最終回は,Xenを用いた仮想化ならではの機能を紹介します。Xenには,多数のサーバーを統合するために役立つ機能がそろっています。複数の仮想サーバーにリソースを動的に割り当てる方法などについて解説します。 サーバー統合のメリットは多岐にわたります。例えば,昼間だけ負荷が高くなるサーバー機と夜間だけ負荷が高くなるサーバー機を1台にまとめれば,システム・リソースの効率化が図れます。Xenを使えばこうしたサーバー統合が比較的簡単に実現できます。 物理的なサーバー機を運用する際は,メンテナンス時にどのようにサービスを停止するか,他のサーバー機にどのように引き継ぐかが課題になります。Xenを利用すれば,稼働しているサーバー環境を停止することなく,別のハードウエアに移動できます。 今回はこのようなXenの高度な機能について紹介します。 前半では,サーバー機内で複数のドメイン(ゲストOSが動作する仮想マシ
今回から数回にわたって、仮想化ソフトウェア「Xen」を用いたシステム構築についてご紹介します。 ご存じの方も多いと思いますが、Xenは、オープンソースで提供されている仮想化ソフトウェアで、手軽に仮想マシンを実現する手法として注目されています。この連載ではその概要については割愛し、システム構築の現場で、実際にどのように仮想化システムを設計・構築・運用していくかという実践的な部分に焦点を当てて解説を進めていきたいと思います。 初めに、XenをインストールしてゲストOSを動かすまでの基本的な手順を紹介したいと思います。ゲストOSを稼働させ、Xenの基本的なセットアップ方法を把握したところで、次回以降、実際の仮想化システム構築のプロセスを、パフォーマンス検証結果などとともに紹介していきます。 なお、今回は仮想化環境のプラットフォームとしてRed Hat Enterprise Linux 5(以下R
1台のマシン上で Linux や別の OS を複数稼働させることのできる仮想化技術。最近は VMWare もかなりパフォーマンスが改善されたが (※)、Xen は OS上のOS だということをほとんど意識させないオーバーヘッドの少なさが売りだ。また、ひとつの基幹サービス (たとえば Webサービス) を OSごと根こそぎ分離するという用途においては、Xen は chroot の究極のカタチであるとも言える。Xen では、ゲストOS (子供) とホストOS (親) はカーネルもライブラリもそれぞれで持ち、ゲストは他のゲストやホストのリソースにほとんど影響を与えられないようにできているからだ。 また、例えば Apache HTTPSサービスと NFSサービスを提供したい時、ゲストOS 1 は Apache 専用にして CPU を 2個割り当ててメモリ割り当ても多めに、ゲストOS 2 は NFS
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