“Q”世主になりたいだけではないですか?…映画『サウンド・オブ・フリーダム』の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。 原題:Sound of Freedom 製作国:アメリカ(2023年) 日本公開日:2024年9月27日 監督:アレハンドロ・モンテベルデ 性暴力描写 児童虐待描写
1923年9月1日が関東大震災の起きた日なのだが、SNS上では毎年9月1日周辺になるとげんなりするようなことを言っている人たちをみかけることになる。 「朝鮮人虐殺などなかった」勢と「朝鮮人が井戸に毒を入れたり、強盗、暴動などを起こしたのはデマではなくて事実」勢だ。 朝鮮人虐殺について触れた人やそれについての文献の紹介に対してクソリプを飛ばして感情的に内容を否定する人たちが毎年多数現れ、反論されてもそれに対してまともに答えることはない。 当時の朝鮮人虐殺、中国人に対する虐殺、福田村事件をはじめとする朝鮮人と間違われて日本人も殺された事件に関しては様々な目撃証言記録があり、それに関する裁判の記録も存在するのに、それらの信憑性を否定したりしているわけだが、それに対する根拠と言えるような根拠は別になく、否定しているだけの人間が多い。 彼らの主張を裏付ける「資料」を提示するものもいるが、それは当時の
スウェーデンでは1983年までは結婚した女性は夫の名前を名乗るのが一般的だったが、その後名前に関する新しい法律ができ、夫婦の名字として、夫か妻かどちらかの姓を選べるようになった。 しかし妻の名字を選ぶ夫婦は稀で、名前の研究者カタリーナ・ライブリングさんが1985年から2020年までの統計を分析したところ、この割合はわずかに2%程度。この間にほんのわずかに増加したにすぎない。 私は、夫の名字があまりにもよくあるもので(Johanssonとか)妻の名字がそれほど平凡なものではないのでこの選択をした夫婦を2,3組知っている。 そして1985年以降着実に増えたのが、夫婦別姓。2020年に初めて、両者とも姓を変更しないという形が一番多くなり、これが44%。夫婦ともに夫の姓を名乗るカップルは、同年33%だった。そして結婚を機に、ふたりで全く新しい名字を決める形も少しずつだが増えている。 私は結婚式なら
「悪貨は良貨を駆逐する」という現象は多くの分野でみられ、書籍の世界では丹念につくられた良作が往々にして出来の悪い「話題作」の陰に埋もれることがよく起こる。ビーガニズム、動物倫理、人間動物関係などを扱う文献もしかりで、これらの分野にも優れた洞察を含む良書は(初学者の手引きとなる平易な本も含め)いくらか存在するが、多数派に好まれてきたのは一知半解の門外漢がこしらえた残念な代物ばかりだった。本作はまさにそのような悪貨の一枚であり、私は読み始めて何ページも進まないうちにあまりのひどさにめまいを覚え、出版社に抗議文を送ったほどだった。ところがその後、影響力のある人々が積極的に本作を称え、これを動物論としても興味深い物語とみなし、あまつさえビーガニズムの理解にも役立つ作品と吹聴しているさまを見ることとなった。書評の執筆は骨の折れる作業であるため、私はひっきりなしに現れる膨大な堕作(*1)を逐一論評する
『隠された記憶』 ミヒャエル・ハネケ、2005年の作品。『白いリボン』を観にいけなかった腹いせにDVDで鑑賞。 ある日、テレビキャスターのジョルジュとその妻アンのもとへ、一本のビデオテープが送られてくる。そのビデオには、延々と2時間以上撮影されたジョルジュの家が映っている。不安をかんじ、いい争いをする夫婦。差出人不明のビデオはさらにジョルジュのもとに送られてくるようになる。回をかさねるごとにビデオの内容は彼らのプライベートな領域へと内容をエスカレートさせていき、恐怖を感じた夫婦は警察に相談するが、らちがあかない。 しかしジョルジュにはひとつのこころあたりがあった。かつて彼の生家にいたアルジェリア人マジッドである。40年前のアルジェリア戦争に端を発するアルジェリア人蜂起運動に参加したマジッドの両親は、フランスの警察に溺死させられ、残されたマジッドをジョルジュの両親が引き取ることにする。しかし
北村紗衣という「ひと」 : 「男みたいな女」と言う場合の「女」とは、 フェミニズムが言うところの「女」なのか? 『「ひと」の「首尾一貫性」とか「連続性」というのは、ひとであるための論理的、解剖学的な特性ではなく、むしろ、社会的に設定され維持されている理解可能性の規範なのである。セックスとかジェンダーとかセクシュアリティといった安定化概念によって「アイデンティティ」が保証されるなら、「ひと」という概念が疑問に付されるのは、「首尾一貫しない」「非連続的な」ジェンダーの存在が出現するときである。なぜならそのような存在は、ひとのように見えはしても、ひとが定義されるときの文化的に理解可能なジェンダー規範には合致しないものであるからだ。 「理解可能な」ジェンダーとは、セックスと、ジェンダーと、性的実践および性的欲望のあいだに、首尾一貫した連続した関係を設定し、維持していこうとするものである。換言すれば
ドナルド・トランプの暗殺未遂が発生し、それ自体は重大で由々しき出来事なのは論をまたない。ただ以下の様な「奇妙な」反応が日本語圏で発生している。 https://x.com/HashimotoKotoe/status/1812401662482632877 https://twitter.com/matsuhis1/status/1812402963375374435 https://x.com/kohyu1952/status/1812472800403472826 https://x.com/tezheya/status/1812457684299587989 https://x.com/IkawaMototaka/status/1812502640431087985 https://x.com/nippon_ukuraina/status/1812427178694631746 などな
10月19日夜6時過ぎ、東京・永田町の参院議員会館から黒いスーツにノーネクタイ姿で、貫禄ある体躯の男が出てきた。山田太郎文科大臣政務官兼復興大臣政務官(56)である。 蝶ネクタイがトレードマーク(自民党HPより) 駐車場に停めた濃紺の英国車「MINI CLUBMAN」にそそくさと乗り込み、議員会館を出発する。霞が関から首都高都心環状線に乗ると、自宅とは反対の方面に迷いなくアクセルを踏み込んだのだった。 翌日には臨時国会召集が控えている。内閣支持率低迷に喘ぐ岸田政権にとっては挽回する最後のチャンス。とりわけ文科省は旧統一教会の解散命令請求など重要課題が山積みだ。その政務三役の一員が緊迫する永田町から急行した先は――。
262回 「暇アノン懺悔録」について 小川たまか氏によるインタビュー 『【暇アノン懺悔録】「暇アノンの姫」だった40代男性』(全4回) を興味深く読んだ。 Twitter(現X、以下同)上のフェミニスト、フェミニズム的な言説に対する反感に端を発した、暇空茜を名乗る男性によって起こされた一般社団法人Colaboや代表の仁藤夢乃氏に対する攻撃的な言及や真偽不明の様々な疑惑の追及。公金を巡る不正受給疑惑を打ち上げて住民監査請求をするような彼のやり方が有名人や政治家を含む多くのアンチフェミニズム傾向の人間をひきつけ、一時は大きなムーブメントとなったが、現在はその勢いは失速気味であるようにみえる。 今のところ、彼が主張した様々な疑惑の中に、真実と証明されたものはない。 また彼の主張が過激化し、ナニカグループなる存在を主張する陰謀論めいたものに発展していく過程でライトな支持者が逃げ出し、支持者の先鋭化
■「池田大作死亡説」に説得力はあるのか本稿では、創価学会の名誉会長である池田大作氏の死亡説に反論したい。 ただ、といっても、その目的は池田氏が生きていることを証明したいというものではない。 筆者は創価学会4世であり、いま現在も教団で活動している現役信者ではあるが、池田氏に対して特別な感情を抱いているわけではなく、とはいえそれなりに信仰心はあるという中途半端な人間である。なので、「多くの人が池田先生が死んでいると言っているのが許せない!」みたいなモチベーションがあるわけではない。 正直、池田氏の生死についてはあまり関心がない。ただ、世の中に出回っている死亡説は社会制度や常識を無視した都市伝説でしかないと考えている。のちほど触れるが、そのような都市伝説レベルの説にもかかわらず、多くの人がほとんど事実のように認識していることについては憤りすら感じる。 そこで、本稿で論じたいのは、世間に流布されて
Published 2023/07/20 21:48 (JST) Updated 2023/07/20 23:23 (JST) 滋賀県警は20日、元妻(33)らの住宅に侵入し元妻と、その父親(68)を殴って殺害しようとしたとして殺人未遂と住居侵入の疑いで、将棋の元プロ棋士で住所、職業不詳の橋本崇載容疑者(40)を逮捕した。県警によると、元妻と父は軽傷で、橋本容疑者も頭部から出血するなど負傷したという。橋本容疑者は黙秘している。県警は経緯を調べている。 逮捕容疑は同日午前7時ごろ、大津市の元妻らの住宅に無施錠の窓から侵入し、元妻と父の頭などをくわのようなもので殴って殺害しようとした疑い。 橋本容疑者は元妻に対する名誉毀損罪で6月、大津地裁から懲役1年6月、執行猶予4年の判決を受けていた。
自分は当該番組(通称サンソン)をたまに聴いており、いつもはおじいちゃんとそこに集う類友のたわいないハガキと 選曲を楽しんでいるのだが、週半ばにコメントを出すと事務所が告知して以降、どうせロクなことは言わないんだろうなと思っていたら案の定そんな感じだった。 今回の番組の構成も踏まえつつ、結局彼が何を伝えたかったかを考察し、どう受け止められるかを観察する。 山下達郎のファンの方で何故こんなに炎上しているのかわからないひとにも一読していただけると幸いである。 <参考リンク> コメント全文書き起こし増田 https://anond.hatelabo.jp/20230709143809 今日の放送radikoタイムフリー(冒頭から) https://radiko.jp/share/?sid=FMT&t=20230702140000 (コメント部分頭出し)※約7分 https://radiko.jp/
BY LIGAYA MISHAN, ARTWORK BY CARMEN WINANT, TRANSLATED BY MAKIKO HARAGA 言葉には、亡霊のようなものがつきまとう。どんなに語源からかけ離れた意味をもつようになっても、古い意味を宿し続ける。それはまるで、完全削除を逃れた暗号の破片や、地上に出る瞬間を待ちながら土の中で潜伏し続けるセミの幼虫みたいだ。 過去数年のあいだに、“カレン”は風紀委員を自ら買って出て世間を闊歩するタイプの、干渉好きで高圧的な態度をとる白人女性を意味するようになった。彼女たちは自分の社会的地位は安泰であると思っているため、権限をもつ人物や機関を呼び出すこともいとわない。責任者との直談判を要求したり、警察に通報したりする。だが、あまりにも些細なことを問題視するし、まったくの作り話をしては、それを犯罪だと言い張ることも少なくない。 では、なぜ“カレン”とい
熊本県立高校の女子生徒約30人が、修学旅行で訪れた宿泊先で入浴中に盗撮された問題を受け、この高校が、同じ学校の複数の男子生徒を処分していたことがわかった。 高校が27日、県教育委員会に加害生徒の処分や再発防止策についてまとめた報告書を提出した。 県教委によると、昨年12月に修学旅行で関東地方を訪問した際、複数の女子生徒が入浴後「のぞかれた」と教員に被害を報告した。教員は宿泊先を所管する警察にも通報している。 報告書によると、加害生徒のスマートフォンには盗撮した画像が残っていた。生徒らは学校の聞き取り調査に盗撮やのぞきをした事実を認め、登校謹慎などの処分を受けた。自主退学した生徒もいるという。 学校は報告書に、盗撮などの行為が犯罪にあたることや、電子端末を使う際の情報モラルをあらためて教育するなどの再発防止策を明記した。被害生徒にはスクールカウンセラーを配置するなどしてケアに努めるとしている
2021年公開映画『Mortal Kombat』の否定的な評価のひとつに「主人公のコール・ヤングがいらない。魅力がない。観客が作品世界に入るためのアバター係しか役割のないつまらないキャラ。」と言うものがある。 そもそも人気キャラクターが大量にいるのに、なんでオリキャラねじ込むの? 不純物扱いされるのはオリキャラの宿命であることはわかってる。何も知らない主人公が徐々にルーツを知っていき、特別な血統の生き残りであると判明する物語なんて確かにもう時代遅れだ。しかしこの映画の場合はそんな単純な話じゃないんだ、他の人種のオリキャラ主人公とはわけが違うんだと言いたい。 それは、コールの物語の一部はドラゴンボールZの孫悟空を思わせるもので、孫悟空とはアジア系移民が自分を重ねられる数少ないヒーローであり、世界的に有名なキャラクターだからだ。(ここでいう孫悟空とは、原作漫画やフランチャイズ全体の主人公ではな
(追記) なんかすごいブコメがついていて驚き。 一部に「不幸を嘆いてばかりじゃだめだ」という「正しい意見」が散見されるけど、日本には生まれた世代や環境を嘆く自由もないの?「前を向いて挑戦し続ける」人間以外を見下す社会って、どんだけ息苦しい社会なんだろうね。団塊世代以上の、高度成長期までの元気活発な日本人のほうが、自分の不遇や不幸をもっと政府や経営者や社会のせいにしていたと思うよ。 (以下元記事) anond:20230615113223 全然違う。いわゆるそれに相当する「氷河期世代」とは、 「人間は生まれたからには結婚して家庭をつくるのが当たり前という社会観念が強く残っていたが、実際はできない人が大量に出現した世代」 でもあるんだよな。「人間として当たり前のことができなかった」という劣等感を背負ったからこそ、不幸感がめちゃくちゃ強いわけ。 かつてに比べて恋愛が圧倒的に自由競争化し、雇用も不
岐阜市にある陸上自衛隊射撃場で男性隊員3人が自動小銃で撃たれ、2人が死亡、1人がけがを負った事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された自衛官候補生の男(18)が死亡した52歳の教官に叱られたという趣旨の供述をしていることが14日、捜査関係者への取材で分かった。もう1人の死亡した25歳隊員を狙ったわけではなく、発射を妨げようとしたから撃ったという話もしている。25歳隊員への殺意は否定。岐阜県警と陸自は教官が標的だった疑いもあるとみて、トラブルの有無や当時の状況を調べている。 【写真】ホームページで公開している新人隊員の射撃訓練の様子 陸自によると、死亡した52歳隊員が胸部、25歳隊員が脇腹をそれぞれ負傷していた。もう1人は左脚にけがを負った。 発射されたのは「89式5.56ミリ小銃」。入隊時に各隊員に貸与されるもので、単発と連発の切り替えが可能だ。射撃訓練は全5回で、うち4回は実弾を使う。14日
海外の観光産業では、日本人観光客は「クレームをつけずに黙っていなくなるから怖い」と言われていると聞いたことがある。 なぜクレームをつけないのか。 改善するとは思えない、改善したとしてももう来ないから関係ない、文句を言って相手に響かなかったら(態度が悪かったり、逆に言い返されたりしたら)結局自分が疲れる… 色々な理由があるかもしれないけれどクレームはつけない。クレームはつけないけれど、ざわざわと口コミは広がる。結果行かなくなる。 非婚化も少子化もこれなんだろうなと思う。 結婚しても産んでもロクなことがない。口コミが広がっている。 わざわざ好き好んで悪い口コミを見なくても肌感覚でわかるし。皆生活するのに必死でそれどころではない。 政治家の言う少子化対策は結局バラマキで泥縄政策で、根本的な「産めばなんとかなる」「産みたくなっちゃう」という明るい空気の醸成には至らない。 むしろ実質増税案が出て「子
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