四谷怪談といえば詳細までは知らなくても、醜い「お岩さん」が登場する江戸時代の怪談として、誰でも名前くらいは知っていると思う。 元禄時代に実際にあった事件を基に創作された怪談であり、お岩さんのお墓や四谷左門町には於岩稲荷田宮神社なども実在し、四谷怪談を演じる前には役者が参拝することなどでもよく知られている。未だにお岩さんの祟りで恐れられているからである。 僕が知っている四谷怪談のあらすじは次のようなものである。 お岩と伊右衛門という下級武家の夫婦がいて、伊右衛門は出世欲にとらわれて上役の娘と結婚したいがために、お岩と離縁したいと思いお岩さんに毒を盛る。毒でお岩さんを直接殺害することはできなかったが、容貌が醜く変貌してしまいそのショックで半狂乱になり事故死。邪魔者のお岩さんがいなくなったことで、まんまと上役の娘と結婚し、婿養子になった伊右衛門だがお岩さんの幽霊に悩まされて呪い殺される。そして伊