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帝国陸軍は愚かで非合理だからアメリカと戦争したのか? ~『経済学者たちの日米開戦 秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く』牧野邦昭・摂南大学経済学部准教授に聞く~ 人間は、損失を被る場合にはリスク愛好的(追及的)な行動をとる 本書のなかで、牧野氏はこんな事例を示している。 2つの選択肢のうちどちらが望ましいか。 (a) 確実に3000円支払わなければならない。 (b) 8割の確率で4000円支払わなければならないが、2割の確率で1円も支払わなくてよい。 (b)の損失の期待値はマイナス3200円(=マイナス4000円×0.8+0円×0.2円)で、(a)よりも損失が大きくなる。人が合理的に動けば、(a)を選ぶ。しかし、実験では(b)を選ぶ人が多い。つまり、「人間は、損失を被る場合にはリスク愛好的(追及的)な行動をとる」のだ。 これを証明したのが「プロスペクト理論」で、人は財が増えるのと、減るのとでは
「8月や、6日、9日、15日」という詠み人知らずの歌がある。広島に原爆が落とされた8月6日、続いて9日に長崎、そして15日無条件降伏(ポツダム宣言の受諾)である。 8月15日には、陸海軍を中心に戦争時の資料が大量に焼かれた。今でも「大本営発表」というと悪い意味で使われるように、戦時中は負けているにもかかわらず、勝っているような発表がされ、負けてしまえば、責任逃れのために資料を焼いた(公文書を粗末に扱うという官僚の悪弊は今にも引き継がれているということだろうか……)。 このように昭和の軍部、特に帝国陸軍は、非合理主義で、極端な精神主義に走った組織という認識が一般的だ。 ところがそんな陸軍が、開戦前に日本を含め、アメリカ、イギリス、ドイツなどの主要国の「経済抗戦力」について調査を行っていたという。陸軍主計中佐・秋丸次朗をリーダーとして調査組織を設置した(通称「秋丸機関」)。 秋丸機関の調査によ
関西電力が数十年にわたり、大阪市に無償で貸していた土地を利用した公園が少なくとも2カ所、閉鎖していたことが分かった。保有する不動産を整理して経営体質の改善を図りたい関電が土地の返還を求めたのに対し、大阪市が買い取りや有償での借り受けができないと判断したからだ。今まで利用してきた公園が急に使えなくなった地域住民からは困惑の声が上がっている。 市によると、もともと市内には公園として使われていた関電の所有地が10カ所(計約8700平方メートル)あった。いずれの土地も40年以上にわたり、関電と1年ごとに契約を更新する形で無償貸与を受けていたという。近くに送電鉄塔がある場所が多く、地域住民は「迷惑料として貸してくれたのではないか」と指摘する。 ところが、このうち少なくとも4カ所の土地について、関電が平成27年に売却目的で返還を市に要求。市はいずれの土地の買い取りなどには応じなかった。この結果、28年
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