水無月、言わずと知れた旧暦6月の異称である。が、京都に暮らす人にとっては、6月30日に食べる生菓子の呼び名の方が親しみ深いかもしれない。 ことの発端は、一枚のチラシ。 両面にびっしりと並ぶのは、水無月、水無月、水無月……!(画像提供:京都高島屋) 毎年6月に京都高島屋がおこなう水無月の催事に合わせて配布されるもので、なんと両面には催事で販売される約50種類もの水無月が……。圧倒的に豆豆しい。そのビジュアルインパクトに圧倒されるが、京都人の水無月への愛がうまく表現されているように思う。 事実、6月30日付近や限定販売の日には、朝から列をなすこともあるらしく、例年大好評の催事なのだそう。もちろん、それぞれの和菓子屋さんでも販売されるが、夕方になると「売切御免」の看板も見かける。 ある京都人によると、6月になるとソワソワしだし、どこの水無月を食べるのかというある種の脅迫観念に襲われるという。水無