「短歌で天下を取りたいんです」 ふわっとした柔らかな笑顔で、大きすぎる野望を堂々と口にする若き歌人がいます。初谷むいさんです。 それはたとえば、百年育てて咲く花を信じられるかみたいな話? ーTwitterより(初谷むい) 五七五七七のたった31音に、さまざまな情景を閉じ込める短歌。日々のなかで消えてしまいそうな一瞬一瞬を切り取った初谷むいさんの短歌は、独特なリズムや、思わず共感したくなる生活感を捉えているのが魅力です。 各種メディアやSNSで意欲的に短歌を発表し続ける初谷さんに、創作過程やSNSとの付き合い方、コロナ禍を経た創作活動の変化、今後の目標などじっくり伺いました。 初谷むい 1996年生まれ。北海道育ち。高校で文芸部に所属し、短歌に出会う。北海道大学水産学部に進学し、北海道大学短歌会に所属。2018年、大学生時代に書肆侃侃房より第一歌集『花は泡、そこにいたって会いたいよ』を発刊し