万文字くらい。 だから描写とか増やして文字数を稼ぎたいので描写のコツを教えて欲しいです。 又、それ以外で文字数を増やす方法はありませんか? 今月の相談者:サナミさん(18歳・学生) 執筆歴:2年未満 ご相談内容:どうしても長く小説を書けません。 頭の中ではストーリーが出来ているのに、いざ文字におこしてみると10,000字、どころか5
中学生の頃、小説といえば「講談社ノベルス」しか読んでいなかった。といえば過言になるが、京極夏彦、森博嗣、清涼院流水、乾くるみ、殊能将之、舞城王太郎、西尾維新といった綺羅星たちを輩出した、このレーベルだけは特別だ――そんな「本読み」は、少なくないのではないだろうか。 破天荒な作家たちを生み出した「メフィスト賞」もまた、破天荒な新人賞だ。賞金なし、〆切なし、下読みなし。公募新人賞というよりも持ち込みに近い形態だからこそ、「一作家一ジャンル」とも呼ばれる超個性派を生み出し続けているのだろう。ミステリの枠を超え、日本の現代小説をアップデートし続けてきた同賞の裏側を、岡本淳史さんと都丸尚史さんに聞いた。 下読みなし!全作品、編集部が直接目を通します ――メフィスト賞は開催概要からとてもユニークな賞ですね 岡本:一次選考から編集者が直接目を通して、受賞作を決めています。他の賞だと、最終選考は作家の方に
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