和歌山県太地町の「町立くじらの博物館」で、捕鯨に反対する外国人であることを理由に入館を断られたとして、オーストラリア人の女性ジャーナリスト、サラ・ルーカスさん(31)が町に慰謝料など約330万円を求めた訴訟の判決が25日、和歌山地裁であり、橋本真一裁判長は町に11万円の支払いを命じた。 訴状によると、ルーカスさんは平成26年2月に同博物館を訪れた際、職員から「捕鯨反対の方は入館できません」と英語で書かれたプラカードを見せられ、入館を断念。ルーカスさんはイルカ漁に反対する団体の代表といい、「入館拒否は人種や思想信条による差別そのものだ」と主張していた。 これに対し、町側は「以前に『観光目的』として入館したが、館内で撮影を始めたため注意していた。他の入館者の迷惑になるおそれがあると考え、入館を拒否した」と反論し、請求棄却を求めていた。