この表からわかるように、法律上、大麻を所持するという行為は、贈収賄行為・横領行為と同等の違法性評価をされており、他に列挙した犯罪より違法性が強いとされている。栽培ともなれば、現行法上は、横領よりも、贈収賄よりも「悪い」行為とされているのである(さらに、あらゆる重大な犯罪と同様に、大麻取締法違反には、条文にはあらわれない「刑」として、社会的地位・名誉の剥奪が伴うことも、指摘しておく)。 筆者は、大麻の所持や栽培に対する、こうした違法評価が、国民の正義感覚に、合致していない、誤ったものであると考えている。実務でも、5年(7年)以下という高い法定刑に対し、実際には1~2年の懲役、執行猶予付の判決がなされることが一般的になっている。このことは、国民意識や客観的事実と大麻取締法との乖離が、保守的な日本の裁判所も見過ごせない程に進行していることを示している。 3.大麻使用の実質的違法性 上述のように、