ホシガラスが埋めて食べ忘れた種のように、バラバラに芽を出した記事が、枝分かれして他の記事と関連づけられることが多くなった。 これから先も枝葉を出して、それを別の種から出た茎と交叉させ、複雑な唐草に育てて行きたい。
ホシガラスが埋めて食べ忘れた種のように、バラバラに芽を出した記事が、枝分かれして他の記事と関連づけられることが多くなった。 これから先も枝葉を出して、それを別の種から出た茎と交叉させ、複雑な唐草に育てて行きたい。
2023/11/27 フジタは紫外線によって赤、緑、青に蛍光発光する3種類の白を使い分けていた! ~レオナール・フジタ(藤田嗣治)が描いた肌質感の秘密を、蛍光スペクトル解析によって解明~ 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所*1(所長:黒橋くろはし 禎夫さだお、東京都千代田区、以下NIIエヌアイアイ)ならびにポーラ美術館*2(館長:野口のぐち 弘子ひろこ、神奈川県箱根町)は、東京藝術大学、東京大学、京都大学、三木 学氏との共同調査にて、藤田嗣治(レオナール・フジタ)の《ベッドの上の裸婦と犬》(1921年、ポーラ美術館蔵)に、異なる発光色(蛍光)を持つ白い顔料を発見しました。 本調査は、対象物の成分に関する情報を非破壊・非接触で得られるハイパースペクトル・カメラと国立情報学研究所が有する蛍光スペクトルをデジタル上で分離する技術が用いられ、フジタは蛍光発光する顔料の性
岩崎光明 プロフィール 1982年よりフジテレビタイトルデザイン室でタイトルデザイン、イラストなどの制作を担当。 代表作は「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ」「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!」 「ダウンタウンのごっつええ感じ」「世にも奇妙な物語」など。 この連載では主にアナログ時代のタイトルデザインについてご紹介します。 題名の“美術タイトル”(略称は美タイ)は河田町フジテレビ時代の名称。美術タイトルは報道以外の全番組を担当していました。 報道番組の写植などを制作する“報道タイトル”は報道部にあり、役割は全く違っていました。 フジテレビタイトルデザイナーのレジェンド紹介第二弾はあの国民的番組のタイトルデザインを担当した高柳義信さんです。 代表作は『笑っていいとも!』 高柳さんのデザインの特徴は、なんと言ってもわかりやすいデザイン。イラストやグラフィカルなシンボルを取り入れたデザイ
大阪生まれの大学院生。工作や漢字が好きです。ほら貝も吹けます。先日、教授から「あなたは何を目指しているのか分からん」と言われました。 前の記事:攻め攻めの辛い中国のカップ春雨 食族人酸辣粉 > 個人サイト 唐沢ジャンボリー お経の絵に円空ワールド お経にはしばしば冒頭に「見返し絵」がついています。お経の世界観をあらわす大事な絵で、言ってみれば本の扉絵のようなものです。 私がいつも美術館で目にするものは、 このようにていねいに描きこんだもの お釈迦さんと、説法を聞きに来た菩薩たちを描いた「釈迦説法図」という絵です。みんな、お釈迦さんをかこんで真剣にお話を聞いていますね。 一方、円空の見返し絵は、 (「大般若経」599巻のうち巻第481、志摩市片田区金剛院蔵、以下「片田経」) おお! (「大般若経」600巻のうち巻第82、志摩市立神自治会蔵、以下「立神経」) うおおおおお! (立神経巻第77)
誰かが作った作品は、著作権法において保護される。それはほとんどの人が常識として理解していることではあるけれど、ではどのように法律で定められているかを詳細に知ろうとすると、著作権法という法律の複雑怪奇さに驚くことになる。そうした複雑さをとりあえず棚に上げて巷では、映画館で上映前に流れる映画の違法複製やダウンロードについて警告するパントマイムの動画や、番組の違法アップロードを犯罪だと指摘するテレビCMのように、著作権法のエッセンスだけでも理解してもらうための啓発活動が行われている。このようなシンプルなメッセージにでもしないと、誰もが著作権法を理解するのは不可能なように思われるからだろう。 だがそうしたシンプルなメッセージは、往々にして人々を脅すような常套句を展開しがちである。著作権を侵害する可能性があるのは作品を受け取る側の人々なのはたしかであり、責任を問われた場合に不利益を被る可能性を指摘す
浮世絵に関心がある方なら、浮世絵がヨーロッパへ輸出する陶磁器の包み紙として使われていたという話を、どこかで聞いた記憶があるのではないでしょうか。それがきっかけとなって、浮世絵の素晴らしさがヨーロッパに伝わるようになった、と。 もう少しちゃんとした説明ですと、フランスの版画家であるフェリックス・ブラックモンが、陶磁器の緩衝材として用いられていた『北斎漫画』をたまたま発見。浮世絵の魅力を仲間たちに伝えたことをきっかけとして、「ジャポニスム」と呼ばれる日本美術ブームが、ヨーロッパで始まったと伝えられています。 浮世絵は、もともと日本において、安い値段で販売される紙屑同然のものでしたが、その芸術的な価値がヨーロッパの人たちによって初めて見出されるようになったという文脈でも、この話はしばしば語られています。 皆さんはこの話を聞いた時、どのような様子をイメージしたでしょうか?現在、陶磁器を持ち運ぶ際、
・ある絵画にクワガタムシが描かれたのはなぜかという議論(Togetter) この件について。こういう静物画は17世紀のオランダだと珍しくないが,ドイツだと珍しいかも。とはいえ,昆虫を仕込むのは,実はヨーロッパの古典絵画で普遍的に見られる。昆虫を描くのは技量の誇示とだまし絵的効果が相場であるが,大概はハエを選ぶ。もちろん静物画に仕込むのはいわゆるヴァニタス,物はいつかは腐るのだという教訓の意味合いもあろうが,他のジャンルにも昆虫は闖入するし,象徴的意味合いだけでは説明がつかないものも多い。 たとえば,カルロ・クリヴェッリの聖母子の絵。一応,この絵では説明に「The apples and fly are symbols of sin and evil」とあるので,象徴的意味合いが込められているが,これにしたってどう考えても「こんなところに,場にそぐわないハエがいる」というだまし絵的効果をねらっ
現在東京国立博物館で開催中の特別展「顔真卿(がんしんけい) 王羲之を超えた名筆」は、展示の目玉である台北故宮から貸し出された中国の書家・顔真卿の真筆「祭姪文稿(さいてつぶんこう)」を見るために、平日でも1時間以上の行列という人気となっている。「書」というテーマを通して、中国の文化と歴史に触れ合う内容で、豊富な展示品や親切な解説、理解を助ける全体の配列など、どれも素晴らしい。近年稀にみるレベルの高い中国美術展であり、24日の閉幕までに多くの人に足を運んでほしい。 日本人がスルーする幻の名画「五馬図巻」とは ところが、日本美術界にとって「奇跡の発見」と称してもおかしくない戦後初公開の名品中の名品が、顔真卿展会場のあまり目立たない場所でひっそり展示されているのだ。それは、北宋の文人・李公麟が11世紀に描いた「五馬図巻(ごばずかん)」である。
3Dモデルやフィギュア造形において昨今重要視されているであろう解剖学。リアルな造形を目指すなら必須の知識であるが,専門的な学びをしていないとなかなか触れることの世界でもある。そんな解剖学の世界を「エンターテイメント業界における美術解剖学の活用方法」と題して,基礎からその学び方を紹介したのが本講演だ。 「美術の世界では,鑑賞者を楽しませるために絵画は進化してきた歴史を持つ」と講演をスタートさせたのは,Skeleton Crew Studio代表取締役の村上雅彦氏だ。絵画の進化によって人間のストーリーまでも感じさせるようなリアルさ,リアリティのある人間の表現が欠かせなくなってきたという。なぜなら違和感を感じてしまったとたん,物語が薄っぺらいものになってしまうからだ。このため,リアリティのある人物表現は美術の進化においても重要だったという。その美術の進化とともに研究されていたのが,リアリティのあ
SAT大蔵経テキストデータベース研究会(代表:下田正弘東京大学教授)より、大正新脩大藏經図像データベース:SAT大正蔵図像DB(ベータ版)がIIIF(International Image Interoperability Framework)対応かつタグ検索機能付きで公開されました。 今回データベースとして公開されたのは、大正新脩大藏經全100巻のうち12巻を占める、図像とその解説を主とした部分で、「図像部」「図像編」などと呼ばれているものです。正式なご紹介については、上記URLのサイトにアクセスすれば表示されると思いますのでそちらをご覧ください。こちらのブログでは、使い方と技術面の話を少し書いてみます。 高画質画像とページ画像内の各図像へのタグ付与をテーマとして進めてきたプロジェクトでしたが、運の良いことに、このブログで何度か採り上げてきたIIIFが、ようやくきちんと使えるようになり、
【6月1日更新】 かるび(@karub_imalive)です。 伊藤若冲の生誕300年を記念して東京都美術館で開催された「若冲展」ですが、惜しまれつつも5月24日に閉幕しましたね。 もともと、今年大注目の美術展として前評判も高かったのですが、終わってみれば会期わずか1か月余りの間に、来場者44万6千人の超大入り。1日あたり15,000人弱と驚異的な入場者数に、最高待ち時間は320分を記録するなど、首都圏を中心に大ブームを巻き起こしました。 (引用:若冲展に長蛇の列、4時間待ち「なんで...」給水スポットも出現(動画)) 僕は、会期スタート3日後の4月26日に行ってきたのですが、本当に楽しかった。日本美術の最高傑作をこの目で間近に見れて、感激しました。 僕が上記エントリをアップした時の待ち時間は、わずか20分。「あぁ、やっぱり注目の美術展は混雑するんだな」位にしか思っていませんでしたが、4日
※中国浙江省杭州市で発見された曜変天目茶碗(写真1) 内側に宇宙を思わせる瑠璃色の文様が浮かぶ至高の茶器、曜変天目茶碗。世界に三つしか存在しないと言われる貴重な茶碗は全て日本にあります。この茶碗の美しさに魅せられて以前に「国宝 曜変天目 茶碗の中の宇宙」の記事を書きました。 ところが最近もう一つの曜変天目茶碗があることを知りました。あとでこの4つ目の曜変天目茶碗の解説をいたします。 中国の南宋時代に焼かれた3つの曜変天目茶碗は全て国宝に指定されています。ここで簡単に3つの曜変天目茶碗のおさらいをしておきましょう。 静嘉堂文庫蔵 ★「原色日本の美術」解説 曜変は『君台観左右帳記』に記すように、東山時代にはもっとも貴重な、最も高価な茶碗とされていた。その頃「日本に十ばかりある」といわれたが、もと足利家に伝わったものは、織田信長が所持していたとき焼失してしまったので、稲葉家のこの天目が随一のもの
この記事は前回の『絵画で正史はどう描かれたか -藤田嗣治の戦争画の場合』からの続きです。 最初は藤田嗣治が戦争画描いた背景みたいなことを調べるだけのつもりだったのですが、副次的にパリ時代にどう成功していったかを知ることにもなりまして、まあせっかくだからそれもここに書いてみようかということになりました。キッカケは著述家の若林宣さんのツイートで紹介された、舞台芸術の研究の博士論文です。 ●佐野勝也『藤田嗣治の舞台美術と劇場空間』 (2013年) 佐野勝也氏によれば、調査で分ったのは1923年から1951年にかけて9作品の舞台美術を手がけており、渡仏前は、帝国劇場の装飾壁画制作を手伝ったり、背景部のアルバイトもしたりしたようです。*1 ただし「藤田が舞台や劇場技術に関連した言述は非常に少ないことが確認されている」とあり、舞台芸術について何か一家言するのは控えていた様子です。それでも藤田なら、舞台
琳派とは、日本の美術工芸分野における流派の一つです。大胆な意匠化や装飾美で「デザイン的」と形容されることも多い琳派の作品は国内外で広く親しまれており、例えば5千円札の裏面のデザインには琳派を代表する画家・工芸家である尾形光琳(おがたこうりん)の「燕子花(かきつばた)図」が用いられています。 琳派という流派は、師と心に決めた人の足跡に学ぶ「私淑」という他に類を見ない継承方法によって、時代や場所を変えながら受け継がれてきました。2015年は、琳派のルーツの一人である本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)が京都の鷹ヶ峰を拝領し、「芸術村」を開いてから400年になります。豪華絢爛な金屏風のイメージを持たれることの多い琳派ですが、無関係に思える「本」もまた、この流派の継承と発展に不可欠な存在でした。 今回の展示ではこの「本」をひもといて、図書館ならではの視点から琳派という流れの周辺について紹介します。あえて
『美術館を手玉にとった男』は、とんでもなくユニークな贋作者を題材にしたドキュメンタリーだ。事の発端は、2008年にオクラホマシティ美術館のレジストラー(情報管理担当者)、マシュー・レイニンガーが、マーク・ランディスなる人物によって寄贈された作品が贋作だと気づいたことだった。彼は他の美術館に問い合わせるなど調査を始め、驚くべき事実が明らかになっていく。ランディスは30年にわたって多様なスタイルを駆使して贋作を制作し、資産家や神父を装って美術館を訪れ、慈善活動と称してそれらを寄贈していた。騙された美術館は全米20州、46館にも上った。 ともに美術界にバックグラウンドを持つふたりのドキュメンタリー作家が、「ニューヨーク・タイムズ」の記事でランディスのことを知ったとき、事件の背景はまだ解明されておらず、謎に包まれていた。そこで彼らはランディスに接触し、その実像に迫っていく。 『美術館を手玉にとった
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