天狗は権現です。 しかもちゃんとした?仏教や神道といった正規の宗教ではなく、 とりあえず拝んでおくという民間信仰に近い所でイメージが固まって行ったので、 祀られている場所によって、天狗神とされていたり、半僧とされていたり、権現とされています。 今こう言われるとどっちつかずではっきりしないと感じるかもしれませんが、 江戸時代までは、神仏習合が当たり前でした。 そういう環境の中でイメージが作られて行った、新しい“おそれとうやまい”の対象である天狗は、 神仏は別のもの、ということになった明治以降、はっきりしない存在になっています。 神仏習合以前から、これは神、これは仏のグループという出自がはっきりしていた権現は 神仏分離の後もグループ分けができますが、天狗は違いますので。 この意味で、日本人にとっての天狗は、神仏習合時代のなごりなのだと思います。 似たようなものには、庚申信仰があります。 道教を