新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大で世界各国の経済や社会が混乱する中、2020年10月末時点で国内の新規感染者数を「200日間連続ゼロ」に抑えた国がある。台湾だ。その成果の背景に国民の努力や忍耐があるのはもちろんだが、デジタル化とソーシャルネットワークをうまく活用した“デジタルソーシャルイノベーション”の果たした役割も大きい。 10月末にオンライン開催されたセキュリティカンファレンス「CODE BLUE 2020」では、台湾政府でデジタル担当大臣を務めるオードリー・タン氏が特別講演を行った。デジタルソーシャルイノベーションを成功に導いた要因は「Fast(速さ)」「Fair(公平さ)」「Fun(楽しさ)」の三本柱だと紹介したタン氏は、聴講者からの質問にもじっくりと答えつつ、現在進行形で進むさまざまなイノベーションや取り組みを紹介した。 「集合知に基づく迅速な対応」「公平性の担