[連載:ライフダイエット] 私が折にふれて読み返すトルストイの小品「光あるうち光の中を歩め 」の岩波文庫版は、買ったのが1994年ということもあって価格は260円でした。食堂での夜ご飯を我慢すれば、本が一冊買えた良い時代です。 いまこの版は絶版になっていますが(実にけしからんことです)、新潮文庫版は340円で買うことができます。これはスターバックスコーヒーでショートサイズのラテ、一杯分です。 その昔、学生時代の頃の自分にとっては、コーヒー一杯に340円も使うのは狂気の沙汰でした。そんなお金があるなら、本を買っていましたし、実際本を買いすぎて月末には苦しい思いをしたことが何度もありました。 しかし時が移り、職場から給料をいただくようになって、お金の使い方もずいぶん変わりました。いまでは、財布に小銭しかないときに「スタバで一杯くらいコーヒーを飲めないなんて」と考えることさえあります。 でもこれ